№2056 昭和思い出バス点描(ネコ・パブリッシング)

 結構遅くなってしまって済みません。「バス・グラフィック」の増刊?「昭和思い出バス点描」、刊行されています。
 全編、少なくとも日本車に限ると、全部モノコック。一般の路線バスは、冷房車がほとんど出てこない。

 渋谷は大都会中の大都会だから、今とはだいぶ様相が違う…とは思うけれど、西口に限ると、意外に最近まで、この昭和50年1月当時の様子を残していたかも知れない。ビルはだいぶ変わったけれど、バス乗り場自体は案外…、という気がする。
 特に東急バスは(当時は東京急行電鉄だったけれど…)、モノコック時代の都内の車両の特徴だった、リアの系統番号差しが、昭和50年代らしいと思った。一方で当時の東急バスは、後部の方向幕は定着せず、埋めてしまっている車両が見られる。当時はドライバーがハンドルをキコキコ回して行き先を変えていたので、手間ヒマかかってしまったのが嫌われたのだろうか。側面も、幕ではなくサボ(京王や都営はもう幕なのだが)。これ、東急では比較的最近までこのスタイルでした。
「美濃部カラー」の都営バスも、特にB-B502号車は美しくていいなあと思った。
 銀座線の電車も、まだ01系ですらない。
 渋谷駅西口のバス乗り場はまもなく移転、という事になるようだが、個人的には正直、今の渋谷は少々しんどい。人があまりに多くてゴミゴミしているし、鉄道の駅へのホームは解りづらくなっているし(まだ全体的に工事があちらこちらで進行中、という事もあるが)。あまり魅力を感じなくなってきている。

山形交通トヨタ.jpg
 今回全編にわたって目立ったのは、トヨタのDR15。特に山形交通はカラー写真もあり、「日下経由真室川」の方向幕を出している「山形2あ1780」が、付近のたたずまいも含めて印象的でした。新庄駅前?今はなくなってしまった路線だ。私も確か昭和の終わりに山形に行って、2枚ほど撮っている(もう1枚は3E)。
 モノクロの方には川中島自動車の白馬車庫があって(今のアルピコの白馬車庫は旧松本電鉄で、こことは別)、いすゞと並ぶと、心持ち幅が狭い。DR15にもいすゞと同じくナロー仕様があったのだろうか。

 今回アップされている写真で一番新しいのは、神奈中の大和営業所?一般路線車の冷房車の写真がある。スケルトンはまだだが、ボタン一斉操作方式で、当時の神奈中で特徴的な横長の方向幕の車両が入っていて、そろそろ世代交代が近い事を伺わせているようだ。
(「原町田駅」とは横浜線の駅で、この後小田急の駅に近い位置に移転、駅の跡地は今の「町田ターミナル」。

「大和」の方向幕が掲げられた備北バス、どこで撮影とはキャプションになかったが、背後のオレンジの屋根は備中高梁駅、でしょうか?大型車だけれど、お客さんがいっぱい乗っている。こういう時代は、もう来ないのだろうか?

 モノクロページは、新宿も、今よりは空が広くて開放的な気がする。もっともバス乗り場のプラットホームも屋根がなくて、当時は今よりお客さんがもっと多かったはずだから、雨の日は乗降が大変だったろうが。
 三菱ふそうのMR430は、なぜ前輪が2軸なのだろう?(エンジンが近くて重くなる後輪が2軸なら解るが)その辺の解説が、簡単でもあれば良かったかも知れない。前輪部付近の車内の写真もあれば…。旭川電気軌道は後に一時、つくば万博で使用していた連接車を導入していたほどだから、地方都市ではあっても、ラッシュは相当な混雑になったのだろうか。

 他にもいろいろあってごった煮、という感じもあるが、スマホで簡単にデジタル写真を撮りまくれる現代とは違い、アナログのカラーフィルムの入手も(現代とは違う意味で)困難だったろう時代に、これだけの大量のバス(まだ鉄道ほどメジャーな趣味ではなかったはずだし)のカラー写真が撮られていて、こうして現代に公開されているという、うれしい限りの一冊だと思います。今後も、特に地方都市の写真を期待したいと思います。
 こういうクルマ、どれもこれも、できるならもう一度乗って、遠くに行きたいなあ。

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《今日のニュースから》
 4日 ユニクロ インドに一号店開店
 5日 熊本城 「特別公開」開始

 彼岸を過ぎてかなり経つのに、蒸し暑いです…。確かに温暖化、進んでいるんだなあ。だって、10月ももう数日過ぎたのに、セミが鳴いているんだもん。温暖化についていろいろな発言や行動が話題になっているが、人の事をどうこう糾弾する前に、まず自分たちが進んで、ライフスタイルを根本から変えなければならない時期ではないだろうか?公共交通が、その橋頭堡になって欲しい。
(あまり政治だの政策だのと叫ぶだけと、政治の強権化を招く危険がある。心すべき)
 ラグビーW杯、日本3連勝!このままベスト8へ、一直線で行け!!。