№2073 日本の旅客機2019-2020(イカロス出版)

「日本の旅客機」2019-2020年版、8月末には発売になっていたのに、こんなに遅くなってしまった…。

 今シーズンは、久しぶりに大きな機材の動きがあり、盛りだくさんな内容になっています。表紙は日本の2大キャリアの2大新スター、JALのA350-900と、ANAのA380-800。ANAは2号機の「エメラルドグリーン」で、先日のハワイ遠征は、往復ともこれでした。

日本にも本格到来か? エアバス機の時代
 この両機種は、JALとANAそれぞれにとっても、ひいては日本の航空業界全体にとっても、かなり大きな意味を持つものになりました。

ANA A380.jpgJAL A350-900.jpg
 まず、この両機種の意義をまとめてみると、

A380-800…1.世界最大の旅客機で、日本初導入 2.(テキストには記されていないが、実は)ANA初のエアバスのワイドボディ機 3.最初からリゾート仕様に特化

A350-900…1.JAL発注としての初のエアバス機 2.JAL初のサイドスティック&ロールスロイスエンジンのジェット機(YS-11運航の実績があるから、ロールスロイス自体は初ではない)

 エアバスが「苦戦」したというが、そもそもエアバスは戦後相当経ってからの参入の後発組で、戦前からの経験を積み上げてきたボーイング(と、マクドネル・ダグラスにロッキード)の後塵を拝してきたのは、ある程度はやむを得ない部分もあっただろう。日本の経済全体がアメリカと密接な関係にある事も、原因の一つとして否定できないだろう。ダッソーとかBAe、アエロスパシアル等の欧州の中小メーカーは、アメリカ勢に勝てずに旅客機製造から撤退したわけだし、このあたりがもう少し粘っていたら、少しは機種選定の方向性も違ってきていたのかも知れない。
 今後は…。APJやJJPのA321LR導入もまもなくで、JJPは先日、キャビン仕様の方向性が発表になっている。これで一気に流れはエアバス勢に向かうのか?目安となるのは、B737-800の後継機の選定だろうと思います。特にJALグループとSKY。そろそろ選定作業に入らなければならない時期になるはずだが、JALはA350を導入したし、SKYは短期間ながらA330運航の実績があり、エアバス機導入のハードルは、もう高くないと思う。まして、B737MAXの不祥事が尾を引きそうで(少なくとも、今年中の運航再開はないと思う)、これを機に、A320neoシリーズに乗り換える可能性が、もうゼロではない(加えてJALは、B767の退役が進むと、B787と既存のB737の間に大きな空白域ができる事になり、A321が割って入る可能性が否定できない)。ワイドボディ機は、JAL、ANAともこれから数年の方向性は固まっているから、あとはADOやSNAまで加えた、B737NGの後継機のの選定作業の行方が、本当に「エアバス機の時代」となるかどうかの分かれ目になるでしょう。
 貨物専用機だったからだろうが、ギャラクシー・エアラインズのA300-600Fについては、触れられていませんでした。

革新する キャビン&シート
 ANAのB777-300ER新造機のプロダクトが話題となったが、Cクラスの半数が後ろ向きというのはBAに例があるが、乗客、特にCクラスだとある程度お金を持っている富裕層が多くなりそうだが、どう感じるものなのだろうか?ゆとりや独立感があって、付帯サービスが充実していれば、その程度は気にはならないよ、と思うものなのだろうか。
 国内線は、ANAのA321neoが改めて国内線に於ける個人用モニターの先鞭をつけ、JALも予想通りA350(ここにはないが、B787-8の国内線仕様機にも)に搭載。ANAもワイドボディ機にまで拡大して搭載するが、機内Wi-Fiの普及と、重量の面から、国内線だとむしろ省略する方向ではないか(アメリカはそうらしいし)と思われていたのに、正直ちょっと戸惑いもあります。しかも画面のサイズが、国際線のYクラスに展開され始めた頃より、圧倒的に大きくなっている。むろんサービスとしては面白いが、基本的に短時間なので、何を見ようか目移りしている内に、目的地に着いてしまいそう。
 個人的には、国内線・国際線とも、F・Cクラスに関しては正直どうでも良いが、Yクラス・普通席の前後のピッチが、もう少し広くなってくれるといいかなあ、なんて思っています。幅やファシリティは今のままで充分と思うが、特に窓際だと出入りが大変なので。LCC以外のキャリアは、この辺がLCCとの差別化に結びつくのではないか。
 なお、JALのA350-900は、6月の公式リリースでは「座席数の変更を短期間で実施可能な」仕様となっている、としているが、この辺の記述は一切なし(詳細は別途、という事)。例えばファーストクラスを撤去、普通席を増席、とかだろうか。となると、普通席は50席くらい増やせそうで、時期によってはB777-300の代わりも担う、という事になるのだろうか(それでも座席数はだいぶ減る事になるが)。

