№2124 ひと昔・ふた昔前 私鉄の駅 南海電気鉄道・3〈終〉

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 30年くらい前の南海電鉄各路線の写真を蔵出ししてきましたが、最終回は高野線です。
 高野線は南海線と共に、大阪市と和歌山県の北部を結ぶ南海電鉄の本線格の路線だが、本来は汐見橋と極楽橋を結ぶ路線で、岸里(現岸里玉出)で南海線と交差する形態です。しかし、高野線が南海線の複々線として難波へ乗り入れるようになって以降、汐見橋~岸里間は徐々に凋落し、南海線の支線の扱いに近くなってきている事は、去年の秋に実際に乗って、№2089でも書いた所です。本数も、大阪市内の区間なのに、平成の30年間で4割も減少してしまいました。
 一方、南部の区間は、昔は三日市町から先の山岳区間は急カーブ・急勾配の連続となり、輸送力増強の大きなネックになっていました。昭和の終わり頃から、イチからの新線建設にも近い大規模線形改良工事が進められていて、今回掲げる画像を撮影した時期は、林間田園都市まで工事が完成していました。その先はまだローカル線風情であり、さらに橋本以南は、高野山への観光需要以外は、極端に輸送量が少なくなっています。橋本まで改良工事が完成した今でも、それは変わりません。
 岸里(岸里玉出)と橋本、中間の通勤・通学で賑わう区間を挟んで事実上、3つの区間・3つの性格に分けられる(分けられた)高野線を、今回は一気にご覧頂きます。最後に、高野山ケーブルカーも。

高野線 汐見橋~極楽橋

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汐見橋 しおみばし
 当時は孤立した終着駅で、既にかなり寂れていました。今はなくなってしまったのだけれど、撮影当時は、昔の南海の路線図が残っていました。

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芦原町 あしはらちょう

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木津川 きづがわ

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津守 つもり

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西天下茶屋 にしてんがちゃや

 岸里(現岸里玉出)は、№2122で出しました。昔は南海線と平面交差だったらしく、56年前は汐見橋~住吉東間の折返し運転だったらしい。

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帝塚山 てづかやま

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住吉東 すみよしひがし
 中央に通過線を配した、相対式の待避駅。他社では割と目にするこの廃線も、南海ではここだけです。

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沢ノ町 さわのちょう

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我孫子前 あびこまえ

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浅香山 あさかやま

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堺東 さかいひがし
 2面4線の待避駅。南海線の堺駅との間に、シャトルバスが運行されています。

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三国ヶ丘 みくにがおか
 JR阪和線との接続駅だが、当時は小駅で、JR側も南海管理でした。後に全面的に建て替えられるが、№1822で書きました。

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百舌鳥八幡 もずはちまん

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中百舌鳥 なかもず
 泉北高速鉄道分岐駅。また、地下鉄御堂筋線が乗り入れています。ここは堺市だが、旧大阪市営地下鉄が越境していました。ただ、急行・区間急行は通過。

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白鷺 しらさぎ
 2面4線の待避駅。

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初芝 はつしば

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萩原天神 はぎはらてんじん

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北野田 きたのだ
 2面4線の待避駅。ここを終着とする折返しの各駅停車の設定もあります。

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狭山 さやま

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狭山遊園前 さやまゆうえんまえ
 狭山遊園の閉園により、2000(H12)年12月に大阪狭山市と改称。

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金剛 こんごう
 2面4線の待避駅。当時は、急行系の停車がないに等しい(区間急行・準急のみ停車)だったが、1992(H4)年、一気に特急まで含めて全列車停車に大出世しました(撮影とどちらが先だったろう?)。ここを終点とする折返しの各駅停車もあります。

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滝谷 たきだに

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千代田 ちよだ
 単純な中間駅構造だが、ここを始終着とする列車もあります。ここと河内長野の間に千代田工場と検車区があり、南海線の車両も見る事ができます。

