№2206 平成の30年 都道府県別鉄道回顧 3.秋田県(1)

 台風10号は日本を去りました。事前に懸念されたほどの破壊的な勢力とはならず、それでも犠牲者は出てしまって、お悔やみを申し上げたいと思いますが、全体的には思っていたより小さく収まってくれたと思います。あくまで結果論ではあるが。しかし、私個人には間接的に影響が出ました。日曜日の午後からまた出かけていて、たった今帰ってきた所なのだけれど、昨日は湖西線の新快速が強風のために止まって、湖西線内だけでなく、近江塩津~敦賀間も取りやめになったので(特急はしらさぎの他に、迂回運転のサンダーバードも走ったのだが)、米原から近江塩津に着いてもその先の足がなく、泣く泣くタクシーを呼ぶ事態になってしまったのでした。詳しくは今月中に書きます。

 平成の30年間の鉄道を回顧するシリーズ、今回と次回は秋田県です。昼に夜に、東京や大阪からの長距離特急・急行列車が行きかっていた秋田県もまた、新幹線到達で様相が変わりました。

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秋田新幹線開業 新車両導入でスピードアップ
伝統の〔あけぼの〕 運行区間二転三転のすえ廃止


秋田新幹線に至る道
 1997(H9)年3月22日、秋田新幹線が開業した。山形新幹線に次ぐ、新在直通のミニ新幹線である。愛称は公募で〔こまち〕となり、専用車両E3系が導入され、東北新幹線内では〔やまびこ〕と併結運転を行う。同時デビューのE2系と併結運転を行う3往復は最高速度275㎞/h運転を行い、東京~秋田間を最短3時間49分で結んだ。
 盛岡~大曲間は田沢湖線を改軌、大曲~秋田間は奥羽本線の複線の片側を改軌して、在来線との単線並列となった。一部区間は新幹線を複線とするため、複線の片方が標準軌と狭軌の3線軌条となっている。
 秋田新幹線開業前は、盛岡で東北新幹線から接続する特急〔たざわ〕が主力だった。田沢湖線は全通が1966(S41)年と、比較的新しいローカル線だったが、東北新幹線が開業すると、東京方面への最速のルートとなり、1982(S57)年には電化され、それまでのDC急行に代えて〔たざわ〕がフリークエントサービスを行い、東京への新しいチャンネルとなった。〔たざわ〕は一部が青森まで直通している。この電化工事の際も大規模なため、工事運休で全線に渡り代行輸送が行われていた。
 秋田新幹線工事も全線で改軌工事を行ったため、再度工事運休となり、全線で代行バスを運行した。〔たざわ〕の代替として、北上~秋田間で北上線を経由するDC特急〔秋田リレー〕が、1996(H8)年3月から、新幹線開業までの1年間運転された。車両はJR東日本のローカル線区に導入されつつあったキハ110系だったが、車内はリクライニングシートの特急仕様となり、外部の塗装も変えられた。変則的な形だが、〔秋田リレー〕はJR東日本初のDC特急であり、また今の所(そして恐らくは今後も)唯一のDC特急である。秋田新幹線開業後は一般仕様に改装して、飯山線に転属していった。〔たざわ〕は秋田~青森間の設定となっている。
 この他福島接続の奥羽本線特急〔つばさ〕、新潟で上越新幹線から接続する特急〔いなほ〕が、対東京のチャンネルとして機能していた。〔つばさ〕は大半が横手止まりだったが、秋田発着もあり、1往復は東北新幹線開業後も上野へ直通していた。山形新幹線工事期間中は仙台発着(仙山線経由)となった。山形新幹線開業後は〔こまくさ〕と改められ、新幹線〔つばさ〕から接続していたが、1999(H11)年12月に山形新幹線が新庄まで延伸した時点で廃止となり、新庄~秋田間に同名の快速が設定された。
 夜行は、奥羽本線経由の寝台特急〔あけぼの〕と急行〔津軽〕、羽越本線経由の寝台特急〔出羽〕が東京と秋田を結んでいた。山形新幹線の工事を控えた1990(H2)年、2往復の〔あけぼの〕は1往復が陸羽東線経由、1往復は〔鳥海〕と改称して羽越本線経由に変更された。〔あけぼの〕はこの改正で「レディースカー」を設定、翌1991(H3)年よりA寝台・B寝台共に個室寝台車の連結が始まった。〔津軽〕は仙山線経由となり、583系電車に置き換えられた。1993(H5)年には臨時に格下げとなり、事実上廃止の道をたどる。
 秋田新幹線が開業すると、陸羽東線経由の〔あけぼの〕は廃止となったが、〔鳥海〕が〔あけぼの〕を名乗り、羽越本線経由で運行が継続された。2002(H14)年には寝台のアメニティを省略し、座席(指定席)扱いとした「ゴロンとシート」を設定している。夜行バスへの対抗策でもあった。
 大阪方面へは、昼行は〔白鳥〕、夜行は〔日本海〕が運行されていた。〔白鳥〕は昼行列車では最長距離であったが、2001(H13)年改正で廃止・分断され、新潟~青森間は〔いなほ〕として運行が継続された。
 奥羽本線や羽越本線の普通列車には50系客車やDCが使用されていたが、1993(H5)年に新型通勤車両701系が導入、順次置き換えが進められた。全ロングシートには批判もあったが、輸送力増強やスピードアップ、増発や快速設定などのプラス面もあった(快速は後に大半が普通に格下げ)。秋田新幹線開業後の田沢湖線には、標準軌仕様の5000番台が専用で導入されている。

