「バスラマインターナショナル174」、PCのトラブルもあって、かなり遅くなってしまいました。
前号で予告がなかったバス事業者訪問は長電バスで、表紙は長電バスのブルーリボンとセレガ、背景の山は、ごく普通のヤブ山にしか見えないが…(目次の解説にもない)。
各地の新車から
前半は新エアロクィーン&エース(2TG-MS06GP)の特集。夜行高速バスも最近はハイデッカーが当たり前になった中、弘南バス「ノクターン」は、未だスーパーハイデッカーで頑張っているなあ。「2019モデル」は、車体の形状自体は先代と変わっていないはずだが、ヘッドライトの形状の変化のせいか、フロント下部がもっとせり出されて、尖った印象がする。
関東鉄道のアストロメガは、まずはお台場への路線からとなったが、当然東京駅発着便への導入が、大いに期待されます。なにしろ、日曜日の夜の東京駅の乗り場に長蛇の列ができるような路線なので。
アストロメガといえば、岩手県北バスの「盛宮106特急」は、扱いが小さかったな。
EDSS搭載の新型セレガは、ちばフラワーバスが8月20日より、「シーサイドライナー」に導入しています。また、その後に書かれているEDSS搭載のエルガやブルーリボンなどは、ちばグリーンバスがエルガを1台導入し、今月から運行しています(どちらも、京成電鉄の公式Webから)。両社とも、これが市販第1号、という事になるのだろうか?
発進!いすゞエルガデュオ連節バス
エルガデュオの試乗インプレッション。連節バスだが運転のフィーリングは単車のバスとほぼ同じという事、また全軸ディスクブレーキとなった点を評価しているようです。
車内の仕様では、やはり後ろ向きの座席(前車体に2席、後車体に4席)の、一般の乗客の評価は気になる。純国産のバスとしては、1990年代後半の、黎明期のノンステップバス以来、になると思うが、最近の日本はバスに限らず、向かい側の乗客と目が合うボックス席が好まれない傾向にあるので。単車でもそうだが、これを普通に採用できれば、ノンステップ部の拡大と座席数の確保を両立できるのではないだろうか。
これにはEDSSはないの?
バス事業者訪問210 長電バス株式会社
長電バスも、長野県北部に広い路線網を持ち、高速バスも運行していながら、今まで取り上げられた事がない事業者でした。
まず全体のテキストを眺めて非常に気になったのだが、長野新幹線→北陸新幹線の開業・延伸と、それに関わる長電バスへの影響、が全く記されていない。当然長電バスに限らず長野県北部の交通全体の一大事で、長電バスとしても、高速バスの利用とか、路線バスの編成とか、多岐に渡る影響が、間違いなくあったはずなのに。高速バスも池袋線は、旧ツアーバス組の攻勢の影響は大きい、とは記されているが、新幹線はどの程度影響を与えているか、という事は書かれていない。採算ベースには合っているという事だが、安さと3列シートの快適性が武器、になるのだろうか(10月より、共同運行の相手が西武バスから、アルピコ交通東京に代わる)。あとは1998(H10)年の長野オリ・パラはどうだったのか。
路線概要は、地図を見ただけだと、よく見ると東(飯山・湯田中)と西(長野・黒姫)で、路線がつながっていない。昔は路線があったのだろうが。長野~奥志賀の路線は、スノーモンキーパークラッピングのセレガの写真はあるが、概要には記載されていない。高速バスと同様の乗降制限がある急行バスだからだろうか。
輸送実績は、乗り合いは2014~2015年度はやや盛り返しているが(北陸新幹線開業があったからか)、全体的には右肩下がり。昨年度はなんとか400万人台を維持したが、いつまでキープできるか。それ以上に貸切が昨年度は大幅に減少してしまった。車両も5台減車しています。ただし、事業としては安定しているそう。
志賀高原と白馬八方は東と西で全く正反対の位置にあり、インバウンドには好評、という事だが、スキーシーズンといえどもそんなに利用があるものなのか?「英会話のスキル向上期待」というのは、大都市でも一バス事業者単独では難しい問題だろうと思うので(ドライバーにさらに負担をかける事にもなるし)、なんとか現場全体をバックアップするシステムが、開発されないものだろうか。
ドライバーと車両を融通しあう仕組みがあるくらいだから、アルピコ交通との関係は良いはずだ。今後も維持されてほしい。ICカードは、JR東日本次第になるだろう。
車両面では、高速道路を経由しない急行バスに、高速バス並みの仕様の新車を直接投入しているのだから、やはり力が入る部門なのだろう。
アーカイブスは全部長野電鉄時代。車両そのものもそうだが、今はなくなった高速バス路線のPRの幕が興味深い。山田温泉の営業所の構えがクラシカル(「車」の文字が取れてしまっているのが愛嬌か)だが、今は当然営業所はないし、そもそも長電バスの乗り入れ自体、平日5.5往復・土休日4往復しかない(YOU遊ランドからの村営バス乗り換えが中心になっている)。かつてはさらに奥にも路線があったのだろうか。
UITP 2019
まず、スカニアのNXTは車体全体がガラス(ではなく成型樹脂だそうだが)張り、の印象だが、強度はだいじょうぶなのだろうか?
