「バスラマインターナショナル185」は、先月末発売になりました。
2021 春のオムニバス
● EVM-JのF8は、車内全体の様子を写した画像と、三面図が欲しかった。ポンチョやBYDのJ6もだが、小型車でノンステップにしようとしたら、2ドア車でもホイールベース間にドアを2つとも配置しなければならなくなるのか。三菱ふそうエアロミディMEは、例外的だったのだろうか。
● 平和交通のBYDは、ツイッターに紹介はあったものの、既に運行が始まっていたとは、知らなかった。公式Webをもう一度見直してみたが、やはり運行開始のお知らせみたいなものはどこにも見当たらなかった。K8は、車内はだいぶ日本的にこなれてきた印象。
● 京王バスの日野ハイブリッド連節車のうち、高尾駅→館ヶ岡団地は、駅前を朝出発するとは、普通に考えたら逆だと思う。沿線に学校がいくつかあるので、通学対策なのだろうか?(拓殖大学のキャンパスは、方角的にちょっと違うと思う)。2路線とも片道だけではもったいない。いずれ、両方向の運行に切り替わると思われるが。
● 京成バスの日野ハイブリッド連節バスは、№2318で書いたとおり、何の予備情報もないまま海浜幕張駅に降り立ったら、訓練運転で現れたので驚かされた。やはりこれでシターロを置き換えていくのか。
● 横浜市営バスの「みなとみらいループバス」は、実際に乗って桜木町駅から一周してみたのだが、平日の朝で天気が悪かった事もあるだろうが、乗り具合は今一つだったように思えた。東急「Satellite Biz Liner」共々、具体的な利用面でのデータの公表が待たれる。でも、通勤のバスの中でも仕事をしなければならないなんて、大変だね…。
福岡空港や神戸市も含めて連節バス関連の話題が多くなったが、個人的にはどうしても、連節バスは基本的には日本には不向き、という考えは捨てきれない。やるなら、道路・バスターミナルの整備・充実、ダイヤや、ひいては運行形態の積極的な見直しなど、せっかくの連節バスがキチンと機能するような施策を、事業者にも行政などにも求めたいです。
バス事業者訪問 223 福島交通
前回は、20世紀ももうすぐ終わろうという、1999(H11)年の№56で取り上げられていて、22年ぶりになります。
路線網自体は、基本的にはJR東北本線沿線の中通りが中心、という構図は変わっていない。が、路線自体は相当減って、網の目が粗くなっている。特に、出張所まであった本宮町(現本宮市)の路線がなくなっている(代替のバスはあるが、どれも便数が少ないし、土休日は全て運休)ので、福島と郡山の間の、一般路線バスのつながりがなくなってしまいました。22年前にはあった、郡山~福島間の高速バスもなくなっているので、両都市間を福島交通のバスだけで行き来する事はできない。
一方で、浜通りの原ノ町(南相馬市)と相馬を結ぶ路線が出来ているのが目を惹く。土休日は運行がないのだけれど、22年前は、南相馬市・相馬市は、共に福島へ行く路線はありながら両市間のつながりはなかった。どのような経緯なのだろうか。やはり震災が何か影響しているのだろうか?(相馬~福島間の路線は、今はない)
輸送実績は、一般路線は1980(S55)年が5,100万人弱だったのが、5年後には約3,600万人強、1998(H10)年には約2,040万人、2019(H31~R元)は約1,060万人とあるので、40年の間で約1/5になってしまった(22年前は、貸切代替を別に計上しているので、もっと減っている)。一般路線は基本的には、福島・郡山の2極集中がさらに進む事になるのだろう(郡山市の方が人口が多い。やはり東京に近いからか)。
棚倉町の山本へ行くエルガミオの画像があり、3月いっぱいで廃止になったという事だが、棚倉町の公式Webを見ると、その辺の事が町民へのお知らせとしては、全く書かれていない(少なくとも私は確認できなかった)。当然、代替交通がどうなるとも記されていない。棚倉町は、5年前の2016(H28)年には「棚倉町地域公共交通網形成計画」というものが策定されていて、この路線(山本線)については「運行形態が住民のニーズに合っていない、改善・見直しが必要」と記されているが、結局どうなったのだろう。この計画には、町民のバスに対する、利用しにくい点や不満についても記されているが、「利用しないからわからない」の回答が29%もあり第2位(1位は「運転本数が少ない」33%)、恐らく、ほかの地域も似たような傾向だと思う。このあたりの層に対するアピールの強化も、必要なのだろう。便数の確保は、難しいだろうが…。
ICカードは、JR東日本との提携の道はないのだろうか。JR東日本はこの数年、地域提携カードとしてのSuicaの範囲拡大を進めていて、盛岡市や秋田市、青森市、さらには隣接する山形県の全域にも、バス会社と提携したカードを導入すると発表している。福島県は既に、福島交通のエリアを走るJR東日本の路線(東北本線・常磐線)がSuicaを導入している(仙台エリア。ただし白河は入っていない)ので、考えてみても良いのではないだろうか。ただ、同じみちのりHD傘下の茨城交通はハウスカードになってしまって、関東鉄道のバスやJRとの共通性がないし、盛岡市の「Iwate Green Pass」も岩手県北自動車が入っていないので、みちのりHDは、JRとは一緒にやりたくはないのか?とも思ってしまうのだが。
