「バスマガジンvol.110」、取り上げるのが少々遅くなってしまいました(しかも本当は昨日アップするはずが、一日遅れ)。
表紙は京成のブルーリボンハイブリッド連節バス。№2318で書いたとおり、何一つ予備知識がないまま海浜幕張駅に降り立ったら、いきなり乗務員の訓練で現れたので、ビックリしたものでした。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.110 京成バス
京成バスは、2007(H19)年3月刊行のVol.23で取り上げられていて、今回2回目。この14年間で、特に船橋から千葉市北部にかけてが様変わりして、船橋〔営〕がなくなり、新都心〔営〕・新習志野高速〔営〕が開設されています。海浜幕張を中心とした京葉線沿線の開発が進んだ事、船橋市内の路線が京成バスシステムにほぼ全面的に移管された事があるでしょう。奥戸〔営〕は高速専門になっていたところ、コミュニティバスを受託して、一般路線車が再配置されている。また本社が電鉄と同じく、押上から市川市に移転になっています。
「8つのグループ会社」は、全て元京成電鉄のバス部門で、だから範囲が極めて広い。京成の電車とはあまり関係がなさそうな成東にまで、「京成」の路線が広がっていた事になる。今でも松戸〔営〕は、京成電鉄からは遠い、JR常磐線より北側(東武の江戸川台駅)まで路線が延びているし、埼玉県の八潮市や三郷市にも乗り入れがある。この辺、歴史をもっと研究すれば面白そう。
何度か書いているが、分社や、あるいはこの後出てくる京成グループの関連事業者のすみわけ・役割分担がはっきりしていて、各社の独立色が極めて高いというのが、京成バスのグループの特色だと思う。京成バスから子会社・分社への委託が一切なく、一時の他事業者で多く見られたような、「車体には京成バスと書かれているが、ドライバーは分社の社員」みたいな事は、京成バスでは一切ない。
成田空港の現状は、写真を見るだけでも寒々とする。特に成田は国際線への依存度が極めて高いので、しばらくはこのような状況が続いてしまうのだろう。一方で早速、東京駅~柏・流山路線の写真もあるが、TX開通前は東京駅~江戸川台駅路線が運行されていたものだが(JR関東・東武2社の運行)、この路線はどのような利用状況になっているのだろうか。
車両面では、「シャトル☆セブン」用のBRCハイブリッドの置き換えがずいぶん早かったように思うのだが、どうしてだろう。また、代替車両は普通のディーゼルバスになったが、ハイブリッドの選択肢はなかったのか?高速バスは、アストロメガの導入が未だに1台のみで、本当はもっと高需要の、東京~鹿島神宮路線あたりは効果が高いと思うのだが、どうだろう?(今は減便までやっているので、追加導入する状況でもないだろうが)
ところで、「ファイターズタウン鎌ヶ谷」の写真、古くありません?陽 岱鋼は2017(H29)年に巨人に移籍している(先日自由契約になった)。マリーンズラッピングの車両の画像が数点あったが、京成バスは千葉ロッテ・北海道日本ハム、どちらを応援すれば良いのやら?
バス作りの新勢力から
オノエンスターのEV9.0。個人的にはEVというより、「9mクラスのノンステップ車」という所に注目します。日本では20世紀の終わりくらいまで、各社でディーゼルエンジンの9mクラスが作られていたが、ノンステップ化はされなかった。電力供給事情さえクリアできれば、導入に手を挙げる事業者は、いるのではないだろうか。第一号はどこになる?
