№2057 山陽・山陰 ローカル線巡り 1.水島臨海鉄道と 吉備線

水島臨海鉄道 MR300形.jpg
 先月末29日の晩から、今月2日にかけて、山陽と山陰をまたにかけた旅に出ました。
 今回は、山陽は水島臨海の国鉄型(キハ37・38形)、山陰は一畑の電車をメインの目的にしていましたが、事前の予報が、3日間とも良くない…。しかも、帰りの航空便は、台風の影響が出るかも…とも当初は言われていました(実際は予報より遅くなり、大事はなかったが)。多少の不安を抱えながらの出立となりました。

 9月29日(日)

サンライズ.jpg
 岡山まではもちろん、〔サンライズ〕の「ノビノビ座席」。熱海から乗りました。この日の晩は〔出雲〕の12号車。〔瀬戸〕〔出雲〕とも、西日本の編成でした。

 ところが、何か様子がおかしい。向日町のあたりでノロノロになった後、大阪を出発してすぐ、なにやら車内放送が入る(通常は岡山到着直前までない)。半分もうろうとしていたから正確には全部理解できなかったが、先行する貨物列車で何かあったらしく、岡山の到着が大幅に遅れる。このため、岡山からの〔みずほ〕と〔スーパーいなば〕には接続できなくなってしまうので、姫路から新幹線への振り替えを行うから、今から車掌が車内を巡回する、そんな内容だったと思う。

和気付近.jpg
 翌朝、和気を通過するあたりでは、どうやら30分程度の遅れになっているようだった。

ノビノビ座席.jpg
 朝のノビノビ座席。布団じゃなくカーペット敷きだが、横になって眠れるのは、バスにはないアドバンテージだと思う。ただ、前にも書いたと思うが、やはり枕は欲しい。枕カバーはあるのに片手落ち、という気がする。

岡山到着.jpg
 結局そのまま、岡山約30分遅れ。このため、倉敷への普通電車の接続も悪くなって、倉敷市から国鉄型に乗る(7時18分発)というプランは、崩れてしまった。〔出雲〕は、〔やくも2号〕の後を走る事になるらしい。

 9月30日(月)

 従って、倉敷へは7時13分発の三原行という事になり、いきなりプランが狂ってしまった。ただ、空模様はやはり今一つ。今日の水島臨海は、往復して帰ってくるだけ。

倉敷駅前.jpg
 倉敷駅のペデストリアンデッキの柵に掲げられた、メッセージの横断幕。豪雨からもう1年以上経ってしまった。
 倉敷市からは、7時39分発の三菱自工前という事になった。MR300形×2で、車掌が乗務している。水島臨海もまた、何年ぶりだろう。前回はまだキハ20が走っていたのだが。

水島臨海+山陽本線.jpg
 倉敷市を出発、球場前の手前まで、山陽本線と併走する。

弥生.jpg
 西富井で、倉敷市行と交換。

キハ37.jpg
 浦田を過ぎて、高架線。弥生~水島間は、平成になってから高架化された区間。その弥生で、キハ37×2連との交換になった。両方とも水島色。

水島.jpg
 水島到着直前、DE702と出会う。その奥に、コンテナ貨車が見えるでしょうか。入れ替えの最中。やはり貨物鉄道なので、交換可能駅は、ホームは短いが有効長が長い。

運賃表.jpg
 車内の運賃表。これが通用するのは、今日まで。

2019093007.jpg
 三菱自工前の終点だが、中間駅の風情。実際、私も含めたわずかな乗客を降ろした列車は、すぐに車両基地の方へ去って行った。
 この直後、先のDE702の貨物が、後を追うように通過して行った。

運賃・料金改定案内.jpg
 運賃・料金改定の案内で、定期券売り場の混雑の予想も記されているが、今日30日は「激混雑」だって…。ローカル鉄道らしい表現。

 8時22分発で倉敷市へ戻るが、先の2連がまた出てきた。車掌も乗務している。

水島.jpg
 水島で交換。こちらは6分ほど停車。

キハ37.jpg
 弥生で再びキハ37×2連と交換。国鉄型はまた次回だ。いつになるかは解らないが、新車両増備、という話が出ないうちは、安泰だろう。最もラッシュ時の助っ人だから平日の朝夕しか走らず、見て、撮るにはハードルが高くなるのだが。

