№2117 年鑑バスラマ2019→2020(ぽると出版)

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「年鑑バスラマ2019→2020」、先月末には刊行になりました。
 表紙の国産ハイブリッド連接車、結局去年の内には、導入を決定した事業者は現れませんでした。

「巻頭言」は、今年も和田編集長が書く事になりました。
 EVに関しては、テキストを読んだ限り、国産メーカーにEV車両の決定版の製造を期待するのはあきらめ、海外(特に中国)からの輸入車に期待を込めているような節があります。結局EVは、ディーゼルバスの延長線上では満足出来る性能の車両は実現しないし、国内メーカーはディーゼルバスを長年主力に据えて来たから、いきなりEVの決定版を製造するのは、もう無理なのかも、と(三菱ふそうの「e」シリーズには私も期待したが、バスに関しては確かに、新らしい動きがいっこうに見えてこない)。いっその事、「IKEBUS」を造ったシンクトゥギャザーのような、まっさらなベンチャー企業が、ポンチョサイズからでもEVバスを造るようになったら、業界の地殻変動が起きるのかも知れない(もっともベンチャーは無人運転の方に感心が向いているようだが)。極端な話、道路側の規格を変えた上で、海外サイズの車両をそのまま導入するのが、手っ取り早いのではないか、とも思うが、この辺、在来国産バスメーカーの「ホンネ」を知りたい。本来は、海外メーカーに市場を侵食されるのは困る、はずだ。

 バスドライバー不足は、今年も解決に向けた進展が見られませんでした。先に書いたように、大手事業者で、比較的好待遇だろうと思われる(実際の所は解らないが)京浜急行バスでさえ、高速・一般双方で減便が相次いでいる有様で、今月16日より、110系統(横浜駅~杉田平和町間)が12分→20分間隔と、大幅な減便になってしまいます。この系統は、昔は横浜市営と共同運行で、両者が交互に運行して10分間隔、だったのに。
「おもてなしを受けたがる日本人の国民性」とは、最近筆者が何度か指摘している事だが、それ以前に結局の所…、バスや交通に限らないが、日本は個人主義的な部分があまりに強すぎる。田舎はまだしも、都会は。全体主義の反対は個人主義でしかなく、欧州のような社会民主主義的な思想は根付かない(欧州も近年はやや怪しくて、バスのまっとうな運行に影を落とさないかと心配なのだが)。
 バスの運行に関して一つ感じているのは、一部の事業者では、営業所と路線の拠点の間が大きく離れているため(歴史上の経緯もあるだろうが)、回送時間がハンドル時間のかなりの部分を占めているのではないか、と思われる事。都営バスや西武バスなど、一部の事業者では、営業所から遠く離れた終点の回転場などに、乗務員が休憩を取れる場所を設けている所もあるが、回送距離・時間の長大化は、いろいろな面で(ハンドル時間だけでなく、燃料消費から来る環境問題の面でも)無駄と思われる。労使の協議や場所の確保が必要となろうが、何とか知恵を絞って考えて欲しい。あとは、運転以外の部分の負担の軽減。特に観光地。最近は京都のようなメジャーな国際都市、でなくても、ちょっとした観光地では外国人がわんさか押し寄せるようになっているので、ドライバーの負担がさらに増えているのではないか(特に、やはり言語)と、懸念があります。
「(公道)におけるバスの優先権が与えられていない」の指摘は、全く同感。今回はBRTについては触れられていないが、去年書いた事の繰り返しになってしまうけれど、BRTだのLRTだのと大規模な計画をぶち上げる前に、今既に走っている路線バスなり、路面電車なりの社会的地位を向上させ、公道上における優先権を確立させる方が、先決ではないだろうか?実際に乗ってみると、日本では、スムーズな運行を阻害する要素が、あまりにも多すぎる。
 なお、無人運転には引き続き否定的な論調だが、現実問題としては、前回更新時に書いたANA(BYDのEV使用)のように、すでに一般の人を乗せて走らせる、一歩手前の段階まで、実証実験を行う所も出てきている。無論、公道は相当先になるだろうが、空港内など、他の一般車両が走行しない地域は、結構どんどん無人運転が進んで来るのではないか、と思っています。

