「バスマガジンvol.101」、正直ちょっと心配もあったが、通常通り、先月末発売になりました。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.101 遠州鉄道
まず、奥山!5年前に浜松からバスで乗り付けて、本体で公開しています。行った事自体は№1319で書いています。あれから5年経ったが、雰囲気は変わっていないようなのが幸い。鉄道の駅の跡はここではなく、近くのバスの車庫付近らしいが、鉄道があった事を示すものが何もなかったのが残念と、当時は記しました。この付近が2年後の大河ドラマの舞台になると発表になったのは少し後の話になるが、鉄道が残っていればねえ、と今でも思います。通勤・通学の足として見直された、だけでなく、大河ドラマの舞台への足として注目されたのに、と。途中三方ヶ原(武田が徳川を破った古戦場)も走るし(バスの営業所もある)。新幹線が開通した時点では、まだ走っていたのだから(一か月後に廃線)。放映期間中の気賀の賑わいは後に天竜浜名湖鉄道からも垣間見えたが、バスにはどのくらいプラスになったのだろうか。
遠州鉄道は創刊間もないvol.4(2004(H16)年)で取り上げられていて、当時は浜名湖を一周する路線があった上、愛知県の本長篠への路線もありました。遠州鉄道は、比較的路線の維持が図られてきた事業者だった、と思うが、残念ながら最近はそうでもないようで、「平成の大合併」以前の浜松市域が中心になりつつあるのだろうか。むろん、郊外部の路線もまだ少なくはないが。
車両面で、中小型車がない、というのは少し驚きだった。確かに比較的少数派だったようだが、それでも16年前は郊外部の自主運行バスの受託もあったし、なにより浜松市中心部にポンチョの循環バスがあったよな?(№1319でも撮っている)と思って調べてみたら、「くるる」は去年の3月いっぱいをもって廃止、自主運行バスも廃止になったり(vol.4には磐田市用の日野レインボー7m車の写真があるが、磐田市が運行費用を出せなくなってしまった、と一般のニュースで見た記憶がある)、コミュニティバスも、遠州鉄道の運行ではなくなっている。系列の遠鉄タクシーが多いが、浜松バスに変わった湖西市の例もあります。道路条件が悪い、という路線はないのだろう。多少乗客が減少しても、現状の路線網ではダウンサイジングまでは必要ない、という事だろうが、このクラスの大手で中小型が1台もないのは、全国的にも遠州鉄道くらい、ではないだろうか?
それと、エアロスター・エコハイブリッドがもう在籍していない。
一覧表を見ると、20世紀の車両は、三菱ふそうのエアロスター・ノンステップしかない。「日野+富士重」がこれから注目だ、とも書いたのに、案外静かにいなくなったようだ。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.33 佐賀県/宮崎県
今回は、九州の2県をまとめて取り上げています。同じ九州でもかなり離れているし、性格もだいぶ違う。バス以外の、鉄道などの交通事情も完全に違っているのだが。

佐賀県は、前回はこれもだいぶ前で、2006(H18)年のvol.15以来14年ぶり。この間、分社の再編成はあるが、グループ目線で見ると、事業者の構図は変わっていない。
求心力が強い都市がない、というのが佐賀県の特徴、とされています。ちょっと調べてみたら、県都佐賀市の約23万人に対して、唐津市が約12万人、鳥栖市が約7万4,000人と、はっきり佐賀市一極集中、ではない。しかも唐津はダイレクトに福岡市への通勤電車が走るし、鳥栖は鉄道の大幹線の鹿児島本線の途上でかつては「鉄道の街」、しかも新幹線の駅もできた。対して佐賀市は、高速バスが頻発し、電車特急〔かもめ〕〔みどり〕があるとはいえ、福岡へのメインルートからは、ややズレた位置にある。県全体が福岡市からは比較的近いため、県都が求心力を持てる位置にない。そういう構図だろうか。唐津や鳥栖の市民には、ひょっとしたら「福岡県民」という意識があったりするのか?(特に鳥栖)横浜市の北部の住民が「神奈川都民」と揶揄される事が少なくないけれど、それと同じだろうか。
今回は、JR九州バスはほぼ出てこない。解説文で少し書かれているだけ。14年前は、長崎県に越境する嬉野線のルポが1ページ掲載されていたのに、この扱いは、やや疑問もあります。

宮崎県は、2013(H25)年のvol.57で取り上げられていました。当時も2ページで終わっていて、「もう少し県内各地を走るバスの姿を捉えた写真が欲しかった」と記しているが、結局ほぼ宮崎交通一社独占、という形態では、書ける部分が少ないのか。
ここも、前回はリストに名前が載るだけだった高崎観光バスの写真がある一方で、鹿児島交通(前回は三州自動車)については軽く触れられているだけ。
宮崎交通は一覧表を見ると、昭和のバスが55台も残っていて、全体(406台)の13.5%にも上る。趣味的には興味深いものの、環境対策は、今後は宮崎県レベルの地方でも強力に求められるはずで、経年車両の対策は、今後大変な事になるのではないか?
