№2498 ひと昔・ふた昔前 私鉄の駅 ひたちなか海浜鉄道

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 前回に続いて、茨城県の私鉄の駅です。今回は、ひたちなか海浜鉄道です。
 以前は茨城交通の鉄道部門でした。茨城交通はかつて、他にもいくつか鉄道路線を運営していたが、昭和の終わりには勝田~阿字ヶ浦間の湊線を残すのみでした。2008(H20)年4月1日、第3セクター方式のひたちなか海浜鉄道に鉄道部門が移行し、現在に至ります。
 今回は今までとは逆に、「ひと昔・ふた昔」というにはまだ最近だが、2018(H30)年9月3日に撮影した、当時の各駅の画像をご覧いただきます。まだ4年も経っていませんけれど。
 なお、ひたちなか転換後、駅名標は、各駅の名物や特徴を描いたイラストデザインに交換されていて、これも同鉄道の特徴になっているが、全駅は撮っていないので、今回は省略させて頂きます。ご了承ください。

ひたちなか海浜鉄道01勝田1 20180903.jpg
ひたちなか海浜鉄道01勝田2 20180903.jpg
勝田 かつた
 JR常磐線との乗換駅。駅舎そのものは近代的な橋上駅舎だが、ひたちなかはJRの1番ホームの片隅から出発する形態です。国鉄及び茨城交通時代は、直通列車の運転もあったそう。ICカードリーダーがあるが、ひたちなかはIC(SuicaもPASMOも「いばっぴ」も)は、一切使えません。JRからの乗り換え用という事。

ひたちなか海浜鉄道02日工前 20180903.jpg
日工前 にっこうまえ
 以前は工場従業員だけの専用駅で、停車も一部の列車だけだったが、茨城交通時代の1998(H10)年に、一般の駅に変更になり、誰でも乗り降りできるようになっています。令和になってからの2019(R元)年10月に、工機前(こうきまえ)と改称しています。

ひたちなか海浜鉄道03金上 20180903.jpg
金上 かねあげ
 ひたちなか転換後に、交換設備が整備されました。これで、勝田~那珂湊間の増発が可能になっています。

ひたちなか海浜鉄道04中根 20180903.jpg
中根 なかね
 ひたちなかでは一番のローカル駅でしょうか。東水戸道路が近くを走るものの、比較的静寂が保たれています。ガチな「秘境駅」ではないが、いい雰囲気です。

ひたちなか海浜鉄道05高田の鉄橋 20180903.jpg
高田の鉄橋 たかだのてっきょう
 2014(H16)年10月1日に開業した、当時としては一番新しい駅でした。

ひたちなか海浜鉄道06那珂湊 20180903.jpg
那珂湊 なかみなと
 ひたちなか一の主要駅で、車両基地もここにあります。「駅猫オサム」が有名になりました。また、茨城交通バスの那珂湊営業所も引き続き置かれています。たまに「ガルパン」のバスが見られる事も。
 ここから阿字ヶ浦までは、比較的駅間の距離が短くなっています。現在のひたちなか海浜鉄道は全線がひたちなか市を走るが、同市は1994(H6)年10月までは、勝田市と那珂湊市という別々の市でした。湊線は、旧那珂湊市域と常磐線を短絡する役割を担うのがメインと言えます。

ひたちなか海浜鉄道07殿山 20180903.jpg
殿山 とのやま

ひたちなか海浜鉄道08平磯 20180903.jpg
平磯 ひらいそ

 美乃浜学園駅は、去年・2021(R3)年3月12日に開業しました。近隣の小・中学校を統合した小中一貫学校の、最寄り駅です。

ひたちなか海浜鉄道09磯崎 20180903.jpg
磯崎 いそざき

ひたちなか海浜鉄道10阿字ヶ浦 20180903.jpg
阿字ヶ浦 あじがうら
 2線あるが、1線しか使っていません。駅付近は何もないが、10分もあれば、海水浴場に出られます。

 さて、№2249で書き洩らした事だが、ひたちなか海浜鉄道は、延伸の計画があります。2021(R3)年1月15日、阿字ヶ浦から3.1㎞の延伸が認可になりました。この区間には2駅が新設になり、終点は国営ひたち海浜公園の最寄り駅となります。様々あって、当初予定の2024(R6)年の開業は遅れる見込みだが、いずれにしろ実現すれば、近年のローカル鉄道では極めて異例の路線新規延伸となるだけに、在来区間の(車両も含めた)変化共々、今後の行方には注目したいと思います。
(「ロック・イン・ジャパン」がひたちなかを去るのは痛いけれど…)

