№2094 JRグループ 2020年3月14日(土)ダイヤ改正

 JRグループは例年通り、一昨日13日(金)に、来年3月14日のダイヤ改正について一斉にリリースを出しました。
 東海道本線沿線の住人なので、新特急車デビューの東海道本線の形態がどう変わるのかが気になる所でしたが、リリースを読む限りでは、思った程の変化はないように感じられました。
 JR東日本から順に見ていきます。

JR東日本


新幹線

◆ 東北新幹線〔はやぶさ〕増発

 東京~新青森間で3往復増発し、下り1本は仙台行の時刻を変更して新青森(~新函館北斗)へ延長。

 全列車、東京は現在、臨時列車として設定されている時刻。


◆ 上越新幹線〔たにがわ〕増発

 朝方に高崎発上野行(土休日運休)、夕方に上野発高崎行を新設。E2系10連。元の列車が〔MAXとき・MAXたにがわ〕で、東京~越後湯沢間が両社を併結した16連なので、E4系の置き換えを見据えて、〔とき〕と分離したものと考えられます。
 暫定ダイヤで運転中の北陸新幹線は、後日発表。


在来線

◆ 〔サフィール踊り子〕デビュー

 東京~伊豆急下田間に定期1往復、臨時1往復(下りの土休日は新宿始発)を設定。

 全車グリーン車で、東京~伊豆急下田間の料金は、プレミアグリーン料金が3,600円、グリーン料金が2,100円、4人用個室8,400円、6人用個室12,600円。

〔スーパービュー踊り子〕は廃止。〔踊り子〕は一部のみE257系に置き換え(どの列車が置き換えになるかは記されていない)。


◆〔富士回遊〕増発


増発される〔富士回遊号〕.jpg
 この1往復は併結相手が〔あずさ〕となり、下りは千葉始発。

 実は先日富士急行に行く機会があり、〔富士回遊〕を見たが、外から見た限りでは、指定券は取りづらそうだなあ、と思ったものでした。12月の普通の平日なのに。増発も時間の問題だろうと思いました。

〔富士回遊〕は、下吉田に新規停車(富士急線内特急も全部停車)。

〔あずさ〕は運行区間・停車駅が一部変更となり、千葉→南小谷間3号は松本行となり(〔富士回遊〕併結)、新宿発5号が南小谷まで運行。

〔あずさ〕と〔かいじ〕で号数が通しになり、〔あずさ〕2往復は、今春改正で〔あずさ〕全列車が通過となった塩山・山梨市・石和温泉に停車。この他にも一部駅に追加で停車。

 現行の〔はちおうじ3号〕は青梅行に変更し、〔おうめ1号〕に変更。


◆ 中央線快速及び中央・総武緩行線の運行形態を変更

 現在の早朝・深夜の中央・総武緩行線は御茶ノ水折り返し、東京発着列車の一部が中野まで各駅停車で運行しているが、緩行線を中野方面へ延長し、東京発着は全て快速運転。現行の東京発最終各駅停車三鷹行は、快速武蔵小金井行となり、御茶ノ水で各駅停車に接続。


◆ 〔成田エクスプレス〕は、東京~成田空港間2往復を12連に増結し、全列車12連化。横浜発着の一部を新宿発着にシフト・

◆ 高輪ゲートウェイ駅が開業。

◆ 仙台空港アクセス線は、2連の7往復を4連に増結。

◆ 磐越西線快速3往復(〔あいづ〕と呼称)に、指定席を設定。

◆ 常磐線は、今春臨時駅で開業したJヴィレッジ駅は、常設駅(毎日営業)に格上げ。佐貫駅は龍ケ崎市駅に改称。なお、富岡から浪江間の運行再開日は、後日発表。

◆ 鹿島線にSuica導入。


● 八王子支社では、夜間の中央特快を、下り1本・上り2本増発。南武線は平日夕方の区間運転1往復を立川延長。

● 高崎支社では、水上20時16分発高崎行を、新前橋行に短縮(両毛線高崎行に接続)。

● 水戸支社では、いわき発着の〔ときわ〕1往復を高萩発着に短縮。普通列車は一部土浦・水戸・勝田で分断。水戸発いわき行最終を繰り下げ。水戸線では、朝方の一部の時刻をシフトし、運転間隔を平準化。水郡線は、列車と代行バスの接続を改善。