〔こまち〕世代交代
〔こまち〕の利用は好調で、E3系は開業翌年の1998(H10)年に1両増結、5→6連となった。翌1999(H11)年には併結相手が全てE2系となり、さらに2002(H14)年改正で併結相手が〔はやて〕となって、平均の所要時間が短縮された。しかし、航空対策でさらに所要時分の短縮が求められた事、E3系の老朽化が進行した事で、後継車両のE6系が導入される事になった。E6系は、東北新幹線E5系とは兄弟関係にあり、東北新幹線内では併結運転で最高320㎞/h運転を行う。居住性も向上させたため、さらに1両増結して、7両編成となった。
 2013(H25)年3月16日改正でまず6往復に導入、この時点ではE3系も残されていたため、区別のため〔スーパーこまち〕の愛称が与えられた。「スーパー」の4文字付与は全新幹線で史上初であったが、翌2014(H26)年改正でE6系に統一され、再び全列車〔こまち〕の名に戻った。E5系との併結で東京~秋田間は最短3時間37分にまで短縮された。
 この影で、この改正において、ついに寝台特急〔あけぼの〕が廃止(臨時格下げ)、44年の歴史に終止符が打たれた。既に〔日本海〕も2012(H24)年改正で廃止になっており、秋田県の夜行列車は事実上、全て消滅した(大阪~札幌間〔トワイライトエクスプレス〕廃止は2016(H28)年だが、秋田県内の停車はなかった)。昼行も、秋田県内の特急は羽越本線〔いなほ〕と、秋田~青森間〔つがる〕が、いずれも3往復にまで縮小している。〔いなほ〕は〔フレッシュひたち〕から転用のE653系、〔つがる〕は〔スーパーはつかり〕から転用のE751系が使用されている。

ローカル線の動向 男鹿線に蓄電池式電車
 五能線は、能代市中心部へのアクセスを担う区間運転が頻発する東能代~能代間を除くと、閑散としたローカル線区であったが、風光明媚な車窓は魅力的であった。この資源を活かすべく観光列車が企画され、1990(H2)年開始の「ノスタルジックビュートレイン」を経て、秋田新幹線開業時に、秋田~青森間を直通する〔リゾートしらかみ〕の運行が始まった。2010(H22)年の東北新幹線新青森開業時にはハイブリッド編成も導入され、最大1日3往復運行される人気列車に成長している。
 男鹿線は平成の世になった時点では、ラッシュ時に客車列車も残されていた。その後はキハ48形などの国鉄形DCが使用され続けているが、2017(H29)年より、蓄電池式電車EV-E801系が導入された。当面は3往復に運用、寒冷地における性能を確認した上で量産される予定。終点の男鹿駅は2018(H30)年に新駅舎に移転した。
 花輪線は、かつての急行〔よねしろ〕は、民営化の時点では秋田~鹿角花輪間の設定となり、秋田~大館間のみ急行、花輪線内は普通列車となっていた。1990(H2)年にはグレードアップ改造されたキハ58系も導入されたが、東北新幹線八戸開業の2002(H14)年12月改正で廃止。代わって設定された全線通しの快速〔八幡平〕は2015(H27)年3月改正で廃止、現在は全て普通列車である。沿線は安比高原や八幡平などもあり、十和田湖への秋田側のアクセスの起点として、十和田南駅からJRバス〔とわだこ〕号も運行されていたが、東北自動車道の延伸もあって観光需要は衰退、1990年代末期には信号システム近代化やキハ110系導入も行われているが、2019(H31)年3月のダイヤ改正でも減便が行われており、行く末には懸念も持たれている。盛岡側は、好摩で接続する東北本線の第3セクター鉄道転換により、全列車IGRいわて銀河鉄道線へ直通する形態となった。

県内の第3セクター・私鉄
 秋田県内の特定地方交通線3路線は、いずれも国鉄時代末期に第3セクター鉄道に転換されていた。秋田内陸縦貫鉄道は、本来は奥羽本線を短絡する路線として計画されていたが、北側が阿仁合線、南側が角館線として開通したものの、中間部の建設が凍結されたまま、特定地方交通線に指定されていた。転換後に中間部の建設が再開され、平成の世になって間もなくの1989(H元)年4月1日、全線が開業した。阿仁マタギ~戸沢間の十二段トンネル(5,674m)は、秋田県では最長の鉄道トンネルとなった。転換時点では国鉄からキハ22形を借り受けていたが、全通時に新型車両を導入、同時に直通の有料急行〔もりよし〕も設定された。しかし、輸送人員は20年で半分以下に減少してしまい、近年は存廃の議論も起こっている。1990(H2)年、日本初の女性運転士がデビューした事が特筆事項で、男性が戦場に駆り出された戦時中を除けば、普通鉄道では初の快挙となった。2017(H29)年より「スマイルレール秋田内陸線」の愛称が与えられている。
 矢島線を転換した由利高原鉄道は、「おばこ号」の愛称を持つ小型ディーゼルカーが使用されていたが、2000(H12)年以降、順次大型車両に置き換えられていった。一部列車では、「おばこ」姿のアテンダントが観光案内や物品販売を行っている。2015(H27)年に旅客列車を休止して行われた、乾電池の電力のみで車両を走らせる試みが成功、ギネス世界記録を達成した事は、大きな話題となった。2018(H30)年には沿線に「鳥海山木のおもちゃ博物館」が開館、合わせてYR2001号が「おもちゃ列車」としてリニューアルデビューしている。
 大館~小坂間を結んでいた同和鉱業(1989(H元)年10月から小坂精錬)小坂鉄道は、濃硫酸の出荷時に運転される貨物列車のDL三重連がファンに注目されていたが、旅客輸送は、末期には平日7往復・土休日4往復の運行に留まっていた。1994(H6)年に旅客営業を廃止、貨物輸送も2008(H20)年に終了し、翌年全線が廃止になった。小坂駅跡地には2014(H26)年、「小坂レールパーク」がオープン、〔あけぼの〕で使用されていた寝台車が「列車ホテル」として営業している(冬季休業)。大館駅は、JRの同名の駅とは離れた場所にあった。

 秋田内陸縦貫鉄道は、旧国鉄阿仁合線・角館線時代を含めても乗った事がない、というのはお恥ずかしい。来年には乗りに行くと、宣言しておきます。次回はデータ編です。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
6日 台湾国民党 党大会 中国との融和姿勢維持の方針明示
(大相撲 幕下以下力士感染 医療機関に入院)
 7日 「田澤ルール」撤廃 NPB決定
(インド 感染者数世界2位 ニューデリーの地下鉄は運行再開)
 8日 上野動物園「パンダのもり」 公開開始
(マスク専門店 東京駅にオープン)

 釧路から関空へ向かっていたピーチ機で、乗客がマスクを着けていなくて、CAとのスッタモンダの挙句、新潟空港に緊急着陸、なんて事態があったそうです。日本ではマスク着用は義務ではないし、正直私もつけたくはないなあ、というのが隠すつもりもないホンネ、だけれど、それで周りが納得して、終始穏やかなフライトになるのなら、私はつけますよ!

