東京・大阪・京都・兵庫の一都3県に出されている緊急事態宣言は今月一杯まで延長になり、同時に愛知・福岡の両県も宣言が発出される事になりました。また、まん延防止等重点措置の範囲も拡大される事になります。ここまで来てしまうと、正直なところ、ため息しか出なくなりました。当然いろいろな人が、いろいろな立場から、いろいろな発言をしているけれど、あくまで私個人が見聞きしている現状も合わせての印象だが、政治家、行政、そして一般の市民、どうもそれぞれの言い分や行動が、対立しているというよりは、どこか深刻な「ズレ」が生じてているような気がします。どこがどうズレているのか、指摘するのは難しいのだが、誰もかれもが、コロナ禍そのものも、コロナ禍から派生する各種事項(特にオリ・パラ)においても、難しい局面を迎えたように思えます。
さて、今年のGWもまた、良い環境にはならなくなったが、その期間中の航空の利用の状況が6日、各航空会社からリリースされました。今回は4月29日~5月5日の7日間が対象で、去年より1日少なくなりました。
今回は、「分析」とまでは言えないけれど、気が付いた部分を簡単にコメントしてみたいと思います。
会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一。注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。
なお、カッコ内は前年比、だが、対前年比だけで見てしまうと、パーセンテージのほとんどが3ケタ・4ケタの伸びになっていて、恐ろしく劇的に改善されたような錯覚に陥るはずです。だからなのか、ANAとJALグループのみ前々年度、つまり2019(H31~R元)年の10連休との比較のパーセンテージも記しています。ここでは前々年度の数値を、アンダーラインを引いて並べて記す事にします。2年前を思い出せば、まさに「天国から地獄」。
全日空
国内線 座席数 875,218席(432.6%・67.6%) 旅客数 414,381人(1115.5%・36.6%) 利用率 47.3%(+29.0%・△40.1%)
国際線 座席数 49,792席(210.0%・19.3%) 旅客数9,059人(156.2%・4.3%) 利用率 18.2%(△6.3%・△64.1%)
国内線は全方面がほぼ50%弱。下りは5月1日(67.1%)、上りは5日(70.7%)が、一応のピーク。羽田~札幌(新千歳)・那覇・宮古・石垣間に臨時便を37便運航。
国際線は、去年は運航がなかったホノルル路線が、854席を提供し、利用が286人だって…(利用率33.5%)。日本発4月29日(21.5%)と5月2日(20.4%)、日本着5月2日(21.1%)のみ、利用率が20パーセントを上回りました。
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日本航空
国内線 座席数 568,240席(236.6%・26.7%) 旅客数 281,714人(798.4%・35.8%) 利用率 49.6%(+34.9%・△42.4%)
国際線 座席数 57,929席(474.0%・26.7%) 旅客数 11,143人(581.6%・5.8%) 利用率 19.2%(+4.5%・△68.7%)
内際とも、減便の対応を行ったという事。具体的な「ピーク」はいつ、という事は示していない。国内線は、下りは4月29日(65.5%)・上りは5月5日(72.9%)、国際線は、日本発は5月1日(26.9%)・日本着は5月1日(26.0%)が最高になりました。
(国内線は去年の冬スケジュールから、JAC運航便はJAL便として運航されている)
日本トランスオーシャン航空
座席数 68,475席(253.0%・82.9%) 旅客数 28,971人(553.2%・39.4%) 利用率 42.3%(+22.9%・△46.6%)
琉球エアコミューター
座席数 12,550席(154.0%・88.1%) 旅客数 7,870人(791.8%・63.5%) 利用率 62.7%(+50.5%・△24.2%)
沖縄の2社は、座席数に限れば、一昨年のレベルに近づいていました。
なお、JALは同日、中期経営計画のリリースを別途出していて、A350-1000の2023(R5)年度導入と、春秋航空日本の完全子会社化を発表しています。
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スカイマーク
国内線 座席数 199,302席(518.9%) 旅客数 87,415人(1322.3%) 利用率 43.9%(+26.7%)
国際線 運航なし
国内線の「ピーク」は、下りが5月1日(54.7%)、上りが5月5日(58.9%)。
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エア・ドゥ
座席数 50,583席(307.6%) 旅客数 27,651人(1684.0%) 利用率 54.7%(+44.7%)
「ピーク」は、下りが4月29日~5月1日(29日75.1%)、上りが5月5日(79.6%)。
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ソラシドエア
(ANA販売分は含まず)
座席数 66,049席(406.3%) 旅客数 25,986人(1421.6%) 利用率 12.2%(+28.1%)
羽田~那覇線が開設になっています。具体的な「ピーク」は示されていない。下りは5月1日(57.7%)、上りは5月2日(63.9%)が最高。完全な片道輸送となりました(2日~3日で上下が逆転)。
