№2569 西九州新幹線と 福岡の鉄道を訪ねて 3.いよいよ西九州新幹線

2022_1025-001.jpg
 いよいよ西九州新幹線に乗車です。良くも悪くもいろいろ話題になっているけれど、とにかく一度は乗ってみないと、キチンとした評価は下せないでしょう。この一回だけではっきりしたものが見えるとも思えないが、とにかく見て乗る事だと、博多駅に向かう道すがら考えていたのでした(やや大げさ)。

10月25日(火)

2022_1025-01.jpg
 券売機でも長崎間で特急券を変えたと思うが、敢えて窓口の列に並びました。〔かもめ〕は余裕があるが、〔リレーかもめ〕の方が、午前中は席が埋まっているよう。これから乗る〔リレーかもめ9号〕は、指定席もグリーン車も満席だ。元々自由席で行くつもりだったが、早めにホームに向かった方が良さそう。

2022_1025-02.jpg
 購入した自由席特急券。長崎まで乗車券2,860円+特急券が通しで2,660円、合計5,520円。

2022_1025-03.jpg
「かもめにエールを」。〔かもめ〕のイラストは、写真を並べて作られている。

2022_1025-04.jpg
〔リレーかもめ9号〕は4番線から発車するが、先に肥前鹿島行〔かささぎ10号〕が発車する。どちらも門司港が始発。
 ホテルを出た時には青空が広がっていたのに、ホームに上がったら、通り雨だ。少々不安。

2022_1025-05.jpg
 まず〔かささぎ101号〕が到着。787系6連。通勤客がゾロゾロ降りてくる。

2022_1025-06.jpg
〔かささぎ〕の方向幕。この編成は幕式。

2022_1025-07.jpg
 反対側の3番線に、「リレーかもめ」の副称が付いた〔みどり2号〕が到着。783系。こんな表示。

2022_1025-08.jpg
 そして、〔リレーかもめ9号〕到着。787系の、こちらは8連。

2022_1025-09.jpg
 この編成は側面の表示がカラーLEDになっていて、こんな表示になっている。列車の内も外も、行先は「長崎」。
(市販の時刻表もそうなっている)

2022_1025-10.jpg
 最後部のクモハ787-6に乗車。通勤客がどっと降りて、何の事はない、ガラガラ。787系に乗るのも、久しぶりだ。
 南に行くにつれて、外はどんどん晴れてくる。それにしてもこの列車、原田で2127Mを追い抜くまではノロノロ運転。鳥栖までノンストップなのに、27分もかかった(最速で18分)。

2022_1025-11.jpg
 新鳥栖の新幹線駅。ここは単純な相対式で、この構造と位置関係を見ると、西九州新幹線を受け入れるのは、難しくないか?

2022_1025-12.jpg
 新幹線開業と同時に肥前山口から駅名を変えた、江北駅。この列車は通過。何しろ昔から、ブルートレインや〔かもめ〕+〔みどり〕の分割併合駅として肥前山口の名前で慣れ親しんできたものだから、やはり違和感があるのは事実。町の名前だから間違ってはいないが。

2022_1025-13.jpg
 武雄温泉到着の間際、祐徳バスのリエッセを見る。

〔リレーかもめ9号〕に限って指摘すると、まず無駄な車内放送が多すぎる。「リレーかもめ9号 長崎行」という放送が停車駅ごとに繰り返されるが、停車中の車内ではもう必要ないはずで、快適性を損なう事だ。この列車に限らず、どうも近頃の列車は全国的に、JRを中心に車内の放送が多すぎ、耳障りになっているように感じられてならない(それについて、機会があったら書きたい)。
 また、洗面台の石鹸が撤去されている。車掌に聞いても「ない」との事。特急列車の洗面台に石鹸がないのは、問題ではないか?廃止された車内販売やグリーン車のシートサービスとは違って、有料の列車としては基本的な「設備」の一部分、のはずだ。ましてこのコロナ禍、より清潔さが求められる現状ではなおさら。JR九州の名を全国に知らしめた787系だけに、余計おかしいと思った。

2022_1025-14.jpg
 とか思っている間に、武雄温泉到着。なるほど、新幹線の11番線と、在来線の10番線は同じホームで、新幹線側はホームドアで仕切られている。