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《今日のニュースから》 
 6日 中学校修学旅行出発式 JR東京駅で3年ぶり実施
 7日 神奈川県横浜・川崎・相模原市長と県知事 「特別自治市」構想で意見交換


 仕事を変えてから、少々更新時間を遅らせ、日付を変えてからの更新としてきたが、2週間新しい職場で過ごしてきた感じとして、今のやり方は、少々無理があるように感じられました。何しろ帰宅が、遅いので。残業があると1時を回るし、かなり疲れる仕事でもありますから。
 なので来週から、更新日・更新時間を変えます。現在の火・木・土(実際は日付が変わってからになるが)の更新を、水・金・日の、22時00分とします(水・金は出勤前に書き上げます)。「今日のニュースから」は、「WHAT's NEW」として、前日までのできごとを記します。
 次は11日水曜日、GW中の航空利用の動向の分析について書いて、アップする予定です。引き続き、当ブログにお立ち寄り頂けると、嬉しいです。

№2497 ひと昔・ふた昔前 私鉄の駅 関東鉄道

関東鉄道350形.jpg
 ひと昔・ふた昔前くらいの私鉄の駅のシリーズ、今回は茨城県から、関東鉄道の駅を取り上げたいと思います。
 関東鉄道は、常総線・竜ヶ崎線の合計が55.6㎞あり、全線非電化の私鉄では最長です(昔は筑波鉄道・鹿島鉄道も関東鉄道だったからもっと長かった)。常総線は首都圏に近い事から戦後は開発も進んで、取手~水海道間では複線化も行われました。現在でも、国鉄・JRから転換された第3セクター鉄道以外で、旅客線の非電化複線区間がある私鉄は、関東鉄道だけです。利用増に伴い、車両も国鉄からの中古も含めて通勤型に転換が進み、一時は最長5両編成も走るようになったが、2005(H17)年のつくばエクスプレス(TX)開業は、常総線の様相を一転させる事になります。
 一方の竜ヶ崎線は、延長4.5㎞のミニ支線で、終始常磐線佐貫駅(現龍ヶ崎市駅)と、龍ヶ崎市中心部を直結する役割を担っています。1971(S46)年には、日本では初の、旅客列車のワンマン運転が始まりました。3駅ともホームが(佐貫→竜ケ崎方向で)右側にあり、このため竜ヶ崎線車両は、今に至るまですべて、竜ケ崎側の運転台が右側にあるという特徴があります。
 今回は、TX開業はもう少し先の話、たぶん一番に賑わいになっていた頃の、各駅の画像を並べてみました。1996(H8)年頃の撮影です。
(鹿島鉄道の駅については、№94で書きました)

常総線 取手~下館

関東鉄道01-01取手 1996.jpg
取手 とりで
 JR常磐線との接続駅。関鉄の駅施設は、駅ビルの中にあります。
戦後の取手~水海道間は、複線化と前後するように、新駅も多数造られました。中間9駅(ゆめみ野は除く)のうち、5駅は戦後の開業です。

関東鉄道01-02西取手 1996.jpg
西取手 にしとりで
 1979(S54)年12月1日の開業です。

関東鉄道01-03寺原 1996.jpg
寺原 てらはら
 以前は関鉄バスの車庫がありました。

関東鉄道01-04新取手 1996.jpg
新取手 しんとりで
 1968(S43)年4月1日の開業です。

 ゆめみ野駅は、まだありませんでした。開業は2011(H23)年3月12日です。

関東鉄道01-05稲戸井 1996.jpg
稲戸井 いなとい

関東鉄道01-06戸頭 1996.jpg
戸頭 とがしら
 1975(S50)年3月26日の開業です。

関東鉄道01-07南守谷 1996.jpg
南守谷 みなみもりや
 1960(S35)年11月15日の開業です。

関東鉄道01-08守谷 1996.jpg
守谷 もりや
 TXが開通するまでの守谷駅は、木造駅舎で田舎そのものでした。あまりにも変わりすぎ。

関東鉄道01-09新守谷 1996.jpg
新守谷 しんもりや
 逆に、新守谷は1982(S57)年3月27日、ニュータウン開発で出来た駅で、撮影時点では一番新しい駅でした。大手私鉄にも負けないような、近代的な橋上駅舎です。2面3線で、TX開業までは朝ラッシュ時、取手からの折返し列車の設定もありました。現在は、折返し列車が使用していた3番線は使われず、駅も無人化されています。 