福岡へは、高速バス〔B&Sみやざき〕に乗り、新八代での新幹線乗り換えが最速で、3時間強。
バスマガ写真館SPECIAL
困った事に、投稿者の解説文が完全に間違っている写真が数点ある。編集時のミスのはずだが。
個人的には、自然との組み合わせが好きなので、「パノラミック賞」がイチ推し、かな?桜の「ベストシーズン賞」もいいかも。
移籍バスの行方を追跡
新連載?第1回は東急バスで、20世紀くらいの車両が中心。北は北海道稚内から、南は沖縄まで、譲渡の範囲が広い。東急バス時代のカラーをそのまま使っている事業者が多いのが特徴だろうか。北海道はマーキュリーカラー、あるいはそのアレンジも数点ある。それにしてもよく、出自から移籍先の状況まで、詳しく調べ上げているものだ。趣味レベルでは難しいだろうと思うのだが、どのような調査手法を用いているのだろうか。
一般女性300人に聞いた 女子にウケるorドン引きされる バス知識
この企画はバスマガジン誌らしいかも。
マニアックな知識はともかく、正直「一般の女性は、普通の路線バスは乗らないの?」と思ってしまうような質問が多いみたいだった。終点で降車ボタンを押してしまう乗客は、あまりいないと思うけれどね(全くいないわけではないが、子供が押してしまっている事が多いように思う)。
(最前席は現在、ウィルス感染対策で利用不可になっている事業者が大半のはず。少なくとも関東は全部そうだろう)
夜行バスに関しては、切迫した疑問も多いかも知れないのリクライニングは、確かに実際に乗り合わせても感じる。私は、倒してみて途中で(後方の乗客の膝などが当たって)止まってしまうようなら、そこで止めて寝てしまう(余計なトラブルを防ぐためにも)。トイレが気になるのは、特に女性なら当然あるだろう。「女性専用車って、あるんですか?」なんて質問は、なかっただろうか。
ケーブルが接続できるバスも、高速はもちろん、最近は一般路線でもチラホラみられるようになって、日本では西東京バスが走らせるようになったし、海外ではこの前行ってきたノルウェーのボーデーの市内バスも、新車はUSBを備えていました(次回書きます)。女の子にバスに乗ってもらえるようにするには、今後はスマホ対策も必須、なのだろうな。
鈴木文彦が斬る!バスのいま 第27回
やはり今号も、新型コロナウィルス感染禍にならざるを得ない。
私自身、関東地方の事業者の状況を、一般路線だけだが各者のWebサイトで調べて、毎週土曜日にまとめているが(かなり抜け落ちている所もあります。スミマセン)、「緊急事態宣言」発出後、「STAY HOME」が強く求められたGWの頃が、一番の底だったように感じる。地方部の減便が目立った鉄道と違って、バスはまず、都心側から影響が出始め、徐々に地方に広がっていったように思えます。商業施設・行楽施設への路線が相次いで運休になり(走っても施設が休業では仕方がない)、だんだん一般の路線が影響を受け始め、土曜日が休日ダイヤになり、平日が土曜ダイヤになり、事業者や路線によっては、さらに大幅減便の特別ダイヤになったりもしました。GWを過ぎて、「緊急事態宣言」が徐々に解除されていくと、少しづつダイヤが元に戻っていって、昨日あたりからは学校も始まっているので、平日は通常ダイヤに戻りつつある、そんな状況だったかと思います。
貸切バスは、前回も書いたが、特にインバウンドはこれからも長期間、大幅な需要の回復はとても期待できない(日本だけ改善できても、海外の状況が良くならなかったら、少なくとも観光客は呼び込めない。未だに状況が右肩上がりで悪化している国が少なくない)。空港バス(だけでなく、鉄道などの空港アクセス全体)も、状況の好転は航空業界次第になるのだから、特に国際線の依存度が高い成田や関空の路線は、相当長期間、厳しいのは間違いない。ただ、これも前に書いた事の繰り返しだが、この危機によって、過去の関越や軽井沢のような事故を起こしかねない「ブラック」な事業者は体力がなくて真っ先に淘汰されるだろうし、ドライバーも、貸切バスに固執するならともかく、労働環境の変化を受け入れられるなら、一般の路線バスは深刻なドライバー不足が続くのだから、案外食いはぐれる事はないのではないかと思う。甘いでしょうか?