最新フリートガイド
 大型機に目が行きがちだが、コミューターも特にJALグループでは世代交代が進んで、私も何度か乗る機会を作れたJACのサーブは、いよいよお別れフライトが視野に入ってきているようです。
 また、ANAのB737-500(日本最後のB737第2世代)もいよいよ引退で、お別れのイベントも企画されているようだが、思った以上に飛んだ印象があります。本来はMRJ(→スペースジェット)への置き換えが予定されていたところ、開発が大幅に遅延したので、しばらくは頑張って飛んでいたが、もう持たなくなった、という事だろう。
 JA8000番台(つまり20世紀中の導入)が残りがわずかになってきました。今号の時点では、JALグループ17機(JAC2機はストア)、ANA13機(うち6機はフレイター)の合計30機となったが、発行後、ANAからリタイヤした機材の情報もあります。来年のオリ・パラが終わると共に、一気に全滅にむかうのか。

〔2019-2020年版で初登場の機種〕
 JAL A350-900/ATR72-600(JAC)
 ANA A380-800/B787-10/B777F

〔2019-2020年版で姿を消した機種〕
 JAL B737-400(JTA)
 NCA B747-400F

日本の旅客機 全航空会社全機種シートマップ
 ANAのB787-10は、Yクラスの座席数235はB787全シリーズの国際線仕様機では最も多く、全体の80.0%は、-8の240席仕様(82.5%)に次いで高い。A380(73.7%)より高く、-8の169席仕様(メキシコシティ路線等に運用)が60.4%に過ぎないから、-10には、輸送力重視で、高需要の中距離東南アジア路線を担わせようとする考え方が窺えます。
(冬スケジュールからマニラ線にも就航)
 A380は、帰りはPYに乗ったのだけれど、全体的な事は後日旅行記で書くが、PYのラバトリーって、後方の1ヶ所しかないの?Cクラスとの境界に4ヶ所あるが、共用なのか?カーテンで仕切られた向こうなので、PYは利用できないのではないか?1Fには降りられないし…。Yクラスが43人に1つなのに、ひとつ上のクラスにしては、明らかに少なすぎるのだが…。

 オリ・パライヤーとなる来年の旅客機の展望だが、やはり三菱スペースジェットが、今度こそ就航する事になるのか、というのが最大の関心事になるのではないか?ただ、どうもこの頃のANAの公式Webサイトとかを眺めていると、スペースジェットに関しては、ややテンションが低くなっているんじゃないの?と、感じられなくもない。去年2月に発表されたANAHDの「2018-2022 中期経営戦略」の中にも、スペースジェット(当時はMRJ)の文字は出てこなかった。現在のANAHDの数少ないハンデのひとつに、グループ内にリージョナルジェット機がない事があり、だからスペースジェットに期待がかかるのではないかと思われるのだが。
 ZIP AIRの就航もあるが(韓国線は大丈夫なのか)、あとはやはり、ANA・JAL両グループとLCC勢に挟まれた中小キャリアに、そろそろ大きな動きが欲しい。この先は個人的な希望になるが、SKYは経営が立ち直り、今度こそ国際定期路線(成田~サイパン)就航という所まで来た。となると、羽田~福岡・新千歳の幹線くらいは、ワイドボディ機の再就航も期待されるのではないか。でないと、輸送力やサービスの面で、特に大手2社には太刀打ちできないだろう。もしそうなったら、ここでもボーイングvsエアバスの構図が見られるのかも知れない。
 オリ・パラが終わった後の、各キャリアの展開が注目されます。