№2205 首都圏の鉄道・バス 新型コロナウィルス感染影響まとめ Ver.22

 新型コロナウィルスも当然引き続き大問題だが、今現在の一大事は台風10号で、九州の各交通機関は早くも昨日のうちから、明日・明後日の運行計画を発表しています。明日の午後以降から明後日にかけては、ほぼ完全にマヒ状態になる見込み(7日朝時点で運行されるのは、福岡市営地下鉄の地下区間のみ)。どうか人的被害が出ないように、それと交通機関の被災がないように願いたいが、甘いのだろうね、その考えは。「今までに経験のない」暴風や大雨になるようでは…。7月豪雨で徹底的に痛めつけられてまだ間がないのに、九州はいつになったら、天気の心配をしないで済む、穏やかな日々を迎えられるのだろうか。

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 既に伝えられているように、JR東日本は正式に来春より、首都圏の主要路線の最終電車の繰り上げを発表しました。新型コロナウィルス感染禍により各線の利用が大幅に減少、山手線の深夜帯・終電近くは1/3にまで落ち込んでいるそう。一方で工事の種類は増加しているのに、必要な人員の確保が難しくなっている事もあって、必要な工事の間合いの時間(240分、つまり4時間以上)を確保する事も理由に挙げています。深夜の工事に関わるインシデントが頻発していた事もあるだろう。もともとウィルス感染禍以前から人員不足(乗務員なども)や、「働き方改革」が叫ばれていた事もあり、この機に、という事でしょう。一部では初電の繰り下げを行う一方、金曜日などの深夜帯には増発も行うとしています。10月には具体的な内容が発表されるそうで、これを見て、私鉄や地下鉄、さらにはバスなども、運行計画を決める事になるはずです(既に検討中だろうが)。深夜急行バスや深夜バスは、さらに縮小が進むでしょう。交通以外では、ファミレスやファストフードなどで24時間営業を取りやめるなどの営業時間短縮が、既に行われています。コンビニも引き続き議論になっているし。JR西日本も昨年から大阪近郊の終電を早めるという話があり、来年春以降、日本の大都市の夜は早くなりそうです。
 さて、首都圏の交通の、新型コロナウィルス感染に対する、特にダイヤ面での対応、今回は、昨日4日までのリリースを中心にまとめます。赤い文字は、この一週間の間の新規リリースです。
 対象の交通機関は、基本的に鉄道・バスとも、Suica・PASMO事業者です(それ以外も若干加えています)。特に終了予定日の記載がなければ、「当分の間」です。記載があっても、状況の変化により変更される場合があります。ウィルス感染禍対策とは別に、イベントも一部記しています。 

*** 鉄道 ***

JR東日本 新幹線・快速・普通列車の定期列車は通常通り運行。特急は〔成田エクスプレス〕のみ、早朝・夜間を除き全区間、または一部区間を運休(38号は東京始発大船行で運転)。その他の定期列車は通常通り運行。10月1日~11月30日の間の臨時列車は、一部指定券の発売を見合わせ。

JR東海 東海道新幹線は、定期列車は全列車運行。山陽新幹線直通も全区間運行。御殿場線の普通列車は通常通り運行。〔踊り子〕はJR東日本、〔ふじさん〕は小田急のWebで確認を。

東京メトロ 通常通り運行。

東京都営(地下鉄・都電・日暮里舎人ライナー) 通常通り運行。

京成 〔スカイライナー〕は上下18往復を運休。運行される一部列車の青砥停車を実施中。青砥~成田空港間料金1,000円。下りは青砥駅の係員からライナー券を購入(現金のみ)、空席に着席。上下とも前売り・チケットレスサービスは利用できない。一般列車は通常通り運行だが、一部列車で時刻を変更している。「懐かしの京成電車ツアー」を19日、「京成電車今昔ツアー」を22日に催行。受け付けは7日12時まで。募集人員を上回った場合は抽選。

東武 一般列車は特急を含め、通常通り運行。「SL大樹」は、当分の間は総座席数の6割を発売、客車1両分は発売せず、他の号車から移動できるように開放する(ソーシャルディスタンス確保のため)。「DL大樹」は引き続き見合わせ。

西武 秩父鉄道直通は取りやめ(三峰口編成は西武秩父、長瀞編成はお花畑の発着で運行)。そのほかの特急など一般列車は通常通り運行。特急「スタジアムエクスプレス」(西武球場前→池袋)は、9月は8~10日、15~17日、22~27日運転。土休日デーゲーム開催日は、西武球場前16時32分(試合開始13時)・17時32分(試合開始14時)出発。

京王 〔京王ライナー〕は、平日は運行本数を変更している。京王八王子発5時47分発(90号)・8時56分発(92号)、橋本発9時22分発(94号)を運転(一部列車の行先・時刻を変更)。夜間の新宿0時発京王八王子行13号、0時20分発橋本行43号は取りやめ。土休日は通常通り運行。そのほかの一般列車は通常通り運行。5000系使用の全席指定列車を、明日23日に新宿~高尾山口間で運行。下り〔Mt.TAKAO〕は新宿発8:00・9:00発(高尾山口までノンストップ)、上り〔京王ライナー〕は高尾山口発15:15・16:15・17:15分発。

小田急 通常通り運行。「エヴァンゲリオン×箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE 第3新東京市スタンプラリー」を、9月30日まで実施。9月5・6日の〔メトロえのしま91・93号〕が大和に臨時停車。〔えのしま1・2・3・5・21号〕〔ホームウェイ60号〕と共に、大和着の特急券所持者に、ロマンスカーオリジナルノベルティをプレゼントする(両日の女子ソフトボール及び「なでしこリーグ」試合開催に合わせた企画)。

東急 通常通り運行。大井町線「Q-SEAT」サービスは取りやめ(列車は通常運行)。田園都市線混雑緩和策「バスも!キャンペーン」は、30日を持って終了する事になった。乗車券の配布は14日まで。