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河内長野 かわちながの
 2面4線。全列車停車。近鉄長野線接続駅。

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三日市町 みっかいちちょう
 以前は、大型車の入線はここまででした。待避線はないが、引上げ線があります。以前はここで増結・切り離しが行われていました。ちょっとみっともないレイアウトでゴメンナサイ。

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美加の台 みかのだい
 前述の通り、三日市町~林間田園都市(~橋本)間では、昭和の終わりから大規模な線形改良工事が行われるが、その途上の新線区間に開業した駅です。1984(S59)年9月1日開業で、高野線では一番新しい。
(関東だと、京成の公津の杜が近いポジションでしょうか)

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千早口 ちはやぐち

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天見 あまみ

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紀見峠 きみとうげ
 上の3駅は線形改良で移転、とかもなくて、昔の面影を残しています。ただ、駅の近くでは、旧路線の跡を見る事もあります。

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林間田園都市 りんかんでんえんとし
 撮影時点での大型化は、ここまででした。2面3線で、下りのみ追い抜き可能(上りの待避線は準備工事のまま)。

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御幸辻 みゆきつじ
 撮影時点では、林間田園都市~橋本間は高架の別線の建設工事中。ローカル線風情を残していたこの駅でも工事のまっただ中にあり、撮影当時は、工事の過程で棒線化されていたのではなかったかなあ?後に、高架の新線に移転する事になります。

 その高架新線切り替えと同時に、小原田の車両基地が開設になり、橋本駅構内から検車区が引っ越してきました。

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橋本 はしもと
 JR西日本(和歌山線)との共同使用駅。当時は、改札は同じでした。車両基地は引っ越しても、1面2線のやや狭いホームは変わらず。留置線があり、増結・切り離しが頻繁に行われています。

 ここから先は、17m車しか入れない、完全なローカル線風情が、今に至るまで残されています。

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紀伊清水 きいしみず

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学文路 かむろ
「ご入学」入場券で有名な駅(私も毎年買いに来ます。たいてい難波で買ってしまうが)。

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九度山 くどやま

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高野下 こうやした
 一部はここで折返し。ここから本格的な山岳区間になります。

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下古沢 しもこさわ
 列車本数の削減により一時は棒線化されたが、2017(H29)年の台風被害で上古沢駅が被災したため、復旧に際して、交換設備を移設する形を取って、2018(H30)年の運転再開時に、再度行き違いが可能な駅となりました。 

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上古沢 かみこさわ
 逆に、台風被害により、現在は棒線化。

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紀伊細川 きいほそかわ

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紀伊神谷 きいかみや

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極楽橋 ごくらくばし
 高野線としては、ここが終点。2面4線とターミナル然とはしているが、ほぼ全ての乗客はケーブルカーで高野山で上がる事になり、この駅を目的地とする乗客は、皆無に近いようだ。

鋼索線 極楽橋~高野山

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高野山 こうやさん
 駅前から、高野山内の各地へ、南海りんかんバスの路線が延びています(一部はバス専用道)。ケーブル更新時に大規模リニューアルオープンされている事は、№2124で書いている所です。

 これで、当時の南海の(玉出を除いた)117駅駅を、全てご覧頂きました。
 どの鉄道も30年も経てば、路線も駅も大きく様変わりするものだが、南海に関しては全く変わった所、逆にほとんど変わっていないなあ、と思う所が混在しているように思いました。路線網に変化が見られるが。南海線ではこの後の関西空港開港以降、特に北部区間では立体交差工事が進んでいて、趣きがあった瀟洒な駅舎も、残念ながら姿を消している所が少なくありませんでした。高野線は、早くから宅地化が進んでいた事から、比較的早めに橋上駅舎化が行われた所が多かったようです。それでも、南海線・高野線、ともに、今後もがんばって残って欲しいなあ、と思うような駅舎が、今でも少なくないように思いました。平凡に見えても、リニューアルしたら結構人気が出そうな駅舎も多いと感じます。

