№2241 「コロナ」と「豪雨」の四国~九州 陸海空立体旅行 3.別府へ 「3密」無縁のフェリー
四国、特に愛媛県から九州へ渡るとしたら、「しまなみ海道」を高速バスで通って、新幹線乗り継ぎ、というのも考えられるだろうが、やはり大回り(大分や宮崎とかだと、特に)。福岡へは航空便もあるが、一般的には、フェリーが利用される機会が多いだろうと思う。10年前には松山から小倉までの夜行フェリーに乗った事もあるが、今回はもっと短距離、八幡浜から別府までの航路を利用して、九州へ渡る事とします。
八幡浜駅から港まではやや遠く、バスで10分。宇和島バスと伊予鉄南予バスが運行しています。運賃160円。一般路線バスの営業エリアは、八幡浜市が伊予鉄と宇和島バスの境界、という事になるのだろうか。
八幡浜港のターミナルビル。
バス停。手前は宇和島バスで、後方は、JR四国バスの「京阪神ドリーム松山号」。夜行便で、松山を経由し、翌日に三宮、大阪に停車して京都に向かう。松山発着の昼行便は運休が発生しているが、夜行に関してはバス停を見る限り、コロナ禍の影響による運休はないようだった(ただし、自動車道の工事により、今月は八幡浜行の一部の日程が、松山より先が運休になっていたようだ)。なお、伊予鉄南予バスと、八幡浜駅に向かうバスは別の場所です。
ターミナル内。右側は窓口。ここからは別府行の他に臼杵行があり、臼杵行は宇和島運輸と、九四オレンジフェリーの2社が7便ずつ運航しています(先のJRの夜行バスは、オレンジフェリーとの接続を考慮しているようだ)。別府行は宇和島運輸単独で6便運航。
フェリーだから、やはり車両航送が輸送の主力になって、既に多くの、特にトラックが乗船を待っていました。
やがて西に船のシルエットが見えて、どんどん近づいてきました。
着岸。別府を14時ちょうどに出航した、宇和島運輸の「えひめ」。
早速、大型トラックを中心に、自動車が次々に吐き出されていきます。一方、航送ではない一般の旅客は、少なかったように見えた。
宇和島運輸の窓口。
待合室。こちらも、一般の旅客はそんなには多くないかも。
15分後、今度は臼杵からの「あけぼの丸」が到着しました。同様に自動車が降りていく。反対側の別府行「えひめ」は、逆に自動車の乗船が始まっていました。
一般の旅客も、乗船開始。乗船券の半券を係員に渡して、右側の階段を上っていきます。
荷物を2Fのキャビンに降ろして、さっそく3Fの甲板に出てみました。正確には何かは解らないが、鐘のモニュメントがあります。記念撮影用、か?
17時を過ぎると、西日本でも夜が近づいてきます。夕陽が西に傾いていく。
2Fの2等キャビン。カーペット状の升席。乗客が少ないと、1ブロックを独り占めできます。3時間弱なら、これで十分。なおコロナ対策で、枕と有料毛布の貸し出しサービスが中止になっていました。
3Fの甲板前にある、旧サロン。現在はここも、通常の2等客室として使われているよう。
航行時間が短いからレストランとかはないが、売店で弁当や軽食、お菓子その他もろもろを販売しています(入港15分前まで)。各種自動販売機もあります。
甲板から、乗船の様子を眺めてみました。
日没近し。
隣の臼杵行「あけぼの丸」も、乗船が始まっていました。向こうは17時40分に出航。臼杵まで2時間25分だから、別府航路より短い。
時間通りの出航。舫(もや)が、係船柱から外されていく。
離岸。八幡浜→別府だと、出航・到着共に、港の中で180度反転する事になる(車の搭載の関係で)。
八幡浜港が、静かに、少しずつ遠ざかっていく。
波止場では、釣りを楽しむ人々の姿が。
八幡浜に向かうフェリーの姿がありました。オレンジフェリーの「おれんじ四国」。
船の上の空は、ひたすら快晴。半月が浮かぶ。
航行中の2等キャビン。乗客が少ないから、静か。寝ているか、スマホだ(Wi-Fiはないようだ)。手前は家族連れのよう。
松山駅を発つ時に駅弁を買っておいたのだけれど、ロングシートのキハ54形の乗り継ぎでは広げる機会はなく、かなり遅めだがここで昼飯、という事になりました。「醤油めし」。売店で購入した卵スープと、自販機で手に入れたお茶と共に頂く。
再び甲板に出ると、完全に真っ暗。半月が海を照らして、割と明るいかも。海上だから風がやや強くて冷たいが、気持ちいい。
何より!「集」も「接」も「閉」もない、「3密」とは全く無縁なこの空間、ウレシイではないですか!これ、強調しておきたい。まして他に人はいなくて、マスクしなくてもはばかられる事がないのが、とても結構。
右手を、八幡浜に向かうフェリーが横切っていきました。同じ宇和島運輸で、別府を16時45分に出航した「あかつき丸」。
