№2542 バスラマインターナショナル193(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル193」、先月末に発売になりましたが、遅くなってしまいました。

Osaka Metroのオンデマンドバス
 先にオンデマンドバスからは外れるが、Osaka Metro(大阪メトロ)と、大阪シティバスは共に大阪市交通局の民営化によって生まれた事業者だが、改めて、この両社の関係はどうなっているのだろうか?174号で取り上げられたが、確かに大阪シティバスは大阪メトロの100%子会社、だが、営業政策は大阪メトロの意向が相当数反映されているように感じられ、大阪シティバス独自の政策というのが、あまり見えない気がする。
 脱線したが、日本のどのオンデマンドバスもまだ利用した事がないが、この誌面を読んだ限り、この大阪のオンデマンドバスは、①相当時間に余裕がないと、急用の時とかには利用し辛さそう、②スマホが必携で、ないと利用は難しい、と感じました。ベーシックな公共交通で利用できる層を選ぶ事になるのは、本来はあまりいい方向ではようにも感じるが、少人数の利用に効率よく対応するには、そうならざるを得ないという事か。ヨソモノ向きでもなさそうだが、地元の人が解れば良い、と割り切っているのだろう。
 横浜市内で運行が行われたかどうかは解らないが、この記事にもあるが、東急バスが来年、今年実証実験を行った世田谷区内のオンデマンドバスの本格運行を開始するという事なので(今秋にもう一回実証実験を行う予定だが、今日の時点では発表なし)、試しに利用してみようかと考えています。朝夕は引き続き一般の路線バスを運行するという事で、通勤・通学ではまとまった利用があるだろう都心部だと、このやり方が現実的かもしれない。

バス事業者訪問240 東京都交通局

都営バス 早稲田大学.jpg

 都営バスはバスラマ誌でも、それ以外のメディアでも露出度が高く、特に公営バスではリーダー的な役割を担っているのだと思う(最近はそうでもないような部分もあるように感じるが)
 コロナの影響が出た2020(R2)年度は、輸送人員も運賃収入も、前年度比で1/5も減っている。2010(H22)年度以降、平成末期は右肩上がりだったのに。東京オリ・パラは大いに期待されたはずだったが。
 都営バスは、現在は自前の中型車は保有していない。一頃は都心部でも中型車をかなり見かけたものだが、路線そのものの維持が難しいのか(後に廃止・短縮になった系統がいくつかある)、大型車でも、(他系統と共通運用なら)コスト的には大差ないという事だろうか。今の都営バスでは、道路条件的には中型車でないと…という系統は、ないと思う。
 スカニアのフルフラットバスは、事前に大々的に宣伝もされて大いに期待されたと思うのだが(他の民営バスにも展開される事になるだろうかと注視していたのだが)、都営バスというより、そろそろ日本国内におけるバスの、サイズ面での規格の見直しが必要な時期が来ていると思う。FCバスは、「多数導入する事によるコスト低下が期待される」とバスラマ誌では書いていたと思うが、71台にまで達した事によるスケールメリットは、出ているのだろうか。
 都営バスとしての今後の課題としては、都心部でも民営バスの参入が相次いでいて、それら各社とどう協調関係を築くのか、または棲み分けを行う事になるのだろうか。ソフト面では2人乗りベビーカーが利用可能となった事が話題になったが、福祉面で業界の先頭に立ち続ける事が、期待されるのではないだろうか。先日、ベビーカーや車いすの利用に関するトラブルが相次いでいるという報道があった事でもあるし(この点でも、車両の規格の見直しが必要、と思う)。
 昔の写真があるが、溜池交差点で都営バス2台の背後に並ぶビルのうち、左から2番目と4番目は現存している。都会、特に東京ともなれば、半世紀も経てば街並みはガラリ一変してしまう、という印象があるが、案外そうでもない所も、少なくないようです。

2022バステクフォーラム
 主役は完全にEVになった、のだろうか。EVモーターズは伊予鉄バスで運行が始まると記されていたが、テキストには記されていないが、伊予鉄自体がEVモータースに資本参加するとも、伊予鉄のリリースにはありました。となれば、当面大型F8の1台とされているEVモーターズ車も、複数導入が期待されます。
(もう一台、ポンチョEVも導入すると発表されている)
 全但バスの「グリーンルーム」は、夜行バスならまだしも、それほど距離が長くなくて、しかも大都市間ではない路線だと、どの程度の利用があるものだろうか。+1,000円ならお値打ちかも。しかしこの大阪~城崎温泉路線も、6往復中3往復が未だ運休中だ(「グリーンルーム」設定便は1往復運行中)。
「ちむどんどん」のGMニュールックが、こちらでも出てきました。もう少し詳しく背景が書かれていて、当初は国産の左ハンドル車製作が打診されたそうだ。「730」の時にも一部改造車があったらしいが、そもそもモノコック車自体が日本全国でほぼない状態なので、やはり無理だった。QRコードから、スマホでYouTubeの動画を見てみました。爆音は、ファンにはたまらないだろうが、やはり現代の公道では許されないレベルなのは致し方ない(オノエンスターEVとの走行音の比較もあった)。
 次回は、JーBUSの国産大型EVが、試作段階であっても出展されるだろうか。日野自動車の不祥事が影響しなければ良いが。
「バステクの20回を振り返る」というコラムもあったが、今後の課題としては、バス業界の外、一般への情報の発信、という所ではないでしょうか。欧州のバスショーなどもだが、「そんな催し知らないよ」という人が圧倒的に多いはずだから。もちろん業界内部でのイベントではあるが、近年のバス事業の苦境を見ると、ソフト・ハードそれぞれの様々な取り組みが行われている事を、業界外の一般の大衆にも少しは知ってもらう事も、必要だと思います。

 Visaカードのタッチ決済は、テキストには名前がなかったが、横浜市営バスでも実証実験が行われている。私はバスでは使った事がまだないが、先日本屋でこのバスラマ誌の購入で利用しました。いい事づくめのようにも書かれているが、クレジットカードなので保有のためには事前の審査が必要、交通系ICカードのように、窓口や鉄道の駅の券売機などで簡単に手に入るものではない事、また、Visa以外の他ブランドのカードでも利用できるようになるか(これはカード会社側の課題)、このあたりへの対応が、今後の普及のカギになるのではないだろうか。案外地方部で普及するかもしれない。
 京都市営の電気バスは、三菱の「ブル」がベースの車両は有名だが、「みどり号」の存在は、全く知らなかった。今回初見。トロリーバスから一般のEVバスに改造できるものだとは知らなかったが、後部の4枚折戸ドアは見ものであるものの、外観からして、使い勝手は良くなさそうに見えた。今グーグルで検索してみたら、画像がありました。ブログに拠れば、充電には半日もかかったそうだ(それにしても京都市営バスのカラーは年季が入っている)。

 次号のバス事業者訪問はジャムジャムエクスプレスが予告されている。旧ツアーバスだが、特に10年前の関越などの事故を踏まえた安全対策は、どうなっているのか。あとは、17日に開業するバスターミナル東京八重洲あたりも期待。もうすぐ「バスの日」だが、残念ながら今年もイベントは少ない。どの程度掲載があるだろうか。

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