JR3月改正ダイヤを盛り込んだ、「JTB時刻表2022年3月号」、先月25日に発売になりました。
表紙は東海道新幹線。
巻頭グラビアは、ダイヤ改正のリリースを、もう少しビジュアル的に見せた形になって、書かれている事自体は、リリースと違いはない。表紙で大きく「3月12日(土)JRグループダイヤ改正」と見出しは華々しいものの、全体的に縮小傾向なので、寂しい印象はどうしても否めない。今改正でデビューの純粋な新形式は、JR東海の通勤型315系のみ(他にJR東日本のE131系が宇都宮地区にも導入される)。
JR北海道・学園都市線(札沼線)ロイズタウン駅は、工場や工場直売店があるという事で、なんとなく、昔北海道ちほく高原鉄道に合った、岡女堂駅を思い出した。
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「NEWS」の4文字は、そのJR東海・315系。左の「改正号のご案内~」は、先月運用を終了した、京急線京急川崎駅の「パタパタ」を意識しているのでしょうかねえ?(あれって、京急ミュージアムで保存してもらえないのかな?)
改めて、ダイヤ改正のあらましが記されています。なお、JR東日本では同時に料金の改定も実施。
「ひと目でわかる!JR線 電化区間と複線区間」は、最新の事項は、先日工事を行った、奈良線・新田~城陽間の複線化。次はいよいよ西九州新幹線開業、となるが、同時に長崎本線では、肥前浜~諫早間の電気運転が取りやめになる予定。電化を取りやめるのは、過去には名鉄の一部支線やくりはら田園鉄道があったが、JRグループでは初?
改正ダイヤに合わせた臨時列車も発表になっているが、常磐線関連でユニークな運行形態の列車がいくつかあります。
まず4月2・3日には、八王子~いわき間で〔いわき〕を運行。
下り(4月2日)
9027M 八王子10:04 → 13:36いわき
上り(4月3日)
9028M いわき14:24 → 17:55八王子
停車駅:立川・新秋津・北朝霞・南浦和・吉川美南・水戸・勝田・日立・泉・湯元
E653系 全車指定(グリーン車あり)
4月9日には、水戸~岩沼~福島間で〔宮城・福島 花めぐり号〕を運行。
下り
9091M~9022M 水戸7:54 → 12:30福島
上り
9023M~9094M 福島15:54 → 20:47水戸
途中停車駅:勝田・日立・高萩・泉・いわき・原ノ町・岩沼・船岡・大河原・白石
E653系 全車指定(グリーン車あり)
5月7日には、高萩~水戸~宇都宮~日光間で〔常磐日光号〕を運行。水戸線を特急が走るのは初めて、ですよね?
下り
9074M~9045M~9047M 高萩7:13 → 10:49日光
上り
9056M~9058M~9075M 日光18:07 → 21:12高萩
途中停車駅:日立・常陸多賀・大甕・東海・勝田・水戸・友部・下館・宇都宮(小山は営業の停車はない)
E653系 全車指定(グリーン車あり)
この他、4月23日~5月8日の、GW期間中に〔あしかが大藤まつり〕を運行。大船~上野~あしかがフラワーパーク~桐生間、上野~あしかがフラワーパーク~桐生間を各1往復。E257系。全車指定。
私鉄時刻表は、青森県の津軽鉄道・弘南鉄道、それと今月も伊豆箱根鉄道駿豆線。駿豆線は、今年もダイヤ改正は行わないみたい。
会社線は、京王・東武の3月12日改正ダイヤ、京急の2月26日改正済みダイヤの、各ライナー列車。京王は全て、明大前にも停車(下りは乗車、上りは降車のみ)。また、富士急行・箱根登山鉄道・ひたちなか海浜鉄道は、3月11日までの時刻を掲載。
本文
今回のダイヤ改正では、平日の朝ラッシュ時にも手が付けられた路線が多いが、地元戸塚を走る上野東京ラインを見ます。
東海道本線上りは、減少する2本は、途中駅始発で着席サービスを提供していた、二宮7時04分始発(現行1836E)と、藤沢8時11分始発(現行1842E)。