別府まであと1時間程度、という所で、右手には大分市の工業地帯。煙突から煙が上がっているのも見えました。
別府タワーが見えてきました。
八幡浜から3時間弱、美しい夜景を見て、別府港に入港。
ここでも180度方向転換して、接岸。
接岸作業。今度は舫が繋がれて行きます。出航でも入港でも、船の男たちの作業は、何故か心を揺さぶるものがあります。それが、彼らにとっての、あたりまえの行いであっても。
、
定刻より5分早く、別府到着となりました。
別府港ターミナル。八幡浜と同じくらい、簡素な感じがしました。近くにバスターミナルもあるが、荷物も多かったので、ホテルまでは常駐のタクシー利用。
3時間弱の船の旅、つつがなく終わりました。無論、春先に乗ったヴァイキングラインのような豪華さはないが、広々とした開放的な空間は、やはり他の交通機関にはない快適さがありました。この航路は短距離だから純粋な夜行便はないが、未明に到着した便は、夜明けまで仮眠できるサービスもあります(ない日もある)。最近は鉄道も、特に普通列車の夜行は壊滅状態だし(〔ムーンライトながら〕も、このまま「安楽死」なのかなあ?)、一方の船は純粋な夜行便や、到着地仮眠サービスがある路線も数多くあります。運賃も2等の升席なら鉄道の普通運賃並みだし、今後の「青春18きっぷ」の旅でも、船旅を組み込むプランを積極的に考えられても、よろしいのではないでしょうか。
ただ、どの港でも、駅または町の中心部との間の二次アクセスは、要確認。
この晩宿泊したホテルも当然の如くコロナ対策が徹底していて、フロントはアクリル板で防護され、チェックイン時は前泊地と、翌日の目的地の記入を求められました(前の晩の松山のホテルもそうだった)。当然、体温チェックも。37.5度以上で「申し訳ございませんが…」という客は、過去にはいなかったそうだが。
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西武鉄道も昨日、来春からの最終電車の繰り上げを発表しました。山口線・多摩川線(元々終電が早め)を除く全路線が対象で、だいたい20~30分程度の繰り上げになります。
西武ではもう少し具体的な時刻(予定)が記されていて、見たところ、特に新宿線がきつい。平日の上石神井行最終は、高田馬場発で0時50分→0時20分(予定)と、30分繰り上がります。池袋からだと、最終保谷行は、現行の平日0時45分・土休日0時35分→共に0時18分(予定)と17~27分の繰り上げになります。
手元の1989(H元)年12月11日改正ダイヤを掲載した時刻表を読むと、当時の終電は平日・土休日とも同じ時刻で、池袋線の池袋発は、飯能行が23時52分(準急)、小手指行が0時18分、保谷行が0時35分。新宿線の高田馬場発は、本川越行が23時46分(準急)、新所沢行が0時10分、上石神井行が0時33分でした。バブル経済の末期で深夜の需要が旺盛だった時期、この後も最終電車の繰り下げが行われる事になるが、今回の見直しで、最終電車の時刻は一気に30年前と同じ水準、あるいはそれ以上に早くなる事になります。昭和の時代に逆戻り?
理由としてはJR東日本や小田急と同じ。深夜帯の需要の大幅な減少の一方で、夜間の工事量の増加(線路・信号等の保守・整備だけでなく、駅のホームドア設置工事も、電車が走っていない時間でないとできない)、夜間作業の時間の確保や、人員不足を原因に挙げています。新宿線がきつめなのは、ここでは言及されていないけれど、中井~野方間の地下線化工事が進行中である事も、理由となるでしょう。
この先は混雑対策として、終電前に臨時列車の設定を予定しているとの事。なお、初電の繰り下げは予定していないとしています。
今日は東急からも、「事業構造を変革し、サステナブルな鉄道サービスを提供します」と題するリリースが出ました。こちらも来春の終電の繰り上げ(15~30分程度)を予告している(具体的な内容は12月発表)他、将来的には全体的なダイヤの適正化も行うとしていて、ワンマン運転区間の拡大も想定されています。また今年度の最終損益が、450億円と過去最大の赤字になる見込みである事も、別に発表されました。リリースでは今年度の設備投資計画も同時に発表しているが、次回書きます。
《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
9日 ゆうちょ銀行「mijica」セキュリティー対策不備 サービス取りやめの方針発表
(アメリカ・ユタ州 非常事態を宣言)
10日 スマホにマイナンバーカード機能搭載 総務省有識者会議が検討開始
(ワクチン接種体制整備法案 衆議院で審議入り)