№2371 JTB時刻表2021年8月号(JTBパブリッシング)

 本当なら先月7月号共々、オリンピック特集で賑わっていたかもしれない「JTB時刻表8月号」、先週発売になりました。
 表紙はグラビア企画と連動して、留萌本線の峠下駅。

「のりもの情報局」は、「NHKエンタープライズ『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』DVD発売」「敦賀市 北陸新幹線敦賀駅ご当地メロディー募集」「三岐鉄道『三岐鉄道開業90周年記念乗車券』『北勢線電化全線開通90周年記念乗車券』発売」「名古屋鉄道『7000系パノラマカー60th記念乗車券&記念入場券』発売中」「国際両備フェリー 新造船『第十一こくさい丸』7月21日就航」。
 プレゼントは、今月はナシ。

留萌本線 ノスタルジー
 留萌本線は、この文中では一切触れられていないが、JR北海道が5年前に「JR北海道単独では維持する事が困難な線区」の一つに挙げられている路線。2015(H27)年度の輸送密度が183人/キロ/日(ちなみに函館本線・小樽~札幌間は44,981人/キロ/日)、一列車当たりの平均乗車人員が11人、営業係数(100円の収入を得るのにいくら必要かという数字で、3~40年前の旧国鉄特定地方交通線存廃の議論で盛んに使われていた。今でも京都市営バスのバス停の時刻表に記されている)が1,342と、極めて悪い数字が示されていました。
 私は30年以上前の国鉄時代末期に、当時存続していた羽幌線と共に乗車しているのだが、正直記憶がほぼありません。今と違って写真をほとんど残していない、のもあるのだが、それ以上に体調を崩してしまって、特に羽幌線の車内でウンウンうなって寝っ転がってしまっていたので(翌日稚内市内の病院に行って、点滴まで受けたほどだった)。今でも、数ある後悔の一つになっています。
 やはり、石炭輸送あっての留萌本線だったのか、と感じます。1964(S39)年、前回の東京オリンピックの年の時刻表を見ると、札幌から直通の急行・準急もあるし、恵比島から留萠鉄道直通の車両を連結した列車も見られる。が、34年前の分割・民営化の時の時刻表では既に普通列車のみになっていて、下り8本・上り9本と、現状と大差ない本数になっていました(ちなみにこの時点では、石狩沼田と滝川を結ぶJRバスが7往復あった)。元々旅客輸送は希少、23年の間の石炭産業の衰退で、凋落が決定的になってしまった、という事でしょう。

 したがって、「乗りつぶし」は難しい。単純に往復するだけならまだしも、途中の駅を乗って降りてする、というのはなおさら。加えて民営化の時点で仮乗降場から格上げになった駅は普通列車でもほとんど止まらない「秘境駅」で、特に北秩父別は、下りは夕方の2本、上りは朝方3本と夕方1本の停車のみ。深川方面から訪問するなら、夕方の4929D(旭川始発)で着いて(16時21分着)、折り返し4928D(17時02分発)で戻るのが、現実的な訪問プランになるだろう(ただし、冬場になるともう暗いはず)。
 私の場合、特に本数が少ないローカル線の場合、次の駅まで歩いてしまう、という事も良くやります。他のローカル私鉄の駅を撮る時の手法なのだけれど、隣の駅まで4㎞くらいまでなら、歩いて1時間程度なので、次の列車を待つより遥かに早くなる事が多いです。留萌本線は駅間の最短でも秩父別~北秩父別間2.4㎞、最長では恵比島~峠下間で7.6㎞もあるので、全部の駅を見たい、撮りたいなら、歩く事になる道路の事情も合わせて、よくよく考えなければならないが(私は北海道ちほく高原鉄道で、小利別→川上間6.3㎞を歩いた事があります)。留萌本線の場合は、石狩沼田~峠下間を除いて並行バス路線もあるので、これも合わせて検討するといいと思います。

 この路線バスは旭川から直通の快速便で、沿岸バスと道北バスの相互直通で8往復(うち3往復は快速)あります。また、JR北海道が「見直し」の理由のひとつとして挙げている、並行した高規格道路(深川留萌自動車道)も、去年の3月に開通しています。これにコロナ禍によるJR北海道自体の経営危機も合わせて考えると、留萌本線は残念ながら、廃止はもう避けられないと思う。自治体との協議次第だが、遅くとも2~3年のうちには、廃止の申請が出されるのではないかと見ています。
 なので、廃止の申請が出されるより前に、早ければ来年の前半にも、もう一度、今度こそキチンと、留萌本線を乗り通しておきたい。既に廃止になっている、留萌~増毛間も含めて。コロナ禍の動向も見る必要があるが、とにかく行くと、宣言しておきます。途中駅の乗り降りは、しないと思うけれど。申請が出されたら、その時点から「お別れ乗車」がわんさか押し寄せてきそうなので。

 なお、恵比島で分岐していた留萠鉄道についても簡単に記されていたが、この鉄道の現役車両は、ひたちなか海浜鉄道を最後に、もうない。でも、なぜ「留萠鉄道」だったのか?全線が恵比島峠の東側で空知支庁(現空知総合振興局)の管内にあり、留萌支庁(現留萌振興局)には入っていない。駅名にも留萠と冠した所はなかった。留萌本線と接続するからだろうか?57年前の時点では旅客列車が6往復あったが、現在は乗合タクシーすらなく、旧沿線の公共交通は完全に失われているようです。そもそも、旧路線の一部はダム湖の底、らしい。