京急 日中の品川~京急蒲田間区間運転の普通(平日14往復・土休日27往復)は、引き続き運休している。土休日の一部快特の「ウイングシート」は、サービスを再開している。車内での取り扱いを開始(この場合の料金は500円)。「三浦半島1DAY・2DAYきっぷ」の前売発売は、7日を持って終了し、以降は当日発売のみ。30日は終日発売休止。

相鉄 通常通り運行。

りんかい線 通常通り運行。

つくばエクスプレス 通常通り運行。

関東鉄道 通常通り運行。9月26・27日、「関鉄ビール列車」を運行。募集人員確実70人。

新京成 通常通り運行。

北総 通常通り運行。

東葉高速 通常通り運行。

東京モノレール 通常通り運行。ラッピングトレインは運用を公表していない。

ゆりかもめ 通常通り運行。

多摩都市モノレール 通常通り運行。

舞浜リゾートライン 通常通り運行。

千葉都市モノレール 通常通り運行。

埼玉高速鉄道 通常通り運行。9日のJリーグ輸送は、試合終了後に3本の臨時列車を運行し、1本の時刻を変更。

埼玉新都市交通 通常通り運行。

横浜市営地下鉄 通常通り運行。

横浜高速鉄道みなとみらい線 通常通り運行。

横浜シーサイドライン 金曜日深夜の増発・終電繰り下げは行わず、月~木曜日のダイヤで運行。土休日は混雑緩和のため、当面の間、日中5分間隔で運転。

湘南モノレール 通常通り運行。 

江ノ電 通常通り運行。

箱根登山 通常通り運行。

伊豆箱根 駿豆線・大雄山線共に最終電車を繰り上げ。駿豆線は三島22時50分・修善寺22時22分発まで、大雄山線は現状の最終電車までは通常運転。〔踊り子〕4往復は全て、通常の運転日に運行。「Over the Rainbow」編成は、「HAPPY PARTY TRAIN」と共に、10月29日までの運用を公表している。位置情報連動型ゲーム「駅メモ!」とのコラボ企画を実施中(11月5日まで)。ヘッドマーク付き編成の運用を公表している。駿豆線は9月30日まで(3501F 軌道線色復刻)、大雄山線は9月15日まで(5505F ミントスペクタクルトレイン)。駿豆線の「2020 反射炉ビヤガー電車」は、取りやめ。

伊豆急行 夜間を中心に一般列車を減便。伊東~伊豆高原間は上下とも、最終電車が繰り上げ。「リゾート21」の展望室は、デッキ側3列のみ使用(全部3列は使用不可)。10月1日~11月30日の臨時〔踊り子〕は、指定券発売を見合わせている(〔サフィール踊り子〕は発売)。

富士急行 特別ダイヤで運行中。〔フジサン特急〕〔富士山ビュー特急〕は運休中(JRからの〔富士回遊〕は、定期3往復は運行)。最終電車は大月発22時05分、河口湖発20時51分に繰り上げ。「トーマスランド号」は、運用を固定していない。「バンドリ!」ラッピング電車を運行中(6日まで予定)。

小湊鐵道 通常通り運行。

いすみ鉄道 通常通り運行。

銚子電鉄 朝方5往復・夕方2往復を取りやめ。香取市の企業による抗ウィルス・抗菌・消臭処置を、2000系・3000系の6両に実施。

秩父鉄道 「計画運休」ダイヤで運行。「ELパレオエクスプレス」を、27日までの土休日運行。「SLパレオエクスプレス」はSLの全般検査のため、元々今年の運行計画はない。

*** バス *** 基本的に一般路線バス
 深夜バス(主に23時台以降、運賃を倍額にして運行されるバス)の運行を、別に記しました。ただし、事業者によって表記内容が結構異なり(はっきり「深夜バスは運行(運休)」と書く所もあれば、時刻表を見ないと解らない所もある)、私の解釈で記した所もあるので、違う部分もあるかも知れません。その点はご容赦ください。

東京都営 通常通り運行。
 深夜バス:運行

日立自動車交通 通常通り運行。

京成バス 中山競馬場のアクセスのバスは引き続き運休(12日からの中山開催は、引き続き無観客)。ZOZOマリンスタジアム臨時直通バスは運行。その他の一般路線は通常通り運行。高速バスの浜松町バスターミナル乗り入れが15日を持って終了する(貿易センタービル建て替えによるバスターミナル閉鎖のため。共同運行他社も含む)。
深夜バス:運行

京成タウンバス 通常通り運行。

京成トランジットバス 一般路線は通常通り運行。

ちばフラワーバス 一般路線は通常通り運行。成東~ウォーターガーデン間臨時便を運行中(9月23日まで)
深夜バス:運休

ちばレインボーバス 通常通り運行。

ちばシティバス 一般路線は通常通り運行。

ちばグリーンバス 一般路線は通常通り運行。

東武バス 定期観光バス・深夜急行バスは全路線全便運休。スカイツリーシャトル上野・浅草線は30分間隔の臨時ダイヤ。日光地域は、1日より臨時ダイヤを変更している。日光鬼怒川線は通常通り、〔SL大樹〕運行日に運行。ウィルス感染対策と関係あるかは解らないが、「TOBU FREE Wi-Fi」は9月いっぱい休止。7日~10月6日、「奥日光シャトル」を運行。東武日光駅~中禅寺湖~光徳温泉~中禅寺温泉間各日1往復。往復4,000円で、利用日に使用できる「湯元温泉フリーパス」を特典として進呈。東武日光駅ツーリストセンターで発売(事前予約も受け付け)。車両は新型コロナウィルス感染症追加対策を実施し、通常40席の所20席に限定。
 深夜バス:運休

国際興業 通常ダイヤでの運行に復帰。深夜急行バスは引き続き運休。メッツァ直通バスは、〔m01〕(飯能駅北口発着)のみ特別ダイヤで運行。〔m02〕(東飯能駅発)は引き続き運休。埼玉スタジアム直行バスは、当面は運行しない。
 深夜バス:運休(折り返しが深夜バスとなる便も運休)