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 羽田空港の国内線両ターミナルは昨日から大規模な断水が起きていて、第1ターミナルは昨日のうちに収束したが、第2ターミナルは少なくとも、明日まではかかりそう。羽田空港は平成の間に、海上に埋め立て地を造成して拡張した空港なので、その辺も影響しているのだろうか。
 今日は山陽電鉄でパンタグラフが脱落し、長時間不通になる事態も起きています。詳しい原因はこれから解るはず、だが、報道の感触からすると、架線の側に何か問題があったのではないだろうか?
 クムホグループから売却されるアシアナ航空の競争入札が、今日韓国で行われています。更新時点では結果がわからないが、チェジュ航空を保有する財閥グループが有力とみられていたようです。この事は、韓国の航空業界にどのような影響を与えていくのだろうか。大きな再編成につながるのだろうか。

《今日のニュースから》
 6日 スノーボード元日本代表 大麻所持で逮捕
 7日 トヨタ・BYD 合弁会社設立を発表

 この合弁会社は、とりあえずはマイカーの分野で研究・開発を行うとしているが、あるいはバスにも影響を与えるのだろうか?トヨタは燃料電池、BYDはEVと方向性が異なるのだが、トヨタもEVに舵を切るのか?

№2072 バスラマインターナショナル176(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル176」、先々週発売になっていたが、ハワイに行っていたので、少々遅くなりました。いつか、ハワイのバスも取り上げて欲しいかも。日本人から見て、良いところ、これはちょっと…と思う所、様々あるので。数年後にはホノルルを東西に貫く鉄道の開通が見込まれていて…全通は相当先になりそうだが…、ホノルルのバスも、まもなく変革の時を迎えようとしている気がする。それは、沖縄と同じなのかも知れない。
 表紙は川崎市営バスのブルーリボン・ハイブリッドと、背景は川崎マリエン、それと、「バステクin首都圏」に出展する、「アルファバス」のEVノンステップ車。

各地の新車から
 みちのりHDは、高速バスのデザインは統一する方向にあるようだが、高速バスはいいけれど、一般の路線バスは、グループ企業独自のデザインを残して欲しいと思う。関東自動車はそういう方向のようだが。
 根室交通は、エルガミオ導入は良いのだが、今年になってまた路線・便数の削減や運行時間帯の縮小が行われており(特に土休日は、17時前には大方の運行が終わってしまう)、去年乗ってきたばかり、という事もあって、行く末を少々心配しています。
 南城市の「Nバス」は、沖縄のバスらしいシーンを醸し出していた、沖縄バスの新原ビーチに入るコースがあり、このため、那覇市からの沖縄バスは入らなくなりました。今月は、今度は沖縄へ行くので、見てくる予定です。

相鉄バス&群馬大学が実証実験

自動運転バス4.jpg
 さすがに1ヶ月以上経っているし、バスラマ誌らしく、少し突っ込んで考察しています。
(「営業運行」の自動運転は日本初、だが、里山ガーデンフェスタ実行委員会のチャーターで、乗客の運賃の支払いはない)
 私も運行開始早々に乗りに行って、№2050でも書いた所です。20㎞/hの低速で、交通量も少なめ(ズーラシア北門へ向かう路線バスは多かったが)、それと、今回の区間は信号もないので、自動運転のハンデとなるようなものの存在は、乗客の立場としては感じませんでした。「緑が豊かな環境は、季節による景観の変化で、データが同一の場所と認識できなくなり、マップ更新の必要がある」という写真のキャプションは、ああそうなのか、と思った。
 少ないながらもマイカーの行き来はあり、低速なので途中で何度か道を譲ったりするわけだが、その時のウインカーのパッシングも、自動でやるのだろうか?聞いておけば良かった(バスは他者も含めておとなしくついてくるが)。
 来年にはレベル4でやりたいと、私が乗った時にも聞いたが、やはり相鉄バスでやるのだろうか。
「自動運転の本格化には法規の改正や道路の改修、安心して乗ってもらうには一般車両のドライバーと地域の理解が必要」と結ばれていた。その通りだと思うが、そうなると、まずはやはりBRT的な路線からになるだろうか。少なくとも専用レーンの確保は必須だし、一般車両の乗り入れや路駐の取締は、厳しくやって然るべきだと思う(自動運転だからというのではなく、バス、ひいては公共交通の地位の向上のためにも)。