高速バスは1991(H3)年からでこの年が559人、1998(H10)年が約19万人弱、2019(H31~R元)年は約78万7千人だそう。高速路線の中で、新越谷へ行く路線は、どのような人々が利用しているのだろうか?スタートした時は正直?だったが、後に浦和美園や佐野に停車地を追加しつつ、現在に至るまで4往復を維持している(今はコロナ禍で2往復運休中だが、逆に言えば2往復運行するだけの需要がまだあるという事)。この辺の事情は、聞いてみたかった。
貸切バスは、純粋な貸切バスは1998(H10)年が約125万人、2019(H31~R元)年は約40万人強、ただ、この数年は30万人台だったから、持ち直しているともいえる。福島県が修学旅行の受け入れ先になったというのはなるほどと思うが、この先も定着するかとなると、どうだろうか。ガイドの話はこの後のコーナーにも出てくるが、22年前は約100人だったそう。今は37人でも「県内一」、なのか。
郡山支社の水没は一般のニュースでも大きく伝えられたが(この年の12月に郡山を通過したが、JRの電車から見た限りでは、痕跡はあまり感じられなかった。都営バス色のエアロスターがいたのが印象的だった)、新幹線の駅に近い都市部だけに、より衝撃的だったかも知れない。新幹線の基地も川の氾濫で被災してしまう位だし、バスでもちばグリーンバスの佐倉の車庫の被災も記憶に新しく、バス事業者にとっては、難題がまた一つ増えたと思う(広い敷地が必要なので、平野部に車庫を置かざるを得ない)。水没廃車リストが別にあるが、この年に入ったばかりのエルガミオや、前年導入のエアロエースも見られました。
車両面では、22年前は全部三菱ふそうだったのだから、だいぶ様変わりはしたという印象。ただ、U-代車がまだ50台以上あり、高速バスにもいる。この辺の代替は、安全面からも早めた方が良いのではないだろうか。貸切車は、フラッグシップとなるような、デラックス車両は存在しない。都自動車から移籍したガーラは、もうないのか。
最後に、旧軌道線の掛田駅は出てきたが、現存する鉄道の飯坂線については、22年前も今号も、触れられていませんでした。バスと連携する路線ではないが、写真1枚くらいは欲しかったです。
観光バスには やっぱりガイドさん!
私は、バスガイドが添乗した、一般的な観光バスに乗ったのは、高校時代の修学旅行が最後でした。なので、バスガイドの在り方とかについて、私自身がどうのこうのは言えません。
男性のバスガイドが2人紹介されたが、では、受け入れるバス会社側の対応はどうだろうか。男社会だったドライバーの世界に女性が進出した事で、職場でも対応が求められる事になる(それが募集の際のウリにもなる)が、逆も同じだろう。名鉄観光バスの場合は、男性の寮から出勤するらしいが、訓練する場所などでも、男性に対応するものが必要になって来るのではないか。
バスガイドと同じく、近年では男女平等が求められるソフト面の職種として、航空のキャビンアテンダントがいます。6年前、NY→ボストンのジェットブルー便に搭乗した事は、№1423で書いたが、E190だったのでアテンダントは2名だったが、共にいい歳のオッサンでした。逆に、搭乗時に垣間見えたコクピットに座っていた副操縦士は、女性でした。「男女平等」というなら、ここまで行かないとウソだと思う。観光バスだって、ドライバー=女性・ガイド=男性、の組み合わせだって、あっていい事になる。上(業界や政治・行政など)への要求だけでなく、乗客となる私たち一人一人の意識そのものも、変えなければならないでしょう。
近い将来にはトランスジェンダー(LGBTQ)への対応も、迫られる事になると思う。今から考えておくべき。私たちも。
「国内ニュース」で、北陸鉄道グループの再編が挙げられているが、情報源はどこだろう?北陸鉄道・小松バスとも、事業再編成に関わるお知らせは、確認できませんでした。小松バスは元は尾小屋鉄道、日本最後の非電化軽便鉄道だったが、1977(S52)年の廃線から41年も経ってしまって、大先輩方でないと、乗ったという人はもういないでしょう。北陸鉄道も、金沢地区は6月いっぱいで紙の回数券は廃止(加賀・能登は引き続き発売)、ICカードも一部のプレミア付与のサービスを終了すると発表しています。「コロナ禍でサービスの継続が困難になった」と正直だが。
次号のバス事業者訪問は貸切専業事業者になるらしいが(社名は明かされていない)、京浜急行バスの夜行バスが廃止になり、モニター車も除籍されてしまったので、モニター車のデータと共に、簡潔でも京浜急行バスの夜行バスの歴史を振り返ってもらえたらと思う。昭和末期~平成初期の「高速バスブーム」の火付け役の1社であり、この廃止は、今後(コロナ禍において、または終息後)の夜行バスの在り方に何をもたらすのかを考えるきっかけになりうるので。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
2日 野口 聡一航宙士搭乗クルードラゴン1号機 地球に帰還
(NBAミルウォーキー・バックス 観客に予約なしワクチン接種)
3日 韓国 「電子渡航認証」試験運用開始
(横浜市 高齢者ワクチン接種予約中止 アクセス過多)
4日 リオ五輪7人制ラグビー主将 桑水流 裕策 引退表明
(インド滞在韓国人 チャーター機で帰国)
メキシコシティで鉄道の高架橋が列車ごと崩壊し、多数の犠牲者が出ているそうです。