№2294 最後の「日高本線」の旅 それにしても 何もかもが「寒かった」 3.キハ40乗り継ぎ 東室蘭から新函館北斗へ

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 最終日です。東室蘭から新函館北斗へ、普通列車を乗り継いで行きます。「青春18きっぷ」は前の日に、去年末の関西などと合わせて、全部使い切っていました。どの道新函館北斗から新幹線になり、計算してみたところ、横浜までの乗車券は、東室蘭からでも、新函館北斗からでも、極端な違いは出ないので、東室蘭から片道乗車券を買っています。

 1月 5日(火)

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 夜明けの東室蘭駅。大きな橋上駅舎です。これを見ると、やはり室蘭市におけるJR北海道の中心は、室蘭じゃなく東室蘭である事がはっきりする。

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 改札口。

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 時刻表。室蘭本線で長万部まで行く普通列車は、7時22分の次は、13時54分までない。北海道新幹線開業の2016(H28)年3月改正までは、10時台の列車も長万部まで行っていたのだが。

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 特急列車の案内のモニター。時刻や編成が表示される。こういうの、他のJRでも採用できませんかね?

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 長万部行普通列車472D。キハ40 1705。7時22分とだいぶ早いが、新函館北斗まで普通列車だけで行って、なおかつこの日のうちに東京にたどり着くためには、この列車に乗る以外ない(豊浦から先へ行く普通列車は、これがこの日の一番)。

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 先に〔北斗2号〕が出発。281系7連。3月からは、原則5連になってしまう…。

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 さすがに室蘭らしく、序盤は工場の中を行く。
 しかし、白鳥大橋を過ぎると…。

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 内浦湾と、その向こうには、駒ヶ岳。これから、あの山の麓まで行く事になる。

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 そして、行く手には、有珠岳。

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 北舟岡駅は、9年前にも苫小牧から函館まで行く途中で通っていて(あの時は洞爺から〔北斗〕だったが)、待ち合わせで15分も停車していた。この日はすぐに出発。

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 伊達紋別駅の、伊達氏の兜。東室蘭からの乗客は自分を含めて7人だけだったが、うち5人はここで下車。
 さらに、これから雪山にでも行くのか?のいでたちのおじさん2人が長和で降りて、自分一人になるのかと思ったら、代わりに地元の人が1人、それから次の有珠でも1人乗ってくる。

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 しかし、普通列車の半分が折り返す豊浦で、2人とも降りてしまった。今度こそ、本当に自分一人ぽっち。
 誰もいないし、「換気」のためにもいいだろ?と勝手に理屈をつけて、二重窓を開け放ってしまう。マスクも外してしまった。冷たいけれどすがすがしい空気が入ってくる。豊浦は、特急は止まらないが、そこそこ住人は多いようで、ここまでの列車が多いのはうなずける。

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 しかし、この先の人家は非常に少ない。雪景色。少なくとも、日高地方よりは積雪が多かった。

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 雪道。エンジン音が心地よい。東室蘭~長万部間は単線と複線が混在していて、豊浦~長万部間は、普通列車は希少だが、複線。

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 話題?の秘境駅、小幌駅は、トンネルとトンネルに挟まれた短い地上区間に位置する。無論、ホームしかない。しかも1両分のみ。

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 当然の如く、乗降は全くなし。というか、人家からして全くなかったような…。

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 小幌駅を含む区間は、比較的最近、新しい線路に切り替わっているようだ。いつの事かは解らないが。長いトンネルを抜けると、静狩の集落が見えてきた。
 静狩では、2人の乗車があった。ホッとさせられる(当然、窓は閉めました)。しかし、少なくとも豊浦~長万部間は、日常の輸送に関しては、「見直し」表明のローカル線程度の利用しか、ないのではないか?本線なのに。それでも、この区間は3月から全列車、H100形に置き換えられる事になります。それでお客さんが増える事はなかろうが、ローカル輸送に希望をもたらして欲しい。

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 長万部に着きました。構内には、先行して函館本線に導入された、H100形の姿がありました。8時前に倶知安から着いていて、13時過ぎまで長すぎる?休憩という感じ。新車としては、もったいない気もしないではない。

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 長万部駅の駅舎。ここに降り立つのは何年、何十年ぶり、だろう?雪晴れで清々しい。

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 しかし、時刻表は全然清々しくない。旅客列車の大半が特急〔北斗〕、普通列車は、室蘭方面が4本で、6時31分の次は15時24分、9時間も列車がない…!小樽方面も4本、これから乗る函館方面も6本。普通列車だけだったら、ローカル線でしかない。次の函館行は13時23分になるので、ここで4時間以上の待ち合わせ…。どう時間をつぶそうか。

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 駅前の、北海道新幹線を待ちわびるモニュメント。まだ10年も先、だけれどねえ。

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 駅前の通り。さすがに交通量は多くはない。人も、車も。

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 そんな中、函館バスの路線があり、これは瀬棚経由上三本杉行。もうすぐ国鉄が終わる、という1987(S62)年3月15日をもって廃線となった、瀬棚線(特定地方交通線)の代替路線です。

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 駅の東室蘭側には、長い跨線橋があります。そこから撮った、長万部駅の構内。

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 広い空き地があるが、ここに新幹線の駅が造られるのだろうか。

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 函館本線と室蘭本線が分岐するあたりに、車庫があります。ラッセル車が顔をのぞかせていました。