2022_1025-15.jpg
 そのホームの表示。

2022_1025-16.jpg
 停車中のN700A系のパンタのカバーにも、「かもめ」のシンボルマーク。

2022_1025-17.jpg
〔かもめ9号〕が直接の接続だが、新在の乗り換えの様子を見たかったから、1本見送り。

2022_1025-18.jpg
 本当は外にも出てみたかったが、通しの特急料金では改札口は出られない。新幹線と佐世保線は別。

2022_1025-21.jpg
 なのでガラス窓越しに外を見る。祐徳バスと、JR九州バスの姿が見える。

2022_1025-22.jpg
〔リレーかもめ9号〕の787系編成は、江北方向へ回送で出ていった。

2022_1025-23.jpg
 後続の〔みどり11号・ハウステンボス11号〕。783系はこの改正で、大きな動きがあると思っていたのだが、今のところ廃車が発生した、とかは聞いていない。

2022_1025-24.jpg
 9時45分、長崎から〔かもめ14号〕が着いた。

2022_1025-25.jpg
 この列車からの乗り換えは〔みどり14号〕になるので、乗客はしばらく、列車がいないホームで待たされる事になる。

2022_1025-26.jpg
 その〔みどり14号〕は885系6連。乗車に手間取り、5分遅れで出ていった。

2022_1025-27.jpg
 入れ替わりに出ていった、普通列車の早岐行6933D。キハ47×2連。佐世保線も日中の普通列車は皆、列車番号6000番台のDC化。

2022_1025-28.jpg
 折返し〔かもめ13号〕の表示。他の新幹線と同じスタイル。

2022_1025-29.jpg
 自由席の車内。2-3アブレスト。黄色のシートが印象的。
〔みどり14号〕が遅れたためだろう、この列車に接続する〔リレーかもめ13号〕は3分遅れで到着、従って〔かもめ13号〕も3分の遅れで、武雄温泉を出発した。

2022_1025-38.jpg
 発車すると、案の定長大トンネルの連続。あまり景色は楽しめない。そのトンネルの中での様子。

2022_1025-39.jpg
 デッキ部には、〔かもめ〕用N700A系のイラストがありました。

2022_1025-40.jpg
 新大村が近づくと、大村湾を見る事も出来るのだが。後ろに座っていたおじさん2人組が、歓声を上げていた。

2022_1025-41.jpg
 中間駅では唯一、全列車が停車する諫早。降りるお客さんは多い。中間の3駅は皆、相対式2面2線の構造だった。
 西九州新幹線の駅はどこも、ホームを延長する余地がないように見えた。全線開業しても、6連のままで行くという事だろうか。山陽新幹線への直通は考えていない、という事か?

2022_1025-42.jpg
 長崎に着きました。13号は「各駅停車タイプ」だったが、それでも全区間の所要31分。武雄温泉での遅れを取り戻したから、実際はもっと早く、29分で走りぬいた。だからあっという間だ。すぐに〔かもめ20号〕で折り返すので、ホームには乗車を待つ旅客が多かった。

2022_1025-43.jpg
 長崎駅の新幹線ホーム。14番線にもN700A系がいる。午後に出るようだ。

2022_1025-44.jpg
 コンコースには、開店祝いみたいな花輪も。

2022_1025-45.jpg
 長崎支社がSNSで募集したという、〔かもめ〕にちなんだ写真集。

2022_1025-46.jpg
 現状の長崎駅。まだ駅ビルの工事が続けられていて、バスターミナルは暫定的。長崎バスの「ながさき観光ルートバス ハートストーン号」、長崎バスと県営バスが共同運行の「まちなか周遊バス」が入る。一般の路線バスは県営バスだけのようだ。

