平成の鉄道回顧・長野県、今回はデータ編です。前回も少し書いたが、長野電鉄の衰退が残念です。廃線もそうだし、残存区間も、便数が平成の30年間で相当減ってしまったので。平成になった頃は、日中でも長野発は毎時特急1本・普通4本のパターンダイヤになっていました。県庁所在地を起点とする、ある程度都市鉄道的な機能も保持していたはずの路線まで衰えていくというのは、如何に地方の鉄道が厳しい状況にさらされているかという事でしょう。コロナ禍の影響も不安材料だが、何とか踏ん張って欲しい。7月にしなの鉄道のスカ色を撮りに行った時は、残念ながら長電までは手が回らなかったので、次回訪問時には必ず行きたいと考えています。
◆平成時代の新規開業路線・区間 〔カッコ内は新線開業に伴う新駅(県内のみ)〕
1997(H9)年10月1日
東日本旅客鉄道 長野新幹線 高崎(群馬県)~長野
〔佐久平〕
2015(H27)年3月14日
東日本旅客鉄道 北陸新幹線 長野~上越妙高(新潟県)
◆平成時代の新規開業駅 〔新線開業に伴わない単独開業駅〕
1997(H9)年10月1日
東日本旅客鉄道 小海線 佐久平
1999(H11)年4月1日
しなの鉄道 テクノさかき
2001(H13)年3月22日
しなの鉄道 屋代高校前
2002(H14)年3月29日
しなの鉄道 信濃国分寺
2007(H19)年3月18日
東日本旅客鉄道 篠ノ井線 平田
2010(H22)年3月14日
しなの鉄道 千曲
◆平成時代の改称路線・区間
2012(H24)年9月18日
長野電鉄 長野線 須坂~信州中野
(←河東線)
信州中野~湯田中
(←山之内線)
長野電鉄 屋代線 屋代~須坂
(←河東線)
※長野~須坂~信州中野~湯田中間を長野線、屋代~須坂間を屋代線に再編成
2015(H27)年10月1日
東日本旅客鉄道 北陸新幹線 高崎(群馬県)~長野
(←長野新幹線)
◆平成時代の廃止路線・区間 〔カッコ内は廃線に伴う廃駅(県内のみ)〕 日付は営業最終日
1997(H9)年9月30日
東日本旅客鉄道 信越本線 横川(群馬県)~軽井沢
2002(H18)年3月31日
長野電鉄 河東線 信州中野~木島
〔中野北/四ヶ郷/赤岩/柳沢/田上/信濃安田/木島〕
2012(H24)年3月31日
長野電鉄 屋代線 屋代~須坂
〔屋代/東屋代/雨宮/岩野/象山口/松代/金井山/大室/信濃川田/若穂/綿内/井上〕
2018(H30)年11月30日
関西電力〈無軌条〉 扇沢~黒部ダム(富山県)
〔扇沢〕
◆平成時代の廃止駅 〔廃線に伴わない単独廃止駅〕 日付は営業最終日
2019(H31)年3月15日
東日本旅客鉄道 大糸線 ヤナバスキー場前〔臨〕
◆平成時代の営業譲渡路線・区間
1997(H9)年10月1日
しなの鉄道 軽井沢~篠ノ井
(←東日本旅客鉄道 信越本線)
2015(H27)年3月24日
しなの鉄道 北しなの線 長野~妙高高原(新潟県)
(←東日本旅客鉄道 信越本線)
◆平成時代の事業者名称変更
2005(H17)年10月1日
上田電鉄 ←上田交通 ※鉄道部門分社
2011(H23)年4月1日
アルピコ交通 ←松本電気鉄道
長野県の歴代知事
吉村 午良→(2000(H12)10月26日~)田中 康夫→(2006(H18)年9月1日~)村井 仁→(2010(H22)9月1日)→阿部 守一
令和以降の長野県の鉄道
2019(R元)年10月の台風19号は、長野県内に深刻な被害を与えた。鉄道も例外ではなく、特に北陸新幹線・長野新幹線車両センターは千曲川の氾濫によって敷地が浸水、留置中のE7系・W7系120両が被災・全車廃車となる前代未聞の損害を被り、北陸新幹線の運行に支障が出る事になった。東京~金沢間直通全列車の運行再開は11月、暫定ダイヤの終了は、翌2020(R2)年3月のダイヤ改正時となった。代替車両が鋭意製造された他、上越新幹線に投入されていた編成も暫定的に北陸新幹線に転用されたが、このため上越新幹線E4系「MAX」の引退時期にも、影響が及んでいる。
