
ストックホルム~ボーデン間は、過去には何度も乗っています。最初が1993(H5)年10月、次が1996(H8)年7月、同じ年の11月にも乗っているし、最近は11年前の2009(H21)年3月に乗りました。好きなんだなあ。列車も、車窓も。
過去の4回は皆、ルートは違えども、ボーデンからルレオに立ち寄っていましたが、今回は初めてルレオはスルー、ボーデンから引き続き同じ94列車で、最北のナルヴィクを目指す事になります。
2020年 3月 5日(木)

定刻に走れていました。5時40分、ボーデン着。
ところで、11年前はルレオ→ボーデン→ストックホルムと乗っているが(ナルヴィクは行っていない)、あの時は途中のウメオで進行方向が変わっていました。しかし、ルートが変わったらしく、今回はストックホルムから方向を変えないまま、ボーデンの到着となりました。

地下通路のカラフルなイラストは、変わっていない。

山小屋風の駅舎も昔のままだ。ただ、やはり営業の駅員、というか窓口がない…。まだ6時前で駅前も人影はほぼない。ただ、市内バスはもう走り始めている。

変わったのは、こことルレオの間に近郊電車が走り出したらしい、という事。時刻表が掲げられていました。むろん本数はそんなに多くはないが。

走り出したのは最近の事だろうか、PRというわけか、新型の近郊電車の模型が展示されていました。

もっとも、4番ホームで待っていたのは、これまで何度も見て、乗ってきた旧式の電車でした。

しばらくすると、ルレオ発の編成が来ました。座席車+食堂車。
この後、ストックホルムからの編成は、ナルヴィク行の車両が切り離され、いったん構内から出て行って、今度はルレオからの客車の前に連結される。

先にルレオ行が出発していきました。
その後、定刻を少し回って、こちらも出発。
ここでも備忘録的に、ボーデンからの編成を記しておきます。ルレオからのELが、ボーデンからもけん引しました。
RC6 1395
11 WL6 5623 寝台車 S-N
12 WL6 5616 寝台車 S-N
14 BC4 5440 クシェット S-N
15 BC4 5467 クシェット S-N
16 B2 5531 座席2等車 S-N
61 BF4 5408 座席2等車 L-N
R4 5455 食堂車 L-N
S-N ストックホルム中央~ナルヴィク間
L-N ルレオ~ナルヴィク間
※ キルナから逆編成

ルレオから別の食堂車になり、既に営業を始めていたので、早めの朝食。

サンドイッチとヨーグルト、オレンジジュース。これで99SEK(≒1,150円)。
最初は誰もいなかったけれど、時間がたつに連れて、他のお客さんも三々五々集まってきました。

ボーデンから1時間、7時ちょうど、ムリエク着。駅付近は民家が数件あるだけで、駅舎の窓口もないが、ホームの雪かきはキチンと行われていました。

ひたすら、雪が積もる森の中。モノトーンの世界。木々が、だんだん小さくなっていく。
ムリエクとイェリヴァレの間で北極圏に入ったはずだが、気づかなかった。看板も見落とした。アナウンスがあるわけでも、列車が減速したわけでもなかったし。

さらに1時間、8時ちょうどにイェリヴァレ到着。ここの駅舎も変わらない。ウィンタースポーツのリゾート、というわけで、ここでお客さんがどっと降りる。先のボブスレーのお兄さん2人組も、ここで降りていきました。

さらに1時間、左手にはキルナのスキー場が見えてきました。

キルナ到着。ここでもお客さんがゾロゾロ下車。ホームに横付けされていた観光バスや、出迎えの車などに乗り換えていく。
…って、あれ、キルナって、こんな駅だったっけ?あの重圧な駅舎は、どこだ?

線路を担ぐ男たちの銅像はあるのだが…。駅…、場所、変わった?