特集のページ
「NEWS」のイラストは、小田急の新通勤車、5000形。

 東武の「SL大樹」は、31日から毎日運行。最低、1・2・5・6号の2往復が運行される。最大4往復で、この場合4号と5号が途中で行違う(新高徳と思われる)。また、鬼怒川温泉でのSLの並びが2回見られる。
〔仙台七夕まつり号〕〔福島わらじまつり号〕が、8月号でも掲載があります。両方とも今の所、まつり自体は規模を縮小しながらも開催の方向(「七夕まつり」は、他地域からの来場はご遠慮くださいとしている)。

本文
 東海道・山陽新幹線は、9月までの臨時列車が掲載になりました。九州・東北・北海道・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線は、〔とれいゆつばさ〕を除いて、臨時列車の掲載がない。北海道新幹線は、8月12~16日間は一部列車で所要時間の短縮が行われる。接続する〔はこだてライナー〕も、時刻を変更。

 8月7~9日・14日・15日に予定されていた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」の開催中止のため、同日の〔ときわ35・39・41・43・46・48号〕は取りやめ。ただし情報がまだ伝わっていなかったようで、今月号にはそのまま時刻が掲載されています。

 会社線では、江ノ電が7月17日にダイヤ改正。と言っても変わったのは23時台以降のみ。藤沢23時18分発鎌倉行は稲村ヶ崎止まりとなり、23時49分発江ノ島行は9分繰り上げ(〔湘南17号〕からの乗り換えはできなくなった)。鎌倉23時55分発稲村ヶ崎行は取りやめ。24時を過ぎて運行される列車がなくなりました。
 伊賀鉄道・養老鉄道は、近鉄に合わせて7月3日にダイヤ改正。伊賀鉄道は伊賀上野~上野市間で1往復増発。その他伊賀・養老とも、他線との接続を改善。
 また同日、名古屋ガイドウェイバスも改正を行ったが、藤塚(地平一般道の区間)の交通広場乗り入れのみで、他に大きな変更点はなし。

 7月号の時点では再編成前の旧社名のままだった、北陸鉄道グループの加賀・白山地域のバスが、新社名になりました。
  鶴来駅~白山体験村・小松駅~辰口・小松駅~いしかわ動物園 加賀白山バス→北鉄白山バス
  小松駅前~ハニベ前・小松駅間~那谷寺 小松バス→北鉄加賀バス
  加賀温泉駅~山中温泉・加賀温泉~片山津温泉・大聖寺駅~山代東口・兼六園下~菊の湯前 加賀温泉バス→北鉄加賀バス

 裏表紙はまた、JRの繁忙期・閑散期のカレンダーになりました。8月いっぱいまではずっと繁忙期。

 次号は秋の臨時列車の発表があるはずだが、あまり楽しい秋には、今年もなりそうにない…。今の状況を見れば、「鉄道の日」のイベントも、ほとんどが取りやめになるでしょう。それと、JR西日本が予告している秋の減量改正が、そろそろ発表になると思われます(秋の臨時列車と同時か?)。特急は3月改正で減量を行っているので、次号の時点では、時刻表上の変化はないと思われるが。とにかく、ため息…。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
25日 杉田官房副長官 在任3134日 歴代最長
(オリンピック警備 兵庫県警警察官 2名の感染判明)
26日 レバノン ミカティ元首相 新首相候補に指名 
(「ワクチンパスポート」 申請受付開始)
27日 三菱自動車工業 小型EV 来年度早期販売の方針発表
(大阪府 ウィルス感染者714人 5月以来の700人超)

 東京都は2,848人と過去最多、神奈川県も1月以来の700人超。また何か、突然感染者が爆発的に増えた印象、ではあるのだが、1回目の緊急事態宣言が発出された時、東京都の感染者は1日100人前後、それで世の中全体がかなり緊迫した去年の春先を思い返すと、あれ、現況はどう考えればいいのかなという感があります。先日、横須賀の観音崎に行く機会があったが、海水浴場はかなりの人でした。一昨年、それより前と比べて多いのか少ないのかは解らないが、ひょっとしたら私自身も含めた世の中全体で、感染状況に対する判断が、どこかマヒしてしまっている所があるのかも知れません。オリ・パラの是非云々以前の事だと思う。何度でも繰り返すが、我が身と自由な日常を護れるのは、自分自身のみ。
(でも、人を長期間狭い空間に閉じ込めておくのは、少なくとも「自主的に」は、もうムリ。弊害は明らか)

 4年前の№1714で、新京成電鉄の各駅の昔の画像を並べてご覧頂きました。この時、高根木戸駅は「なぜか画像がない」とか書いて、近年撮影した画像を公開していました。先日、大森 重宏様よりメールでご指摘がありまして、習志野駅として公開していた画像こそ、昔の高根木戸駅のものと判明しました。既に訂正をしてあるが、このため現在、習志野駅の画像がない状態になっています。まったくもって、お恥ずかしい限りです。本当に申し訳ありませんでした。何をやっていたのだか。新京成線に関してはミスが多すぎるので、コロナ禍がある程度落ち着いたら、改めて、全ての新京成線の駅の撮影をやり直します。もちろん、北初富・新鎌ヶ谷・鎌ヶ谷の各駅は高架線に移行しているし、薬園台も移転して新駅舎になったりしているなど、昔からは姿を変えた駅も多いので、単純に昔の画像の代わりにはならなくなる事は、お断りしておきます(新旧比較にはなるだろうが)。ともかく、しばらくお待ちください。大森様、本当にありがとうございました。