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 11時前になって、東室蘭の方から、DF200のフレートライナーが側線に到着し、後を追うように、261系の〔北斗6号〕が到着。

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 281系の下り〔北斗7号〕が出発。

 まだ遠い先の事だが、新幹線が開業する時、在来線の駅はどうなるのだろうか。高架化されるらしいが、特急が新幹線に移行すれば、せいぜい室蘭方面に連絡する特急が設定されるかどうかで、あとはほとんどローカル列車、となろう。当然昔のように、十何両もつないだ長距離列車が発着する事にはなるまい。となると、在来線に関してはここもまた、コンパクト化が追求されるべきだと思う。

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 函館バスのもう一路線、函館バスターミナル行。JTB時刻表には「長距離バス」に記載がある路線だが、市内線並みのエルガミオ…。

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 長万部にはもう一路線、ニセコバスが寿都から乗り入れがあります。ただし土休日運休の上、今は日中1往復しかない。寿都からはまた別の路線が倶知安などへ走っているようなので、この便を使えれば、函館から札幌まで、普通の路線バスだけを乗り継いで行けそうだけれど。乗客は少なくはなかった。通院などの利用だろうか。

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 函館方面に向かう、フレートライナーが通過していく。
 やはりこれが冬の北海道、というのか、快晴と思っていたのに、上空は一面の雲に覆われ、雪もチラつく。

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 ようやく、普通列車の出発の時刻になりました。右が、これから乗る函館行2842Dで、キハ40 1803。左のH100形は、函館本線2943D倶知安行。
 先行する〔北斗10号〕が10分以上の遅れになり、2842Dも心持ち遅れての出発。全体的に、〔北斗〕はどの列車も多少の遅れが出ていた。やはり雪のせいだろうか。

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 長万部の駅弁、「かにめし」。駅弁と言っても駅舎内ではなく、通りを隔てた店で購入します。1,180円。駅弁はやはり、ボックスシートの方が、雰囲気が出るなあ。
 瀬棚線は国縫で分岐していたのだが、積雪もあって、その跡は解らなかった。

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 この先、北豊津と鷲ノ巣、2つの駅があったが、どちらも最近、旅客駅としては廃止になっています。この北豊津は2017(H29)年3月3日限りで廃止になりました。ただここは複線と単線の境界で、信号所として機能しています。

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 本来、ここはスルーするはずだったが、手前ですれ違っているはずの〔北斗11号〕が遅れていて、ここで待たされる。〔北斗10号〕の遅れが原因に違いない。

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 この時間の駒ヶ岳は、雲を被っていました。

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 もう一か所、鷲ノ巣駅は1年早く、新幹線開業のダイヤ改正時に廃止になっています。ここも単線と複線の境界で、信号所としては健在です。
 北豊津も、鷲ノ巣も、旅客駅時代の面影は見られませんでした。見落としたのかも。

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 駒ヶ岳が近づいてきました。この付近ではまた快晴。

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 定刻に戻った森を過ぎて、この列車は「渡島砂原経由」で走ります。特急や貨物は全部「駒ヶ岳経由」なので、こちらは純粋にローカル線風情。
 室蘭を発った時にはまだ遠くだった駒ヶ岳が、ついにここまで近づいてきました。

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 山道。ガクッとスピードが落ちる。40㎞/hしか出ない。乗客も少ない。渡島砂原~渡島沼尻間の乗客は5人だけ。

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 鹿部駅。ここは乗車がそれなりにあった。何しろ、函館バスの発着がある。元東急バスらしきノンステップ車だ。

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 銚子口で、長万部行2841Dと行き違い。

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 大沼では、先に駒ヶ岳経由のルートを走ってきた〔北斗14号〕を通す。

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 凍り付いた小沼と、再び遠ざかる駒ヶ岳。次に見るのはいつの日か。

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 仁山駅。かつては上り勾配に挑むSL列車が、勢いをつけるために使用した「加速線」なるものが存在したらしいが、今は静かな無人駅。

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 勾配を下っていくと、いきなり左手が開けた上に、大きな駅と、近代的なホテルが現れる。新函館北斗だ。室蘭以来の「都会」、か。

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 新函館北斗到着。函館まで乗り通したいとも思うが、ここで下車。

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 跨線橋から見た、新函館北斗駅の構内。

 今回は、長万部で4時間以上の長い待ち合わせもありながら、とにかく普通列車の乗り継ぎにこだわって、室蘭から内浦湾をグルリ回って、新函館北斗にたどり着きました。さて、次に北海道に来る機会はいつ作れるか、そしてキハ40形に、もう一度乗る機会もまた、作れるでしょうか。H100形も、そろそろ乗りたいが。

 今回はいよいよ初めて、新函館北斗から東京まで、〔はやぶさ〕に乗り通します。それは、次回です。
 
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 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
14日 ジャガー 2025年から全車種電気自動車化を発表
(ファイザー社製新型コロナワクチン 国内初 正式承認)
15日 日経平均株価 30年6か月ぶり終値3万円超え
(奈良県の小学生 「被爆電車」でオンライン授業)

 いよいよ日本も、ワクチン接種という所まで来ました。しばらくは医療従事者が対象となり、一般の人は、80歳以上の方々が4月からという事で、私がワクチンを受けられるのは、相当先になるでしょう。これで今日明日ガラリ一変とは行かないが、全国の感染者数も減少傾向にあるし、何とか接種が順調に進んで、いい方向に変わって行って欲しい。