№2271 2020-2021 年末年始 航空利用データ やはり分析にはなりません

「緊急事態宣言」が、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を中心に、正式に発出されました。この後、また全国に広がってしまうのか。東京都では今日、感染者数が2,000人を超えてしまって、仕方がないとも思うが、確かに11月の後半から感染者数が右肩上がりで増加傾向にはあったけれど、あれよあれよと連日の大台突破で、正直困惑してしまっています。今回の宣言発出を受けて、既に交通業界にも影響が出始めています(東海バスが「三島エクスプレス」を再度全便運休、など)。あいつが悪いこいつが悪いなどと叫ぶつもりはないが(叫んだって感染が収まったりはしない)、ともかく今度こそ、これっきりになってもらいたい。

1月3日 新千歳空港.jpg
 先日北海道まで行ってきた事は何度も書いていて、来月詳しく書く予定だが、3日の往路は新千歳まで、ANA便を利用しました。これは到着後の新千歳空港の3F、出発ロビー付近の様子です。私はピークの北海道には行った事がなかったから直接の比較はしようがないが、いつもの年なら、年末年始に帰省していてこれから帰宅、という人々で、遅くまでごった返しているはずです。こんなはずではないよね、という程度の人数しかいません。夕食用に弁当を買った店の店員の方も同じような事を言われていました。
 4日、航空各社から、年末年始(今期は12月25日~1月3日)の利用についてのリリースがありました。私はANA国内線の利用者数、625,279人のうちの一人になるわけだが、今期もまた、悲惨な数字が並びました。「Go To トラベル」キャンペーンの停止、感染の再拡大、加えて豪雪による欠航の増加もあると考えられます。
 ともかく、各社から示された数字を並べます。今シーズンも「分析」なんて意味がないので、基本的には(会社によって呼び方が若干違うが)「座席数」「旅客数」「利用率」の数値のみ記します。注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比です。

全日空
国内線 座席数 1,557,380席(82.9%) 旅客数 625,279人(41.6%) 利用率 40.1%(△39.9%)
国際線 座席数 76,622席(19.9%) 旅客数 15,933人(5.1%) 利用率 20.8%(△61.0%)
 実は、沖縄線は、座席数は前年より増えていました。「Go To トラベル」キャンペーンによる利用を当て込んでいたのではないだろうか。羽田=札幌・函館・福岡・那覇・宮古島・石垣島、中部=札幌・長崎・鹿児島・那覇、関空=宮古島、那覇=宮古島間に臨時便を運行。
   
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日本航空
国内線 座席数 859,407席(67.9%) 旅客数 369,309人(36.2%) 利用率 43.0%(△37.7%)
国際線 座席数71,572席(23.0%) 旅客数 15,068人(5.5%) 利用率 21.2%(△66.9%)
 国内線は今冬スケジュールから、JAC運航便も、JAL便としての運航です。臨時便の運航はなかった模様。
   
日本トランスオーシャン航空
 座席数 103,290席(89.7%) 旅客数 46,775人(48.9%) 利用率 45.3%(△37.8%)
   
琉球エアコミューター
 座席数 19,450席(94.2%) 旅客数 11,106人(71.6%) 利用率 57.1%(△18.0%)
 沖縄のグループ2社の座席数は、他社よりは減らされていない。県内の生活を支える路線が多いからだろう。

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スカイマーク
国内線 座席数 274,704席(104.0%) 旅客数 125,189人(54.6%) 利用率 45.6%(△41.2%)
国際線 運航なし
 下地島就航もあってか、座席数は増えました。
   
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エア・ドゥ
 座席数 77,417席(89.0%) 旅客数 28,443人(41.2%) 利用率 36.7%(△42.8%)

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ソラシドエア
(ANA販売分は含まず)
 座席数 87,825席(106.0%) 旅客数 29,334人(48.0%) 利用率 33.4%(△40.3%)
 夏スケジュールで福岡~那覇・中部~宮崎線を開設していて、加えて羽田~長崎・鹿児島線で臨時便を合計14便運航しているため、座席数は増えています。