 倉敷から、いったん岡山まで戻る。松江へ向かう前に、吉備線で総社へ往復。吉備線もまた、何十年ぶり?という話。平成の世の内には乗っていないはずだ。

739D.jpg
 739Dはキハ47×2連で、こちらはワンマン列車。「桃太郎線」の愛称があるが、どうして吉備線ではダメなの?いいじゃん、「吉備だんご」の吉備なんだから。
 という事で、車内放送の頭には、「桃太郎」の童謡のメロディが流れる。

大安寺.jpg
 大安寺で738Dと交換。向こうもキハ47×2連。

田園風景.jpg
 沿線は基本的には、こんな感じの農村地帯が広がる。稲が実っていて、まぶしいくらい。それに、彼岸花もブイブイ咲いていて、なんのかんの言っても、秋だなあ。

キハ40.jpg
 備中高松で交換の740Dは、キハ40×2連だった。

服部.jpg
 学生さんが多いなあと思っていたが、服部でみんな降りていった。岡山県立大学の最寄り駅のようだ。
 次の東総社でも、742D(キハ47×2)と交換。さすがに岡山が近いだけあって、本数は多くなっている。

総社駅.jpg
 総社駅は橋上駅舎。東側の広場には中鉄バスの乗り入れがあるが、便数は少ない。

総社駅 井原鉄道改札.jpg
 駅舎内には、井原鉄道の改札が、JRとは別になって置かれている。ただし、井原鉄道の駅員はいない。
 744Dで、岡山まで戻る。総社駅はこの後もう一回、伯備線で通過する事になります。

吉備線線路.jpg
 後方の線路を見るが、貧弱という印象はぬぐえない。吉備線はLRT転換という方向になるようだが、富山ほど楽な事業にはならないだろうなあ、と思った。何より、電化をしなければならないので。電化自体は良いが、線路はかなり手を加えなければならないだろう。

吉備神社 大鳥居.jpg
 吉備神社の巨大な大鳥居。

 こうして11時過ぎ、岡山に戻ってきました。息つく間もなく伯備線新見行に乗り換えなければならないが、それは次回です。

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《今日見た・聞いた・思った事》

 国土交通省は今日、JALに対して、乗務員の飲酒問題に関して業務改善命令を発出しました。飲酒問題では去年に続いて2回目になります。
 とにかく、飲酒問題に関してはもう、これっきりにしなければならない。去年の業務改善命令は、ロンドンで起きた一件が大きく、乗務員が禁錮10ヶ月という重い罰を受けての事だったが、それを見てもまだ改善できていないのは、心外です。勤務外の私生活から発生する問題でもあるので、とにかく最終的には、上下関係なく一人一人の徹底した自覚が、再度求められます。でないと、万が一同じような事が繰り返されるとしたら、「仏の顔も三度まで」で、会社の経営にも直接関わる、相当重い罰を覚悟しなければなりません(空港の発着枠の剥奪や未配分、新規路線開設禁止、航空機の使用停止など)。JALはまもなく、政治や世間を大いに揺るがせた大型経営破綻から10年になります。この間、多大な犠牲を払い、皆が辛い思いをしながら(飲酒問題に関わった人々は皆、その苦しさを味わっていたはず)、とにもかくにも世界有数の航空会社の一つであるという誇りを、取り戻してきたはずです。それを自ら、ご破算にしてしまうのか?繰り返しになるが、あいつが悪いこいつが悪い、ではなく、全員が今一度、もっとも高い安全性が求められる航空業界に身を置いている、この事を自覚して欲しいと思います。
 飲酒問題で今日は他に、SKYに業務改善勧告、JTA・中日本航空・朝日航洋にも厳重注意が発出されました。思うのだが、これだけ飲酒の問題が発生してなかなかなくならない(自動車の酔っ払い運転による事故も未だ少なくない)背景には、時々「イッキのみ」が社会問題になるように、日本人の飲酒の文化に、どこか歪んだものが、あるのではないか? 