● 千葉支社では、〔しおさい〕の一部の時刻を変更。京葉線(武蔵野線)は、土休日に東京~西船橋間を中心に増発。総武快速線の千葉行1本を成田空港へ延伸し、10月27日より運行を開始している、成田空港→千葉間臨時快速(毎日運転)を、正式に定期列車化。

● 仙台支社では、磐越西線(会津若松~新津間)と米坂線にGV-E400系、只見線(4月1日~)にキハE120形を導入。黒磯~新白河間は全列車、E531系でワンマン運転(JRグループ全体でも、4連を超える列車のワンマン運転は初)。

● 盛岡支社では、〔こまち〕(雫石停車列車)→〔はやぶさ〕(新函館北斗行)、普通列車→〔はやぶさ〕(東京行)の接続を改善。7時台の盛岡→日詰間の2本を、共に毎日運転に変更。快速〔アテルイ〕は、水沢→花巻間各駅停車に変更。北上線の快速1本を普通に変更。山田線快速〔リアス〕は千徳に停車。八戸線は、朝方青い森鉄道からの乗り換えの混雑緩和のため、八戸→鮫1本の時刻をシフト。青い森鉄道は1本が八戸線と同一ホームへの到着に変更。津軽線でワンマン運転実施。

● 秋田支社では、〔こまち〕⇔〔はやぶさ〕(下り)の盛岡での接続改善により、秋田⇔新函館北斗間の所要時間を全体的に短縮。最短は秋田→新函館北斗間3時間34分、逆は3時間39分。男鹿線から〔こまち6号〕への接続を改善し、東京での滞在時間を拡大。


 首都圏は、〔スーパービュー踊り子〕(251系)廃止、〔踊り子〕のE257系置き換えにより、東海道線ライナー列車には影響が出るかと思われたのだが、今回のリリースにはありませんでした。いずれ別の発表があるのでしょうか。


JR東海


新幹線

◆ 「〔のぞみ〕12本ダイヤ」スタート

 東京発7~20時台、東京着9~22時台で〔のぞみ〕枠を毎時2本増やし、利用が集中する時間帯に臨時〔のぞみ〕を増発。

 東京~新大阪間の平均所要時間は4分短縮し、2時間29分。最速は2時間27分。


◆ 山陽新幹線直通〔のぞみ〕の所要時間短縮

 東京~博多間は定期〔のぞみ〕全列車5時間以内(平均4時間59分)、東京~広島間は定期〔のぞみ〕の9割が4時間以内で運転。


◆ 山陽新幹線直通臨時〔のぞみ〕を増発

 時間帯により、毎時最大7本を運転。


◆ 早朝・夜間 臨時〔のぞみ〕増発

 月曜日・連休初日などに東京発6時台2本、金曜日・連休最終日などに東京発21時台1本、22時台1本(名古屋行)を設定。


◆ 三島→東京〔こだま〕増発

〔こだま〕は7号車を指定席・16号車を自由席に変更。現在普通車全車自由席〔こだま〕は、一部列車の7号車を指定席に変更。


在来線

◆ 東海道本線・袋井~磐田間に御厨駅が開業。

◆ 土休日のみ運転の刈谷5時50分始発普通電車1本を、平日にも運転。

◆ 〔ひだ15号〕の名古屋発を45分繰り上げ。

◆ 池の浦シーサイド(臨時)駅は廃止。


JR西日本


新幹線

◆ 山陽新幹線〔のぞみ〕最大6本運転時間帯を拡大

◆ 〔みずほ〕1往復増発

〔みずほ〕は2往復が福山、1往復が新山口に新規停車。


在来線

◆ 〔はるか〕全列車を9連で運転

 271系導入により、座席数は現行の6連248席→9連370席と約5割増し。〔はるか〕は定期列車が毎時1本に削減されていた時期もあったのに、状況がかなり変わりました。

 現行、一部9連で運転されている〔はるか〕の7~9号車は原則指定席(自由席となる列車・曜日もある)だが、新ダイヤでは7~9号車は全車自由席となり、4・5号車が、列車によっては指定席。


◆ 〔くろしお〕は全列車日根野に停車。

◆ ゆめ咲線(桜島線)で、朝ラッシュ時に2往復増発。


● 福岡支社では、博多南発8時台と18時台に増発。朝ラッシュ時は現行の休日運休1本を、土休日運休3本に変更。

● 金沢支社では、〔サンダーバード〕の和倉温泉直通を、15号→17号(30分後)に変更。〔能登かがり火〕は、上り2本の時刻を変更。〔しらさぎ52号〕は東海道新幹線の時刻変更に合わせ、10分繰り下げ。小浜線・越美北線・高山本線で朝方の時刻を変更し、小浜線は敦賀→小浜間1本を増発(平日のみ)。