平日の東京朝8時台到着は、2本減少で15本。藤沢→東京間の平均所要時間は53.67分。現状の17本は55.52分だから、2分近い短縮。現状で一番かかる列車は1540Eの59分(藤沢7:23 → 8:22東京)だが、新ダイヤでは57分(藤沢7:23 → 8:20東京)。
宇都宮線(東北本線)・高崎線の、平日の上野朝8時台到着は、改正前16本(高崎10+宇都宮6)→改正後16本(高崎9+宇都宮7)で、両線合計では変わりなし。平均所要時間は、高崎線・桶川→上野間は47.30分→47.33分、宇都宮線・久喜→上野間は53.83分→53.42分と、共に横ばい。
横浜線は、平日朝方で減便になるのは、下りの東神奈川8時30分発(現行819K)と、上りの橋本7時44分始発(現行742K)。現行の下り643Kは橋本行→八王子行(新625K)、745Kは町田→橋本行(新733K)、上り844Kは町田→八王子発に延長(新724K)。625K・724Kの八王子延長は、取りやめとなる相模線からの直通の代替措置だと思われるが、相模線代替はこの1往復だけ。
相模線は、八王子直通取りやめ以外、線内の増減・延長・短縮はない。
JR東海・東海道本線の名古屋発上りで、豊橋行の最終となる区間快速2706F(土休日5702F)は、新ダイヤでは快速(2544F・土休日5528F)に変更。岡崎から先の普通列車への接続はやはりなくて、岡崎~豊橋間で蒲郡以外の通過駅に行くには、名古屋は23時16分発快速2542F(土休日5526F・現行の快速より12分繰り下げ)に乗車し、岡崎で普通に乗り換える必要がある。現行の23時57分からは、29分の繰り上げ。
今改正では、特にJR西日本で普通列車の削減が多い。紀勢本線は和歌山~湯浅折返しが、朝の2往復(1往復は土休日運休)を除いて箕島折返しに短縮になるため、箕島~湯浅間は大幅な減便になる。御坊折返しも1往復短縮。下りの箕島発12時28分~13時52分、上りの湯浅発13時29分~14時52分の間は、現状では普通列車が2本あるのに、一気に空白の時間帯になります。
山陽本線も、既にコロナ禍前から減便が続いているが、今改正では特に、岡山付近は快速〔サンライナー〕が全廃になり、日中の普通列車は、区間によっては1時間程度列車がなくなる時間帯があります。岡山→福山間について後日、過去の時刻とも照らし合わせて、新ダイヤを検証します。
「JR四国で24時を過ぎて運行される列車は、〔南風27号〕〔マリンライナー73・75号〕の3本のみになると思われる」と№2437で書いてしまったが、実際には普通列車2本が、24時を過ぎて走る。予讃線163M(高松23:32 → 0:14多度津)と、667D(松山22:46 → 0:13八幡浜)。163Mは、現行の高松発23時13分発を19分繰り下げ、取りやめとなる〔マリンライナー72号〕を統合する形になる。従って多度津までは、最終はむしろ繰り下げになる。
JR北海道・学園都市線(札沼線)のロイズタウン新駅は、通過するのは朝夕の下り4本、上り5本。上りは、初列車(札幌から快速〔エアポート60号〕)から2本連続で通過なので、停車の初列車は6時33分(524M)と、少々遅い。
JRの全特急列車(〔サンライズ〕除く)で終着駅に最も遅い時刻に到着していた〔しおかぜ29号・いしづち29号〕(松山0時56分着)は、伊予西条終着に短縮。新ダイヤの特急で、一番遅い終着駅到着は何だと探してみたら、〔きらめき14号〕の、門司港0時53分着になりました。新ダイヤで、24時を過ぎて終点に到着するJRの特急は、
北海道 カムイ47号(旭川0時30分着)
東日本 ときわ85号(勝田0時29分着)
かいじ59号(甲府0時37分着)
西日本 しらさぎ65号(金沢0時40分着)
やくも29号(出雲市0時21分着)※新ダイヤから特定日のみ運行