バス事業者訪問211 川崎市交通局

川崎市営バス.jpg
 22年前の45号では、表紙はキュービックと、当時運行されていたアクアライン高速バスでした。
(当時はまだ、カラーページは少なかったですね…)
 アクアラインの高速バスはこの後撤退する事になるが、それ以外の一般路線は、基本的にはエリアの大きな変化はなく、川崎市内を東から西へ、ほぼ全体を網羅しています。地図上には営業所の記載がないが、4営業所1出張所→5営業所体制(菅生〔出〕が一時、鷲ヶ峰〔営〕の分車庫に格下げになったが、旧相模神奈交バスへの委託開始と同時に営業所に格上げになった)は、これも変わってはいない。
 輸送人員の推移を見ると、45号の時点では基本的には横ばいから右肩下がり、1996(H8)年度には4,000万人を割り込みました。今号の199(H11)年度が約3,755万人と底を打ったが、その先はV字回復、2017(H29)年度は5,000万人に達しようか、という所まで来ています。
 また、貸切事業が2005(H17)年度から始まっていて、20万人台程度で推移していたものが、昨年は38万3千人と、劇的に増えました。純粋な「観光バス」はないが。
 民間委託は、川崎市営はプラスに働いているようだが、京都市のような問題は出ていないのだろうか?「管理委託により生じた経営資源」とは、どういう事だろうか?委託2営業所も、車両は市営バスそのものだが。
「バス運転者はサービス業」というフレーズは難しい。その通りではあるけれど、バスのドライバ-不足を取り上げたいくつかサイトを眺めてみると、ドライバーが集まらない、採用してもすぐ辞めてしまう要因には、長時間勤務の他、乗客対応が精神的に苦痛、という理由が挙げられているようです。前号の長電バスでも出た話だが、ドライバーの資質だけに頼るのでなく、ドライバーをバックアップするシステムの構築も求められるのではないでしょうか。
 低公害車は、ここには記載がない川崎病院循環路線で、共同運行する川崎鶴見臨港バスがEV改造車を導入したので、市営バスも期待していたのだが、ディーゼルエンジンのエルガミオへの置き換えだったので、少々ガッカリした記憶があります。このあたりからEV導入を期待。
 車両面では、公営バスとしては珍しく、長尺車が多いのが特徴だろうか。東部の工業地帯や流通団地、西部の宅地への需要が多いためだろう。ただ、ブルーリボン・ハイブリッドにも長尺の設定があるが、今のところは導入がない。川崎市営バスは、昭和から平成に移り変わるあたりは、いすゞと三菱ふそうがほぼ半々(両社とも川崎市内に工場があったからだろう)、日野と日産ディーゼルがなかったのだが、平成の30年間で、だいぶ様変わりした印象があります。三菱ふそうは、22年前は150台だったそう。現状は、導入が終わって11年経った日産ディーゼルより少ない。入札の結果だろうが、横浜市内の事故に端を発して発覚した不祥事が、今もなお影響しているのか?
 最近常々思うのだが、川崎市営バスあたりが、シティバスタイプのダブルデッカー車を導入してみたら、結構効果があるのではないか?特に東部は、ラッシュ時は急行便の運行が多く(TOPの川崎駅のバスターミナルの写真にも、水江町行の急行が停車しているのが見える)、途中の乗客の入れ替わりが少なく、比較的長距離の利用が多いので。
 アーカイブスは、井田営業所、井田病院行が東口から出発しているのは、当時の西口は工場街で、バスターミナルがなかったから(横浜市営バス7系統も、東口発着だった)。このあたりは、多少補足説明が必要だったかも知れない。

