
北欧周遊の旅、2日目から本格的に鉄道に乗ります。この日はトゥルクまで鉄道で往復、夕方のフェリーで、ストックホルムに渡るプラン。
2020年 3月 3日(火)

YHの朝食会場のレストラン。10.9€とYHにしては高め、だと思うのだが、その分、内容はホテルに近くて食材が豊富。大スクリーンでは英BBCのニュースが流れていて(音声は出ていなかった)、そろそろ欧州でも問題になりつつあった新型コロナウィルス感染(ツィッター社はテレワークとか言っていたようだ)の他、イスラエルの総選挙や、米大統領選「スーパーチューズデー」についても報道されていた。
トゥルクまで単純往復、今夜乗るヴァイキングラインのターミナルに近い事もあるので、大きなバッグはYHの倉庫に預けておいた(ここで一度でも、中身を確認しておけば…という事が後に判明する)。

前日は市電で来たが、中央駅までは歩いても20分程度。短距離では運賃が高いし、トゥルク行の列車の出発時刻にも余裕があるから、腹ごなしも兼ねて、この朝は歩き。その途中、市電の写真や動画を撮ったりしました。背後の建物は、生神女就寝大聖堂、らしい。

朝方のヘルシンキ大聖堂。思うに、北欧で一番好きな建築物になったかも知れない。高層建築物が少ないヘルシンキにおいて、清楚かつ堂々としたイメージが好きです。と言いながらいつも遠くから眺めるだけになっているのだが。

アレクサンテリン通りの、市電の電停。
いくつかの電停で市電の乗降のシーンを眺めてみたのだが、郊外でも中心部でも、市電は市民の日常生活の、本当に一部になっているのだなと実感。「仕方なく」乗るのではない。日本の路面電車・LRTにも、こういうシーンが欲しいものだと思いました。

中央駅に近い、7系統の走行ルートの一部、ミコン通りは、ガントレットになっていました。

中央駅の駅舎の東側は、市内バスのターミナルになっています。

長いっ!ここを発着するバスは皆、後ろ2軸の15m級車。これはVDR製。
ヘルシンキはEVはないのかな、と思っていたら…。

23系統で現れました。Linkkerというのは正直聞いた事がないメーカーです。パンタグラフ充電式(ここには充電設備はない)。

その側面。先のピュアディーゼルのVDRより、少しばかし短いだろうか?後ろは1軸だが、重たいエンジンがないので、これで重量のバランスが取れているのだろうか。
窓口は、平日は9時オープン(遅いな…)。ペンドリーノの指定券を入手しました。追加料金6€。

発見された指定券は、今はレシート状だ。フィンランドは以前の1等・2等という言い方はなくなったようで、旧2等をEco(エコ),旧1等はComfort(コンフォート)と称するようだ。

案内表示。今回のるトゥルク行S987列車は、一番左の上から4番目。

中央駅のホーム。前回書いたように、中央部は、以前は宮殿の中庭のような印象だったが、ドーム状の上屋がかかっていました。その両側、駅舎からだとやや遠い位置に、主に近郊電車が発着するホームがあります。

旧型電車が、まだ残っていました。全国で、どの程度走っていますかね?

フィンランドの鉄道VRは、カラーだけでなく、マークも変わっていました。以前のものより、やや柔らかくなった印象。

ロシアのサンクト・ペテルブルグから、高速列車「アレグロ」が到着しました。フィンランドとロシアの合弁会社カレリアン・トレインが運行しているそう。ヘルシンキとサンクト・ペテルブルグは3時間30分強、というから結構近い。ロシアも、政治を抜きにすれば魅力的な旅先、なのだけれど、今の所は食指がなかなか動かない。
ペンドリーノS220は、21年前の1999(H11)年6月29日に乗っていて、№1221で書きました。その当時とは、まずカラーリングからして全く変わって、緑系になっています。S987列車は、中央部ではなく、西側の13番線から出発。

車体は緑をベースにして、自然をモチーフにしているのか、動物や植物のイラストがラッピングされています。

食堂車のラッピングも、なかなかユニーク。

左側に、S220が着きました。トゥルク発S954列車。

21年前乗った時は、座席は2等でも2-1配置だったが、2-2配置に改められていました。空いていたのでこれでもゆったり。オーディオシステムはなくなっていて、代わりにPC用の電源プラグが設けられているのは今ドキ。なお、座席番号は背もたれの横の部分の小さなプレートだけで、自分のシートを見つけにくい。
定刻に、何のアナウンスもないまま、静かに出発。

ラッパヴァーラまでは複々線で、近郊電車を追い抜いたりする。
ラッパヴァーラを出発し、人家が少なくなってきた頃、検札が回ってきた。先にご覧いただいた指定券にQRコードが印刷されているが、これを読み取る。ピーパパポと音がします。

郊外へ抜けると、人家は少なくなり、逆に木々が多くなります。トレーラーを追い抜く。

キルッコヌンミを通過すると単線。雪はないのだけれど、水たまりは凍っていたりする。時々こういう田園地帯になるが、民家の造りは北欧らしいです。

ほぼ中間の、カリヤー。雨が降り出した。

ここを出て、食堂車に行きます。前回乗った時は、ここでの飲食はあまり考慮されていない、と書いたのだが、改装でもう少し本格的なものになったようです(その代わり「ミニビストロ」は回って来なかった)。先客は4人。おばさん2人がおしゃべりしている以外は、男2人がノートPCを叩いているだけ。