 JR東日本は来年春、制服を18年ぶりに変更し、特に女性は男性と同じ、パンツスタイルとネクタイに統一する事になりました。男女平等やLGBTを意識、という背景があるという事。それも大事だが、何度か書いているけれど、特に乗務員の場合、スカートというのは、非常事態が発生した時には問題だと思う(JR東日本は皆パンツスタイルのようだが)。万が一列車が全て脱線した場合、「列車防護」と言って、他の列車の衝突・追突を防ぐために、全速力で走らなければならないので。他の鉄道も、同じ方向に行って欲しい。「鉄道むすめ」のキャラデザにも、影響が出てくるかも?
 そのJR東日本の首都圏の路線では、列車のドア上の路線図の張り替えが既に始まっています。11月30日からの相鉄直通が反映され、羽沢横浜国大駅が書き込まれている他(路線は埼京線・川越線と一体で、武蔵小杉から直接伸びる格好)、来年春の高輪ゲートウェイ駅の開業、モノレールの羽田空港各ターミナル駅や、常磐線佐貫駅の改称も既に反映されているようです(今はステッカーで隠れているが)。

《今日のニュースから》
 6日 「大槌復興米」 神奈川県海老名市で収穫
 7日 千葉銀行・武蔵野銀行 共同店舗オープン
 8日 日産自動車新社長 内田誠氏が昇格

№2056 昭和思い出バス点描(ネコ・パブリッシング)

 結構遅くなってしまって済みません。「バス・グラフィック」の増刊?「昭和思い出バス点描」、刊行されています。
 全編、少なくとも日本車に限ると、全部モノコック。一般の路線バスは、冷房車がほとんど出てこない。

 渋谷は大都会中の大都会だから、今とはだいぶ様相が違う…とは思うけれど、西口に限ると、意外に最近まで、この昭和50年1月当時の様子を残していたかも知れない。ビルはだいぶ変わったけれど、バス乗り場自体は案外…、という気がする。
 特に東急バスは(当時は東京急行電鉄だったけれど…)、モノコック時代の都内の車両の特徴だった、リアの系統番号差しが、昭和50年代らしいと思った。一方で当時の東急バスは、後部の方向幕は定着せず、埋めてしまっている車両が見られる。当時はドライバーがハンドルをキコキコ回して行き先を変えていたので、手間ヒマかかってしまったのが嫌われたのだろうか。側面も、幕ではなくサボ(京王や都営はもう幕なのだが)。これ、東急では比較的最近までこのスタイルでした。
「美濃部カラー」の都営バスも、特にB-B502号車は美しくていいなあと思った。
 銀座線の電車も、まだ01系ですらない。
 渋谷駅西口のバス乗り場はまもなく移転、という事になるようだが、個人的には正直、今の渋谷は少々しんどい。人があまりに多くてゴミゴミしているし、鉄道の駅へのホームは解りづらくなっているし(まだ全体的に工事があちらこちらで進行中、という事もあるが)。あまり魅力を感じなくなってきている。

山形交通トヨタ.jpg
 今回全編にわたって目立ったのは、トヨタのDR15。特に山形交通はカラー写真もあり、「日下経由真室川」の方向幕を出している「山形2あ1780」が、付近のたたずまいも含めて印象的でした。新庄駅前?今はなくなってしまった路線だ。私も確か昭和の終わりに山形に行って、2枚ほど撮っている(もう1枚は3E)。
 モノクロの方には川中島自動車の白馬車庫があって(今のアルピコの白馬車庫は旧松本電鉄で、こことは別)、いすゞと並ぶと、心持ち幅が狭い。DR15にもいすゞと同じくナロー仕様があったのだろうか。

 今回アップされている写真で一番新しいのは、神奈中の大和営業所?一般路線車の冷房車の写真がある。スケルトンはまだだが、ボタン一斉操作方式で、当時の神奈中で特徴的な横長の方向幕の車両が入っていて、そろそろ世代交代が近い事を伺わせているようだ。
(「原町田駅」とは横浜線の駅で、この後小田急の駅に近い位置に移転、駅の跡地は今の「町田ターミナル」。

「大和」の方向幕が掲げられた備北バス、どこで撮影とはキャプションになかったが、背後のオレンジの屋根は備中高梁駅、でしょうか?大型車だけれど、お客さんがいっぱい乗っている。こういう時代は、もう来ないのだろうか?