● アーバンエリアでは、大和路快速の全列車8連化により、大阪環状線を全列車8連に統一。奈良線みやこ路快速は、土休日は全列車6連で運転。嵯峨野線(山陰本線)は、土休日の一部列車を8連に増結。JR宝塚線(福知山線)は、日中の丹波路快速・快速を、宝塚以北各駅停車の区間快速に変更(宝塚発着快速は新三田へ延長・普通列車は宝塚折り返し)。大和路線(関西本線)~和歌山線の直通快速は、日中は取り止め(王寺~高田間は227系で運転)。

● 和歌山支社では、〔くろしお3・26号〕を「パンダくろしお」で運転(6・25号と合わせて4往復)。御坊~紀伊田辺間の113系を227系に置き換え。ICOCAエリアを、和歌山線全線と、きのくに線(紀勢本線)海南~紀伊田辺間全駅に拡大。

● 福知山支社では、〔きのさき〕と〔こうのとり〕の、福知山→豊岡間を一部入れ替え(〔きのさき13号〕→〔こうのとり17号〕・〔こうのとり19号〕→〔きのさき15号〕)。

● 岡山支社は、〔さくら〕1往復が福山に停車し、福山に〔さくら〕全列車が停車。〔やくも〕と山陽新幹線との接続を改善。宇野みなと線(宇野線)は日中に増発(2往復は岡山~茶屋町間快速で、大元・備前西市・妹尾に停車(早島は通過)、1往復は岡山~備前西市間普通)。姫新線の日中の新見発一本の時刻を繰り上げて津山での接続を改善。

● 広島支社は、土休日のみ快速〔シティライナー〕を再設定(広島~岩国間30分間隔。横川に新規に停車、宮内串戸は通過)。平日夕方に広島~五日市間2往復増発。山口線は朝方に新山口~山口間で1往復増発。宇部線は、現在休日運休の3往復を、毎日運転に変更。呉線・三原~広間は、ワンマン時間帯を終日に拡大。

● 米子支社では、岡山での〔やくも〕⇔〔みずほ〕〔さくら〕との接続改善により、米子~広島間の平均所要時間が2時間台に短縮(2時間59分)。〔スーパーおき1号〕は新山口で、新規停車の下り〔みずほ〕に接続。境線の「鬼太郎」列車は、平日日中の6往復を2連に増結。山陰本線の一部の快速の停車駅を拡大。山陰本線・因美線・境線で一部列車を取り止め。境線は、米子発の最終列車が1時間以上繰り上がる事になるようです。因美線は若桜鉄道との直通列車だが、若桜鉄道からのリリースはまだ出ていません。


JR四国

◆ 〔南風〕〔うずしお〕→博多行〔のぞみ〕との接続を改善。

◆ 東京発〔のぞみ〕→〔しおかぜ〕〔マリンライナー〕との接続を改善。

◆ 〔南風〕全列車が宇多津に停車。〔あしずり15号〕が多之郷に停車。一方〔宇和海22号〕は伊予中山、〔うずしお30号〕は讃岐白鳥を通過。

◆ 日中の予讃線高松発車時刻をパターン化。高松~坂出間2往復を、多度津まで延長。

◆ 〔ミッドナイトEXP高松〕は、高松発を33分繰り上げ(23時13分発に変更)

◆ 〔南風6号〕は高知で分断し、中村~高知間は〔あしずり2号〕として運転(高知では同一ホームで〔南風6号〕と接続)。〔南風〕は全列車、岡山~高知間の運行に統一。

◆ 土讃線・高徳線・徳島線で、土休日運休の合計8往復を、毎日運転に変更。

◆ 〔うずしお〕〔いしづち〕の一部列車の指定席を拡大。

◆ 予讃線・北伊予~伊予横田間に南伊予駅が開業。


JR九州

 在来線普通列車への新型車両の導入が中心。


◆ 九州新幹線は、熊本と鹿児島中央で日中の時刻を調整し、運転間隔を平準化。

◆ 臨時〔みずほ〕1往復を定期化(福山停車)。

◆ 821系を鹿児島本線(門司港~荒木間)に導入。

◆ 香椎線西戸崎7時46分発の博多直通1本を設定。この列車は香椎から快速となり、箱崎のみ通過。現行は宇美直通なので、香椎からは別の列車を仕立てるのだろうと考えられます。