 やはり、EVにしろ、ドライバー不足にしろ、オリ・パラ輸送の影響にしろ、去年も書いたが、(バス・交通に限らないが)どうしても、一般の世論の底上げが必要になる。その点では気になる点が一つあって、国民民主党は昨年、党の新政策「新しい答え2019」を発表したが、その中には、「高速料金の上限を平日2,000円・土休日1,000円」というものがある。10年前の旧民主党の高速料金無料化政策が思い起こされ、早速JR連合が抗議する事となったが(組合員の収入が直接減少、という打撃を受けている)、要は、公共交通の拡充より、高速料金を引き下げるよ、と言う方が、世論のウケがいい(=票になる)と踏んだからに違いない。一方で公共交通は『乗合タクシー』『コミュニティバス』を国の予算で強力に支援する、と謳うだけ。目新しさがないし、ドライバー不足はどう解決するんだ、という点には全く触れられていない。これを、有権者がどう判断するのだろうか?
 安倍政権は昨年「事業者間の調整に関して、独占禁止法の適用から除外する特例を設ける」と発表しているが、野党の側は、これを上回る、利用者・ひいては国民に支持される政策を打ち出せるのか。バス事業者がドライバー不足を原因とする減便を発表してから慌てて、地元の左派議員が、ドライバーの賃金を上げろと「要請」しても、手遅れ。野党各党はどこも、交通事業者の労働組合の多大な支援を受けているのに、その割に公共高交通に対する態度は、どうも心元ない。政策の点でも、世論が政党とは違った目線から政治を突き上げる必要があるし、その一方で、我々自身が、自発的にライフスタイルを変革する必要もあるだろう。そうでないと、ウケの良さそうな(と政党が考える)部分だけが政争の具になって、真の公共交通の整備、ひいてはシフトには結びつかなくなってしまうのではないだろうか?これも何度か書いているが、専門色が多少濃いバスラマ誌なので難しいかも知れないが、もう少し、業界外(あるいは政治の外)の一般の大衆にも、この点でアピールする何かが必要なのではなかろうか?これが、30周年を迎えるバスラマ誌への、次の30年に向けて期待する事です。

国内バスハイライト 2019
 エルガ・ハイブリッドは、まだ導入実績がない?
「国産が低調」な事もあってか、輸入車両がかなりの割合を占めるようになりました。
 オノエンスターのEVは、特に国産のラインナップがディーゼルでもなくなっている9mが注目かな(国産のディーゼルにはなかったノンステップでもあるし)と思うが、側面は垢抜けていないなあという印象。小型車はポンチョのライバル、となろうが、前後の扉の間隔がやや狭くて、流動性はどうだろうか。いずれも、車内の様子を見たい。
 アストロメガは、去年が13台の導入で、そろそろ販売が軌道に乗ってきたのだろうか。具体的に名前を挙げると、京浜急行バスなんて、アストロメガは向いているのではないだろうか?京急バスもご多分に漏れずドライバー不足から、YCAT~羽田空港路線の減便も行われてしまっているが、YCATに限らず高需要路線が多い羽田空港発着路線を多数抱えながら、便数を抑えなければならなくなっている現状では、収容力が大きいダブルデッカー車は合うだろう。通勤高速路線もあるし。京急バスは外国車を運行した経験はなかったと思うが、オープントップバスを運行していて、ダブルデッカーの実績は積み上がってきていると思う。どうだろう。

海外バスカタログ 2019→2020
 一つ思うのは、イギリスって、バスの導入事情はどうなっているのだろう?年鑑を毎年眺めても、イギリスのメーカーというのが出てこない。ハイブリッドの「新ルートマスター」に乗ったというのは以前書いたが、あれはやはりロンドンバスに特化していて、海外展開は考えていない、という事なのだろう。イギリスはついにEUから離脱してしまったが、今後EU圏からのバスの購入において、どの程度の影響が出てくるものなのだろうか。

