№2063 バスグラフィックVol.40(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックVol.40」、先月末には発売になっていたが、また遅くなってしまいました。

京都京阪バスの 宇治茶バス
 土休日は運用が固定されるそうだが、公式Webで調べてみると、やはり京阪の宇治駅からが一番多い。維中前の方へ行く路線が一番合っていそうだが、土曜日は3往復、休日は4往復(維中前より先へ行く便も含める)。
 やはり実際に見て、乗ってみないと、良さは解らないだろうなあ。

西鉄バス北九州の新型連節バス
 この2路線は、〔特快25〕系統の小倉側を除くと、かつて西鉄の路面電車(北九州市内線)が走っていたルートと同じだ。〔特快1〕系統が走る砂津~黒崎間は、1992(H4)年に廃線になっているが、平成の世になるまでは走っていたのだから、路面電車のまま、LRTに進化させれば生き残れたのではないか、そう考えている人もいるのではないか。
 将来的には10台まで増やすそうだが、「BRT」と称するのなら、やはり全便が連接バスで、10分以下の間隔くらいになるダイヤにしないと、本当ではないと思う。北九州、あるいは西鉄に限らないが。
 今回はシターロGだが、西鉄は福岡も含め、連節バスはどの方向へ向かうのか。ボルグレンと併用していくのか。いすゞ/日野のハイブリッド車の導入はあるのか。

東急バスで出かけよう!
 
東急バス.jpg
 前回、Vol.11でも東急バスが特集されていて、№495で書きました。東日本大震災の直後で、東急バスも大変だった頃。
 その時のTOPの写真も渋谷駅西口で、やはり「東急」=渋谷、と思わせるが、撮影場所は、今号とほぼ同じと思われる。ただ、付近は再開発工事の待った中で、前回は並列に並んでいたバス乗り場付近は、工事中になっている。あとは、既にマークシティができていたし、今のところは、周辺のビル群は意外に変わっていないように、写真からは見えます。
 ただ、11月3日には、一部の乗り場(主に、写真では奥の方になる、並列で残っている所)が、旧東急プラザの跡地に建てられる「渋谷フクラス」の前に移転する事が発表になっています。JRの駅からは広場を挟んで反対側になるので、やや不便になるかも知れない。いずれ、上の画像のようなシーンは、見られなくなる事になりそう。

渋谷駅 旧玉電跡地バス乗り場.jpg
「玉川改札と井の頭線改札を結ぶコンコースは、半世紀前は玉電の乗り場だった」と書かれているけれど、ここは廃線後、マークシティの建設が始まる前は、東急バスの乗り場になっていました。ターンテーブルがあり、夜行高速バス「ミルキーウェイ」の乗り場でもありました。玉電の代替だったわけだから、〔渋21〕系統の乗り場にもなっていたのではないか?
(画像は1990(H2)年2月16日、旧玉電の乗り場に到着した、一畑電気鉄道〔スサノオ〕。東急バスと共同運行だった)
〔青30〕の沿線は東急バスとしては異色、みたいな事も書かれているけれど、思えば53年前、田園都市線が開通する前の横浜市北部は、どこもこんな感じだったのではないだろうか?青葉台付近だけでなく、新羽〔営〕の路線がある勝田付近なども、よく探してみると、田園地帯の原風景みたいなものが残されているような気がしています。

 東急の高速系路線は「ミルキーウェイ」終了以降、一時は空港輸送に特化していた感があったが、最近では再び、一般の高速路線もやるようになっていて(大半は東急トランセの運行だが)、この辺はどういう判断があったのだろう。カラーリングは、「マーキュリーカラー」のアレンジ、ですよね?
 東急バスの今後は、どのような方向に進むのだろうか。ご多分に漏れず、東急バスもドライバー不足で減便する路線が多くて心配なのだが。また、先の話になるが、神奈川県内では横浜市営地下鉄ブルーラインの新百合ヶ丘延伸がほぼ本決まりなので、あざみ野延伸時と同様、そうとうな影響が出るのは間違いない。ともあれ東急バスは子供の頃から親しんだ事業者で、当ブログを10年前にスタートさせた時も、思い出話を連載で書いたから、いまでも動向が気になる事業者です。今後の発展を期待。

