№2047 バスジャパン・ハンドブックシリーズV101 京阪バス

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「バスジャパン・ハンドブックシリーズ」(以下「BJシリーズ」)最新刊、「V101 京阪バス」は、3ヶ月前には刊行されていたが、例によって遅くなってしまって申し訳ありませんでした。

 イイワケを書いてしまうと、BJシリーズのデータ集計は、基本的にはエクセルに頼っていて、まず「現有車両一覧表」をそのままエクセルのシートに書き写し、アソートした後、関数を使って集計します。しかし私は基本的にエクセルは基礎中の基礎しか使えず、使える関数も限られています(主に「COUNTIFS」を使う)。セル一つ一つに関数を入力するため(ドラッグして、セルの検索条件を書き換えていく)、どうしても時間が掛かってしまうのです。手間ヒマかかる事でもありますし。加えて今回、R71のデータ集計時点で、かなりの誤りが見つかり、それも集計を遅くする理由となりました。それに、他にもやる事が多々ありますので、毎回毎回遅くなってしまいます。まあ、自分の怠惰な性格が、一番の問題なのですが。
 加えて今回は、PCのトラブルで、一週間更新できなかった事もありました。本当なら先週には公開したかったのですけれど。
 今後もBJシリーズに関しては、刊行から大分時間が経ってから掲載、という事になるはずです。申し訳ないのですが、内情を、ほんの少しでもお察しいただければと思います。

 京阪バスは、BJシリーズでは過去に2回、初期のシリーズ17(1993(H5)年12月)、そしてR71(2010(H22)年10)月で取上げられています。そしてR71は、当ブログスタートの後の刊行で、№351で書きました。当ブログスタート後2回目となるのは、今回の京阪バスが初めて、となりました。
 今回から「Vシリーズ」となりました。定価は据え置きで、カラーページが増えています。前回の「S100 北海道中央バス」同様、京阪バスが走る風景のカラー写真が(紀行を含めて)4P追加され、合計8Pになりました。シリーズ17(その前の雑誌スタイル時代から)ではカラーページがなかったのだから、隔世の感です。
 表紙はバスの正面を模しているが、「行先表示」に当たるタイトル部分は、昨今の白色LED普及を受けてなのか、文字が白くなりました。京阪バスそのものにはまだないようだが。
 シリーズ17から四半世紀以上経つが、この間の京阪バスのグループは、他の事業者以上に変化が大きかったかも知れません。京阪国際観光自動車の解散と、京都交通の路線網の南部の譲渡(京阪京都交通)がR71、さらに京都南部の再編成があったのが、今回のV101になります。
 適宜シリーズ17及びR71との比較も交えて分析するが、事業者・事業所の変化もあり、単純な比較はできなかった部分もありました。

◆ 京阪バスグループの車両たち

1.まず、グループ全体の車両数と事業所の、この26年間の推移を簡単に整理します。
(単位はR71までは「両」だが、ここでは「台」で統一)

シリーズ17 772台 (京阪バス 587台 京阪宇治交通 121台 京阪国際観光自動車 64台)
R71 833台 (京阪バス 630台 京阪シティバス 13台 京阪宇治バス 93台 京阪京都交通 97台)
V101 839台 (京阪バス 618台 京都京阪バス 97台 京阪京都交通 124台)

 事業所は、京阪バスは、シリーズ17では大津・山科・洛南・枚方・交野5営業所体制で、洛南の配下に香里団地と高槻、交野の配下に寝屋川と門真の支所がありました。4支所はR71時点では全て営業所に格上げ、他に旧京阪宇治交通の男山営業所と、田辺支所を前身とする京田辺営業所があり、11営業所体制となっていました。洛南の路線バスは京阪シティバスによって運行されています。
 今回のV101では、高槻・香里団地・寝屋川・門真は再び支所に格下げされた他、大津と京田辺も支所格下げとなっていて、5営業所・6支所体制となっています。
 京都京阪バスは、京阪宇治交通時代からの宇治〔営〕と、田辺支所から格上げの京田辺〔営〕、京阪シティバスの洛南〔営〕が、八幡〔営〕1ヶ所に集約されています。
 京阪京都交通は、亀岡・西京の2営業所体制は変わらないが、亀岡〔営〕配下で貸切車のみ4台配置されていた北古世車庫が閉鎖されています。
 廃業した京阪国際バスは、伏見区上鳥羽に本社・車庫がありました。