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スターフライヤー
(ANA販売分は含まず)
国内線 座席数 54,032席(93.7%) 旅客数 21,911人(44.5%) 利用率 40.6%(△44.9%)
国際線 運航なし
   
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フジドリームエアラインズ
 座席数 55,172席(84.6%) 旅客数 22,491人(45.5%) 利用率 40.8%(△35.0%)
 神戸~青森線の就航があったが、静岡~北九州・神戸~出雲路線は、期間中休航でした。
   
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IBEXエアラインズ
 座席数 8,092席(97.6%) 旅客数 4,131人(58.2%) 利用率 51.1%(△34.5%)

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ピーチ
 運航はあったが、利用実績についてのリリースは確認できなかった。

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ジェットスター・ジャパン
国内線 座席数 138,960席(67.2%) 旅客数 95,174人(54.4%) 利用率 68.5%(△16.2%)
国際線 運航なし

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春秋航空日本
国内線 座席数 6,804席(33.3%) 旅客数 2,686人(14.2%) 利用率 39.5%(△53.0%)
国際線 座席数 1,134席(6.0%) 旅客数 948人(6.3%) 利用率 83.6%(+3.9%)
 国内線・国際線とも運行日を絞っていて、国内線は、12月25・28・31日、1月1日は全便運休でした。国際線は、日曜日に成田~ハルビン線、月曜日に成田~天津線のみ運航。このためなのか、国際線の利用率は、(国内線も含め)国内各社で唯一、前年度比プラスでした。22日より、成田~南京線就航。当面は2週間おきの金曜日に運航。

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ZIP AIR TOKYO
 秋に旅客便の運航を開始したが、利用実績についてのリリースは確認できなかった。9日より、成田発→バンコク行も旅客営業運航を開始(現在はバンコク発→成田行のみ)。

 エアアジア・ジャパンは、経営破綻で運行停止。
 どこもかしこも、1年前の賑わいがウソのような低調ぶりです。それでも各社とも、国内線だけでも何とか元のレベルに戻したいという意欲は、十分うかがえると思いました。しかし、「Go To トラベル」キャンペーンが停止、さらに緊急事態宣言の発出で、先行きがさらに不透明になってしまいました。まあ、今回の宣言は2月7日まで、次の土日月の三連休を除けば、例年でも比較的閑散とする時期、と思われるので、「Go To トラベル」がないのは痛いだろうが、何とかこの期間で感染者が減少傾向に転じ、3月以降の春休みシーズンは、利用が戻ってくる事が期待されると思います。
 国際線は、日本だけではどうにもならず、特にイギリスの感染者数激増(日本よりさらに一桁多い。人口が日本の半分程度なのに)を見ると、欧州路線は引き続き、厳しいと思います。今年1年だけで回復に転じるとは、ちょっと思えない。
 夏休み期間からの間に、エアアジア・ジャパンの破綻劇もあり、航空業界は引き続き試練の時を迎えています。残された各社は、何とか耐えて欲しいと思います。
 次の分析はGWです。パンデミック後では2回目になります。去年のGWは緊急事態宣言発出の真っただ中で、航空だけではなかったが、極めて悲惨な状況を迎える事になってしまいました。今年は、どうなるのでしょうか。とにかく何度でも書いてしまうが、飛行機は、楽しく乗りたいです。マスクなんか、お互いナシで。そうなるのは、相当先だろうが。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 この年末年始は航空だけでなく、鉄道も極めて低調で、JR各社の新幹線・特急は前年度比30%程度の大幅な落ち込みで1991(H3)年度以降過去最低、と伝えられました。私の今回の北海道旅行も、帰りは初めて、新函館北斗から東京まで〔はやぶさ〕に乗り通したのだけれど、確かにそんな感じをひきずっていたかも知れません。これも来月書きます。

《今日のニュースから》
 6日 今治造船・ジャパンマリンユナイテッド 新会社設立
(新型コロナ感染者9,500人分個人データ流出 福岡県公表し謝罪)
 7日 帯広市で積雪1㎝メートル 史上最も遅い「積雪初日」
(首都圏の鉄道の最終電車繰り上げ前倒し 国土交通大臣要請)