№2072 バスラマインターナショナル176(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル176」、先々週発売になっていたが、ハワイに行っていたので、少々遅くなりました。いつか、ハワイのバスも取り上げて欲しいかも。日本人から見て、良いところ、これはちょっと…と思う所、様々あるので。数年後にはホノルルを東西に貫く鉄道の開通が見込まれていて…全通は相当先になりそうだが…、ホノルルのバスも、まもなく変革の時を迎えようとしている気がする。それは、沖縄と同じなのかも知れない。
 表紙は川崎市営バスのブルーリボン・ハイブリッドと、背景は川崎マリエン、それと、「バステクin首都圏」に出展する、「アルファバス」のEVノンステップ車。

各地の新車から
 みちのりHDは、高速バスのデザインは統一する方向にあるようだが、高速バスはいいけれど、一般の路線バスは、グループ企業独自のデザインを残して欲しいと思う。関東自動車はそういう方向のようだが。
 根室交通は、エルガミオ導入は良いのだが、今年になってまた路線・便数の削減や運行時間帯の縮小が行われており(特に土休日は、17時前には大方の運行が終わってしまう)、去年乗ってきたばかり、という事もあって、行く末を少々心配しています。
 南城市の「Nバス」は、沖縄のバスらしいシーンを醸し出していた、沖縄バスの新原ビーチに入るコースがあり、このため、那覇市からの沖縄バスは入らなくなりました。今月は、今度は沖縄へ行くので、見てくる予定です。

相鉄バス&群馬大学が実証実験

自動運転バス4.jpg
 さすがに1ヶ月以上経っているし、バスラマ誌らしく、少し突っ込んで考察しています。
(「営業運行」の自動運転は日本初、だが、里山ガーデンフェスタ実行委員会のチャーターで、乗客の運賃の支払いはない)
 私も運行開始早々に乗りに行って、№2050でも書いた所です。20㎞/hの低速で、交通量も少なめ(ズーラシア北門へ向かう路線バスは多かったが)、それと、今回の区間は信号もないので、自動運転のハンデとなるようなものの存在は、乗客の立場としては感じませんでした。「緑が豊かな環境は、季節による景観の変化で、データが同一の場所と認識できなくなり、マップ更新の必要がある」という写真のキャプションは、ああそうなのか、と思った。
 少ないながらもマイカーの行き来はあり、低速なので途中で何度か道を譲ったりするわけだが、その時のウインカーのパッシングも、自動でやるのだろうか?聞いておけば良かった(バスは他者も含めておとなしくついてくるが)。
 来年にはレベル4でやりたいと、私が乗った時にも聞いたが、やはり相鉄バスでやるのだろうか。
「自動運転の本格化には法規の改正や道路の改修、安心して乗ってもらうには一般車両のドライバーと地域の理解が必要」と結ばれていた。その通りだと思うが、そうなると、まずはやはりBRT的な路線からになるだろうか。少なくとも専用レーンの確保は必須だし、一般車両の乗り入れや路駐の取締は、厳しくやって然るべきだと思う(自動運転だからというのではなく、バス、ひいては公共交通の地位の向上のためにも)。