四国 南風27号(高知0時06分着)
九州 きらめき12号(門司港0時27分着)
きらめき14号(門司港0時53分着)
みどり31号(佐世保0時18分着)
かもめ103号(佐賀0時15分着)
ソニック59号(大分0時35分着)
の、合計11本。〔湘南17号〕取りやめ、〔しおかぜ29号・いしづち29号〕短縮で、2本減です。
特集ページになかった春の臨時列車では、ごめん・なはり線で〔志国土佐 時代の夜明けの物語〕が運行されます。4月1日~6月24日の金曜日(5月6日を除く)。
下り
8062D「煌海(きらめき)の抄」 高知12:00 → 14:35奈半利
途中停車駅:安芸(32分停車)
上り
8063D「雄飛(ゆうひ)の抄」 奈半利15:18 → 17:57高知
途中停車駅なし
高知駅を発着する場合のみ、特急券・グリーン券を発売。特急料金・グリーン料金の合計は大人3,100円・小児2,620円。食事料金は「煌海(きらめき)の抄」「雄飛(ゆうひ)の抄」それぞれ5,000円。
野岩鉄道は、普通列車が大幅に削減され、線内折返し5往復のみ(1往復は鬼怒川温泉発着)。男鹿高原に停車するのはこの普通列車のみ。〔AIZUマウントエクスプレス〕も午後の1往復はなくなり、午前中の1往復のみ。東武日光直通は取りやめ。〔リバティけごん〕(野岩鉄道線内は特急料金免除)4往復(野岩線内は男鹿高原以外各駅停車)があるものの、全部で10往復まで削減。日中の線内での上下行き違いは、中三依温泉と上三依塩原温泉口で各2回、合計4回のみとなり、普通列車同士の行き違いは見られなくなる。普通列車は1運用で足りてしまうので、東武6050系(野岩・会津籍含む)は、この機にほとんどが退役という事になりそう。
私鉄特急は、小田急ロマンスカーの3月12日改正ダイヤは、特に平日の〔はこね〕がかなり削減され、日中に箱根湯本乗り入れが1時間以上ない時間帯も発生。〔えのしま〕は、平日朝の下りは取りやめになり、新宿16時20分発にシフト(原則GSE)。土休日は逆に増発になり、日中1~2時間毎に運行。上り2本を除いて、新宿~相模大野間は〔はこね〕と併結。新宿17時台以降は平日・土休日共〔ホームウェイ〕になり、海老名全列車停車で、小田原線系統の停車駅は町田・海老名・本厚木・秦野・小田原に統一。
会社線は、富士急行(P802)は3月12日改正ダイヤを掲載。〔フジサン特急〕は土休日のみ、2往復で運行を再開。なお、4月1日より鉄道部門が分社し、「富士山麓電気鉄道」が運営するが、今月号ではその辺は記されていない。
また、ひたちなか海浜鉄道(P788)も3月12日改正ダイヤを掲載しているが、常磐線の改正に伴う修正のみで、運行本数の増減など、運行形態の変更はない。
営業案内
JR西日本のICOCAエリアは、山陽本線の西側が南岩国から徳山まで延長。
岩徳線はエリア外なので乗れるのか?と一瞬思ったが、岩国~櫛ヶ浜間は元々、山陽本線経由でも岩徳線経由で営業キロを計算するルールになっています。だから明文化されてはいないが、途中駅での利用はできないけれど、全区間通しならたぶんOKだと思います(曖昧でスミマセン)。来年には下関まで延びる予定。
「のりもの情報局」、今月は裏見返しになりました。1つだけ。「静岡10線観光推進協議会」の「乗ってみよう!巡ってみよう!公共交通機関で行く しずおか乗る旅スタンプラリー」。
「10線(10社)」とは、鉄道のJR東海・伊豆急行・伊豆箱根鉄道・岳南電車・静岡鉄道・大井川鐵道・天竜浜名湖鉄道・遠州鉄道に、東海バスと、ふじさん駿河湾フェリー。指定ポイントのスタンプを重ね押して「10線印」を完成させ、それを写真に撮り、応募ページ(QRコードから読み取る)から写真を送ると、抽選で賞品が当たるというもの。しかし静岡県は東西に広く、伊豆高原駅と第一通り駅(遠州鉄道)は相当離れている上、大井川鐵道の井川駅という超難関があるので(せめて千頭駅ならと思う方も少なくないと察するが)、「10線印」は相当きつそう(だからか、「東エリア」「西エリア」のコンプもある)。本当は伊東線のJR東日本も加えるべきと思うが、ここにないのはやはり関東の鉄道だからか。3月31日まで。なお、スタンプを押す前に手指の消毒をするよう、お願いがあります。静岡県も「まん延防止等重点措置」の対象の県で、21日までの延長がほぼ決まっています。十分心して楽しみたい。