いま振り返るノンステップバス始まりの頃
 実は、今号ではこの記事が一番興味深く読めました。
 結論として、最後部までフルフラットにならなかったのは、もちろんコストもあるが、「後部タイヤハウス上の座席へのアプローチ」という面が、一番大きかった、と読める。東京都のフルフラットバスの話が出たので、Vol.38の記事を確認してみたが、段差もあるが、タイヤハウス上には座席がないので、結果的にデッドスペースになっている。後ろ向きの座席を設けられれば、という所だが、鉄道もそうだが、どうも向かい合わせのボックスシートというのは好まれない傾向にあって、これが解決できればなあ。地方のローカル鉄道で顕著だが、学生だと、見慣れない人がボックス部に一人でもいたら、基本的には着席を敬遠してしまう(全員が同じグループなら、オシャベリに話が弾むのだろうが)。何回か書いているが、先の西鉄のシターロGにもあるような、連節バスのボックスシート部、どのような評価が出ているのだろうか?
 リアオーバーハングを小さくする、となると、中型車の三菱ふそう・エアロミディMJ(KK-HJ27HLなど)を大型化したスタイルが理想的、となるのだろうか?そのためには、動力源(エンジンだろうと、電動モーターだろうと)の小型化が必須だろう。それと、全面フルフラット化を可能にする手段の一つとしてある、欧州で普及している「信用乗車制度」は、個人的には日本では無理だろうと思っています。結局現状の形態が、日本ではベターという事になるのだろうか。Vol.38の繰り返しになるが、やはりバス事業者だけ、メーカーだけ、ではダメで、ノンステップ車を発展させ、公共交通としてのバス事業の中に生かそうとするなら、(ノンステップス車自体がどの方向に進むとしても)政治や行政、ひいては我々利用者も、今とは考え方を変えなければならないのだろう、と思います。

失われし路線を振り返って
 東急バス〔園03〕系統。〔園03〕だけでなく、〔園02〕もなくなっています(〔園02〕の一部区間は、出入庫系統として存続)。
 三菱ふそうMRは、モノコック全盛時の東急バス独特の仕様が興味深い(フォグランプがない、側面の運行区間表示は幕でなく黄色いサボ、青地に黄色文字の「入口」「出口」表記(更新後だが))。
 東急バスだったら、横浜駅西口~二子玉川園駅間を第三京浜経由で走っていた「第三京浜線」、どこかでやってもらえませんかねえ?

 都営バスの「天気の子」ラッピングは、以前本体のTOPページで、練馬〔支〕が新宿を走る様子を出しました。渋谷〔営〕の図柄が異なる、といってもほとんど大きな違いはない。主人公穂高と、ヒロイン陽菜が公式・非公式で逆になっているだけ。
 フルウチサトシ氏の「ワンマン」の寄稿が笑った。バス・電車とも、根っからの西武ファンらしい。確かに西武バスのカラー、決して今風ではないはずだが、年期が入っている。今の高速バスや貸切バス、グループ会社だとライオンズカラー(と言っても、2種類あるのだが)が一般的になっているが、普通の路線バスだったら、やはりこちらの方が似合っているのではないだろうか。でも、Vol.32で西武バスが特集されているのに、ひとこともなかったねえ。この人、「三角バス」のオーナー?

 折り込み付録は、西鉄バスのシターロG。

 今号では、相鉄バスと群馬バスが行っていた、自動運転バスの実証実験運行は掲載がありませんでした。Vol.38で沖縄の実証実験が取り上げられていたが、あの時は白ナンバー。緑ナンバーの車両で営業運行(チャーター扱いで、乗客の運賃支払いはなかった)は初めてになった。次号で詳報があるだろうか。
 関東地方の事業者の特集が比較的多いバスグラフィック誌だが、その中で京成バス、東武バスあたりはまだ特集がない。両者とも個性派が多いので、そろそろ。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 浸水の被害に遭ったのは北陸新幹線だけでなく、福島交通の郡山〔支〕も、浸水被害によって、実に90台の車両が廃車に追い込まれる見込みで、郡山市内では未だ運行を再開できていない路線が多数あります。当分はみちのりHDの内部でなんとかするのだろうが(みちのりHDの公式Webでは、今の所報告がない)、東日本大震災と同じく、いずれは他事業者の大規模な支援が必要になるでしょう。
 なお、みちのりHDは昨日、岩手県北バスが、青森市営バス西部〔営〕の一部路線を受託すると発表しました。冬ダイヤ移行の12月2日から、まずは来年の3月いっぱいまで。4台で、7路線36回を受託。

《今日のニュースから》
20日 豪公共放送に警察捜索 有力新聞紙が1面黒塗りで抗議
21日 小型機墜落・炎上 茨城県かすみがうら市
22日 「空飛ぶタクシー」 シンガポールで試験飛行