西武バス 深夜急行バスは運休。メッツァ直通バスは〔m01〕(飯能駅北口発着)のみ特別ダイヤで運行再開。〔m02〕(東飯能駅発着)は引き続き運休。メットライフドーム直行バスは、(立川バスも含め)当面は運行しない。練馬・大宮・川越・狭山・飯能の各営業所は9月1日にダイヤ改正を実施し、川越・狭山〔営〕は深夜バスを廃止(〔藤01深夜〕のみ存続)。〔宿20〕系統(新宿~池袋)は、土休日は3往復のみに縮小。新座・大宮・飯能の各営業所は1日より、深夜バスの運行を再開している(〔大36深夜〕は減便を伴う)。
 深夜バス:東京都内 運行 埼玉県内 運休

関東バス 五日市街道〔営〕は1日にダイヤ改正を実施している。
 深夜バス:運行

立川バス 一般路線は通常通り運行。
 深夜バス:運行

西東京バス 一般路線は通常通り運行。八王子・西八王子・日野・拝島の各駅発着系統で、14日より一部増便を伴うダイヤ改正を実施。
 深夜バス:運行(深夜ご帰宅バス「楽帰ぃ」は運休

京王バス 一般路線は通常通り運行。多摩・南大沢地域は今日5日より、ダイヤ改正。
 深夜バス:運行

小田急バス 土曜日は通常土曜ダイヤで運行(世田谷〔営〕は、〔下61〕系統は臨時ダイヤ、そのほかの系統は休日ダイヤを継続)。〔渋24・26〕〔向10・13〕各系統、三鷹の森ジブリ美術館路線、みたかシティバスは臨時ダイヤを継続。〔鶴11・13・26〕系統(神奈中と共同運行)は今日5日より、ダイヤを変更。〔鶴11〕は土曜土曜ダイヤの深夜バスを取りやめ、平日ダイヤは神奈中運行の1便のみに減便。
 深夜バス:運行

東急バス 平日は通常の平日ダイヤ。E-Liner・深夜急行バスは引き続き運休。土曜日は引き続き休日ダイヤで運行。自由が丘や、田園都市線の駅を発着する系統の一部は、土曜日は土曜ダイヤで運行。1日より一部の系統は、土曜日は土曜ダイヤに復帰(ダイヤ改正を伴う系統もある)。〔森02〕系統の土曜日は休日ダイヤのまま、改正を実施。
 深夜バス:運休

京浜急行バス 1日に全エリアでダイヤ改正を実施。大半の系統で減便、最終バス繰り上げ(深夜バス取りやめ・減便)。上大岡・金沢文庫発着系統の一部は、土曜日と休日のダイヤを統合。大井町~台場間の燃料電池バスは運行終了。八幡宮~由比ガ浜間駐車場間は取りやめ。オープントップバスは、1便当たりの乗車人数を最大19人に制限して運行。〔八8〕系統は土曜ダイヤで運行。東朝比奈循環〔朝1・2〕系統(六浦駅~三信住宅)の実証運行は、16日より一時休止。ウィルス感染禍とは関係ないが、品川バスターミナルが9月30日に移転。横浜~五所川原線〔ノクターン〕は品川経由に変更。浜松町バスターミナル乗り入れは、9月30日を持って終了。
 深夜バス:運休

KMバス 通常通り運行。

銀河鉄道 恩多青葉町線は、平日は通常ダイヤに復帰。小平国分寺線は、平日は小平駅南口発6時12分~20時32分の間20分間隔+最終20時57分、国分寺台駅入口発6時37分~20時57分の間20分間隔+最終21時22分。土休日は小平駅南口発6時57分~20時37分、国分寺駅入口発7時22分~21時02分の間20分間隔(土曜日のみの学校対策便は運行しない)。無料通勤バス(東村山駅東口6時00分発→新宿・東京駅)は、11日を持って終了。
 
東京ベイシティ交通 一般路線は通常通り運行。。

新京成バス 松戸新京成バスは、土曜日は休日ダイヤで運行。深夜急行バスは運休。船橋新京成バスは通常通り運行。
 深夜バス:運行

千葉交通 一般路線は通常通り運行。

千葉中央バス 「C-bus」は運休中。その他の一般路線は通常通り運行。深夜急行バスは、千葉駅→ちはら台線は0時50分発のみ運行。
 深夜バス:運行

千葉内陸バス 一般路線は通常通り運行。
 深夜バス:運行

千葉海浜交通 一般路線は通常通り運行。稲毛海浜公園プールオープンに伴い、22日まで、稲毛海岸駅~海浜公園プール間急行便を運行(土休日と8月13~15日)。9月1日より、美浜線・高洲二街区線のダイヤ改正を実施。共に平日減便(美浜線は、小湊鐵道便は変わらない。高洲二街区線は平日のみ運行)
 深夜バス:運行

成田空港交通 一般路線は通常通り運行。

小湊鐵道 千葉~ちはら台間深夜急行バスは引き続き運休(千葉中央バス便のみ運行)。千葉白子急行は(平日・土休日同一ダイヤで、一部減便)。その他の路線は、通常運行に復帰。

日東交通 一般路線は通常通り運行。

館山日東バス 一般路線は通常通り運行。

鴨川日東バス 一般路線は通常通り運行。

平和交通 深夜急行バスは運休。稲毛駅~平和交通本社・にれの木台中央、新検見川駅~にれの木台線は臨時ダイヤで運行。

あすか交通 一般路線は通常通り運行。

東洋バス・千葉シーサイドバス 通常通り運行。

関東鉄道 最終バスを繰り上げ。主に22時00分より後に始発を出発する便を取りやめ(22時00分より早い便の取りやめもある)。

朝日自動車 通常通り運行。
深夜バス:運休

阪東自動車 各路線で最終バスを繰り上げ。湖北北口線・川村線は「2020年度運行スケジュール」に基づき運行中。

茨城急行 北越谷→松伏高校線で金曜日・祝前日のみ運行の深夜便2便の運行を取りやめ。

川越観光 。入西団地循環・マイタウン循環・東京電機大学循環の各路線は23時台の便の運行を取りやめ、最終バスを繰り上げ。森林公園駅~森林公園南口路線(土休日のみ運行)は、特別ダイヤで運行(1時間に1~2本)。

