№2635 バスマガジンvol.118 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.118」、先月末に発売になりました。
 表紙は広島バスの、富士ボディの三菱ふそう車。この組み合わせ、全国にあとどのくらい残っているだろうか。何しろ「広島22」、2ケタナンバーだ。引き違い窓が広島バスらしい。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.118 広島バス

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 広島のバスは、広島電鉄は2回取り上げられているが(vol.40・98)、広島バスは初。
 現在の路線網は、ほとんど全てが広島市内で完結している。「広島市外の府中町に乗り入れ」と記された箇所があるが、「市外」とは言うが、四方全て広島市に囲まれている。全国で唯一の例だそうで、それでも独立した町のままなのは、当然マツダの工場の立地から来る税収で潤っているからなのだろう(広島バスによる工場敷地内の連絡バスが走るくらいだから)。
 真亀山神社の前を走る30号線は、昨日から広島交通の「深川線(高陽B団地線)」となり、路線は玖村車庫(廃止)から高陽車庫まで延伸されている。広島のバスは、核となるバス事業者がない(市営バスは最初からなかった。一応広島電鉄となるのだろうが)ので、やや分かりづらい所があります。
 乗合車は中古導入もあるが、少なくともここに出てくる車両は皆、関東地方からの移籍だ。
 現行の貸切車のカラーが、一時運行されていた夜行高速バスから始まっている事は、記されていない。

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.50 大阪府 Part1
 大阪市を中心とした府の北部を取り上げているが、このエリアは、前回は創刊間もないVol.6に掲載。ただ前回は京阪バス・近鉄バスがあったが、両者ともに大阪市内の路線がほぼなくなってしまったからか、今回は掲載がない(次号だろう)。
 やはり大きかったのは、大阪市営バスの民営化だろう。しかも地下鉄共々というのが、過去に前例のない出来事だった。前回の時にはオムニノーバ・マルチライダーを使用したコミュニティ的な「赤バス」が多数設定されていたのが特徴だったが、民営化の直前に、きれいさっぱりなくなってしまった。今現在ではオンデマンドのバスがあるが、これについては記載がない。
 阪急観光バスは、旧大阪空港交通が旧阪急観光バスを吸収合併して商号を変えたものだが、今は高速バスが中心なので、「観光」の2文字を引き継ぐのはあまりそぐわない気がした。この機にまた違った社名は、考えられなかっただろうか。

鈴木 文彦が斬る!バスのいま
 今号の「潜入レポート」が広島バスだった事も関連しているのか、広島市のケースが紹介されていた。明確に営業と施設が分離される鉄道と違って、バスの場合は基本的には公道で営業するので、ややピンとこない部分もある。「運賃の均一化」というのも、例えば横浜市の中心部は市営も民営各社も今は一律220円均一で、平成の序盤までは、運賃改定(早い話「値上げ」)は関係事業者が一斉に行っていたので、そんな大事ではないのではないかと思っていた(最近は、川崎市内の運賃改定が事業者でバラバラに行われて、一時的に運賃に差が生じていた)。
 松本市はなるほど、今アルピコ交通のWEBサイトを見ると、4月1日以降の各路線の時刻や運賃はアルピコ交通ではなく、松本市の公共交通のページに記されている(アルピコ→松本市に移動する)。基本的に需要の多い路線はアルピコ交通が自主運行するが、松本市全体を「ぐるっとまつもとバス」の名で運行していく事になるようだ。しかし、現在は少量輸送の路線はアルピコグループ以外の小規模事業者に委ねられているが、将来は幹線区でも、アルピコ以外の事業者の参入の可能性がある、という事だろうか?松本市は長野県第2位の都市で、かつては路面電車も運行されていた所なのに、松本市でこうだと、もっと小規模な都市は更に厳しいのだろう。
(なお、現在は市町村合併で旧安曇村(上高地方面)も松本市だが、この方面への路線は観光に特化して特殊だからか、公設民営の対象にはなっていないようだ)。
 滋賀県の「交通税」は、バスというより、近江鉄道の電車の経営難が伝えられた事が大きかったのではないだろうか。
 いずれの政策も税金が投入される事になるだけに、住民の理解がどれだけ得られるか、という事が課題として挙げられているが、自治体そのものもそうだが、事業者の姿勢・態度もまた問われる事になるのではないか?広島市は、少なくとも現在はバス事業者各社(電車も含めて)の協調体制が確立されているようだが、一部の都市では事業者同士の関係があまり良くなく、新形態導入のネックになるのではないか。岡山市はその典型だと思われるが、来週の市議会選挙では、バス事業の在り方自体が争点になるのだろうか。あとは、一般的な鉄道(JRなど)との関係(ダイヤ形態など)も、課題となるだろう。カネだけではない部分も、多くなると思う。