関東鉄道01-10小絹 1996.jpg
小絹 こきぬ

 ここと水海道の間に、南水海道信号所があり、水海道車両基地が設けられています。30年前の1992(H4)年に、水海道駅構内から移転してきました。

関東鉄道01-11水海道 1996.jpg
水海道 みつかいどう
 2面3線。かつての基地の跡地は、現在はホテルなどに転用されています。
 取手方向からの列車は大半がここで終点。単線になり、さらにローカル色が濃くなっていきます。

関東鉄道01-12北水海道 1996.jpg
北水海道 きたみつかいどう

関東鉄道01-13中妻 1996.jpg
中妻 なかつま
 行き違いが可能。駅舎は次の三妻とほぼ同じ形。揃って比較的最近立て替えられたようだが、住宅然としているようにも見えて、洗濯ものを干しているのが見えます。駅員が住み込みだった、のか?(今は共に無人駅)

関東鉄道01-14三妻 1996.jpg
三妻 みつま
 行き違いが可能。

関東鉄道01-15南石下 1996.jpg
南石下 みなみいしげ

関東鉄道01-16石下 1996.jpg
石下 いしげ
 行き違いが可能。

関東鉄道01-17玉村 1996.jpg
玉村 たまむら

関東鉄道01-18宗道 1996.jpg
宗道 そうどう
 行き違いが可能。今は駅舎が建て直されています。

関東鉄道01-19下妻 1996.jpg
下妻 しもつま
 水海道以北の中間駅では、石下と並ぶ主要駅です。関鉄バス(現関鉄パープルバス)の車庫があり、つくばセンター経由で土浦駅へ行く路線があります。

関東鉄道01-20大宝 1996.jpg
大宝 だいほう
 撮影時点では、行き違いはできませんでした。後の交換設備設置と同時に、ほぼ待合室の駅舎が建てられています。

関東鉄道01-21騰波ノ江 1996.jpg
騰波ノ江 とばのえ
 行き違いが可能。この木造駅舎も、老朽化が著しいという理由で立て替えられる事になり、今は「とばのえステーションギャラリー」として活用されているそう。

関東鉄道01-22黒子 1996.jpg
黒子 くろご
 行き違いが可能。

関東鉄道01-23大田郷 1996.jpg
大田郷 おおたごう
 行き違いが可能。旧常総筑波鉄道鬼怒川線分岐駅だったが、遠い昔に廃線になっています。

関東鉄道01-24下館 1996.jpg
下館 しもだて
 JR水戸線・真岡鐵道との接続駅だが、関鉄も独自の駅舎があります。

竜ケ崎線 佐貫~竜ケ崎

関東鉄道02-01佐貫.jpg
佐貫 さぬき
 JR常磐線接続駅。JRは2020(R2)年3月改正で「龍ヶ崎市」と改称するが、関鉄はそのまま。

関東鉄道02-02入地.jpg
入地 いれじ

関東鉄道02-03竜ヶ崎.jpg
竜ヶ崎 りゅうがさき
 市の名前は「龍ヶ崎市」、先のJRの新駅名も「龍ヶ崎市」なのに、関鉄は線名・駅名とも「竜ケ崎」です。コミュニティバスを中心とした関鉄バスの発着が割とあって、わずかだが取手にも行きます。

 常総線は、TX開業によって、守谷~下館間の快速の開始もあったりはしたが、全体的には輸送量は減少傾向になり、今はよほどの混雑するイベント等がないと、2両を超える列車の運行はないようです。常総線は撮影後の1997(H9)年に水海道~下館間で始まったワンマン運転が、TX開業時より、全線に拡大されています。加えてコロナ禍による利用減少もあり、取手~水海道間でも単行運転が行われるようになって、便数も減少しました。竜ケ崎線や、未だに直営で残るバス部門(分社もあるが)共々大変な状況にはあると思うが、PASMOの導入や(ちなみに関鉄の鉄道は今のところ、全国相互利用までは行っていない。PASMO以外で使えるのはSuicaのみ)、JRやTX、真岡鐵道等との連携で、利用を呼び込もうという姿勢も見えます。茨城の私鉄の雄として、今後とも健闘を期待したいと思います。

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 BIGLOBEの「ウエブリブログ」が、来年2023(R5)年1月一杯でサービスを終了します。このため当ブログは今月以降どこかの時点、少なくとも半年以内には、「Seesaaブログ」に移転する予定です。その時期になったら、改めてお知らせします。