上田電鉄別所線も台風の被害を受け、千曲川橋梁が被災。上田~城下間が1年半の長期に渡って不通となった。運行再開は今年2021(R3)年3月28日。大部分を再利用して修復した事により、上田市のランドマークの「赤い鉄橋」が、被災前と同じ姿で復活した。上田電鉄は今年6月、前身の上田温泉電軌による開業から100周年を迎えたが、期せずして華を添える事となった。
しなの鉄道は、115系置き換え用として、新型車両SR1系を導入した。JR東日本E129系をベースとしているが、2020(R2)年には、座席をクロス/ロング転換式とした100番台が先行してデビュー。7月1日より、平日の〔しなのサンライズ〕〔しなのサンセット〕、土休日の〔軽井沢リゾート〕を中心に運用を開始した。これらの列車では、SR1系置き換えと同時に全車指定席となり、指定席料金を必要とする有料の列車となった。今年3月には一般仕様の200番台もデビューし、115系の置き換えが進められている。
長野電鉄では、元東京メトロ03系改造の3000系が、2020(R2)年5月より営業運転を開始した。元営団地下鉄3000系の3500系・3600系を置き換えていくが、昭和~平成にかけて日比谷線で展開された新旧交代劇が、令和の長野電鉄でも見られる事になる。
なお、今月の豪雨により、今日現在、JR東日本の中央東線・辰野~小野~塩尻間、JR東海の中央西線・南木曽~上松間及び奈良井~塩尻間、飯田線の大海(愛知県)~平岡間及び伊那新町~辰野間、アルピコ交通の松本~新村間が不通となっている。中央本線は9月3日までに全線の運行を再開、現在は全面運休中の〔しなの〕も運行再開の予定。
次回からは東海地方に移り、まずは静岡県です。
ところで、7月に長野に行った時の記録(№2377・№2378)では書かなかった事だけれど、1997(H9)年に新幹線が長野まで先行開業した時、信越本線の軽井沢~篠ノ井間はしなの鉄道に転換されたが、篠ノ井~長野はJR東日本の運営のまま残されました。一方、2015(H27)年の新幹線金沢延伸時には、長野~妙高高原間は全区間しなの鉄道北しなの線として転換され、JR飯山線の列車は、長野~豊野間は北しなの線に直通する形態となりました。
しかしこの結果、篠ノ井~長野~豊野間は、そんな長距離でもないのに2つの鉄道会社に分割される事になり、通しで利用する場合(例えば上田~長野~妙高高原、松本~長野~飯山)は、途中区間は別会社の運賃を別払いしなければならなくなります。後者の例では、「青春18きっぷ」利用でも、長野~豊野間は別に運賃を支払わなければなりません。やはり不合理ではないでしょうか?特に(今はいないけれど)外国人の目から見たら、どう映るでしょう?(しなの鉄道は、「JAPAN RAIL PASS」でも乗れないし)整備新幹線開業に伴う並行在来線の転換は、その政策そのものを問題視する声も今でも少なからずあるが、ここではそれは置きます。が、長野のケースの場合、少なくとも篠ノ井~長野間はしなの鉄道、長野~豊野間はJR東日本も第2種鉄道事業者として旅客営業に携わらせ、会社による営業区間の分断から来る旅客の不利益を解消する必要があると思います。長野でのJR~しなの間の乗り換えが、決して少なくないようなので。
(この場合、篠ノ井~長野間はしなの鉄道車両の使用料として、長野~豊野間は線路使用料として、いずれもJR東日本がしなの鉄道にコストを支払うスキームとする。JR東日本の不利益をしなの鉄道が肩代わりしてくれているのだから、そのくらいの見返りはあっても良いと思うがどうか)
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《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
25日 藤井 聡太二冠 「王位」初防衛
(デルタ航空 ワクチン未接種社員 医療保険料月額200$(≒22,000円)上乗せ表明)
26日 甲子園高校野球 史上初 ベスト4関西勢独占
(ベンチャー企業「ユーグレナ」 国内初 オンライン株主総会開催)
甲子園は、一方で関東勢は40年ぶりに準々決勝に進めませんでした。今回は雨、雨、雨で順延の繰り返しになった上、コロナ禍による制限もあって(2校が辞退したほどなので)、他地域の学校にとっては、難しい部分が多々あったのではないでしょうか。