№2184 JR東日本は 旅客への案内の優先順位を誤っていないか

 いきなり長ったらしいタイトルになってしまったが、JR東日本の駅のコンコースや、ホームの発車の案内表示を見てつくづく感じるのだが、これから列車に乗ろう、という旅客への案内の優先順位が、明らかに誤っているのではないだろうか?

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 これは今月7日に撮った、大船駅の5番線、横須賀線上りのホームの表示です。
 2段目、本来は表示されている列車の次の列車(この場合だと15時06分発上総一ノ宮行)を表示する所が、時々JR東日本からのお知らせになります。
 だけど、ここで表示されていたのは、北海道新幹線の工事(19日までの毎週日曜日に行われていた)に伴う、列車の運休のお知らせでした。しかし、週1回の深夜1往復のみの運休(それも首都圏から遠く離れた区間)のお知らせが、今旅客が立っているホームからの列車の発車の案内に優先して表示されるべきでしょうか?まして〔はやて100号〕は新函館北斗発新青森行最終で、大船駅に関しては、重要度はかなり低いはずです。少なくとも、至近の発車の案内を犠牲にしなければならない表示とは、思えない。
 この時点では、次の列車も横須賀線だからまだいいかも知れないが、もし次が湘南新宿ラインだと、武蔵小杉や新宿の方へ行く列車が何時になるかという、遥かに大事なはずの情報が、「お知らせ」が終わるまで得られない事になります。

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 かなり古いが、8年前の2012(H24)年9月3日に横浜駅9番線(横須賀線下り)で撮影したものです。先発が特急〔成田エクスプレス〕(大船行)で、次が湘南新宿ラインからの逗子行という構図です。

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 ところが、2段目は時々、利用のマナーに関する表示に切り替わりました。これでは、ホームの乗客が本来知りたいはずの、次に逗子や久里浜へ行く一般の通勤電車がいつ来るのか、「お知らせ」の表示が終わるまで解りません。これは正しい方向でしょうか?

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 現代に戻ります。これは今月13日の茅ヶ崎駅で、改札を入ってすぐ目に付く、東海道本線上りの発車の案内です。本来3列車分表示されるが、3段目はモバイルSuicaのアップロードのお願いになっています。

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「お知らせ」が終わると、3本目は湘南新宿ラインの特別快速の時刻の表示でした。これも本来の優先順位を誤っていて、必要な情報をキチンと提供している事にならない。

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 その1時間後です。先発が湘南新宿ラインの特別快速(4826Y)だが、2段目がその停車駅をスクロール表示し、次の上野東京ライン(1588E)は一時的に3段目に移動しています。
 しかしこの表示は、決定的に誤りがあります。画像だけでは解らないが、この4826Yは大船で、先行する上野東京ラインの普通列車(1586E)を追い抜くのに、それに関する案内が、一切ありません。これでは、品川や東京、上野方面へ行くには、次の1586Eまで10分以上待たなければならないのか、と思わせる事になります。4826Yに乗って大船で乗り換えれば早いのに。
(JR東日本の場合は、この「緩急結合」の情報が、極めて少ないと思う)

 総合すると…他鉄道でもそういう所がないわけではないが、特にJR東日本は、優先順位が極めて低い、JR東日本からのお知らせやCMばかりが先走って(旅客が求めているわけではない)、最も肝心な、「次の電車は何時に出発するのか」「快速だと途中の駅で各駅停車に接続するのか(逆に各駅停車だと、快速とどちらが先に着くのか)」といった情報が、かなり不足していると思わざるを得ません。
 他にも、
① 小さなスペースに情報を無理に詰め込もうとする。車両と同じ。
② 英語と交互になるので、英語に慣れない旅客は、英語表記の内は情報を読み取れない。
という点は、指摘されるべきだと思います。特に昨今のJRはダイヤが複雑化していて、自分が乗りたい列車、乗るべき列車が2本、3本あとだったりする事もままあります。本線各の路線の場合、少なくとも3本先までは、列車の直接の運行に関係ない表示は出さず、固定して旅客の前に示しておくべきではないでしょうか。

 そこで、とりあえず、先の茅ヶ崎駅の改札の先の発車案内の表示の改善案を考えてみました。

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(ワードで作成して、プリンターで印刷したものをスキャン、という手順を踏んでいるので、プリンターの不調によりすごく見づらいのはご容赦ください)
 むろん、ではどこまで表示すべきかも考えなければならない。あまりコマゴマ書いてもこれはこれで旅客を惑わす事になる。
 ので、ここでは改札口を入ってすぐの段階で必要だろうと思われる表示、という思考で作成しています。
 場所的な問題もあるだろうが、現状はあまりにも小さすぎる。見やすい事が大事なのだから、倍以上のものは必要ではないでしょうか。

① 列車は、特に茅ヶ崎駅くらいの規模で、発着本数も多く、形態も多岐にわたるような駅では、3本先までの固定した表示は必要。
② 2段目は、先発列車の情報を掲示する。快速だと、停車駅(スクロールという想定)と、停車駅や終着駅での普通列車などへの接続の情報も必要。
(ただし湘南新宿ラインの場合は、東京都内より先は必要ないだろう。4826Yは高崎線内の鴻巣でも普通に接続するが、そこまではいらないと思う。ケースバイケース)
③ その駅からの列車の発車案内とは関係ない情報(旅客が望んだわけではない)は、一切表示しない(マナー啓蒙、CMなど)。他線区の遅延情報も、別にスペースを設けて、そこで表示する。
④ 日本語と英語は交互の表示ではなく、併記とする。外国人旅客も考慮し、フォントの大きさは日本語:英語=3:2くらい。中国語・韓国語の表記も検討する(その場合はスクロールになるだろう)
 なお、一部空白があるのは、遅延が生じた際の時間の表示を想定しています。これも現状では、交互表示に埋もれてしまっている事が多いので。
 この表記を、先発の列車が発着するまでは、一切変えない。これが一番重要だと思う。

 ここでは改札口の表記を想定したが、当然ホームでは、また違った案内表示の在り方が考えられるべきでしょう。これも運行形態に関わってくるのだが、少しずつ考えて、書いてみたいと思う。
 とにかく、列車に乗る乗客にとって、駅からすぐ乗る路線の列車の情報こそが一番大事である事を考え、案内表示の優先順位付け、整理がなされるべきだと思います。他鉄道もだが、特にJR東日本で考えて頂きたい事です。

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