バスラマのブラジル バス紀行
 PART2はクリチバのBRT。クリチバは5年前のサッカーW杯の会場でもあったので、地名はある程度は、一般の日本人にもなじみがあるのではないだろうか?
 クリチバに限らずBRTに特化した高床式車両を見て思うのは、バス乗降場の途中で事故に遭ったり、立ち往生したりするような事態になった時、乗客をどうやって降ろすのだろう?昨今の日本の鉄道でもたびたび起きる事で、バスは鉄道ほどは地面との差はないようだが、車いすの乗客などはどうするのだろう?はしごとか搭載しているのだろうか?
 三車体連接のバスを導入するほど輸送量があるなら、日本だと「LRTを造れ」という声が大きくなりそうです(実際3連接バスの輸送力は、日本の「LRT」より大きいはずだ)。クリチバでは地下鉄との選択の結果になったようだが、LRTは選択肢になかったのだろうか?
 ウーバー(に代表されるライドシェア)は、日本ではウーバーに出資するソフトバンク孫会長の発言と、これに反発するタクシー業界、という構図がクローズアップされました。が、実際問題として、両者の発言の社会的影響力は格段に違うし、その根底には、既存のタクシーへの不満(特に料金面)があります。BRTを中心とした公共交通システムが高評価されるクリチバで、なお10%もの旅客の逸走が起こるようだと、日本にライドシェアが導入されたら、特に地方都市の公共交通は一大事だろう。しかし、公共交通の地位が低く、衰退の傾向にある日本では、案外簡単に導入が決まってしまうかも知れない、そんな気がしています。実際、海外のライドシェアを公共交通と同等に扱っている文献も、チラホラ目にするし。クリチバからはBRTだけでなく、公共交通全体の動向を見るべきでしょう。

その他
・ アルファバスの電気バスはまだシークレットな部分が多く、「バステクin首都圏」で初公開される部分も多いのだろうが、記事を見た限りでは、航続距離は充分だが、充電方式とその時間は記されていない(前述の川崎市営バスは、ここを重要視しているようだ)。BYDとのシェアの争いはどうなっているのだろうか。ヘッドライブ部分の形状は中国っぽいと思う。
・ 神奈中バスのポンチョ(私の自宅の近くでも走っているが)のタイヤは…、ポンチョを使用するコミュニティ的な路線は、よくよく思い返すと、神奈中に限らず一方通行の循環系統が多いから、偏摩耗って多いと思う。電車でも山手線は、特に環状線の内側の車輪の摩耗が、外側より大きいらしい。
・ ヒュンダイのEVダブルデッカーって、海外には例があるのだろうか?「連節バスは、混雑した道路での運行のしづらさが否定できない」のコメントは、日本でもよくよく考えるべき事だと思う。走行環境の改善は、連節バスでなくても必要。

 以上の各種記事を合わせて読むと、また、昨今の地球温暖化に関する各種のニュースを見聞きしていると、日本のバスメーカーもそろそろ、バスのEV化に関わる回答を、世の中に示すべき時が来ていると感じます。国産は今のところ、先の臨港バスの川崎病院循環とか、今年から運行を開始したアルペンルートなど、皆既存のディーゼルエンジン車をベースに改造を加えたもので、スペック的には充分ではない(と思われる)。やるならイチからの新設計が必要だろう。また、バスラマ誌側も、では日本のメーカーは具体的に何をやるべきか、もう少し突っ込んで提言すべきではないだろうか。現状は他国(特に中国)の車両を良い良いというだけで、やや大雑把に過ぎる気がします。