歴史編 日本の電気バスの歴史から学べること
 EV(+代燃車両)の過去から、EVのあるべき方向性を考察するが、「巻頭言」と重複する部分も多く、特に独自の指摘というのは少ない。政治・行政は方向性についてブレるな、という事だろうか。これも前述するが、政界は与野党とも、低公害バスはどうあるべきか、どう整備すべきかについて、ほとんど提言・提案などを行っていない。強権的になりすぎても困るが、メーカー任せにしないで、もう少し政治が前面に出るべき、という事だろうか。
 歴史を回顧する部分で一つ気になる点として、北九州市や薩摩川内市で導入された、韓国ファイバー社製のEVについては、全く触れられていなかった。日本初の大型ノンステップEVで、レギュラー号でも特集記事があったはずなのだが。これも一充電あたりの航続距離が80㎞程度で、これから望まれる水準には達していないのだが。韓国のEV事情はどうなっているのだろうか(韓国も燃料電池に舵を切るらしいが)。
 中国のEVは高く評価しているが、電力供給体制はどうなのか。石炭火力発電が世界的な非難を浴びていて、無論一方ではクリーンエネルギーも積極的に導入している、と聞いているが、毎年PM2.5の汚染が問題になっているのを考えると、片手落ちな部分もあるのではないか。車両そのものはともかく、電力供給に関しては、日本も十分に考えなければならない。それは先にも書いたように、政治・行政だけでなく、我々自身の暮らしもそう。いくら再生可能クリーンエネルギーと言えども、もう好き勝手にジャブジャブ使っていい時代ではなく、優先順位をつけなければならない。バス(に限らず交通全体)をクリーンなものにしようというなら、根本的な使用電力の製造・管理という所から始めなければならないだろう。
 なお、去年末に発表になった、トヨタとBYDの提携については、今号では一切触れられていない。無論、マイカーの共同開発がメインになって、バスにまで及ぶ事になるのかは定かではないが、燃料電池・EV、どちらの方向に向かうのかという点で、注目される動きではないだろうか。

 最後に、今後バスラマ誌に期待したい記事としては、

① バス停のあり方 神奈川県では、横断歩道に面したバス停で起きた死亡事故(バスが起こしたのではないが)がきっかけでバス停の設置場所の見直しが行われ、先日は私が住んでいるすぐ近くを走る路線のバス停でも移動が行われた。大型車両が頻繁に通る路線でも、待ち合わせなどにおいて、安全性が心配されるバス停は少なくない。これも政治・行政が絡んでくるが、沿線の住民への配慮も必要になるので、簡単ではない。それと、バス停にはどの程度までインフォメーションを掲げておくべきなのか。鉄道の駅と違って、何でもかんでもという訳にはいかない。と言って、外国で見られる、単なる標識でも困ってしまう。この辺の考察を。

② ベビーカーの扱いは 昨年は都営バスに双子用のベビーカーの持ち込みを認めて欲しいという運動が起きたが、無論事は都営バスに限らない。これまた車両の構造に関わってくるが、少子化が深刻化する日本においては、双子用でなくても、ベビーカーの車内での取り扱い方は、重要な課題となってくる。どうあるべきだろうか。私の過去の経験からすると、乗客の側も、協力できる事は協力すべき、なのだが、前述したように、社会民主主義がない日本では、この点が心元ないように思える。ドライバーの負担にも関わってくる問題だと思うので、車イスとともに、スマートな利用のあり方を考えて欲しい。

この2点を挙げておきたいと思います。

 武漢発・新型コロナウィルスの蔓延は、日本を含め世界全体に混乱を引き起こしているが、日本のバス業界において懸念される影響は、繰り返しになる部分もあるが、次の2点。
① 中国発インバウンド団体の大幅減少に伴う、貸切需要の減退。特に近年増加している、中国発インバウンド団体輸送に特化している小規模事業者には、間違いなく影響が大。
② 今年本格化が期待されいている、BYDやオノエンスターなどの、中国製EV車両導入の、一時的でも停滞。アメリカも絡んだ政治的な影響も(ファーウェイの如く)考えられる。
 来年の年鑑では、どう回想される事になるでしょうか。