むろん日本のバス事業者は皆、自ら傷つき、感染の恐怖に怯えながら、それでも最低限の輸送力を確保して、懸命に走り続けて、犠牲を甘んじて受け入れてきたのだから、公的な支援(国レベルでも、地方レベルでも)も、できる限りなされるべきだと思う。とはいえ湯水の如く原資があふれているわけではないのも事実だし、バスだけ、交通だけが犠牲になったわけではないのも事実で、できる限り広く救済しようとするなら、どこかで金銭的な限界が来るのも事実だろう。特に路線バスはウィルス感染禍よりはるかに前から乗客減やドライバー不足といった危機に陥って久しく、個々の事業者だけで状況を克服するのは、大手クラスでも困難だと思う。この機に、利用者の利便性、ドライバー等の雇用が担保される事を条件に、バス業界の外部まで含めた、大幅な経営形態・事業形態の再編成も、考えられるべきかも知れない。
後は、特に各自治体の本気度が問われるだろう。金銭面以外でも。「本当に路線バスを必要としているのですか」と。これもウィルス感染禍前からの課題だが。そして何より心配されるのは、これを機に、ウィルス感染を恐れて、バスを筆頭に、公共交通が敬遠される傾向が出てきてしまうのではないかという事。郊外のバスに乗ってみると、場所によってはファストフードのドライブスルーを先頭に渋滞が起きていたりする場所が散見されるので。中国では都市封鎖が解除されても、バスが敬遠されてマイカー利用が増えた結果、渋滞がウィルス感染禍前より酷くなった、という報道も見ました。欧州では自転車レーンの整備を進めるという国もあると聞く。アメリカでは、ウィルスに感染したバスドライバーが多数命を落とした、とも聞きました(黒人が多く、これが今全米で起きている暴動の背景の一つになっているのではないか?直接的にはミネアポリスの一件だが)。どれもこれも、特に一般のバスにとっては良い話ではない。事業者側の努力も必要だが、我々利用者側も、(むろんウィルス感染を心配するのは当然だが)安易に公共交通を見捨ててしまって良いのか、環境問題の面からも、考えるべきではないだろうか。
終点の情景を求めて
長崎自動車の樺島。ここも行った事があり、本体でも公開しています(現在休止中。再開はもう少し待ってください)。樺島は確か2回行った事があるが、うち一回は確か台風直後で、途中の道路で電信柱がボキボキ折れていて、大幅な遅延になってしまった記憶があります。2回とも途中下車とかはしなかったが、軍艦島は見た事があります。高い給料は、危険の裏返しだったのか。次は軍艦島も、行ってみようかな。
平成初期のバスを振り返る
新潟交通。「バスジャパン・ハンドブックシリーズV103」で書いたばかりだけれど、この時代の新潟交通は、北村車体の「なまず」だなあ。「BJ」でも書いたが、これで終わりになってしまったのが残念で、このまま車体の製造が継続し、ノンステップバスの時代を迎えたら、どんな車体になったのだろうか、と想像してみたりもします。現状でも古い車両が相当数残っているが、一方で電車代替のKC-JP250NTNは、1台しか残っていないようです。また、元東急バスのワンロマ車がここでも出てくるが、新潟交通グループでは、東急バスが地方部にまとまって移籍したが、現在は1台もないようだ。
西武バスの「S-tory」デザインは、早く実物を見たいですね。「X」を強力にあしらったデザインは、前例がない。在来車両の塗り替えは行わないのだろうか。あとは高速バス・貸切バスには波及しないのか(いまだに統一が図られていない)。
次号は「バス会社」はJRバス東北、「県別」は長野県を予定。どちらも観光路線の現状はかなり辛そうだ。提案だが、このコロナウィルス感染禍の間、「STAY HOME週間」の最中を中心に、各事業者(バスに限らないが)では様々なコンテンツを配信してきたので(今号の「都バス情報局」にはペーパークラフトがある)、どんなものがあったのか、まとめて紹介してみたる企画があったら、面白いのではないだろうか。キッズ向けはもちろん、「Web会議で使える」という大人向けの壁紙の配信もあって、小田急電鉄配信の「小田急の背景」には、東海バスの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車や、「伊豆の踊り子」ボンネットバスもあったりするので。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
1日 フェイスブック社員 米トランプ大統領投稿チェックを要求 抗議スト
(本多劇場 無観客で一部再開 ネットで生配信)
2日 馬淵澄夫元国土交通大臣 国民民主党に入党届提出
(プロ野球 練習試合開始)
本多劇場の支配人も言っているのだが、演劇とか、あるいは音楽の演奏とかは、生で見る事が大事だと思う。SNSでは、代わりにはなりえない。本多劇場も、今回の配信はあくまで緊急事態だと考えているようです。この手のエンタメがいつ、お客さんを入れられるようになるかは解らないが、そうなったら、音楽会くらいは行ってみようかと思う。この数年のテーマの「チャレンジ」の一環で。
そうは言っても、東京都の感染者数が再び増加傾向にあって、今日は34人、「東京アラート」が、更新の直前に出されました。とにかく、「緊急事態宣言」の再度の発出だけはカンベン。首都圏の足を引っ張っていた神奈川県は減少傾向にあるそうで、このままいってほしい。そのためには、神奈川県民の私自身が気を付けないと。正直マスクをつけると、普通に歩くのも息苦しいけれどね。