 次号のバス事業者訪問は宮城交通になるらしい。24年前の31号で取り上げられているが、当然東日本大震災は避けて通れない。震災発生時の対応や、その後の今日に至るまでの影響は、どうなっている(いた)のだろうか。ミヤコーバスに関しては、気仙沼線BRTの運営(JR東日本から委託)も知りたい。特に本吉~気仙沼間では(こちらも改造の)EVが走っているが、どのような体制の元で運行しているのだろうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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 相鉄の11月30日改正の全列車の時刻が、今日発表されました。当然JR直通運転開始がメインとなり、それ以外にも様々な変更点があって、いちいち全部をチェックする事はできないが、いくつか(ややマニアックになるが)目についた点を上げると、
1.羽沢横浜国大~西谷間の区間運転が、早朝の下りに3本(+羽沢横浜国大→海老名間各停1本)、深夜の上りに1本設定がある。が、対応する西谷の折り返し列車、というのはない。勝手な推測だが、JR編成の海老名への送り込み・返却ではないだろうか?(列車番号からは、運用は解らない)羽沢にJR編成を留置するのだろうか。
2.平日のみ、下りの星川始発、上りの朝ラッシュ時間帯にかしわ台始発の各停の設定がある。一方で夜間の大和折り返しはなくなる。
3.考えていたような、横浜~西谷間の区間運転(JR直通と接続)の設定はなかった。西谷に引き上げ線を2本も造っているのだが、あくまで非常用の位置づけなのだろうか。
4.横浜発着の特急は、8両編成も走る。平日横浜発9:58・11:58・12:38・13:58・14:58・15:38、海老名発9:23・11:13・13:13・14:13、土休日横浜発7:08・13:28・16:28、海老名発12:43。急行・快速にもある。
5.いずみ野線の特急は取りやめ。
 なお、新宿以外のJR線内各駅の時刻は、20日発表予定(時刻表発売と同日)。

 しなの鉄道は、来週中には全線で運転を再開できる見込み、という発表がありました。

《今日のニュースから》
 3日 「ゆるキャラグランプリ」 長野県「アルクマ」金メダル
 4日 岐阜 白川郷 小屋2棟全焼
 5日 馬淵元国土交通大臣 交通事故で重傷

 白川郷の火事は、幸い合掌造りの建物には影響はなかったが、今年は、国内では京都アニメーションに首里城、海外ではノートルダム寺院にブラジルのアマゾンと、原因や被害の程度は様々なれど、重大な火災がずいぶん多い気がします。

№2071 JTB時刻表2019年11月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2019年11月号」、先月25日発売になりました。
 表紙はJR九州の大村線・松原~千綿間、キハ66+キハ67。元々は山陽新幹線博多延伸を見据えた北九州地域の快速用で、117系より先に転換クロスシートを採用した意欲作、ローレル賞も受賞した形式です。その当時の、国鉄急行色を復刻した編成で、やはりこの景色には、このカラーがよく似合うと思う。

 今号はグラビアはなし。「のりもの情報局」は裏表紙に掲載されています。「JR西日本 せとうち観光アプリ『setowa』リリース」「JR九州  Waku Waku Trip新幹線『ミッキーマウス&ミニーマウス』デザイン」「近鉄 『鉄道まつり2019in塩浜』」「西鉄 西鉄柳川駅前に掘割・乗船場整備」「秋田内陸縦貫鉄道・新観光列車デビュー」「三岐鉄道 2020年オリジナルカレンダー発売中」。
「鉄道模型プレゼントコーナー」は、福井鉄道200形(201号車)。「乗った事がある」と以前書いた事がありました。セミクロスシートとはローカル私鉄としては破格だったが(シートピッチが窓割りと微妙に合っていなかった)、老朽化も進んでいたし、バリアフリーが求められる昨今では、特に路面からの乗降に難があるので、これ以上の延命は不可能だったでしょう。ご苦労様。

特集のページ
 今号は、行楽臨時列車や工事の時刻に混じって、どういう意義かは解らないが、津軽鉄道(会社線ではレギュラーなのだが)・弘南鉄道・島原鉄道の全列車の時刻が掲載になっています。
 津軽鉄道は11月30日までの時刻。
 弘南鉄道は、平成の世になった頃は弘南線・大鰐線共に終日30分毎、ラッシュ時にはもう少し本数があって、快速列車もあったのに、便数が急激に減ってしまいました。大鰐線に至っては、ほぼ終日60分間隔になってしまって、先行き不安(廃線、というウワサもチラホラ聞こえてくるのだが…)。弘南線も、夕方は35分に間隔が空いてしまっています。
 島原鉄道は、「観光列車『しまてつカフェトレイン』のご案内」があります。特に「ろくもん」のような専用車両があるわけではないが。こちらも、南部の路線が廃線になった時点で、北部は急行がかなり設定されていたのだが、今は午前中の1往復と、土休日運転の上り1本だけになりました(時刻表から推測すると、この土休日運転の列車が、折り返し「しまてつカフェトレイン」になるのか)。