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《今日のニュースから》
 7日 日本製鉄 生産設備削減 呉製鉄所閉鎖を発表
 8日 道路から大量の水噴出 横浜市旭区

№2116 バスマガジンvol.99(講談社ビーシー/講談社)

 100号まであと1号の「バスマガジンVol.99」、先月末発売になりました。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.99 名鉄バス

 そういえばこの数年、関西もなのだけれど、名古屋を中心とした愛知の電車・バスも、あまり撮っていないなあ。名鉄バスも、この所は撮る機会がないです。反省。
 前回は2006(H18)年5月発売のVol.17で取り上げられていました。あの頃はセントレア開港、「愛・地球博」開催と、愛知県にも、名鉄バス(そして名鉄グループ)にも大きなイベントがあった、その直後の刊行でした。
 この当時は、名古屋鉄道からバス部門が分社となって、2年目、という時期でもありました。ただ、一時行われた地域分社(名鉄バス東部・名鉄バス中部)はまだ、という段階でした。営業エリアが記されていたが、路線バスの営業エリアは既に愛知県内に限定されていたが、当時は、犬山にも路線網がありました(現在は岐阜バスが運行)。一方で、蒲郡地域は当時は確か三河交通の運行で、名鉄バスのエリアとしては記されていません。蒲郡付近は、今では名鉄バスが運行しているが、平成の30年間は、名古屋鉄道→サンライズバス→三河交通→名鉄東部バス→名鉄バス東部→名鉄バス、と、名鉄資本の中で運営会社が二転三転していました。
 車両面では、当時は…今でもだが、三菱ふそうが中心で、エアロスター・エコハイブリッドも走っていました。案外早く、終わってしまった。豊田市付近には日野車が多い、という傾向は今も変わらず、というか今はより、日野車の存在感が高まってきているでしょうか。三菱ふそうが販売車種をかなり絞っている事もあるでしょう。ハイブリッド車も今は日野だけだし。
 いすゞは、今は6台?確かにオドロキ、ではあるが、既に日野ブルーリボンと共通なのに、いすゞとして導入した意味は、どこにあるのだろうか。
「とよたおいでんバス」は、「コミュニティバス」としては、大型車が多くて異色だ。土地柄だろう、全車両が日野のようだ。
 愛知県はJR東海バスが一般路線バスが撤退してはや10年以上たち、知多半島にグループの知多バスがある以外、路線バスは名鉄バスがほぼ独占、という所なのだろうか。だから、路線網は大都市の路線もあればローカル線もあって、バラエティに富んでいる、と言える。しかし愛知県は、2009(H21)年度は交通機関利用の3/4がマイカー、という土地柄で(今も変わっていないだろう)、鉄道もローカル線だけでなく、JR東海道本線や名鉄名古屋本線が、クロスシートで高速運転の快速や特急を頻発させて、なお苦戦している位だから、バスは、特に地方の路線は深刻だろうと思われます。高速バス・名古屋~豊田線の3月いっぱいでの廃止が発表になりました。おそらくは名鉄バスもドライバー不足とかは深刻だろうし、これからもマイカーとの競合・ドライバーの確保と、様々な問題が、他地域以上に名鉄バスの前に立ちはだかってしまうのか。

 事業者特集は、「バスマガジン」も比較的大手クラスの掲載が中心になるが、もう少し小規模な所もやって欲しい、かな。グループ2~3社度、まとめてやってしまっても良いから。一方で意外に取り上げられていない大手事業者も、まだ少なくない。今後も、バランス良く。