国際十王交通 一般路線は通常通り運行。

関越交通 「水上温泉わくわく号」は、今年度は運行しない。その他の一般路線は通常通り運行。

イーグルバス 小江戸巡回バスは当面の間、土休日も平日ダイヤで運行。

横浜市営 一般路線は通常通り運行。「雨の日臨時便」は運行しない。「ピアライン」は、運行時間帯を縮小して運行している。
 深夜バス:運休

横浜交通開発 通常通り運行。

川崎市営 通常通り運行。等々力スタジアム直行バスは、運行開始が延期されている。
 深夜バス:運行

神奈中 土曜日は今日5日より、通常土曜ダイヤに復帰。なお、土曜日の深夜バスは全系統取りやめ(一部一般便も、折り返しが深夜バスとなる便を中心に取りやめが発生する)。町田〔営〕・多摩〔営〕は9月5日にダイヤ改正を実施。全体的に減便となる上、大半の系統で最終バスを繰り上げ、深夜バスは一部を除き取りやめ。通学対策系統・商業施設系統は運休・減便系統あり。深夜急行バスは運休中。
 深夜バス:運行(土曜日は運休

相鉄バス 116系統(神奈中との共同運行)の土曜日は、通常土曜ダイヤに復帰した(神奈中運行の深夜バスは取りやめ)。その他の一般路線は通常通り運行。深夜急行バスは運休中。横浜~河口湖線〔レイクライナー〕(フジエクスプレスと共同運行)は、7日より1往復のみ運行(横浜駅西口発7時30分発・河口湖駅発18時)。
 深夜バス:運行

臨港バス 一般路線は通常通り運行。「すみっコぐらし」ラッピングバスは、運行を再開した。
 深夜バス:運休

江ノ電バス 一般路線は通常通り運行。
 深夜バス:運行

箱根登山バス 定期観光バスは運休。一般路線は、箱根新道線は箱根湯本駅発1本(12時10分発)、箱根町港発8本(3本は小田原駅行)を運行。御殿場プレミアムアウトレット路線は1時間に1本程度の運行で、平日は最終を繰り上げ。その他、箱根地域内路線は通常の8~9割の運行。

伊豆箱根バス 全線、特別ダイヤで運行(大雄山駅~道了尊路線、真鶴町内路線は通常通り)。湯河原~箱根線は運休している。ウィルス感染禍とは関係ないが、沼津駅~長岡線のリハビリ病院経由便は舗装工事のため、7~13日の間迂回運転を実施。リハビリ病院は経由しない。

富士急行 河口湖~御殿場駅路線は、一部減便。

フジエクスプレス 「ハチ公バス」神宮の杜ルートは21分間隔運転を継続。

富士急バス 富士五湖エリアは、「レッドライン」は9~15時台の7往復(60分間隔)、「ブルーライン」「グリーンライン」は各3往復のみ運行。富士山駅~富士スバルライン五合目線は運行しているが、富士山の登山道は、今夏は全て閉鎖。河口湖駅~御殿場プレミアムアウトレットは減便。甲府駅~富士山駅・上阿原車庫路線は一部減便。富士山世界遺産ループバス、天下茶屋線は運休。富士山駅~馬返線、富士山駅~新富士駅路線は運休。大月及び都留地域のハイキングバスは運休。

富士急湘南バス 一般路線は通常通り運行。9月5・6日に富士スピードウェイで行われる「スーパー耐久シリーズ」にあわせて、開成駅・新松田駅~スピードウェイ間の臨時バスを運行。開成駅発7~10時台の毎時00分(新松田駅は+15分)発、スピードウェイ発14~17時台の毎時30分発。

富士急シティバス 富士宮五合目線は運休。

富士急静岡バス 新富士駅~富士山駅路線は全便運休。鷹岡車庫・富士宮駅~ぐりんぱ路線は、9月1日から運休。大石寺路線は再開している。富士駅~吉原中央駅~ぐりんぱ路線は1日1往復、9月は土休日運行。

山梨交通 一般路線は通常通り運行。南アルプス登山バス(甲府駅・南アルプス市営駐車場・奈良田~広河原)は登山道閉鎖のため、今年度は運休。

東海バス 定期観光バスは運休。その他、全エリアの大半の系統が減便。熱海市内「湯~遊~バス」は一部便の運行を再開している。「彩(いろどり)」は運用しない(動画をフェイスブックで配信)。ボランティアガイドは当面乗務しない。伊東・松崎〔営〕は1日より一部ダイヤ改正(三島駅~修善寺~松崎間快速は引き続き運休)。

JRバス関東 一般路線は通常通り運行。宇都宮では平日朝方に臨時便を運行中。

 一応、各社のリリースなどを細かく見てきたつもり、だが、見落とし・書き漏らしも多々あろうかと思います。発見次第書き直していますが、各事業者の公式WebやSNSで、再度確認して頂ければと思います。
 という事で、特に深夜帯の輸送がどうなるのか、今後来春の、少なくともJRのダイヤ改正あたりまでは、各事業者の動向を見ていく必要があろうかと思います。あとは秋の観光シーズンを迎えた、観光路線の動向はどうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
 3日 新潟県三条市 最高気温40.0℃ 9月の観測史上初
(男子国内ゴルフツアー 8か月ぶり再開)
 4日 大谷 翔平 メジャー初のサヨナラヒット
(東京都 妊婦のPCR検査費用助成 小池都知事発表)
 5日 来年閉校 館山市立第三中学校 最後の運動会開催
(奈良交通定期観光バス 一部運行再開)


 次回は火曜日に更新します。「平成の鉄道回顧」秋田県から再開します。

№2204 バスラマインターナショナル181(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル181」、先月25日に刊行されました。
 表紙は阪急グループ3社から1台ずつになり、阪急バスのエルガ、阪急観光バスのセレガ、大阪空港交通のエアロエース(リフト)。そういえば、近年のバスラマ誌では、事業者とゆかりがある名所などが背景としてあしらわれていたのだが、またなくなってしまいました。阪急バスだったら…有馬温泉あたりか?と思うが。

各地の新車から
 京王バスがSORAを2台導入、というのは、既に京王バスのリリースで記されていました。なお、他の導入例もテキストで記されているが、一方で京急バスは8月いっぱいで、大井町~お台場間で運行していたSORAの運行を終了してしまいました。理由は公式WEB上では解らないが(「水素バスの運行を終了します」と一行で記されているだけ)、ウィルス感染禍で利用が落ち込んでいる中、コスト増に耐えられなくなった、という事だろうか?今の所、西日本の採用例を(少なくとも私は)聞かないが、さて、第1号はどこになるのだろうか?