バス事業者訪問211 川崎市交通局

川崎市営バス.jpg
 22年前の45号では、表紙はキュービックと、当時運行されていたアクアライン高速バスでした。
(当時はまだ、カラーページは少なかったですね…)
 アクアラインの高速バスはこの後撤退する事になるが、それ以外の一般路線は、基本的にはエリアの大きな変化はなく、川崎市内を東から西へ、ほぼ全体を網羅しています。地図上には営業所の記載がないが、4営業所1出張所→5営業所体制(菅生〔出〕が一時、鷲ヶ峰〔営〕の分車庫に格下げになったが、旧相模神奈交バスへの委託開始と同時に営業所に格上げになった)は、これも変わってはいない。
 輸送人員の推移を見ると、45号の時点では基本的には横ばいから右肩下がり、1996(H8)年度には4,000万人を割り込みました。今号の199(H11)年度が約3,755万人と底を打ったが、その先はV字回復、2017(H29)年度は5,000万人に達しようか、という所まで来ています。
 また、貸切事業が2005(H17)年度から始まっていて、20万人台程度で推移していたものが、昨年は38万3千人と、劇的に増えました。純粋な「観光バス」はないが。
 民間委託は、川崎市営はプラスに働いているようだが、京都市のような問題は出ていないのだろうか?「管理委託により生じた経営資源」とは、どういう事だろうか?委託2営業所も、車両は市営バスそのものだが。
「バス運転者はサービス業」というフレーズは難しい。その通りではあるけれど、バスのドライバ-不足を取り上げたいくつかサイトを眺めてみると、ドライバーが集まらない、採用してもすぐ辞めてしまう要因には、長時間勤務の他、乗客対応が精神的に苦痛、という理由が挙げられているようです。前号の長電バスでも出た話だが、ドライバーの資質だけに頼るのでなく、ドライバーをバックアップするシステムの構築も求められるのではないでしょうか。
 低公害車は、ここには記載がない川崎病院循環路線で、共同運行する川崎鶴見臨港バスがEV改造車を導入したので、市営バスも期待していたのだが、ディーゼルエンジンのエルガミオへの置き換えだったので、少々ガッカリした記憶があります。このあたりからEV導入を期待。
 車両面では、公営バスとしては珍しく、長尺車が多いのが特徴だろうか。東部の工業地帯や流通団地、西部の宅地への需要が多いためだろう。ただ、ブルーリボン・ハイブリッドにも長尺の設定があるが、今のところは導入がない。川崎市営バスは、昭和から平成に移り変わるあたりは、いすゞと三菱ふそうがほぼ半々(両社とも川崎市内に工場があったからだろう)、日野と日産ディーゼルがなかったのだが、平成の30年間で、だいぶ様変わりした印象があります。三菱ふそうは、22年前は150台だったそう。現状は、導入が終わって11年経った日産ディーゼルより少ない。入札の結果だろうが、横浜市内の事故に端を発して発覚した不祥事が、今もなお影響しているのか?
 最近常々思うのだが、川崎市営バスあたりが、シティバスタイプのダブルデッカー車を導入してみたら、結構効果があるのではないか?特に東部は、ラッシュ時は急行便の運行が多く(TOPの川崎駅のバスターミナルの写真にも、水江町行の急行が停車しているのが見える)、途中の乗客の入れ替わりが少なく、比較的長距離の利用が多いので。
 アーカイブスは、井田営業所、井田病院行が東口から出発しているのは、当時の西口は工場街で、バスターミナルがなかったから(横浜市営バス7系統も、東口発着だった)。このあたりは、多少補足説明が必要だったかも知れない。

バスラマのブラジル バス紀行
 PART2はクリチバのBRT。クリチバは5年前のサッカーW杯の会場でもあったので、地名はある程度は、一般の日本人にもなじみがあるのではないだろうか?
 クリチバに限らずBRTに特化した高床式車両を見て思うのは、バス乗降場の途中で事故に遭ったり、立ち往生したりするような事態になった時、乗客をどうやって降ろすのだろう?昨今の日本の鉄道でもたびたび起きる事で、バスは鉄道ほどは地面との差はないようだが、車いすの乗客などはどうするのだろう?はしごとか搭載しているのだろうか?
 三車体連接のバスを導入するほど輸送量があるなら、日本だと「LRTを造れ」という声が大きくなりそうです(実際3連接バスの輸送力は、日本の「LRT」より大きいはずだ)。クリチバでは地下鉄との選択の結果になったようだが、LRTは選択肢になかったのだろうか?
 ウーバー(に代表されるライドシェア)は、日本ではウーバーに出資するソフトバンク孫会長の発言と、これに反発するタクシー業界、という構図がクローズアップされました。が、実際問題として、両者の発言の社会的影響力は格段に違うし、その根底には、既存のタクシーへの不満(特に料金面)があります。BRTを中心とした公共交通システムが高評価されるクリチバで、なお10%もの旅客の逸走が起こるようだと、日本にライドシェアが導入されたら、特に地方都市の公共交通は一大事だろう。しかし、公共交通の地位が低く、衰退の傾向にある日本では、案外簡単に導入が決まってしまうかも知れない、そんな気がしています。実際、海外のライドシェアを公共交通と同等に扱っている文献も、チラホラ目にするし。クリチバからはBRTだけでなく、公共交通全体の動向を見るべきでしょう。