 モノクロページは、新宿も、今よりは空が広くて開放的な気がする。もっともバス乗り場のプラットホームも屋根がなくて、当時は今よりお客さんがもっと多かったはずだから、雨の日は乗降が大変だったろうが。
 三菱ふそうのMR430は、なぜ前輪が2軸なのだろう?(エンジンが近くて重くなる後輪が2軸なら解るが)その辺の解説が、簡単でもあれば良かったかも知れない。前輪部付近の車内の写真もあれば…。旭川電気軌道は後に一時、つくば万博で使用していた連接車を導入していたほどだから、地方都市ではあっても、ラッシュは相当な混雑になったのだろうか。

 他にもいろいろあってごった煮、という感じもあるが、スマホで簡単にデジタル写真を撮りまくれる現代とは違い、アナログのカラーフィルムの入手も(現代とは違う意味で)困難だったろう時代に、これだけの大量のバス(まだ鉄道ほどメジャーな趣味ではなかったはずだし)のカラー写真が撮られていて、こうして現代に公開されているという、うれしい限りの一冊だと思います。今後も、特に地方都市の写真を期待したいと思います。
 こういうクルマ、どれもこれも、できるならもう一度乗って、遠くに行きたいなあ。

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《今日のニュースから》
 4日 ユニクロ インドに一号店開店
 5日 熊本城 「特別公開」開始

 彼岸を過ぎてかなり経つのに、蒸し暑いです…。確かに温暖化、進んでいるんだなあ。だって、10月ももう数日過ぎたのに、セミが鳴いているんだもん。温暖化についていろいろな発言や行動が話題になっているが、人の事をどうこう糾弾する前に、まず自分たちが進んで、ライフスタイルを根本から変えなければならない時期ではないだろうか?公共交通が、その橋頭堡になって欲しい。
(あまり政治だの政策だのと叫ぶだけと、政治の強権化を招く危険がある。心すべき)
 ラグビーW杯、日本3連勝!このままベスト8へ、一直線で行け!!。

№2055 バスマガジンvol.97(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.97」、先月末に発売になりました。渋谷を走る小田急バスのエアロスターで、小田急も行き先表記のフルカラー化が進んでいるようです。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.97 小田急バス
小田急バス.jpg
 小田急バスは、2007(H19)年11月発売のVol.26でも取り上げられていました。表紙は、武蔵野市コミュニティバス「ムーバス」境・三鷹ルートのポンチョでした。その当時と比較して、一般路線は、全体的な規模は変わっていないと思う(町田駅付近の路線はなくなった)。比較的短距離の高速バスが増えたのが、大きな変化だろうか。
 事業所としては、シティの若葉台〔営〕がなくなったのと、生田〔営〕が登戸に移転した事が変化としてあげられるだろう。
〔渋26〕系統は、比較的最近まで、終日30分毎位には走っていて、(今は公開を中止しているが)本体の方で、2008(H20)年に東京ドーム→西武ドームへの乗り継ぎ紀行を書いた時、途中に組み込んで、乗り通したことがあります。ただあの時は平日のラッシュ時で、渋谷駅に20分遅れて到着、慌ただしく折り返しの出発でした。やはり都心だと道路事情で大幅にダイヤが乱れたりすると、長距離系統では対応が極めて難しくなるし、ドライバーへの負担も重くなる。昨今では、特に。並行して他系統が多数運行されていれば、縮小は止むなしでしょう。これは小田急バスに限った事ではない。〔渋26〕は、むしろまだ本数が残っている方でしょう。
 車両面では、では一般の路線車でノンステップではないのは、その稲城市「iバス」のリエッセのみ、という事でしょうか?〔渋26〕系統を乗り通した時には、ノンステップ率82%は関東ナンバー1、という広告を見たりしたものでした。
 今後はどうなるだろうか。一般路線は、小田急の下北沢付近が地下化したので、地上の再開発が進んだりしたら、路線の再編成があるのか。また、かなり気が早いだろうが、横浜市営地下鉄ブルーラインの新百合ヶ丘延伸がほぼ本決まりなので、特に小田急の東側で、大きな影響が出そう。