 11月16日、京浜東北線・山手線の線路切り替え工事(高輪ゲートウェイ駅を含む区間)で、京浜東北線は終日品川~田町間、山手線は16時頃まで大崎から上野間が運休となり、上野東京ラインの増発ダイヤが掲載。南行の早朝3本(沼津・熱海行)と、北行の早朝2本(小金井・宇都宮行)は、通常の東京始発の延長、日中の古河発1本は、上野止まりの延長。他は品川~上野間の区間運転の純粋な増発。

 秋の臨時列車が発表になりました。
 青梅マラソン(2月16日)の千葉~青梅間臨時列車は、前シーズンまでの快速に代わり、今シーズンは特急〔おうめ〕を運行(「青梅マラソン号)の愛称を併用)

下り
おうめ91号 千葉7:09 → 8:49青梅

上り
おうめ92号 青梅16:09 → 17:51千葉

停車駅:船橋・錦糸町・新宿・河辺 快速時代の津田沼と市川は通過
E353系で全車指定席。川崎→河辺間の快速〔らくらく青梅マラソン号〕は前シーズンと同じ。

本文
 欄外の「12月30日(月)→1月3日(金)は休日ダイヤで運転されます」の文言に、もうそんな時期かと感じます。
(近鉄特急は、「12月28日(土)→1月5日(日)は土曜・休日ダイヤで運転」と表記)

 芸備線が先月23日、約1年3ヶ月ぶりに、全線で運行を再開しました。今号で、全線再開時の時刻が掲載されています。
 被災前の2018年7月号と比較すると、土休日で別になっていた時刻が統一されています。日中の快速〔みよしライナー〕1往復は、12月8日までの土休日は、〔庄原ライナー〕として、三次~備後庄原間を延長運転(同区間はノンストップ)。

 会社線は、京急・京成・都営浅草線・北総が先月26日にダイヤ改正。
 京成は、〔スカイライナー〕が大幅に増発、ほぼ終日、20分間隔で運転。また、下りの京成上野発1号は5時40分発に繰り上がり。上りの成田空港発最終82号は成田空港23時20分発となり、京成上野終着は0時04分と、24時を過ぎます(成田空港からのスカイアクセス最終はスカイライナー)。
 京急は、横須賀中央始発品川行〔モーニングウィング〕が1本増発(12月2日から運転)。土休日に設定の「ウィング・シート」については、欄外に注釈があります。

 高速バスは、遠州鉄道の横浜・東京~浜松路線の夜行が、11月1日にダイヤを変更。YCAT始終着・品川BT経由~浜松→TDL始終着・国際展示場駅・YCAT経由~浜松に変更。
 この他、TDLの新バスターミナル供用開始に合わせて、TDR関連の路線のいくつかがダイヤ改正を実施。
 JR系の首都圏~京阪神間の各〔ドリーム〕が、1日にダイヤ改正。
 南海系が運行する新木場・東京~なんば・和歌山線〔サザンクロス〕は、11月1日にダイヤ改正を実施。新木場発は、なんばの停車の順序がOCAT→難波高速BTに変更。

 会社線は、関東自動車の黒磯営業所(旧東野交通)が移転して那須塩原営業所が発足、10月1日にダイヤ改正を実施。黒磯駅発着の那須湯本温泉・那須ロープウェイ、板室温泉・ハイランドパークの各路線は全便、那須塩原駅発着に延長。