2. 京阪バスは、全体の台数618台は、R71から12台減少しました。 乗合車は、R71(シティバス含む)から4台と微増。門真〔支〕が8台、洛南〔営〕(前回はシティバス)と大津〔支〕が5台ずつ増加している一方、枚方〔営〕が8台、香里団地〔支〕が7台減少しています。枚方〔営〕はそれでも京阪バスでは最多の79台の配置で、乗合車全体の15.28%を占めています。
 配置の割合を、京都府域、大阪府域、滋賀県(大津〔支〕)で分けると、大阪府域58.41%・京都府域34.43%・滋賀県7.16%と、R71の時点とほぼ変わりません。やや京都府域の割合が高くなりました。
 高速車は、R71(シティバス含む)から15台の増加。京田辺〔営〕が4→14台、枚方〔営〕が5→12台と増加したが、高槻・門真両支所への配置がなくなりました。
 貸切車は、72→36台と半減しています。大半は乗合車からの転用で、純粋な「観光バス」は洛南〔営〕4台と枚方〔営〕の1台、合計5台と思われます。乗合車から転用の大半はロマンス仕様。
 定観車は引き続き洛南〔営〕のみに配置。R71からは4台増。
 特定者も引き続き男山〔営〕のみに配置。
 京都京阪バスは、R71の京阪宇治バスからは4台増。新たに高速バスを受け持っていて、この分だけ増加しています。
 京阪京都交通は、27台の大幅増となっています。乗合車の増加の他、特定車が新たに配置されています。乗合車は、郊外の亀岡〔営〕の方が多いのはR71から変わらない傾向で、興味深い。亀岡が旧京都交通の元々の地盤の一つだった事と、西京〔営〕は京都市営バスなどもあるからか。

3. 平均車齢を、事業者別・用途別に出してみました。
 京阪バスの乗合車は9.28年(2019年式は車齢0年とした)で、R71の6.14年(2010年式を車齢0年)からは大幅に高齢化しました。2006(H14)年式が63台で全体の12.19%、2007(H15)年が56台で10.83%を占め、全体の1/5以上になっています。両年式は、R71でも2004(H16)年式に次いで多くなっていました。これ以降、新規投入のペースが鈍っている事を意味しています。
 事業所別で注目されるのは大津〔支〕で、R71の11.19年→今回4.54年と大幅に若返り、事業所別でも最も若くなりました。昨年に一挙9台の導入があり、支所全体の約1/4です。また、2018(H30)年式全体でも1/4を占めます。2011(H23)年以降、全体的に新規投入のペースが落ちる中、大津〔支〕は安定して新規投入が図られてきました。
 また、山科〔営〕も、車齢はR71の6.73年→今回8.44年と高齢化はしているが、2012(H24)年と2013(H25)年に12台ずつと、まとまった新規導入が見られます。2012(H24)年は全体の新規導入の2/3、2013(H25)年は半分を占めていて、この数年は稲荷山より東にかなり新規導入を集中させている事が伺えます。
 一方、大阪府域は急速に高齢化しており、全事業所が、R71時点で6年前後→今回8~11年強となりました。特に高槻〔支〕は2012(H24)年式以降の配置がありません。
 なのでエリアで見ると、大阪府域5.47年→10.04年、京都府域6.10年→8.98年、滋賀県11.09年→4.54年と、R71とは完全に逆転しました。大阪府域は2000年代の車両が281台あり、未だに府域全体の62%を占めていて、これが高齢化を招いている要因になっています(大津〔支〕は2台しかない)。どういう理由でそうなったのか、ちょっと思い浮かばないのだが。
 最高齢は、山科〔営〕と男山〔営〕に1台ずつ残る2002(H14)年式。
 高速車は7.42年で、これもR71の4.91年から高齢化しています。京田辺〔営〕が8.21年と高い。
 貸切車は11.58年だが、純粋な「観光バス」5台だけだと8.40年。
 定観車は15.09年→7.20年とかなり若返りました。ただし2014(H26)年式を最後に新規投入がない。特定車は11.50年。