終点の情景を求めて 50回
 奥山!遠州鉄道のバス路線で、浜松から来る路線の終点になるが、8年前、行きました。№1319で書いています。
「どうする家康」云々とあるけれど、この路線から連想される大河ドラマはやはり、6年前、2017(H29)年の「おんな城主 直虎」じゃないですか?沿線の井伊谷が舞台だったのだから。奥山を訪れた時にはまだドラマ制作の発表の直前で、話を聞いた時には「へえ、あそこが舞台になるんだ」と思ったものです。8年前にも書いたが、旧鉄道の奥山線の名残を留めるものが何も見つからなかったのが、残念に思えました。東海道新幹線開通時にはまだ残っていた路線で、頑張って残っていればいれば通勤・通学の足として見直されただけでなく、大河ドラマの舞台(途中三方ヶ原も通る)へのアクセスとしても注目されただろうに、と今でも思っています(むろん、抜本的な近代化が必要になっただろうが)。

平成初期のバスを振り返る
 京成バス。平成の30年間で地域分社が進んだうえ、残りも京成電鉄から分離する事になるが、本来私鉄のバスは鉄道をフォローする路線網になるのが普通なのに、京成のバスはかなり遠くにまで路線を広げていたのが興味深い。今はちばフラワーバスになっている成東〔営〕は、千葉駅にまで路線を持ち、高速バス事業のスタートの地(フラワーライナー)にもなるが、基本は成東周辺の路線が主で、電鉄の培養の性格は薄かった。今でも松戸〔営〕はJR常磐線沿線が中心で、市川への路線はあるが、今は電鉄から遠く離れた流山市にも路線が展開されている。金町〔営〕は埼玉県にまで入っている。歴史的な経緯もあるだろうが、なかなか面白い。国内4メーカー導入とあるが、日産ディーゼルはほとんどなかった。一般路線用はなくて、貸切や高速のごく一部、それと八千代市のコミュニティバス(今はない)のみではなかったろうか。

 アメリカ・GMのバスは、バスラマ誌の動画では見たが、「ちむどんどん」(=心がドキドキするの意、らしい)本編は全く見ていなかった。たった今、オンデマンドサービスで第1話だけ見てみました。本土からの親子がバス停で降り立つシーンで出てきたが、第1話の時点では外観だけだった。今後はどういう使われ方をするのか。沖縄バス・東洋バスの「730車」共々、沖縄の観光資源に育ったら良いと思います。
 ラストの臨港バスの方向幕、鶴見駅西口行の方向幕が「鶴見駅 富士銀行前」となっていたのは、取引の関係が理由だったらしい。合併でみずほ銀行となった時点で「鶴見駅西口」表記に改められている。

 次号の「全方位レポート」は、大阪府のPart2、ではなく、岐阜県?全体的には、EVバスがたくさん出てきそう。

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 坂本 龍一氏の訃報は、またショックですねえ…。71歳なんて、早すぎ。これで、YMOで残るのは細野 晴臣氏のみになってしまいました。