№2058 山陽・山陰 ローカル線巡り 2.伯備線と鬼太郎列車

 台風15号の傷が癒えていないというのに、台風19号が関東地方に迫ってきました。交通関係では、ANAがあさって12日の羽田・成田発着の国内線全便の欠航を早々に決定しており、鉄道も東海道・山陽新幹線やJR東日本の在来線、小田急あたりが、12日の計画運休を予告しています(具体的には明日発表)。スポーツも12日のラグビーW杯2試合は中止(13日の日本vsスコットランドは当日朝判断、との事)、他にプロ野球CS巨人vs阪神第4戦や、サッカーのJ2・J3の一部試合なども中止が決定しています(CS西武vsソフトバンクは、21時30分現在では未発表)。日比谷の鉄道フェスティバルなど、全国各地の鉄道関係のイベントも、相次いで中止になってしまいました。
 この台風もまた、地球温暖化による異常気象によるものだろうが、夏場の異常気象が、秋にまで引きずってしまうのが、この数年の傾向のようです。だから「スルッとKANSAI」のバスのイベントも6月に前倒しになるのだが、この先も、大型台風などの動向によって、交通の運行やイベントの開催などが左右される事に、なってしまうのでしょうか。「スポーツの秋」「文化の秋」なのに。温暖化対策云々はここでは置くとして、今回の台風に関しては毎度の事だが、とにかく人的な犠牲が出ない事、そして鉄道を中心とした交通機関が、再開まで月、さらには年単位の時間がかかってしまうような被害に遭わないように、今願うのはここまでです。ともかく明日には、3連休の行方が見えてくるでしょう。

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 岡山と出雲の旅の続きです。伯備線乗り継ぎで米子へ抜け、境線では「鬼太郎列車」に乗りました。どちらもやはり何年ぶりだろう?という位、前回の乗車から時間が経ってしまいました。

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 岡山11時15分発、伯備線849Mは213系2連。ワンマン運転。

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 岡山の貨物のターミナル。山陽新幹線の到着も見ます。

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 倉敷で山陽本線と別れ、総社を過ぎて空いてきたので、駅弁を広げる事にしました。「栗おこわ弁当」(900円)。

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 総社を過ぎると、カーブが増えてきました。備中高梁を過ぎたら単線。でも、さすがに吉備線とは違ってスピードも出るし、快適。
 伯備線の沿線も、彼岸花がブイブイ咲いていていました。

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 213系の車内。2ドア転換クロスシートなんて、関東のものから見たらうらやましいとも思う。が、やはり乗降が多くて、各駅に細々停車していく列車には、やはり合っていないだろう。乗降に時間がかかるので。

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 高梁川。
 岡山は青空も広がっていたのに、新見が近づくにつれてだんだん雲行きが怪しくなり、到着直前、ついに大粒の雨が降り出しました。

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 何年ぶりに立つだろう?の新見駅前。ザンザ降りになってしまった。

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 駅の時刻表。〔やくも〕は1時間間隔で停車するものの、普通列車がどの方向もかなり少ない。伯備線岡山方面はかろうじて1~2時間毎にあるが、米子方面は8本、姫新線も8本(1本休日運休)、芸備線は6本(1本土休日運休)しかない。
 伯備線の米子方面行は全列車、次の布原を通過する事になるが、路線図を見ると、布原は伯備線ではなく、ほぼ芸備線の駅の扱いだ。

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 13時16分発米子行は、〔やくも11号〕が出発した後、車庫から出てきました。115系2連。クモハ114は運転台増設車両で、103系の幅を広げたような顔つき。
 体操服姿の子供たちの団体(という程は大人数ではないが)が乗り合わせて割と賑やかだが、一方で、かなり足が弱そうなご高齢のご婦人が乗り込もうとして、杖を床に落としてしまう場面も。

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 布原の手前の、西川(高梁川の支流)。遠い昔、大先輩方はここまで、SL三重連を撮りに、遠くから大勢押し寄せていました。

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 といっても実態は、ほとんど信号場。国鉄時代は仮乗降場で時刻表に記載がなく、国鉄最終日(1987(S62)年3月31日)に駅に格上げされたが、ホームは上下とも1両分しかない。伯備線の列車の客扱いは、最初から考慮されていない事がうかがえます。
(でも、芸備線も昔はもっと長編成だったはずだ)
〔やくも16号〕を待つ。通過扱いの運転停車では外には出られず、車内から狭い範囲を伺うだけ。

 先のおばあちゃんは、よろよろした足取りで、次の備中神代で降りて行きました。他数名の乗客と共に、駅前に停車していた、新見市の自治体バスの乗り換えて行く。
 さらに、岡山県で最後の駅となる新郷で、小学生の団体が降りて行くと、県境区間の乗客は2人だけになってしまった。〔やくも〕が1時間おきに行き交う幹線に見えても、新見~生山間に関しては、「秘境路線」そのものだなあ、の印象がありました。

 EF64形のフレートライナーが待っていた生山で、ようやくまとまって乗車があって、ほっとします。

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 江尾で10分以上停車、〔やくも20号〕の通過を待つ。〔やくも〕は381系の4連、〔踊り子〕と共に最後の国鉄型特急車両を使用する列車だが、見た限りでは、ここに来て痛みが目立つ〔スーパービュー踊り子〕に比べたら、皆ツヤツヤで真新しく見えました。