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.42 千葉県 Part 2
Part2は、基本的には千葉市から延びる、JR総武本線・成田線沿線より南側、となろうか?(山万は少し違うが)。
テキストにある通り、資本の大小、直接・間接の違いはあっても、京成の息がかかった事業者がほとんど、というのが特色だろうか。孫会社というのもあるし、京成グループのタクシー会社のバスもある。
このエリアで前回(Vol.108・109)と比較すると、日東交通が再び一社体制になり、都自動車が廃業(路線はこの後HMC東京に引き継がれるが短期間で終わり、現在は小湊鐵道が運行)、代わって山万となの花交通が参入している、という事だろうか。なの花交通は佐倉市のコミュニティバスも1コース運行している。
特に内房地域は、アクアラインと、館山自動車道の開通は極めて大きかったと言える。JRにとっては〔さざなみ〕が実質ライナー化するなど痛手だったが、バス事業者にとっては、プラス面が大きかっただろうと思われる。あとは、この効果が一般の路線バスにまで波及されるか、というのが課題ではないでしょうか。
ここでは取り上げられていなかったが、北総鉄道沿線の鎌ヶ谷観光バスが、「生活バスちばにう」の愛称で、千葉ニュータウン~新鎌ヶ谷駅間の直行バスを運行しています。北総鉄道の運賃問題と絡んで一般でも大きく取り上げられてきた事もあるのだが(だから出して欲しかったのだが)、北総鉄道は来年10月、運賃の値下げを行うと発表しています。どう影響するか。
この他、銚子に関東鉄道、布佐に大利根交通、佐原に桜東バス(晃進物流)のバスが入って来るが、いずれもなかった。皆、茨城県の資本だからか(大利根は本数も極めて少ないし)。
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第36回
再び、コロナ禍にあえぐバス業界。新型コロナウィルスに限らず、ウィルスの感染(特に空気感染)が、市井の人々の、ごく普通の日常の暮らしとダイレクトに連動して起こるものである以上、バスに限らず、交通はどうしても弱い。これが、自然災害や戦争などと、根本的に異なる部分だ。
長電バスの例が記されているが、一般の路線バスで2018年度比の67.6%とは、1/3の減少になる。一部バス路線が間引きになった事は、この前実際にバス停の時刻表を見て、当ブログでも書いたが、この数字を見たら、そうなるだろうなあと思ってしまう。他社・他地域でもそうだが、客足が戻る事がもうない(という分析)なら、単なる間引きでなく、この機にいっそ、(業界全体で)全面的な路線・ダイヤの再編成という所まで行くべきだろうと、最近は考えるようになりました。無論、利用者の不便が必要以上に増大してもいけないので、運賃などの制度面の改革もセットで行われる必要があるが。運賃というと、「PASMOの『バス特』が大半の事業者で中止となったが(今日現在では関東鉄道(分社含む)と関越交通が継続)、利用者の苦情はほとんどない」というのは、多少意外とも思った。紙の回数券や、磁気券のバスカードの代替で導入されたはずなので、運賃値上げと捉えられるのではないかと、心配がありました。今年に入って、実際に運賃の値上げが各地で見られるようになったので、こちらの方が問題になるかも知れない(特定の区間、というのが大半)。
このテキストは当然、「オミクロン株」出現を反映していない。最後には、「感染対策を徹底した上で、人を動かし、経済を回す方向に進むべきだ」と締められており、私もそうだと思うが、「オミクロン株」の存在が、何としても心配の種。昨日の時点で日本の感染者数は全体で115人、去年の今頃とか、今年の夏場を思い返すと信じがたい数字だが、他国の状況を見ると、逆に不気味。群馬県ではクラスターが発生したと聞いているし(オミクロン株ではなさそうだが)、バス業界・交通業界には辛い日々が続くが、もう少し辛抱しなければ、ならないのでしょうか。事業者だけでなく、行政・国家の支援が必要だと思う(財政面の支援だけでなく、環境やエネルギー問題の観点からも、公共交通への転移を促す政策が必要。これもまた、今は難しいのだろうが)。
終点の情景を求めて
丹後海陸交通の亀山。といっても丹海バスが受託する、伊根町コミュニティバスになるが、ただし土休日・お盆・年末年始は運休(今年の最終運行は12月29日)。この亀島日出線は、そんなに距離はなさそうで、元気な人なら歩いてもそんなにかからんだろうと思うが、やはり高齢者などの弱者を対象としているのだろう。亀山は亀島という地域にあるが、なぜ亀山を名乗るのだろうか。やや混乱する。海の向こうには青島があり、神社はあるようだが、無人島でアクセスはなさそうだ。それにしても伊根の集落は、今の日本ではなかなか見られないよなあ、という感じで魅力的です。天橋立から足を延ばす観光客が、日本の原風景を求めて訪れるのだろうか。
「よんさんとお」の頃には、伊根や経ヶ崎へのバス路線は開通していなかったようです。伊根亀島へは宮津から船便が日に3往復、1時間30分かかったらしい。
平成初期のバスを振り返る
那覇交通(現那覇バス)。「730」のいすゞモノコックがあり、私も乗った事はあったが、今は現存しない。沖縄バス・東洋バスが「730」車を動態保存して人気になっているから、内心「しまった…」と思っているのではないかと思うのだが、どうだろう?経営再建の過程の混乱は、私も私鉄在職時代に見聞きしていて(労働組合の幹部だった同僚からも聞かされていた)、一時ドライバー不足(辞めてしまった人が多くなったから)で減便、とか言う事もあったそう。コロナ禍が落ち着いたらまた、沖縄も行ってみたいなあとは思うが、いつになるやら。
次号、全方位レポートは鳥取県、ですか。鳥取県というと、基本的には日ノ丸自動車と日本交通が分け合っていて、一時は大変な対立関係にあったとも聞くが(雪解けに向かうきっかけになったのが、前号まで短期連載されていた夜行高速バス〔キャメル〕だった)、ちょうど私は先月鳥取県に行って、両社のバスにも乗ってきたところです。どんな状況になっているのか。今号では掲載がなかった「移籍バスの行方の追跡」は、次号は神奈中バスが増ページだそう。
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《今日のニュースから》
5日 プロ野球選手会 年棒事前交渉巡りロッテに抗議文
6日 キリンHD ミャンマー合弁事業 第三者機関に仲裁申し立て