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 GWの真っただ中ではあるが、京王が2日に今年度の設備投資計画を発表しています。
 車両は5000系1編成を追加導入。この車両は、日本では初めて、リクライニング機構を備えたクロス⇔ロング転換機構を備えた編成になる(既にリリース済み)。8000系10連1編成のインバータ制御装置を更新。去年10月31日の事件を受けて、車内防犯カメラの全車両への導入を、2023(R5)年度末を目標に、また全駅の上屋へのホーム上防犯カメラを、2023(R5)年度までに進める。駅構内情報提供ディスプレイを多機能化。笹塚~仙川間の連続立体化は、今年度は新たに千歳烏山駅付近で工事に着手する。ホームドアは笹塚などで整備し、今後全駅への導入を検討する。投資総額288億円。
 なお、現状として2期連続の経常損失を計上し、今後も利用は以前の水準には戻らないという判断の下、設備投資の継続のため、運賃改定(早い話、値上げのはず)の検討を行うとしている。参考資料があり、運賃水準は関東大手8社の中でも最も低廉な水準を1995(H7)年から続けてきているが、一方でコロナ禍による輸送人員の落ち込みも、関東大手8社では最大だとしています。1年で約1/3が失われたというのは、相当きつい。サービス改善やコスト削減などの対策も行っているので、運賃改定にどうぞご理解を、という含みがあるのは、間違いない。「今後の取り組み」の中には、座席指定列車の終日運行の検討が盛り込まれています。一部指定席列車の運行が構想に入っているようだが、実現するなら、どのような姿になるのか。京急の「ウイングシート」みたいなものか?
 なお別リリースで、都村 智史氏が新社長に就任、現社長の紅村 康氏が会長になり、現会長の永田 正氏が相談役に退く、代表取締役の異動も発表されています(6月予定の株主総会後の取締役会で正式に決定)。

《今日のニュースから》 
 4日 米ブリンケン国務長官 新型コロナウィルス検査陽性反応 
 5日 英中央銀行 政策金利1.0%に引き上げ 13年ぶりの高水準

№2496 バスラマインターナショナル191(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル191」、先月末に刊行になりました。

2022 春のオムニバス
 コロナ禍にあっても例年通り、春には様々話題があるが、最近の傾向としては、中国製EVを、比較的若い「新規参入組」だけではなくて、老舗の大手事業者も導入するようになってきたという所ではないだろうか。京阪バスに続いて近鉄バスのBYD J6がそうだし、188号で出てきた阪急バスのBYD K8も、4月から一般路線でも運用されています。那覇バスのEVM-J採用という話も合わせると、日野のポンチョEZは、大丈夫だろうか?とか思ってしまう。
 三岐鉄道のハイブリッド連節バス導入は意外だった。三岐鉄道はバス部門もあるが(中小でも、バスを直営で運営する鉄道会社は少なくなってきた)、三重県というと三重交通のイメージが強いし、連節バスを必要とするような路線があるとは、正直知らなかった。公式Webの時刻表上では、どの便が連節バスとは記されていない。三洋堂前と四日市北警察署前に停車しない「特」(特急?)の便だろうか。土休日は運行されないようだ。三岐では「BRT」と呼称しているようだが、今後一般の路線にも展開されるのだろうか?
「バスターミナル東京八重洲」は、完成すれば、鍛冶橋発着便の他、京成バス(JRバスが入らない路線)系や東北急行バスなどが入る事になるのだろう。運営が京王電鉄バスなら、京王のバスも入るのか。高速だけでなく、今現在は渋谷~新宿~新橋間を走る「SORA」も入るのかも。

バス事業者訪問236 東洋バス 千葉シーサイドバス

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 東洋バスは、以前は割と貸切バスが大規模だった気がするが、乗合バスとしてはやや地味な印象がありました。老舗ではあるが、鉄道会社などの大資本も入っていないし。なので、今回は興味深く読んだし、実は昨日、実際に乗っても見ました。
 輸送実績は、2020(R2)年度はやはりコロナ禍の影響をモロに受けて、東洋は約138万人(一日平均約3,800人)、シーサイドは約40万人(一日平均1,000人)も減ってしまった。工業団地は比較的安定しているというが、企業送迎バスを運行しているのは東洋バスだけではないので、パイの食い合いにならなければ、良いのだが。
(東葉高速鉄道開業前からのデータがあれば良かった)
 東洋バスは、PASMOの前の磁気式「バス共通カード」は、導入していなかった。PASMO導入は、利用者・ドライバー・運営の3者にとって、相当なプラスに働いた、とみていいのだろう。