 こうして、西九州新幹線の旅?は終わりました。何しろ全長66㎞、現状では最短の新幹線(東海道新幹線の東京~小田原間より10㎞以上短い)、ちょっと座って外を眺めているうちに終点に着いてしまう現状では、新幹線そのものについて、あまり語れないというのが正直な所です。見た感じ、ご祝儀的な利用も多いのだろうが、まずは好評裡にスタートしたという印象は、持ちました。これが続いて行く事が望まれます。
 現状で一番の課題は、武雄温泉における新在の乗り継ぎと感じました。佐世保線は単線の上、一部列車は佐世保発着の〔みどり〕との接続となるため、先の武雄温泉で見られたように、新幹線の定時運行に影響が出やすい。これが九州新幹線の新八代の時と違う(〔リレーつばめ〕は全列車新八代始終着で、運行区間は全線複線)。また一部は先の〔みどり14号〕のように編成が短い上に、佐世保方面の旅客も同乗するので、輸送力確保の点でも懸念がある。未だ博多~武雄温泉間のルートさえ決まっていない以上、武雄温泉乗り換えは間違いなく、新八代の時より長期間(新八代は7年だった)になる。なので、新在乗り継ぎの在り方を今一度見直す必要もある。多少輸送力が過剰になっても、在来線側は〔リレーかもめ〕に一本化すべきだし、新幹線の輸送力に見合う編成長も必要だと思います。本当は、江北~武雄温泉間の複線化も考えられれば、と思うが、さすがにそこまでは無理か。
 やはり、早く博多~武雄温泉間の建設の在り方の議論に決着をつけて、全線の開業にこぎつける事が必要です。そのためには佐賀県など、関係者が納得するような方策が見いだされなければならないが。開通できれば、恐らく最速タイプ(佐賀市内のどこかのみ停車)で、博多~長崎間は1時間を切れるでしょう。そうなってこそ、新幹線の本領が発揮されるはずです。まだスッタモンダはあるはずだが、ともかく一日も早い全線開業を、期待したいと思います。

 昼は長崎市内で過ごし、在来の長崎本線経由で福岡に戻ります。さらに北九州に向かう事になるが、続きは来週になります。ローカル線化しようとする長崎本線の現状は、どうなっているのか。

当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 昨日の京成の脱線事故は大変だったみたい。9時間も止まってしまって、日常の利用はもちろん、空港アクセスにも多大な悪影響が出たと思います。今回は車庫内の回送列車の事故なので運輸安全委員会の調査の対象にはならないと思うが(数年前に小田急の相模大野で起きた一件でもそうだった)、京成にはキチンと調査して、正確な情報の公開をするよう求められます。
 京成と言えば、来週の土曜日、26日にダイヤ改正が行われます。今年2月にやったばかりだから9ヶ月しか経っておらず、少々慌ただしい。全線の時刻表は21日に発売になるが、各駅の時刻表は既にWEBで公開されています。全体像は解りにくいが、一番気になっていた千原線のワンマン運転だが、千葉中央折返しにはならず、千葉線・京成津田沼直通は維持される。千葉線内は車掌が乗務する事になるようだ。
 同時に北総線・都営浅草線・京急線のダイヤ改正も行われ、特に京急の規模が大きい。既に全線の時刻表がWEBで公開され、PDF形式でダウンロードできます。リリースに現れている所以外で目に付いた点としては、

① 朝方上りで金沢文庫まで特急→その先快特(列車番号〇〇B)は、ラッシュのピーク時は設定がなくなる。ピークの前後に設定(モーニングウイング5号の後に設定がある)。
② 従って、女性専用車は「〇〇B」快特3本の他、品川止まりの特急(列車番号〇〇C)3本にも設定される。
③ エアポート急行は、20分間隔に減便される日中は、上大岡で快特待ち合わせ→金沢文庫(下り)・金沢八景(上り)で特急の待ち合わせに変更。逗子・葉山の折返しは、金沢文庫発着の区間運転の普通。
④ 土休日の20時台以降は、本線の快特の運転がなくなる(空港線直通のみ)。
⑤ 普通は、日中は生麦(下り)・京急鶴見(上り)の退避がなくなる。南太田退避は残る。神奈川新町・上大岡で特急またはエアポート急行の待ち合わせ。
 なお、平日夕方の京成編成の京急久里浜乗り入れ(1710K・2011K)は、現行と同じ運行区間・時刻で維持。

《What's New》
17日 「ファスト映画」公開者2名 総額5億円の賠償命令
18日 衆院 選挙区「10増10減」 改正公職選挙法が成立
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)旅行