バスドライバーへの道
 昨今のバスドライバー不足に関連するWebサイトをいくつか眺めてみると、やはり女性の積極的な登用が、(決定打ではなくても)有効な手段の一つだろう、という論調が増えてきているようです。ところで、「バス業界は男の職場」のイメージが女性の登用の妨げとなっている、という論調も散見されるが、では、その「男の職場」を支えてきた男性ドライバーの側は、昨今の女性ドライバーの進出をどのように見ていて、また実際にはどのように接しているのであろうか?職場そのものの環境整備ももちろん大事だが、人の方も(上役も同僚も)、意識を変える事が必要でしょう。「セクハラ」は絶対×。モラル面でも当然だが、この事が女性の登用の障害となり、巡り巡って(いろいろな面で)自分たちの首を絞める事になるので。

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.29 東京都 PART1

京浜急行バス
 23区の事業者だが、当然これだけではない。前回は2013(H25)年11月のVol.62で取り上げられていたが、この時は創刊10周年という記念でもあってか、11ページを費やして、ほぼ全ての事業者が一度に掲載されていました。今回は都営・東急・京急・関東バス・京成が中心で、東武バスはセントラルのみ。さすがに東京都となると、次号も見ないと、全貌は見えない。
 この中では、京急バスが、神奈川県下を含めて分社を再統合して一本化したのが目を惹く。一方で京成バスははっきりした地域分社なので、京成タウンバス(など)もバリバリ走っている訳だが(ケイビーバスはもう10年も前に、関東バスに再統合されている)。

鈴木文彦が斬る!バスのいま 第23回
 アストロメガの導入が進んでいる現状を踏まえて、ダブルデッカー車の将来性について、意見が述べられている。やはり魅力は収容力、となるだろう。ここでは間に合わなかったようだが、関東鉄道もアストロメガを導入し、鹿島神宮~TDR・お台場路線に導入しているが、本丸はやはり、東京駅路線ではないだろうか?私も東京駅八重洲口から日曜日の晩に夜行バスで出発する時にいつも見ているが、もうすぐ日付が変わろうか、という時刻まで鹿島神宮行の乗り場の行列が長く、最終便までに全員乗れるの?と思ってしまう程なので。
 過去には15m級の「メガライナー」の導入があり、魅力を感じていた事業者も少なからずあったようだが、連節バスにもいえるが、法規制より物理的な部分の方が、導入に際しての大きな障害ではないだろうか、と感じます。鈴木氏も、12m級のダブルデッカーの積極的な導入が現実的だろう、と結んでいます。私もそうだと思います。
 高速バスもいいが、これも何度か書いているが、普通のシティバスとしてのダブルデッカーの開発・導入は、あり得ないのか?座席数の多さと、1階部のノンステップ部の広さを両立させたダブルデッカーを、見逃す手はなかろう。むろん、流動性とか高さ制限とかもあり、ロンドンや香港のように幅広く展開とはいかないだろうが、①比較的停車場所が少なく、長距離乗り通す乗客が多い急行系統(例を挙げれば「環7シャトル」的な系統)②比較的短距離の高速バスや空港連絡バス(アストロメガほどのハイスペックは必要ないだろう)③乗客を立たせるのはイメージ的に良くない観光路線(特に山岳路線)③通勤・通学の送迎バス、あるいはそれを目的とした路線バス このあたりは有効なのではないか。案外需要はあると見ています。「今年のヒュンダイユニバース 特別編」で、EVのダブルデッカーがソウルで展示されていた(これもある程度はシティバス的な仕様に特化されているらしい)、という記事もあり、日本も、一般路線に特化した、エコロジーなダブルデッカーを、まず試作、でいいから、世に出してはもらえないだろうか?と常々思っているが、どうでしょう?国内メーカーが、頑張って欲しい。

終点の情景を求めて
 庄内交通の月山八合目。残念ながら、山形県の日本海側は、訪れる機会を作れないなあ。JRの列車の旅と組み合わせて(「海里」もいいが、普通の電車で)、いつかは。写真を見る限り、庄内交通は、映画「おくりびと」で出てきたエアロミディのカラーは、もうないのか?