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 伯耆溝口を過ぎると、山岳区間は終わり。右手に伯耆大山が見えるが、ほとんど雲を被っている。

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 米子から境線に乗車。乗車券は松江までなので、PASMOで往復します。「鬼太郎列車」。去年リニューアルして新デザインになっています。1655Dはキハ40 2095(ねこ娘)+キハ40 2118(目玉おやじ)。最近のアニメのねこ娘はほとんど水木しげる色がなくなって、現代風のキュートなヒロインになっているようだが、これが本来のねこ娘。

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 座席の地も、鬼太郎キャラのものに張り替えられています。これは目玉おやじ。屋根にも描かれています。
 車内放送も、,鬼太郎・ねこ娘・目玉おやじの声が入っています(具体的にCVは誰、というのは解らん)。

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 境線には各駅毎に「鬼太郎」のキャラや、妖怪の名前が愛称として名付けられています。米子は「ねずみ男」で、境線が発着する1番千には、ねずみ男のオブジェが立っています。

 境線は、民営化後の新駅の開業もあって、かなりマメに停車していく。途中の後藤工場では、283系が入場しているのを見ました。という事は、〔サンライズ〕は予備車両なしで走っている、という事か?
 弓ヶ浜で交換した1654Dは、キハ126×2連だった。全部が鬼太郎列車ではないのか?代走なのかもしれない。

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 直線が長い。三本松駅も、民営化の直後に開業した駅。

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 各駅にはこのように、愛称を描いた駅名標が立っています。「牛鬼」の中浜で10分以上停車し、1656Dを待つ。キハ47×2連で、2019(砂かけばばあ)+2004(子泣きじじい)。じいさんとばあさん、か…。
(後日ご覧頂きます)

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 境線は今年からICOCAを導入しているが、車内にICカードリーダーを設置しています。桜井線や和歌山線に入った227系1000番台もそうだし、4月1日に乗った関西本線のキハ120形にも搭載されていて(まだ運用されていない)、JR西日本は今後、この方式で、ローカル線区のIC導入を進める事になるようです。他のJRや私鉄には波及するか。

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 境港駅に着きました。ここは駅員がいて、ICカードリーダーも駅にあります。境線で駅員がいるのは、米子とここだけのようだ。

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 駅前には、妖怪たちに囲まれながら執筆する、水木しげる先生のモニュメントが。

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 駅前のバス停。松江市のバスも入る。停車している日の丸バスは、空港経由皆生温泉行。

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 改めて、鬼太郎列車。今度は目玉おやじが先頭。
 駅前は観光客、特に中国人?が多かったですねえ。この列車やモニュメントに、カメラやスマホを向けていました。彼の地でも「鬼太郎」は有名なのでしょうか。

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 目玉おやじ。

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「正統」ねこ娘。

 折り返し1658Dで、米子に帰ります。行きも学生が多かったが、この列車では、次の馬場崎町からの学生の乗車が多かった。

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 米子空港駅は、駅は棒線の無人駅だが、空港ターミナルまで、長い連絡通路が伸びています。この駅ができる前、米子からANA便に乗ったことがあるのだが、あの時は中浜駅からターミナルまで歩いたものでした。
(8年前、震災直後に搭乗した時は、松江駅からバスで直接空港に向かっていた)

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 往路では機影がなかった旅客ターミナルには、ANAのB767-300がいました。羽田行388便。

 往復乗ってみた感じでは、境線も、米子近郊の通勤・通学の足(やはり通学か)として機能しているように思いました。であれば、境線もまた、電化という方向に持って行けないものか。駅の数が多い路線だとDCではやはり遅いし、今後環境対策も考えたら(境線・JR西日本に限った事ではないが)、いつまでもピュアディーゼルエンジンの列車というわけには行くまい。線路も貧弱に見えたし、都市鉄道として、電化・近代化という方向に向かって欲しい。

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 米子に戻ってきた。階段では鬼太郎たちがお見送り。
 松江へ向かう快速〔鳥取ライナー〕3429D(といっても、ここからは各駅に停車)は、おお、また「コナン列車」だ。
 鬼太郎→コナンの豪華乗り継ぎ。ただ、コナンの方は、内部の装飾はない。

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 松江駅で。コナン君。
 発車を見送ると…。

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 4番ホームに「瑞風」の姿がありました。初めて見た。
(左は〔スーパーまつかぜ12号〕)

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 明日は消費税増税による運賃改定。ただ、米子や松江では見た限り、定期券購入のための長蛇の列、というのは、見ませんでした。それでも運賃改定に備え、券売機を停止させる措置がとられるようで、既に一番右の1台は停止していました。他の2台も順次止まる事になるのでしょう。
 でも、ちょうど30年前に消費税制度が始まって、その後消費税増税が平成の間に2回行われているが、こんな事、やっていたっけ?

 この後、投宿するホテルに向かうために乗った松江市営バスは、旧横浜市営バスでした。明日・明後日晴れてくれたら、一畑電車だけでなく、松江や出雲のバスも、いっぱい撮りたいのだけれどなあ。あまり期待しない方がいいな、と思いつつ、就寝体制に入ったのでした。

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