 ところで、これまでも何度か南海に乗ってきた時に書いておいた事だが、南海もご多分に漏れず、駅務体制の合理化が進んでいるようです。最初から無人駅だった駅もあったが、特にこの7~8年の間に、遠隔操作導入にによる駅員無配置化が、本線区でも、そして大阪・堺市内といったエリアでも進められているようです。一つお願いしたいと思うのは、(南海に限らないが)駅員がいなくなる事自体はやむなしの部分があるのは認めるが、「ここには駅員はいません」みたいな告知を、公式Webサイトなどで明記しておいてもらいたいと思う。今回、南海の公式Webを閲覧してみたのだが、その辺の所がはっきりしませんでした。何とか改善を。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 東京メトロ・東武は、6月6日より運行を開始する「THライナー」の時刻と、座席指定料金を発表しました。上りは久喜→恵比寿間2本運行で、久喜発は平日6時12分・8時13分、土休日8時13分・9時23分、久喜→霞ヶ関間の所要時間は平日1時間19分、土休日1時間17分。下りは霞ヶ関→久喜間5本運行で、霞ヶ関発は平日18時台~22時台、土休日16時台~20時台の、いずれも毎時02分発。霞ヶ関→久喜間の所要時間は1時間17分(土休日16時02分発は1時間15分)。途中停車駅は東武動物公園・春日部・せんげん台・新越谷と、上野・秋葉原・茅場町・銀座(上りは霞ヶ関から先は各駅に停車)。料金は、新越谷・せんげん台~日比谷線内停車駅間が大人580円、他は680円。メトロ線内、東武線内のみの利用は不可(上りの霞ヶ関→恵比寿間は料金不要)。
 東武は合わせて、スカイツリーライン関連のダイヤ改正も発表しました(今回は特急・SLなどのみ)。朝方上り、夕方下りの特急が曳舟に停車、〔アーバンパークライナー〕は、アーバンパークライン(野田線)内で増発。下りで運転されている〔リバティりょうもう・けごん〕を分離して増発。上り〔りょうもう〕太田始発1本を赤城発に延長、など。〔しもつけ〕は取り止め(下りは〔スカイツリーライナー〕から延長運転となる新栃木行〔リバティけごん〕と統合の形)。350系はこれで退役か?東武ワールドスクエア駅は、終日全列車停車。
 東上線は、3月14日にダイヤ改正はやらないのか?そんなはずはないと思うが…。
 ANAHDは、B787-9・10の追加発注を発表しました。この内-10は確定11機で、国内線のB777の後継機と位置づけられるようです。-9は引き続き国際線向けのようで、確定4機・オプション5機です。エンジンは、全てGEになります。導入は、-10が2022(R4)~2024(R6)年度、-9が2024(R6)~2025(R7)年度にかけての予定。

《今日のニュースから》
23日 住信SBIネット銀行 システムトラブル
24日 大相撲春場所 番付発表 横綱鶴竜 38年ぶりの「横綱大関」
25日 日産自動車 新型軽自動車「ルークス」発表 

 Jリーグは今日、3月前半までのJ1・J2・J3各リーグ戦、ルヴァンカップの合計94試合の延期を発表しました。埼玉高速鉄道も、明日は通常の平日ダイヤで運行、と発表しています。サッカーがこれでは、プロ野球のオープン戦やバスケBリーグ、大相撲春場所なども、当然今後の開催が心配される事になります。
(大相撲は3月1日最終判断、との事だが、無観客でやるくらいなら、中止の方がまだスッキリすると思う。巨人は、東京ドームのオープン戦2試合を無観客試合で行うと発表)
 一般のイベントも、中止が相次いで発表されるようになりました。「今後1~2週間が瀬戸際」、とは、震災のようなガツーン、と言うのとはまた違う、ジワジワ真綿を締めるような重苦しさを感じさせるようです。