その他
・ アルファバスの電気バスはまだシークレットな部分が多く、「バステクin首都圏」で初公開される部分も多いのだろうが、記事を見た限りでは、航続距離は充分だが、充電方式とその時間は記されていない(前述の川崎市営バスは、ここを重要視しているようだ)。BYDとのシェアの争いはどうなっているのだろうか。ヘッドライブ部分の形状は中国っぽいと思う。
・ 神奈中バスのポンチョ(私の自宅の近くでも走っているが)のタイヤは…、ポンチョを使用するコミュニティ的な路線は、よくよく思い返すと、神奈中に限らず一方通行の循環系統が多いから、偏摩耗って多いと思う。電車でも山手線は、特に環状線の内側の車輪の摩耗が、外側より大きいらしい。
・ ヒュンダイのEVダブルデッカーって、海外には例があるのだろうか?「連節バスは、混雑した道路での運行のしづらさが否定できない」のコメントは、日本でもよくよく考えるべき事だと思う。走行環境の改善は、連節バスでなくても必要。

 以上の各種記事を合わせて読むと、また、昨今の地球温暖化に関する各種のニュースを見聞きしていると、日本のバスメーカーもそろそろ、バスのEV化に関わる回答を、世の中に示すべき時が来ていると感じます。国産は今のところ、先の臨港バスの川崎病院循環とか、今年から運行を開始したアルペンルートなど、皆既存のディーゼルエンジン車をベースに改造を加えたもので、スペック的には充分ではない(と思われる)。やるならイチからの新設計が必要だろう。また、バスラマ誌側も、では日本のメーカーは具体的に何をやるべきか、もう少し突っ込んで提言すべきではないだろうか。現状は他国(特に中国)の車両を良い良いというだけで、やや大雑把に過ぎる気がします。

 次号のバス事業者訪問は宮城交通になるらしい。24年前の31号で取り上げられているが、当然東日本大震災は避けて通れない。震災発生時の対応や、その後の今日に至るまでの影響は、どうなっている(いた)のだろうか。ミヤコーバスに関しては、気仙沼線BRTの運営(JR東日本から委託)も知りたい。特に本吉~気仙沼間では(こちらも改造の)EVが走っているが、どのような体制の元で運行しているのだろうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 相鉄の11月30日改正の全列車の時刻が、今日発表されました。当然JR直通運転開始がメインとなり、それ以外にも様々な変更点があって、いちいち全部をチェックする事はできないが、いくつか(ややマニアックになるが)目についた点を上げると、
1.羽沢横浜国大~西谷間の区間運転が、早朝の下りに3本(+羽沢横浜国大→海老名間各停1本)、深夜の上りに1本設定がある。が、対応する西谷の折り返し列車、というのはない。勝手な推測だが、JR編成の海老名への送り込み・返却ではないだろうか?(列車番号からは、運用は解らない)羽沢にJR編成を留置するのだろうか。
2.平日のみ、下りの星川始発、上りの朝ラッシュ時間帯にかしわ台始発の各停の設定がある。一方で夜間の大和折り返しはなくなる。
3.考えていたような、横浜~西谷間の区間運転(JR直通と接続)の設定はなかった。西谷に引き上げ線を2本も造っているのだが、あくまで非常用の位置づけなのだろうか。
4.横浜発着の特急は、8両編成も走る。平日横浜発9:58・11:58・12:38・13:58・14:58・15:38、海老名発9:23・11:13・13:13・14:13、土休日横浜発7:08・13:28・16:28、海老名発12:43。急行・快速にもある。
5.いずみ野線の特急は取りやめ。
 なお、新宿以外のJR線内各駅の時刻は、20日発表予定(時刻表発売と同日)。

 しなの鉄道は、来週中には全線で運転を再開できる見込み、という発表がありました。

《今日のニュースから》
 3日 「ゆるキャラグランプリ」 長野県「アルクマ」金メダル
 4日 岐阜 白川郷 小屋2棟全焼
 5日 馬淵元国土交通大臣 交通事故で重傷

 白川郷の火事は、幸い合掌造りの建物には影響はなかったが、今年は、国内では京都アニメーションに首里城、海外ではノートルダム寺院にブラジルのアマゾンと、原因や被害の程度は様々なれど、重大な火災がずいぶん多い気がします。