表紙にも写真があるLohrの電気バスは、発想は遊園地の子供向けの乗り物っぽい。でもこの車体で16人も乗れるの?無人走行車だが、ドライバーが乗るとしても、全体の輸送力をドライバーの数と関係なしに調節できるので、特に地方都市では面白いかもしれない。法規制や道路事情が対応するかどうかだが。
ベンツのeシターロのフェイスは、今後日本で導入される連接バスにも、反映されるのだろうか。
今回並んだバスは皆EVとか燃料電池車とかで、純粋なディーゼルエンジン車は1台もありません。現状では欧州でも、一般の路上を走るバスはまだディーゼルエンジン車が多いのだろうが、欧州はここまで来ているんだなあ、の印象は確かにありました。日本もいずれそうあるべし、なのだろうが、そのためには特に、安定した電力供給インフラの確立は必須、だろう(今の千葉の状況を見ていると、そう感じる)。
バスラマのブラジル バス紀行
PART1はバスメーカーのマルコポーロ訪問。ボディに特化している、というのは、かつての西日本車体工業と同じだ。日本国内だけだった西工に対して、マルコポーロはワールドワイドなので仕様はかなり細分化されているそう。ただ、台数が多いので、十分やっていけるのだろう。
車体のデザインは欧州と比べるとやや垢抜けない印象があるが、南米らしいと言えばらしいのだろう。
職業訓練実習生は、女性の姿が多いのが印象的。
次回はクリチバのBRTやサンパウロのバスなどが並ぶそうだが、本当は長距離バスのルポを見たいなあ。長距離バスの利用が多いのは鉄道の利用がほとんどなくなっているのも理由になるが、日本人がフラッと乗り場に行って、すんなり切符を買えるものだろうか?Web予約はどこまで進んでいるのだろうか?このあたりは注目されるのではないだろうか。
毎号香港と韓国のバスのコラムがあって注目して読んでいるが、両方とも今、日本人が訪問して、大丈夫なのだろうか?
海外バスニュースにあったアルストムAPTISは、これで急カーブをキチンと曲がれるのか、と思ってしまうが、パリのRATP(市営バス的なバス)から大量発注、なら、日本人も容易に見て、乗れるようになるのではないだろうか。
次号のバス事業者訪問は川崎市営バスらしい。それと、相鉄バスが今日から群馬大学と共同で、日本初の大型車(ブルーリボン・ハイブリッドらしい)による営業運行の実証実験を行っており(ズーラシア~里山ガーデン間 無料 来月14日まで)、この点も大きく取り上げられるのではないだろうか。
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《今日のニュースから》
13日 諫早湾干拓事業 最高裁 2審判決取り消し
14日 サウジアラビア 石油施設 ドローン攻撃
千葉の台風被害は、鉄道に関しては、いすみ鉄道が今日運行を再開したが、久留里線は全線、小湊鐵道は上総山田以南が明日も運行できないという事。各交通業界も水や電気の提供など、地域への協力体制を敷いているが、その最中、明日は館山で大雨の恐れがあるそうで心配です。前回も書いたが、「あいつが悪い、こいつが悪い」と言い合うのは後回しにして、今は災害の拡大の阻止に皆で協力すべき。