基本的に食堂車はケチりたくないが、YHで朝食をたらふく詰め込んだばかりなので、ここではデニッシュと紅茶にします。もっと本格的なメニューもあります。紅茶のティーバッグの包み紙には、日本語まで書かれていた。「ノンカフェインフレーバードリンク」だって。

どこだか解らないが、信号所ですかね?現れる集落も、小さい。カリヤーから先はさらに小さい。一方で、たまにトンネルも現れたりしました。

もうすぐトゥルク郊外、という所で、市内バスを追い抜く。やはり15m級の特大車両。

トゥルク直前の、天井のモニター。「ご乗車ありがとうございました」位の意味でしょうか?

定刻にトゥルク到着。そんなに多くなかった乗客は、すぐに方々へ散っていきました。
S220は、全体的な乗り心地はもちろん快適だったが、振り子列車らしさは、ほとんど感じませんでした。一般のICと同格になっているのか(列車によっては、曜日によって時刻を変えずにICになったり、その逆という列車もある)。所要時間も同じだし。振り子装置は使っていないのかも知れない。ヘルシンキ~トゥルク間194㎞を1時間57分。表定速度約95㎞/h、これでも十分だと思いますが。

トゥルク駅。
21年前はここのYHに泊まり、渡し船にも乗ったりしているが、今日は51分でですぐに折り返さなければならない。12時25分発IC956列車に乗ろうと窓口に向かうと、指定券は必要ないという返事だった。

駅舎の中。2Fの廊下から撮りました。№1225とほぼ同じアングルだと思うが、左手の観光案内所はなくなり、コンビニスタイルの売店になっている。2Fにも部屋があるが、使っていない。

この駅のトイレ、有料はまだしも、電話を掛けないと使えない?あるいはQRコードを読み取るか。ヨソ者には使えなさそう…。
(目の前のカフェの客は利用できる)

トゥルク駅のホーム。

車運車が留置されていました。トゥルクからも北部のロバニエミに行く長距離の夜行列車があり、これに連結されるのでしょう。

ロシアのタンク車もいました。書かれている言語が全部ロシア語。21年前にもロシアのタンク車の貨物列車が止まっていて、ロシアからここに着いて、この先航送、というのが、有力な国際貨物列車のルートになっているのだろう。

帰りのヘルシンキ中央行、IC956列車。全2階建て。ELが後部に連結された、ペンデルツーク。
食堂車の連結が、ない…。手持ちの「ヨーロッパ鉄道時刻表」には食堂車のマークがあるのだが。

2階建て客車は、とにかく大きい…。21年前は編成中1~2両程度の連結、だったと見えたが、今のICはこのタイプが一般的のようだ。

2Fの車内。当然PC用のプラグがある。

1Fの車内。上下とも、圧迫感がほとんどない。

トゥルクを定刻に出発し、すぐに次のクピターに停車。S220も含めて全列車が停車するが、ビジネスの中心はここだろうか。オフィスビルが多く、富士通のロゴも見られました。
発車してすぐ、検札。通路の反対側に座ったお嬢さんは、スマホの画面を見せて、車掌がそれを読み取っていました。フィンランドはIC乗車券が相当普及しているようだ。

食堂車が欠車の代わりに、ミニビストロが乗っていました。客室の端にリフトがある。マフィンとコーヒーを購入してみました。5.2€だった。紙コップのイラストがユニーク。

パイミオ川。

サロー駅。

ヘルシンキ~トゥルク間は、現在はS220とICを合わせて平日は1時間間隔の運行になっていて、このサローで行違うようなダイヤになっています。トゥルク行IC951列車は、食堂車を連結していた。乗りたかった…。

沿線には、牧場も見られます。
ヘルシンキ近郊のレッパバーラの駅前を見たら、EVの市内バスが相当並んでいました。充電スタンドが並んでいたように見えた。充電方式はパンタグラフとプラグイン、両方があるのだろうか。

パシラを過ぎて、もうすぐ終点、という所。リンナンマキ遊園地の観覧車が見えます。

ヘルシンキ中央に到着。やはり定刻に到着しました。中央部の4番線に到着。
今回は他の北欧との込みだったから、トゥルクへの単純往復で終わったけれど、また北のロバニエミとか、行きたいなあ。オーロラなんて、生きているうちに一度は見たい、かも。
フェリーの出発まで、少し時間があります。乗り歩き、とはいかないが、市電にもキチンと乗っておきたい。それは次回。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
12日 中央競馬クラシック桜花賞 2番人気デアリングタクト優勝
(成田空港 B滑走路閉鎖)
13日 ジャパンディスプレイ 第三者委員会調査結果公表 不適切会計7年連続
(フランス 外出制限5月11日まで延長 マクロン大統領発表)
14日 年金制度改革関連法案 衆議院で審議入り
(講談社 漫画誌一部 刊行延期発表)