◆ YC1系を長崎地区(長崎~諫早~早岐~佐世保)に導入。

◆ 鹿児島中央からの指宿枕崎線は、日中は毎時02分(指宿方面行)・35分(喜入行)に統一。宮崎空港からの普通列車は、12時台に1本増発。

〔かわせみやませみ1・2号〕は、多客期のみの運行に変更するが、具体的な運転日は発表になっていない。「春の臨時列車」の運転計画発表時にリリースの見込み。

 長崎駅・浦上駅が3月28日より高架ホームに切り替え。


JR北海道


◆ 快速〔エアポート〕を毎時5本に増発

 ただ、特急や貨物列車の存在もあるためか、完全な12分間隔のパターンダイヤにはなりきれていない。新千歳空港発は12分間隔だが、札幌~新千歳空港間の所要時間は、37~39分と、ややバラつきがある。増発分は全て札幌発着。

 新千歳空港6時39分発を増発(白石停車)。


◆ 特別快速〔エアポート〕を新設

 札幌発朝方2本、新千歳空港発夜間2本を設定。途中停車駅は新札幌・南千歳。所要時間33~35分。


◆ 千歳線は、早朝の千歳始発1本を苫小牧始発に延長し、苫小牧~南千歳の各駅で初電繰り上げ。

◆ 函館本線(札幌地域)区間快速〔いしかりライナー〕は、全列車普通列車に変更し、各駅に停車。

◆ 函館本線(札幌地域)は、札幌発上り6時台に小樽行を増発。ほしみ発下り7時台1本を小樽始発に延長。札幌発下り9時台2本、小樽発上り19時台1本を快速〔エアポート〕に変更し、新千歳空港発着の直通で運転。

◆ 函館本線 (札幌地域)は、夕方に一部列車の増結や、〔いしかりライナー〕の普通列車化で、混雑を緩和。

◆ 〔スーパー北斗〕〔スーパーおおぞら〕〔スーパーとかち〕は、「スーパー」の愛称を廃止し、〔北斗〕〔おおぞら〕〔とかち〕として運行。〔スーパービュー踊り子〕もなくなるので、「スーパー」の4文字がつく特急は、JR線では智頭急行の〔スーパーはくと〕だけになります(他に小田急〔スーパーはこね〕)。

◆ 〔北斗〕3往復は白老に停車。〔すずらん〕は指定席を拡大。民族共生象徴空間「ウポポイ」改行(4月24日)に対応。

◆ 〔おおぞら〕3往復に261系を導入し、283系を置き換え。

◆ 新函館北斗で〔はやぶさ〕⇔〔北斗〕の接続時間を短縮。

◆ H100形を小樽~長万部間に導入し、201系運用列車以外のワンマン列車は全て置き換え。札幌発然別行1本にも導入。

 根室本線の古瀬、釧網本線の南弟子屈駅は廃止になるが、ローカル列車そのものに関しては、今回は、基本的には手が着かないようです。
(GW後廃止の札沼線非電化区間は除く)


JR貨物

◆ 松山の貨物駅施設を、北伊予~伊予横田間に移転し、松山貨物駅と改称(先のJR四国の南伊予駅は、この貨物駅に隣接)。
◆ この他、ニーズが高い区間の輸送力を増強。
 EF210形3両、HD300形2両、DD200形8両を新製。コンテナは2形式合計4050個を新製。フォークリフトは合計143台新製。

 以上、今回は例年以上に簡単になってしまったと思います。JR以外では、小田急や東京メトロ、その他JR線と直通する第3セクター鉄道の一部からもリリースが出ているが、今回は省略し、改正ダイヤを掲載した、来年の時刻表2及び3月号が刊行された時点で、改めて書きたいと思います。
 全体的には地味だが、東日本・九州・北海道の3社の非電化区間への、新車両の導入が注目されます。昨今の地球温暖化問題では、航空機が相当悪玉にされているが、鉄道だって、特にピュアディーゼルエンジン車両は、今後問題視されるだろうと見ています。今回新型が導入される3地域はいずれも国鉄型が未だに運用されていて、むろん老朽化という事もあるし、環境面でもそろそろどうかなあという感ががあるので、今後他路線への導入拡大があるのかは注目だと思います。他の東海(特急車は姿を見せたが)・西日本・四国では、新技術の車両は、近いうちに姿を見せたり、するのでしょうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
15日 新国立競技場 報道陣に内部公開


 17日(火)の更新は、休むかも知れません。その場合は水曜日に更新します。