バス業界のレッドリスト上位に入ってしまった 3扉車
 3ドア車は、神奈川県では東急バスが、田園都市線の沿線で多数走らせていたけれど、全体的にはあまり見なかった気がする。奈良交通北大和〔営〕もそうだろうが、都道府県の中心部より、地域の中心となる大都市へ向かう通勤鉄道がある路線(この場合は大阪に向かう近鉄奈良線)が、3ドア車の導入例が多かったのではないだろうか。奈良交通の場合は、奈良市内も循環バスに導入されていたが。
 利用者の減少は、無論過疎化やマイカーの普及もあるが、北大和〔営〕のエリアでは加えて、近鉄けいはんな線開通による利用の分散も、あったのではないだろうか?
 やはりここが3ドア車の最後の聖地、となろうが、全国的にはどの程度残っているのだろう?恐らくは、あっても本来の機能は果たしていないケースがほとんどだろうし(中ドアか後ドアは閉め切って使っていないとか)、以前名阪近鉄バスで見た旧名古屋市営バスのように、扉を埋めたりしている例もあるだろうが、少しでもいいから、他事業者の在籍状況も知りたかった。
「年鑑バスラマ2019→2020」(次回書く予定)の海外のバスのカタログには、3ドアのフルフラットのノンステップ車(しかも皆EV)がラインナップされているが、もう日本は、そのような車両が登場する可能性は、ないのだろうか?

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.31 香川県

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 こちらは、前回はvol.19に掲載がありました。2006(H18)年9月刊行だから、名鉄バスが取り上げられたvol.17の4ヶ月あと。
 変化が結構大きく、琴平参宮電鉄が大川バスの資本になって、琴参バスとなった事、徳島西部交通の乗り入れがなくなった事(乗合事業自体を廃止)、小豆島バスが小豆島オリーブバスに委譲された事、がありました。
 琴参バスの与島への路線は維持されており、下電バスに乗り継いで児島へ抜ける事もできます(琴参バスの路線図には、下電バス区間の路線も掲載されている)。一方、大川バスの終点の引田には、鳴門市営バスを引き継いだ徳島バスの乗り入れがあり、隣の県へ、普通の路線バスの乗り継ぎで行けます。しかし、肝心の香川県内が、今は東と西で路線がつながっていなくて、路線バスだけで岡山~香川~徳島と乗り継ぐ事はできなくなっている(高松空港リムジンバスを利用すれば可能だが)。
 今回はマルイ観光バスが加わったが(1998(H10)年運行開始だが、前回は取り上げられていない)、一方で直江町営バスの掲載がなくなっていました。

鈴木文彦が斬る!バスのいま 第25回
 東京オリンピック・パラリンピック輸送の課題の検証。ドライバーの確保、日常輸送との両立、走行空間の確保、が主な課題とされているようだ。
 私は当然、前回の東京オリンピックの様子は解らないが、札幌・長野の冬季オリ・パラ(長野パラリンピックの時は、入ったばかりの都営バスのノンステップ車の貸し出しがあった)に加えて、18年前にはサッカーW杯の経験があるし、去年はラグビーW杯もあったから、そレらを踏まえて、対策が練られるのだろうと思う。ただ、「基本的には会場は東京に集中」「その一方で競技場は分散」「競技の時間が一定ではない」など、サッカーやラグビーの大会とは違った要素が多いので、その辺は注意が必要なのだろう。
「系統番号」云々は筆者も以前指摘していたが、これは鉄道の駅ナンバリングにも言えると思うが、もっと事業者の垣根を越えた話し合いによって付与される必要があっただろうと思う。どうも日本は事業者間の「競争」をもてはやす傾向の方が強くて、協調関係の確立を妨げる要因になっている気がする。オリ・パラとか、外国人輸送とかに限らず、あるいはバスに限らず、の話だろう。
 とにかく、トラブルなど何事も起こらず、無事に輸送を完遂して欲しい。