特別付録はリバーシブルなポスターで、表面は「JR全線2022 特急列車運転系統図」。
しつこく書いてしまうが、とにかく今春ダイヤ改正は「目玉商品」が去年以上にない改正なので、やはり秋(ここにはないが、9月23日と決まった)開業の西九州新幹線が、今年最大の「目玉」となろう。今春ダイヤ改正は微調整程度に留まったJR九州は、ここで一気に変わるはず。昨今の情勢を見ても、西九州エリア以外でも大きく変わりそうだ(個人的には〔にちりんシーガイア〕はもう終わりになりそうな気がする。現状では昼行特急の最長だが)。783系の去就も注目されます。
裏面は「令和を走る蒸気機関車」。現状はJR西日本〔やまぐち〕を筆頭に、JR北海道・JR東日本・JR九州・真岡鐵道・秩父鉄道・東武・大井川鉄道の8社で16両。東武はあと1両加わるはずが、少々遅れているようです。
やはりローカル線が多いからか、小型機が多い。7両はタンク型。現状で一番の大型は、JR東日本のC61 20。また、14両は動輪が片側3軸のC形で、4軸のD形はD51型2両のみ(本来は貨物用)。〔SL銀河〕は2022(R4)年度での運行終了が発表になっていて、今後どうなりますかねえ。
あと、地球温暖化問題で石炭が悪玉視されているが、SLの動態保存には影響が出ないものでしょうか?機関車の主力がSLだった昭和20~30年台あたりならまだしも、この程度の両数、運行回数だったら目くじら立てないでくれよ、と思うが、日本よりはるかにSLの動態保存運転が多い、しかし一方ではるかに環境に対する認識が厳しい欧州では、どう見られているものでしょうか。
右上に「2022年10月14日は鉄道開業150周年」とあるが、一昨年・去年の10月14日はコロナ禍で、日比谷を始めとした「鉄道の日」関連の大型イベントが、ことごとく中止になってしまいました。今年は、あと半年以上先の話で、そこまでには感染状況も良くなっているだろうし、良くなっていてもらいたい(というか、良くなっていてもらわないと困る)。恐らくはパンデミックより前と同じ規模は難しいかと思うが、是非オンラインなんかじゃなく、オープンな形で150周年を祝うイベントが行われる事を、強く希望します。
今回のJR改正は何度も書くように、東も西も、都会も地方も関係なく減量色が極めて濃いものになっていて、移動のニーズそのものがなかったら成り立たない交通では、現状ではやむなし、なのだろうが、地方ローカル線だけでなく、前述のように幹線区でも、普通列車の削減が多くなってきています。やはり1時間に1本は運行の確保が期待されるところで、最低、今改正のラインは、何とか守り抜いて欲しい。それはもちろんJR(以外も含めた鉄道事業者)だけではどうしようもない部分も多々あって、地域でも国政レベルでも、今一度考え直すべき部分も多いと思う。ガソリン価格がかなり上がっているようなので、ここでもう一度公共交通の復権、を叫びたいのですけれどねえ。
新ダイヤは全部は見切れなかったので、今後の各号でも、変わった部分に気が付いたら、その都度記したいと思います。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
1日 コロナ水際対策緩和 外国人新規入国一部再開
2日 航空機代替燃料SAF国産化 ANA・JAL・日揮など連携発表
3日 日産自動車 ケリー元代表取締役 懲役6か月・執行猶予3年の有罪判決