東洋バス路線図 米本団地.jpg
 昨日実際に乗ってみた路線の一つ、米本団地路線の終点のバス停の近辺には、昔の路線図が残っていました(扉の米本団地バス停の写真の一番右に写っている)。東葉高速鉄道が開通する前で、1990年代前半位のものだろうか(新しいものを貼り重ねてあるといっても、相当古いものをそのまま晒しておくのは、いかがなものか)。新山の他、大和田にも営業所がありました(現シーサイドの本社営業所はない)。大和田の他、志津や小室にも乗り入れがあった事が解ります。
 京成の八千代台と勝田台は共に戦後の開業だが、昔の駅との「逆転現象」が見られるのは、他の地域でもある事だと思う。今の京成大和田は、一小駅でしかない(折返し列車は多少あるが)。東葉高速の開業が打撃になったというのも、運賃が高額なのが難点とはいえ、既存のバス事業者のエリアに、都心とダイレクトに直結する高速通勤鉄道が開通したら、バス事業者にとっては痛いというのも、また同じなのだろう。

東洋バス阿宗橋.jpg
 阿宗橋の終点は9年前に行って、本体にも掲げているのだが、昨日、もう一度行ってみました。1日1本になってしまった新ダイヤにおける初便という事にもなったが(このあとまた今日・明日・明後日が運休)、案の定終点まで往復したのは、私一人のみでした(大型車だったのは少々驚きだった。途中の経路もやや狭い所があるのに)。昔の路線図にはないもえぎ野車庫付近は、何か新しい施設が建ちそうなので見込みはあるかも知れないが、もえぎ野車庫~阿宗橋間は、正直もう先がないように思えてならなかった。以前東洋バスが走っていた岩戸付近は、印西市のコミュニティバスが入っていたらしいが、現在はバスの空白域になっているようです。
 今後はもえぎ野を除くと、沿線の伸びしろはあまり期待できなさそうだし、米本団地は建物が老朽化しているように見え、団地路線ながら日中の乗客は高齢者が大半だったように見えたので、コロナ過が落ち着いても、利用の維持は難しい事になるかも知れない。ここでは一切触れられていなかったが、京成・東葉高速と組んだ「京成バラ園」(八千代緑が丘から東洋バス)へのアクセスで利用できる「京成ローズきっぷ 春」を発売していて、地味ではあるが、シーサイドのエリアと合わせて、行楽の需要の取り込みも、考えられるかもしれない。
 車両面では、主力となる中型車、特にシーサイドはどうするのだろう?三菱ふそうが生産を止めて久しく、東洋の本体にエルガミオがいるが、セレガ貸切車導入も合わせて、今後はJBUS系に舵を切る事もあるのだろうか。シーサイドは、乗合車は全て21世紀になってからの導入、PA規制以降なのであと10年は使えるだろうが、ノンステップ車がないのが難点になるだろう。なお、「八千代市ふれあいプラザ」輸送のガーラミオがあったが、今はもうないのか。グループの全体としては車両が古めで、2015(H27)年以降7年間、乗合の新車がない。
 アーカイヴスは、「大和田駅」と書かれた東洋バスを、確かに遠い昔には見た記憶がある。一番下の、中ドア4枚折戸のエアロスターKが東洋バスらしい、と思う。観光バス的な「メトロ窓」も、当時の路線バスとしては異色だったのではないか(道北バスに移ったそうで、次号のバス事業者訪問の1社は道北バスらしいが、東洋バスOBは残っているだろうか)。八千代市には一時コミュニティバス的な「八千代市循環バス」があり、東洋バス唯一だった日産ディーゼル車が使用されていたが、ここにはなかった。