 京都京阪バスは、乗合車は11.03年で、R71の9.68年より高齢化。2002(H14)年式が9台残っていて、全体の12.16%と、未だに最大勢力になっています。最高齢は1998(H10)年式の1台。
 4台ある高速車は14.25年とかなり高齢で、2001(H13)年式が2台あります。
 貸切車は9.32年で、こちらはR71の10.61年からは若干若返っています。純粋な「観光バス」は12台とみられ、平均車齢は6.33年で、京阪バスより若い。

 京阪京都交通は、乗合車は11.99年で、R71時点の12.18年より若干若返ったが、まだ高齢。2000(H12)年・2002(H14)年式が各11台で、共に全体の10%以上。亀岡〔営〕の方が若いが、西京〔営〕との大きな差はない。最高齢は、亀岡〔営〕と西京〔営〕に2台ずつ残る1994(H6)年式。20世紀の車両が19台残っていて、全体の18%強。最高齢ではないが、「京都22か」の登録番号が3台残っています。
 高速車は西京〔営〕の2台のみで、2001(H13)年式と2005(H17)年式の2台のみ、平均車齢16.00年。
 貸切車は平均車齢12.11年で、R71の11.40年より若干高齢化。リエッセ・ローザを含め、全車両が「観光バス」。
 
4. メーカー別では、グループ全体で日野が圧倒的なシェアを持っています。
 京阪バスは日野63.43%、三菱ふそう20.55%、いすゞ15.69%、トヨタ0.32%。R71(シティバス含む)との比較では、日野はほぼ変わらないが、三菱ふそうは大分減り、代わって、シリーズ17ではボンネットバス1台のみ、R71でも8台のみで1.24%だったいすゞが、大幅に割合を高めました。旧京阪宇治交通から転籍していた日産ディーゼルは消滅しました。かつてはバンホールのダブルデッカーを運行していたが、現在は外国車の在籍はない。
 京都京阪バスは、日野53.60%、いすゞ24.74%、三菱ふそう20.61%、日産ディーゼル1.03%。京阪宇治バスだったR71との比較では、日野は微減、三菱ふそうは横ばい、日デは1台のみとなり(京阪バスグループ全体でも唯一となった)、代わってここでも、いすゞが台頭しています。京阪宇治交通時代のシリーズ17では日産ディーゼル46.28%、三菱ふそう53.71%と、この2社でほぼ拮抗していたのに、四半世紀で全く様変わりしました。
 京阪京都交通は、日野69.35%、三菱ふそう20.96%、いすゞ9.6%。こちらも日野の割合は、微減ではあるがほぼ変わらない。ふそうが減少し、R71では在籍がなかったいすゞが勢力を伸ばしています。

5. 乗合車のノンステップ率は、京阪バスでは66.73%となり、R71時点の38.82%から大幅に上がりました。
 特に大津〔支〕は4.76%→78.33%となり、一気に3/4以上がノンステップ車となりました。この数年の集中的な新規投入の成果でしょう。山科〔営〕も新規投入が多いが、こちらは未だ21.33%に留まっています。R71時点の4.11%からは大幅に向上しているが、山へ向かう路線が多く、ワンステップ車の投入が中心だからか。
 ノンステップ率が一番高いのは、香里団地〔支〕の93.10%。京都府域では男山〔営〕の88.89%。一方門真〔支〕が50.00%、寝屋川〔支〕が56.82%、京田辺〔支〕が57.58%に留まり、事業所によってノンステップ率の差が大きくなっています。
 エリア別では、大阪府域72.85%、滋賀県78.33%、京都府域53.93%。
 京都京阪バスは77.03%。R71時点の京阪宇治バスは34.58%でした。
 京阪京都交通は50.00%とちょうど半分で、まだ低い。R71時点では10.71%だから、これでも大幅に向上しているが。亀岡〔営〕が58.62%で、京都市内中心の西京〔営〕(39.13%)より大幅に高い。
 いずれの会社・事業者も、主力の日野の乗合車のラインナップが全てノンステップになったから、次の10年で、ノンステップ率は80~90%くらいにはなるのではないか。