日本初!ボンネット型電気バスデビュー
 バスラマ誌でも、イーグルバスの「小江戸巡回バス」に導入された、EVのボンネットバスが取り上げられました。本来は3月28日(「小江戸川越春まつり」が予定されていた日)デビュー予定で、たぶん情報は入っていたはずだが、ここまで待っていた、という事でしょう。
 ボンネットの車体は、最初は2次架装かと思っていたのだが、そうではなくて、最初からこの形態の車体が用意されていたらしい(日本で小改造を行ったらしいが)。需要の変化が、「大型」ボンネット車の導入を可能にしたという事だが、3月14日に行ったダイヤ改正とルート変更は、この車両を導入するためだったのか。
 ここではEVそのものの技術的な部分はあまり記されていなくて、イーグルバスの沿革にある程度テキストが割かれている。同業他社との関係はどうなのだろうか。西武バスとは、現在は空港バスも共同運行しているから良好と思われるが、同じ川越の観光周遊バスを運行する東武バスウエストとは、やや微妙かも知れない?競争は当然あるとしても、あまり先鋭的な対立には、なって欲しくない(そんな事もないだろうが)。
「6666」と「7777」は、番号そのものの付与の由来は、ここでも記されていなかった。以前のシビリアンや、別ルートのポンチョもゾロ目の登録番号なので、その韻を踏んだのだろうが。あとはいつ、もう1台導入されるかが期待されるが、現状のウィルス感染禍の元では、先になるかも知れない(現在は土休日も、便数が少ない平日ダイヤで運行)。

今注目のバスの感染症対策
 元々新型コロナウィルス感染禍より前から、交通では抗菌対策をやっている所は多々ありました。正直バスは解らないが、鉄道では、例えば去年デビューした京成3100形が、プラズマクラスターイオン発生装置を、各車両に4台ずつ設置しています。他にも最初から抗ウィルス対策を施している車両はあるだろうし、最近はJRなどでも、「ウィルス対策施行済み」旨のステッカーを見かけるようになりました。
「パンデミック」以降、高速バスなどに乗る機会がないので、実物の車内の様子は見た事がないが、プレートが供えられた車内の写真とかを見ると、飛沫防止に役立つだろうし、現状では仕方がないが、正直雰囲気はあまり良くは感じない。茨城の会社では、ベビーカーのフードを改良したカバーを試験的に撮りつけるとかニュースであったが、いつか、そんなものがなくなっても大丈夫な世の中は、来るのだろうか?これを「新しい日常」と、認めたくはないのだが。

バス事業者訪問 217 阪急バス

阪急バス.jpg
 阪急バスは過去に19号(1993(H5)年9月)・95号(2006(H18)年5月)で取り上げられていて、3回目になります。表紙がある程度阪急バスの歴史を反映していて、19号は「高速 西鹿児島」の行先を掲げた西工SHDの夜行バスと路線車(どちらも行先表示は幕式)、95号は行先表示がLEDとなった、高速車と路線車。
 輸送人員は、この10年においては、一般路線は2011(H23)年を底として(関西であっても、東日本大震災の影響は免れなかったか)、その後2017(H29)年までは増加して9,600万人台に達していたが、翌年は若干の減少。高速は年によってかなり上下動が大きい気がする。さらに95号から見ると、一般は1994(H6)~1996(H8)年の10,800万人台がピーク(阪神大震災の影響は、数字上は意外に出ていない)、高速は当時は右肩上がり、という状況でした。
 路線網の比較では、27年の間で基本的には運行エリアの大きな変化は見られない。西谷車庫は、19号は西谷バス(西谷自動車)、95号は阪急田園バスでした。もちろん奥地の支線の廃止も少なくないが、一方で能勢電鉄の妙見口より北への路線が開通しているのが目を惹く。かつては旧京都交通の路線でした(旧京都交通は府境を越えて、亀岡の方まで走っていたが)。
 高速バスは、〔ムーンライト〕がなくなったのが、やはり大きい。もう3年経ったのか。阪急バスと言えども、夜行バスは苦しいだろう。
 車両面では、阪急バスとしてはこんな車両が欲しい、こんな車両を望む、という発言はなかった。環境面ではCNGバスがなくなり、ハイブリッド車が中心になっているが、燃料電池バスやEVには、どの程度の関心があるのだろうか。 
 当面は新型コロナウィルス禍をいかに乗り切るかに全力が注がれる事になろうが、差し迫っていると思われる課題として、3年後に予定される北大阪急行電鉄(おなじ阪急グループだが)の箕面萱野延伸があります。今現在は千里中央から北、船場または萱野までかなり系統が集中し、急行運転という系統も少なくないようだ。この辺の記載はなかったが、鉄道新線開業の影響はどの程度のものになるだろうか。新駅(箕面萱野あるいは箕面船場阪大前)に接続する形態に再編成されるのでしょうか。
(箕面船場にも出張所があるが、「路線概要」には記載がない)

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 95号から大阪空港交通も加えられているが、空港アクセスはここに限らずどこも、現在のウィルス感染禍は深刻。アクセス自体がウィルス対策が万全でも、航空の動向次第になるので。9月に入って国内線も再度大幅減便というようでは、苦境はまだ続きそうだ。とにかく航空需要の回復を待つ以外、ないのでしょう。リフトバスなんてもったいない話だが。