 航空は、10月27日から冬スケジュールに入りました。国内線はFDAが神戸空港に就航。神戸~松本線1往復、神戸~出雲線2往復。全てJALとコードシェア実施。便名だけだが、JALの神戸乗り入れが復活する形になります。
 バニラエアが26日を持って運行を終了しています。ピーチは27日より、成田空港が第3ターミナルに移転。
 国際線は、ANAの成田~チェンナイ路線がスタート。水・金・日曜日の週3往復(機材が成田発B788、チェンナイ発B789と食い違ってしまっている)。

付録:令和を走る 国鉄車両カレンダー

2019100231.jpg
 2ヶ月に1枚+2021(R3)年12ヶ月の、合計7枚。
 ラインナップを見ると、表紙(何もキャプションがないが、たぶんJR西日本。山陰本線あたりか)を含めて8枚中、4枚が西日本。北海道・東日本・四国・九州が1枚ずつ。東海がないのは、国鉄時代の車両がほぼない(211系0番台4連×2のみ)ので当然か。
 四国のキハ32形は国鉄形、といっても、国鉄時代末期の、当初から民営化後の四国の運営を想定し、コストダウンして製造された形式で、国鉄時代は半年も経験していない。だから、「国鉄形車両」と呼ぶには、個人的には少し抵抗感がないわけではない。
 東日本の〔踊り子〕と西日本の〔やくも〕、この両者が、国鉄時代の車両を使用する、最後の電車特急となりました。〔踊り子〕は来年にE257系の転用改造が予想されるし、〔やくも〕もそろそろ新車導入、という話が、JR西日本の中期計画から聞こえてきます。JRになってから製造された車両でさえ引退する形式(E351系など)もあった中、どこまで(特急以外ででも)粘れるだろうか。
〔やくも〕はよく見ると、少なくとも6両はつないでいる。先日岡山・出雲に行った時に見かけた〔やくも〕は全て4連だったのだが、夏のお盆あたりの輸送だったのだろうか。
 湖西線の113系は、やはり何かワンポイントが欲しい。

 次号はいよいよ、相鉄とJRの直通運転開始が特集となりそう。私も相模大塚の基地にE233系が留置されているのを見たりしました。それは明るい話題なのだが、台風19号や、直後の関東・東北の豪雨の影響がどこまで出ているのか(「編集長だより」では、一足早く冥福・見舞いを申し上げる一文が掲載されている)、何とか11月中の再開を目指す路線が多いが、鉄橋が崩落した水郡線や上田電鉄などは、過去の例から少なくとも再開まで1年程度はかかるはずだし、吾妻線(長野原草津口以西)や箱根登山鉄道も、今年中の再開は苦しそうです。どこまで時刻表上に現れるか、少々気が重いです。
 また、大晦日~元日の終夜運転も、JR分は発表があるでしょう。

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 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
 1日 英語民間試験 延期発表
 2日 京都アニメーション放火火災 犠牲者追悼式

 ラグビーW杯は、南アフリカ優勝で幕を閉じました。W杯観戦は叶わなかったけれど、トップリーグくらいは見に行ってみようかな、そんな気にもさせてくれました。ただ、試合スケジュールが、勤務体系に合わない…(三ツ沢の試合の開始が、あと1時間遅いといいのだけれどなあ)。

 今年もあと2ヶ月、タイトル画像残り2回は、児童向けのメジャーな作品から出します。今月は、JR四国バスの「アンパンマン」です。JR四国や土佐くろしお鉄道の特急車にもあって、写真もあるのだが、バスから出しました。ちょうど2年前の今頃、土佐山田駅からの大栃線を走る、「アンパンマン」です。この日は他に「ばいきんまん」「ロールパンナ」「メロンパンナ」も撮った事は、№1774で書いています。「ドキンちゃん」だけ撮れなくて残念、とも書いたが、この時点ですでに、松山に移籍していたようです。この後大栃線は、美良布から先の区間が減便になっており、せっかくアンパンマンデザインのバスを新車で入れたのだから、しばらくは大丈夫だと思っていたが、そうでもないのでしょうか。いつまでも走り続けて欲しい、子供に楽しさと夢を与えてくれそうなラッピングバスです。

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(12月1日追加) 11月 タイトル画像