これが、駅舎?ただの待ち合い室にしか見えないが。

中には、キルナのアクティビティについて書かれた案内がありました。日本語まで記されている。

構内は広いが、旅客用のホームは、この1面しかない(なぜか11番線となっている)。

ここで進行方向が変わり、機関車が付け替えられる。これも、以前はなかった事だ。

いったいどうなっているのよ、と思いつつ、キルナ出発です。
最後部となった寝台車の貫通扉の窓から、後方を見る。すぐに雪煙が付着して、何も見えなくなっていくのだが。右手には貨物列車の機関車がいる。新型だ。
検札に回ってきた車掌に聞くと、キルナ駅は10年前に移転しているのだそうだ。キルナは鉄鉱石の採掘で世界的に有名な街なのだが、やりすぎて町が危険な状態に陥り、町の方を移転させる事になった。という話は聞いていました。しかし、駅まで移転しているとは思わなかった。なお、今後再度の移転が行われるらしい。

左手は雪山になる。だんだん高度が上がっていく。

一方の右手はトーネ湖。
途中の信号所(KAISE PAKTEと書かれていたが、地名ではないかも)で20分も停車。交換相手は、新型ELけん引の貨物列車。実態はやはり貨物が主、旅客は従、か。

アビスコ東駅。定刻の到着だったから、先の20分停車もダイヤ通りだったという事か。

ここも、いい駅舎があるなあ。ここは、中を覗く時間はなかった。

ただし、降車が多かったのは次のツーリスト駅。

トーネ湖を見下ろす形で、どんどん上っていく。曇り空なので、遠くの雪山と、空の境目が解らない。

バッシャラウレ駅で、25分停車。時刻表上では通過で、運転停車。なので外には出られない。

ルレオ行95列車の待ち合わせだった。

食堂車でスィーツとコーヒー。

カッタリヨク着。雪に埋もれた集落、というイメージ。

リクスグレンセンの駅は、ホームがシェルターの中にある。行き違いができない棒線。
この駅が、スウェーデン側では最後の駅になる。ノルウェー側の警備兵が回ってきました。特にパスポートを見せろとかはないが。

ホームのシェルター越しに見る、リクスグレンセンの集落。
そのシェルターの中に書かれたスウェーデンの国旗をあしらった標識が、ノルウェーの国旗のデザインになり、国境を越えたと解る。
ここまでの間で、乗客はかなり降りたようでした。コンパートは先のボブスレーのお兄さん以外にもいたのだが、途中で降りてしまって、自分一人。

ノルウェーの山。モノトーンは変わらない。やや険しく見える。

ノルウェー、といったら、フィヨルドだよねえ。右下に見下ろしながら、今度はどんどん下っていく。曇り空で寒々しいが、これはこれで趣きがあると思う。

フィヨルドにかかる吊り橋。ロムバック橋というらしい。さらに北部のトロムソやホニングスボーグ、21年前にフィンランド側から行った事があるノールカップの方に続いています。相当遠いが。

久しぶりに大きな街が見えてきた、と思ったら、黄色い建物が見えてきた。ナルヴィクの駅だ。

13時少し過ぎ、ナルヴィク、着きました!
定刻より少々遅れての到着、ストックホルム中央を起って、ちょうど19時間です。
ようやく念願かなって、全区間乗り通す事が出来ました。感無量…とまでは言わないが、達成感がありました。
降り立ってみれば、田舎の駅の風情では、あるのですが…。
という事で、「ノルトピレン」の旅は終着地にたどり着きました。やはり夜が明けてからの、ボーデン~キルナ~ナルヴィクの間の車窓は、特にキルナ以北の山越え、国境越えは見ごたえがあると思います。一度は乗って損なし。
あとは、車両は初めて乗った1993(H5)年の頃と基本的には変わりなく、むろんきちんと整備されているし、清潔なのでその点は言う事はないが、付帯サービスがなくなったり(ビデオカーやジュークボックスなど)、食堂車も簡素化されていたりするのは、正直残念でした。日本の目から見れば、食堂車はあるだけマシ、でしょうが(逆に日本人の側も、日本の列車に供食サービスの充実を求めるつもりなら、考えなければならない要素だ)。「ノルトピレン」の名が通じるのは日本だけ、現地ではごく普通の夜行94列車ではあるが、そろそろ、「ノルトピレン」の名が彼の地でも定着できるような、斬新な新型車両が欲しいかなあ、そんな印象はありました。付帯サービスはどんなものが良いかは解らないが。
ナルヴィクの町と、ボーデーへのバス旅は次回(26日火曜日)です。ナルヴィクは、思ったよりは「都会」でした。
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