バスラマ創刊30周年記念インタビュー
 みちのりホールディングスCEOの松本 順氏。
「『スケールメリット』はバス業界にはあまり存在しない」という発言は、意外と思った。そういう理由でグループ化ではない。そうではなくて、「ベストプラクティス」の創出に、複数のバス会社のグループ化のメリットがあるのだという。確かに高速バスあたりはともかく、一般の路線バスだと地域によって状況はかなり異なるから、A社ではすぐできる事でも、直接B社に当てはめる事は出来ないだろうから。
(その観点で言うと、常々地元としては、湘南モノレールを引き受けたのはなんでだろう?とも思っています。福島交通が鉄道もやっているが、湘南モノレールに応用できそうな内容はほとんどないだろう。逆も同じ)
 コロナ禍の現状に関しては、「地方分散の時代が来るだろう(大都市のオフィスに行く必要がないから)。ただ、中距離の移動は増えるのではないか」という希望的な分析もあるが、一方で、オンライン・リモート化は医療の分野に及んでいて、通院の乗客数にも影響が出ているという。これは、通院の利用に支えられている部分が多いだろう地方路線としては、かなり心配な材料ではないでしょうか?実際、みちのりに限らず、地方のバス路線の時刻表などを見ると、地域の大きな病院を経由する路線が相当あるので。「高齢者の免許返納・若者のクルマ離れは追い風」とも語っているが、そうなればいいなとは思うが、前号で書いた事のまるまる繰り返しになってしまうけれど、「公共交通による感染」(いくら事業者が上で書いたような対策を施し、「そんな事はないんだ」とPRしたとしても)を恐れた利用者が、マイカーや自転車に転移する事で、バスを含む公共交通の利用が減少してしまうのではないか、という懸念はあります。自分がクルマを持たなくたって、カーシェアリングとかいう方法もあるし。東京では「GoToトラベルキャンペーン」から東京都発が除外されたことで、都内の行楽地に都民が集中、奥多摩の日原鍾乳洞が大渋滞になって、西東京バス路線の運行に悪影響(通常の3倍かかる大幅遅延)が出ている、という話も聞いています。やはり最終的には、地域の住人をはじめとする、バスを取り巻く市民の意識にも関わってきます。彼らにどう訴えるか。
 全体を読んだ感触では、前号の両備HDの小嶋氏とは、同じ「公共交通を守る」にしても、方向性が多少違うように感じられた。ウーバーの影響とかには触れているが、同業が新規参入すると言ったらどうするのか、という所までは語られていない(みちのりHD傘下の各社とも、岡山のような先鋭的対立が発生しているとは聞いていないが)。法規的な事は持ち出さず、「まずは自己の経営をしっかり固めて、安定した収入を得る事で公共交通を守る」という思想のように思われました。みちのりに関しては、個人的にはむしろ、既にある同業他社との関係はどう構築するのか、そこを聞きたかった。茨城交通はICカードで「いばっぴ」を導入したが、関東鉄道グループのPASMOや、JR東日本のSuicaとの互換性がなく、特に水戸市内の利用者にとってはどうなのかと思う。岩手県北自動車も、岩手県交通とは、どのような関係を築きたいのだろうか。
 ここでもEVの普及を期待しているが、「エンジン駆動のサプライチェーンが確立していて、簡単には産業構造は変えられない」の文言には、耳を傾けるべきと思う。それでもEV化は待ったなし、とは言うが、本格的なEVバスを造りたいなら、現状のディーゼルバスの延長線上ではもうダメ、全く新しい設計にしなければならない、というのは、私も感じてきている所。しかしそれなら、ピュアディーゼルエンジンのバスを造る事を前提にしている構造をどう変えるかは、実は結構難題のようにも思える。技術的な部分はシロートなので解らないが、その点はメーカーサイドも考えるべきだろう。
(シンク・トゥギャザーのように、他のしがらみがない、全く新しいところから生み出される可能性もあるが、高速で走る大型バスだと簡単ではないだろう)
 ここでは、岩手県北自動車による、南部バス吸収については触れられていなかった。

「バステクフォーラム2020」、ともかく無事に開催できて良かったです。個人的には、オノエンスターの大型バスはやはりどこかあか抜けない印象があるし、特に中ドアの位置と幅が変えられないと、流動性はどうなのかとも感じるが、ともかくアルファバスも含め、日本の市販第1号はどこになるだろうか。既に会津バスも含め、日本でも相当数普及しているBYDに、どこまで迫れるでしょうか?(米中貿易紛争が影を落とさなければ良いが。特にBYDはトランプ政権に狙い撃ちされているので)
 海外のバスのニュースが、やはり少なくなってきている。特に欧州は、国を跨ぐ路線が少なくない(通勤バスにだってある)が、国によってウィルスの感染の状況や、その対策はかなり違う。特にフランスやスペインはまた感染者がかなり増えてきているそう。彼の地ではどのような対策が施されたのか、ある程度落ち着いて、海外に取材に行ける状況になったら、まとめて取り上げられればと思っています。
 ドイツに挑んだ韓国人バスドライバーの連載については、次号でまとめて感想を書きたいと思います(ドイツではバスとトラックでは免許が違う、とは以前どこかに書いてあったと思う)。韓国のバス情報は休止。

 ニュースを見ると、こんな状況下でも新しい路線を開設する事業者、結構ある…。
 次号の予告は、地元も地元、横浜市営バス。当然、今号で速報した「BAY SIDE BLUE」は、扱いが大きくなるでしょう。発売前に、一度乗ってみて、その感想を踏まえて、テキストを読みたいと思っています。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
31日 「甲子園の土」キーホルダー 全国の高校球児に贈呈
(Bリーグ コロナ対策ガイドライン公表)
 1日 Jリーグ ベガルタ仙台 女子チーム経営権「マイナビ」譲渡を発表
(新型コロナワクチン共同購入 加藤厚労相 参加意向表明)
 2日 青森県むつ市の核燃料中間貯蔵施設 事実上合格の審査書案とりまとめ
(新型コロナウィルス感染状況公表 沖縄県・石川県「ステージ4」)

 7月豪雨の傷が全く癒えていないのに、台風9号・10号が九州地方に近づいています。特に10号は「特別警報級」になる恐れがあるそう。日本接近は日曜日になるそうだが。とにかく、最低でも人的な犠牲が出ない事、そしてもうこれ以上、交通機関に重大なダメージが出て欲しくありません。既に九州はズタズタなので。