バス事業者訪問237 群馬バス

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 もう一社は、群馬県の群馬バス。
 元々は東急グループに属していたが、現在の群馬バスは、完全な別会社。とはいえ今のバスのカラーは、乗合も、一般的な貸切・高速も、過去の東急バス色の影響が出ているように感じられる(貸切・高速は「ゴールデンデラックス」)。
 路線網(と言い切れるかどうかは微妙だが)は、現在は日赤病院方面を除くと、JRの上越線・両毛線より北西側が中心、と言える。安中とか榛名とかが切れてしまっているのが残念。
 当然ここもコロナ禍の影響が出ていて、観光路線+ローカル路線が多いから、より深刻だろう。ただでさえ、北関東はマイカーが高度に普及しているのだから。自治体に支えてもらえたのはありがたかった、という事のよう。
 そんな最中に高速バスをスタートさせて、横浜にも来ているとは、お恥ずかしながら、全く知りませんでした。東京バスと組んでいるそう。群馬バスからはやや離れるが、「2022 春のオムニバス」のウィラーエクスプレスもそうだが、近年は新規参入組が、在来の事業者と組む、あるいは在来の事業者が運行していた路線に参入するケースが多いように思えます。東京バスは他に羽田空港発着路線を、京急バスや国際興業と共同で運行しているし。群馬バスも、今後高速バスを展開させたいなら、自社単独では難しいだろうから(日本中央バスの存在もある)、こういうケースが増えてくるのではないだろうか。
 一昨年(コロナ禍がやや落ち着いてGO TO トラベルキャンペーンをやっていた時期)伊香保温泉に行った事があって、行きは渋川から関越交通だったが、帰りは箕郷経由高崎行で群馬バスに乗りました。高速バスも経由する水沢で、伊香保温泉からの乗客が大挙して降りて行ったのはびっくりしたが、ここには記されていなかったのがもったいないが、うどんが有名らしい。一つだけ挙げると、群馬バスに限らないが、伊香保温泉のバス乗り場の拠点が、石段街口を除くとてんでバラバラ、という印象がありました。同じ場所でも会社によってバス停名が違っていたりする。JRバス関東などの高速も含めた事業者間で話し合って、もっと分かり易くはできないだろうか?
 その他の一般路線の話を、もう少し聞きたかった。イオンモール高崎の存在は大きいようだ。大型ショッピングセンターはマイカーによる来店に頼る傾向がどこでもあるけれど、もう少しバスを中心とした公共交通へのシフトを促す方向を、示して欲しい。バスターミナルの整備とか(「SDGs」とかのエネルギー政策におけるアピールにもなるはずだ)。
 ICカードは、ここでもプラスに働いたという。nolbeはSuicaの機能が入っているので、全国相互利用対象のICカードで乗れるのも、観光路線では意味があるのではないだろうか。
 貸切は東京にも営業所があって、相模原市緑区にも配車ができるのか。橋本駅があって、リニア新幹線の駅もできるから、うんと先の話になるはずだが、名古屋方面からリニアで着いた団体を、橋本から直接、圏央道~関越道経由で群馬にお連れする事も出来る、という事になる。「オリンピック輸送は干天の慈雨」の一言は、やはり考えさせられた。緊急事態宣言の最中だったから開催反対運動が活発だったし、もちろん医療従事者は大事だから解る話ではある。が、オリンピック輸送が完全に失われれば、経営が完全に行き詰る事業者が出てくる可能性があったわけで、やはり表舞台に現れるトップ級の発言だけでは、測れない部分は多い(この点、私も理解不足の点があり、反省している所です)。
 車両面では、新体制になってからは、大型の新車は導入されていない。観光路線では輸送力は確保できるものだろうか。

低公害車の系譜をたどる
 現代のハイブリッドバスの決定版となった、日野ブルーリボンシティハイブリッド。
「次世代ハイブリッドバス」の屋根上を見ると、現行のブルーリボンハイブリッド(あるいはエルガハイブリッド)につながるものが見えると思った。次回はこの現行のJBUS系のハイブリッド車をやると思うが、EVバスとか、SORAのような燃料電池バスとの比較では、どうなのだろうか。海外、特に欧州ではハイブリッドのバスというのはほぼないようだけれど(彼の地ではハイブリッドシステムそのものへの評価が低いようだ)。

 次号のバス事業者訪問、もう一社は京浜急行バス。空港バスが多いからコロナ禍の打撃も大きいはずだし、〔ノクターン〕を始めとした夜行バスからの完全撤退や、営業所の廃止(堀内・京浜島)と、縮小傾向にある、ようにも見えるが、オープントップバスやSORAの運行などの話題もあります。近年の動きはどうなっているのだろうか。

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《今日のニュースから》 
 1日 安全保障関連の技術・情報流出防止 経済産業省 規制強化 
 2日 政府・ENEOSHD等出資「JXミャンマー石油開発」 ガス採掘事業から撤退
 3日 韓国 検察の捜査権大幅縮小関連法 与党強行採決で可決・成立