平成初期のバスを振り返る
 宮崎交通。でも去年宮崎に行って宮崎交通のバスも相当数撮ったが、さすがにモノコックは全滅していたものの、昭和の終わりの頃の車両が、まだ相当数走っていたのには驚かされた。おそらく、古参のディーゼルエンジンバスを相当数残す宮崎交通のような地方の事業者は、温暖化防止対策の観点も合わせると、これから数年は代替が大変かもなあ、とも思ったものでした。

 相鉄バスと群馬大学の自動運転の実証実験運行、9月14日開始だから発行には間に合わないだろうと思っていたのだが、速報段階ではあるが、掲載がありました。
 今号は、前号で紹介されたハイブリッドBRTの記事に期待したのだが、ありませんでした。まだ計画が具体化していないのか。予告にはないが、次号は載るかな?

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《今日のニュースから》
29日 ロシア 反プーチン大統領集会 モスクワに2万人
30日 ポケットベル サービス終了
 1日 東京ヤクルトスワローズ 高津臣吾新監督就任
 2日 北朝鮮 弾道ミサイル発射 島根県沖EEZに落下
 3日 ウーバーイーツ配達員 労働組合結成

 昨日、岡山・出雲の旅から帰って来ました。後日書くが、そのさなか乗車したJR山陰線の普通列車で、玉造温泉から乗車した観光客のグループが、弾道ミサイルの発車について口にしていました。島根県沖(といっても相当遠く、ではあるが)への落下、という事もあっただろう。
 1日、消費税が10%に増税になりました。私は前日に松江駅に着いたのだが、駅も、町中も、明日から増税だ、さあ大変だ、という雰囲気は、少なくとも私は感じませんでした。思うに、増税そのものより、軽減税率の導入で税率が2種類になった事が、混乱を招いている部分があるかも知れません。帰りにミスドに立ち寄ったとき、税込みの値段が2種類の表記になっていて、ああなるほど、と思いました。去年ノルウェーに行って、オスロからベルゲンへの急行に乗った時、食堂車の価格が2種類になっていて、どういう事だと書いたのだけれど、こういう事だったのですね。「税金が高い」という方向にばかり関心が行っていて、彼の地の税のシステムまでは知らなかった。

 10月のタイトル画像は、京阪電鉄石山坂本線の、「機動戦士ガンダムAGE」でした。ガンダムはちょうど40年前に第1作がスタート、日本のアニメ界全体に大きな衝撃を与えた作品で(今回の出雲からの帰りのJALのWi-Fiで、第1話が配信されていました)、この先も様々なスタイルで造られ続けているコンテンツだが、「AGE」は、宇宙世紀を舞台に繰り広げられる本筋とは異なる、パラレルワールド的な作品でした。東京のサンライズが制作しているが、福岡のレベルファイブが関わっている、というのも、作品の特色かと思います。
 石山坂本線だったら「けいおん!」あるいは「響け!ユーフォニアム」の京アニ作品を出せよ、という声も、たぶんあると思います。ただ、今回のタイトル画像のシリーズは、既に同じ年齢層をターゲットにした作品をいくつか出している一方、いわゆる「ロボットアニメ」はこの1作だけになります。なので、こちらを選択させて頂きました。「AGE」と「けいおん!」は8年前に撮っていて、№589で書いています。今だったら両作品とも、もうちょっと時間を撮ってキチンと前後左右の撮影に挑戦していたと思います。伊豆箱根のごとく。
(「ユーフォニアム」は、そもそも実物を見た事がありません。ゴメンナサイ。7月の京アニ放火事件以降も、ラッピング電車は運行が継続されているようなので、見に行きたいとは思っているのだが)

201910.jpg
(12月1日追加) 10月 タイトル画像