終点の情景を求めて
 新潟交通佐渡の江積。比較的最近開通した終点で、手前の深浦は、「バスジャパン・ニューハンドブックシリーズ№32」(2000(H22)年刊行)の「終点の構図」で取り上げられていました。この時点では、深浦大橋が工事中、という事だったが、橋はここでは出てこない。アングルは違うのだが、深浦の集落自体の様子は、20年前とはあまり違わないようだ。鉄道はないけれど、一度は佐渡島も行かないとダメだなあ。

平成初期のバスを振り返る
 沖縄バス。普段から乗るバスではないからあまり書けないけれど、こうして並べてみるだけでも、三菱ふそうのバスの歴史を辿れてしまう。そんな印象です。観光バススタイルのU-MP618Mは、本土でも東急バスの「ワン・ロマ」にあったけれど(2ドアだったが)、結構貴重ではないでしょうか。新原ビーチに入らなくなってしまったのは残念だが。

 次号はいよいよ100号、です。刊行体制で結構紆余曲折があったり、最近はある程度改善されているが、事前の予告通りにならなかったりした事も多くて、正直どうなっているの?と思える部分もあったが、ともあれ次号100号も、その先も、期待して待ちたいと思います。

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 ANAは、自動運転バスの試験運用を見据えた検証を開始しました(同社公式Web「What`s Up!」より)。ANAは以前から、空港内のバスの自動運転を模索してきていたけれど、今回注目されるのは車両面で、BYDのEVに大型化されていて、ANAの旅客機をイメージしたカラーにラッピングされています。また運行ルートもより実務的なものになり、自己位置推定方式も、SBドライブの遠隔システムと組み合わせた新しいシステムで、実験運行を行っているとしているようです。3月29日からの第2ターミナル国際線部分(ANA国際線の大半が発着する予定)供用開始を見据えたものと言えます。

《今日のニュースから》
 5日 DeNA 501億円の赤字転落 会長・社長 役員報酬返上
 6日 東京都心 史上最も遅い初氷観測

 新型肺炎は収束の見込みが立ちません。JALに続いて、ANAも今日、中国路線の大幅減便を発表しました。北京や上海といった大都市への路線でも、減便はダウンサイジングが目立ちます。10日から始まり、今ウィンタースケジュールいっぱいは継続。この新型肺炎の流行を、左右ともに、政治的に利用しようとしているのではないか?と思われる節がある事は、非常に懸念される点だと思います。
 トランプ大統領の弾劾裁判の無罪が確定しました。事前の予想通り、でもあるが、ボルトン前大統領補佐官を証人として呼べなかった所で、勝負あり、だったか。

№2115 バスグラフィックVol.41(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックVol.41」、新年早々には発売になっていたが、また遅くなってしまいました。

GMニュールック上陸!
 最初にパッと見た時は、長距離、あるいは観光バスかと思った。公式側に資材が置かれていて中ドアの様子がよく解らないが(他者様のサイトには公式側の画像があるものもある)、あるいはかつて日本でも多数(特に東武バスあたり)見られた、真ん中にドアを増設改造したのかとも思ったが、最初から純粋なシティバスなのか。それにしてはずいぶんボリューム感があるボディは、昔のアメリカらしい、と言って良いのだろうか。
 車内の座席は割と簡素で、これでは長距離は向かなさそうだ。前方ドアハウス上が三方シートなのが、新鮮に映る。後方の三方シートは、去年乗ったハワイのバスと同じで、このレイアウトが、長年のアメリカのシティバスのスタンダードなのかも知れない。
(窓の紐を引いて降車を知らせるのも、ハワイと同じ)
 27年に渡っての製造とは、相当長い。日本だと、製造された車両が置き換えられて、その車両もまた置き換えの対象となるくらいのサイクルだ。
 是非再整備して、日本国内での静態保存を期待。アメリカ国内は、バスを保存している所はどれだけあるだろう。「博物館」的な場所はあるだろうか?探せばあると思うけれど。

神奈中に夢中!