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スターフライヤー
(ANA販売分は含まず)
国内線 座席数 31,893席(314.2%) 旅客数 17,097人(863.5%) 利用率 53.6%(+34.1%)
国際線 運航なし
ここも具体的な「ピーク」は示されていない。下りは5月1日(73.7%)、上りは5月6日(78.0%)が最高。全ての日で上下とも、30%は超えました。
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フジドリームエアラインズ
座席数 45,488席 旅客数23,314人 利用率 51.8%
最高の利用率になったのは、小牧は発5月1日(71.1%)・着5月5日(69.6%)、静岡は発5月1日(76.2%)・着5月5日(73.8%)、松本は発5月5日(80.5%)・着5月1日(72.5%)、神戸は発5月1日(54.1%)・着5月5日(61.6%)。兵庫県に緊急事態宣言が発出された影響だろう、神戸空港は全体的に相当低調でした。
※前年度のGWは運航を取りやめていたので、比較はできない。
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IBEXエアラインズ
座席数 5,460席(107.4%) 旅客数 3,096人(394.4%) 利用率 56.7%
「ピーク」は、下りが5月1日の71.3%。上りが5月5日の76.6%。小型機オンリーという事もあるだろう、全日上下両方向とも40%以上。なお利用率は、去年の数字が示されていない。去年も56.7%だったが、対象日数が1日多かったので、単純比較はできない。
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ピーチ
利用実績についてのリリースは確認できなかった。
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ジェットスター・ジャパン
国内線 座席数 117,540席(816.3%) 旅客数 87,642人(1490.8%) 利用率 74.6%(+33.3%)
国際線 運航なし
国内線は17路線を運行。「ピーク」は、下りが5月2日になり86.3%、上りが5月5日の89.2%。利用率がとても良かった。60%を割ったのは、4月29・30日の上りだけ。
国際線は全便運休(成田~上海・香港・台北・マニラ、中部・関空~マニラ路線が設定されている)。
なお、「確認できなかった」と記した前年のGWの実績を発表したリリースを、今回確認しました。国内線の成田~新千歳・関空・福岡・那覇路線のみ運行し、座席数16,200席(2019年度比10.2%)・旅客数6,765人(4.6%)・利用率41.8%(△51.3%)。
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春秋航空日本
国内線 座席数 7,938席(700.0%) 旅客数 3,995人(1752.2%) 利用率 50.3%(+30.2%)
国際線 座席数 803席(284.8%) 旅客数555人(342.6%) 利用率 69.1%(+11.7%)
国内線の「ピーク」は、下りは平日となる4月30の75.0%でした。上りは5月5日の76.0%。
国際線はこの期間中、4月30日に南京線、5月2日にハルビン線、5月3日に天津線のみ運航。
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ZIP AIR TOKYO
利用実績についてのリリースは確認できませんでした。
国内線に関しては、復調…という言い方はまだ、正しくないな。去年があまりに酷すぎたので、ほんのちょっとだけ一息付けたかな、という程度。FDAの神戸空港路線のように、直前の緊急事態宣言の発出も、影響を与えたはずです。ただLCCは、この状況下では健闘した方なのかも知れない。
国際線は、ここでも今回は何も言う事はない。
次回は夏休みのお盆シーズン、開催されるなら、オリンピックとパラリンピックの間という事になるが(個人的にはやって欲しいと今でも思うが、どうも雰囲気的には限りなく赤信号に近い黄信号、鉄道で言えば黄色2つの「警戒信号」)、やはり感染状況に左右される事になるのでしょう。
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JR東日本は、「みどりの窓口」がある駅を、4年後までに7割削減し、140駅程度に集約する計画を発表しました。代わりに、オペレーターと対話できるタイプの券売機の導入を推進するという事。JR西日本もすでに「みどりの窓口」削減に着手していて、オペレーター対話タイプの券売機が関西本線の加茂駅で見かけた(「みどりの窓口プラス」と称する)というのは、№1993で書いています。アプリ等の予約が普及している事に加えてこのコロナ禍、この傾向は他のJRや大手クラスの私鉄でも続くのだろうが、指定券発売の面だけならまだしも、都心でも駅から完全に駅員がいなくなって、普段の利用から遠隔操作、という駅も、これからJRや大手でもうんと増えそうです。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
9日 新東名高速 マイクロバス炎上
(新成人 カラオケ・飲食でクラスター発生 北海道岩見沢市)
10日 経団連 中西 宏明会長の来月退任発表 後任は十倉 雅和氏
(北海道北見市市長 コロナ感染判明)
11日 総理大臣官邸公式アカウント 「+メッセージ」に開設
(ワクチン接種に歯科医師の協力発表 神奈川県大和市)