神奈中バス 大船駅西口.jpg
 そう、「バスグラフィック誌」は、主に関東地方の大手事業者を特集のメインに据える事が多いが、神奈中バスは初めてだねえ。神奈川県では、横浜市営バスは2回あって、江ノ電バスに加えて、臨港バスもこの前取り上げられたばかりだったが。地元も地元なので、興味深く読みました。

 11系統は、特に中村橋より東側に見所がたくさんあって、観光客の利用も多そうだが、西側も探せばあるものだ。この路線は、東側の神奈中単独区間では、市営バスからの転換時に、バス停もバスに合わせたデザインに交換されているので、写真はあるのだが、その辺も触れられれば良かった。全体的には利用者の減少傾向は続いているようで、専用車両は2007(H19)年製だからそろそろ代替もチラつく時期だと思うが、道路事情も合わせて考えたら、代替車は中型車になるかも。
〔秦21〕系統は若干補足が必要で、この系統だけだと、沿線でこんなに乗ったり降りたりは出来ません!途中の蓑毛までは〔秦20〕系統が、約30分おきに走っています。〔秦21〕系統は、ひたすら山屋御用達というイメージがあったのだけれど、沿線にもこんなに見所があるとは新鮮だった。土休日は朝方に集中して走るので、現実的には先に蓑毛から先の山間部を訪ね、それから下界を訪れるというのが良いと思う(でないと、午後のヤビツ峠行は、土曜日は2本あるが、平日と休日は1本しかない)。シーズン中は登山者で恐ろしく混むのと(場合によっては続行便も出るが)、特に今の時期、降雪の直後は蓑毛から先が運休になったりするので、そのつもりで。

「神奈中のバスたち2019」は、神奈中は三菱ふそうの関連会社を持っているから近年は三菱ふそうが大半だが、よく見れば、一般路線車も各メーカーをバランス良く導入している。特に中型車は、三菱ふそうは今は途絶えてしまっているからいすゞがほとんどだし(中型の三菱ふそうは、もうエアロミディSだけ?)、ハイブリッド車もいすゞ・日野だけ。以前三菱ふそうがエアロスター・エコハイブリッドを販売した時、神奈中も導入するだろう、と思っていたのだけれど。
 高速バスは、30年前に夜行路線から高速路線に参入した時から、ほぼ一貫して三菱ふそうオンリーだ(ベルマーレ送迎バスから転用したスーパークルーザーはあったが)。神奈中観光にはガーラもあるのだが。
 一つ気になったのは、神奈中バスは3年前に経営体制を再編成しているが、その前の旧神奈交バス各社の一部の車両が、各社のオリジナルカラーをまとっていました。新体制になった時に、ラッピングで今の神奈中バスのカラーになっている(なのでやや色調が異なっている)、それらの車両については、1台もありませんでした(エンジン開口部の網がオリジナルカラーのままなのですぐ解る)。ひ172号(エアロミディME)も(元神奈交ではないが)ラッピング。

神奈中バス車庫内訓練.jpg
 それと、今の神奈中は「かなみん」だが、昔の神奈中のスペシャルカラーは、「かなちゃん」でした。2代に渡って見られて、初代は確かグラフィック誌でも出てきたが、2代目が最近まで一部営業所では、車庫内教習車両として残っていたので(なぜか緑ナンバーを維持していた)、これも取り上げられても、良かったかも知れない。もう遅いかも知れないが。過去の特集などと被るかも知れないが、昔のバスも少し並べてもらえると良かった。

神鉄バスの車両たち
 リエッセとかは乗った事はなかったのだけれど、1台だけ残っているという大型バスの路線が沿線に広がっていた時期に、乗った事がありました。
 鈴蘭台駅のガードは、2.7mでもギリギリだなあ。全体でも少数派のジャーニーJ、という点でも貴重でしょう。
 マイクロバスの2ドアというのは、かつては弘南バスでも走っていたけれど(ローザ)。
 リストを見た限り、貸切車も大半は乗合バスベースだ。契約輸送が大半という事か。

おもしろバス漫遊記
 小田急バスも含めて、なぜか柿生・鶴川・若葉台(下黒川)の各駅を結ぶエリアは、週1本の系統が多い。「市ヶ尾駅(市が尾駅が正しいのだけれど)は田園都市線の一大拠点」と記されているけれど、神奈中バスに限ると、他には中山駅行〔中50〕系統が平日・土曜日各1本(この系統は、中山〔営〕開設前は舞岡〔営〕、さらには横浜〔営〕笹下車庫の担当だった)と、長津田駅行〔市02〕系統が、休日に1本あるだけで、レアな系統が集う、かなり不毛の地域といえます(担当営業所が全部違う)。東急田園都市線や小田急多摩線、京王相模原線は昭和40年代の開業で、恐らくそれまではもっと違う系統体系で、本数もかなりあったのではないでしょうか。

その他
 淡路交通の2ドアエアロ車が全車引退、という記事があるが、欧州の長距離バスだと、結構普通でもあるのだが。特に北欧。スーパーハイデッカーにも
あったと記憶しています。日本だと、逆に低床化という流れになるのでしょう。

 折り込み付録は、ベンツ・シターロG。ネオプランがもう代替の時期に入りました。国産のハイブリッド連接車は、導入の可能性はないでしょうか?三菱系中心の事業者としては、やはり後継者はベンツという事になるのか。

 これで、神奈川県に限ると、横浜市営バス、江ノ電バス、臨港バスに最大手の神奈中バスまでやりました。あとは川崎市営バス、相鉄バス、箱根登山バスあたりは期待。特に箱根登山バスは、エリア全域に見所が満載なので、一般ウケもしそうだし。
 それと、今回の神奈中バスには「かなみん」のラッピング車があり、4種類のデザインがあるが、残念ながら、それを全部取り上げる場所がありませんでした。最近は関東地方を中心に、事業者オリジナルキャラクターをデザインしたラッピング車がかなり走っているので、一度どこかで特集して、まとめて出してもらえないでしょうかね?

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 としまえんの行方が急速に慌ただしくなってきました。昨日報道各社が一斉に報じたもので、西武HDは段階的にとしまえんを閉園して敷地を売却、東京都が災害対策も兼ねた大規模な公園を整備し、一部は「ハリー・ポッター」のテーマパークを建設、という話らしいです。西武は先日、西武園ゆうえんちの改修を発表しているが、今は大手私鉄と言えども、2つも遊園地を保有してはいられなくなっている、という事でしょうか?平成の30年は、大手私鉄が遊園地を相次いで手放した時代でもありました(本業を助けてくれる存在ではなくなった、という事。少子化もあるし)。この事は、西武豊島園や、都営大江戸線にはなにか影響を与えるでしょうか。

《今日のニュースから》
 1日 福島県警ヘリコプター不時着 臓器運搬中
 2日 有明アリーナ完成 記念式典開催
 3日 埼玉高速鉄道 スタジアム延伸 浦和レッズが要望
 4日 ドコモ・メルカリ スマホ決済提携で合意

 埼玉スタジアムは行った事はないが、浦和美園駅のホームからもスタジアムが結構大きく見えて、そんなに遠いか?(試合時にはバスがある)岩槻延伸の構想は以前からあるが、スタジアムだけのための延伸は、難しいだろう。
 昨日乗った首都圏の鉄道各線の車内は、パッと見た限り、乗客の1/3程度はマスクを着けていました。日本でも全国各地に、コロナウィルスが蔓延しているのか?と心配になってしまうほど。私はノーテンキなので、義務化でもされない限りは、たぶんマスクは着けないと思う。いよいよ日本への影響も直接波及してきて、航空ではANAとJALが、中国路線の大幅な減便を発表しました。JALは半分以下になるとの事。中国からの団体客も、40~50万人くらいは減少するだろうとの予測も出ています。日韓関係のような外交上の衝突からくる問題なら、当事者同士の話し合いで解決の道を探る事も出来ようが、全世界規模の未知の病気、だからねえ…。最悪でも、東京オリ・パラまでには全面的に収束・解決して欲しい。