6. 京阪京都交通は、124台中51台が元京阪バス(別のグループ会社から京阪バス経由も含む)で、全体の41.0%。乗合車に限ると44台で、42.3%。この中には、高速・観光タイプの車両が16台あります。グループ外からは、旧京都交通からの引き継ぎが特定で1台残っているほか、乗合車で南海バス、貸切車で名阪近鉄バスからの移籍車両がいます。旧京都交通が引き継いでいだ旧大阪市営・神戸市営バスは全滅しました。
 京都京阪バスは、元京阪バス・京阪シティバスが24台。全体の24.7%で1/4に近い。乗合車に限ると20台で、32.43%。うち2台は元京阪宇治交通で、一度京阪バスに移籍しています。

7. 低公害車は、R71時点で京阪バスに6台あったCNGノンステップ車(全てブルーリボンシティ・ハイブリッドの改造車)は割と早期に全滅し、ハイブリッド車も、京阪京都交通の貸切車(セレガ・ハイブリッド)1台のみ。主要事業者グループにしては、現状では低公害車の割合が極めて小さい。

◆京阪バスのあゆみ
 前回書いた事と、ある程度重複します。
 京阪バスは、京阪電鉄が鉄道事業の培養として、地元の比較的小規模の事業者が買収・統合の結果成立した事業者で、京阪電鉄が直営でバス事業を行った事はない。
 戦前には、前身の京阪自動車が、京都~亀岡間の路線も運行していたが(買収の結果)、旧京都交通の前身の事業者に譲渡している。だから京阪京都交通による亀岡地域路線は、京阪としては復活ともいえる。あるいはこの時の経験が、京阪による旧京都交通南部の譲渡に結びついたのかも知れない。京阪譲渡前の旧京都交通の車両の画像が数点あります。京阪譲渡後の、京都~亀岡間の国道路線の画像も。
 今の京都京阪バスは、京阪宇治交通の分社だった京阪宇治バスが、京阪バスの分社だった京阪シティバスを吸収、だから分社同士の合併で成立した事になる。
 もともと京阪バスのグループの変遷は複雑だったが、京阪HDの成立によって、京阪バスは京阪電鉄と、HDの傘下で対等になったという事になります。その下に、京都京阪バスと京阪京都交通が置かれている訳です。ようやく再編成も一息、という所でしょうか。
 
◆京阪バスのいる風景
 これが「Vシリーズ」の目玉か。カラー写真で、京阪バスのグループの走行風景が並べられています。
 越畑集落を走るのは、R71の「終点の構図」で取り上げられていた、原への路線です。前回も書いた事だが、越畑は京都市右京区といっても中心からは遠く離れ(右京区の区役所があるのは、太秦天神川)、ほぼ飛び地。棚田も残っているのだそう。「フレンドパークまつばら」という施設があり、そば打ちの体験もできるのだそうで、魅力的な場所です。残念ながら公共交通アクセスが不便、という事になるが。

◆水辺と古刹の桜を愛でる
 シリーズ17では、当時在籍していたエアロキングを使用した、京都市内の定期観光バス「グランパノラマ」3コース、R71では、クラッセブックス編集長富田康裕氏による、京都駅を基点とした、一休寺・延暦寺・比叡山などを周回する紀行でした。
 今回の谷口礼子さんの紀行はもう少し幅が広くなって、大阪府の枚方市を起点として、京都駅を経由して保津川の渡船場を終点とするコースになりました。紀行に京阪京都交通が出てくるのは初めて。
 今回から、最初のページはカラーになりました。これまで何回か、「あれがきれい」「これが美しい」と言われたら、少しでいいからカラー写真を出してほしいなあ、と書いていたから、これはうれしい。藤阪ハイツ、東寺、保津川、みな桜が美しい。
 藤阪ハイツからの樟葉行の乗客は皆シニアで、「現在の団地の状況を反映している」か。「京阪バスがいる風景」の門真団地も、居住者の高齢化が進んでいるとキャプションにあったし、沿線人口の高齢化は京阪バス、さらには京阪電鉄にとっては懸念材料、となっていくのだろうか。
 谷口さんも月桂冠なのか。R71の富田氏も、月桂冠の記念館に立ち寄っているし。
 ここでも一休寺に立ち寄っていて、京都市中心部との間は「直Q京都」を利用(ただし今回は大石橋で下車)東寺の夜桜見物は結構だが、実際に行こうと思ったら、これもタイミングが難しそうだなあ。正直人混みは敬遠だし、桜の季節は短いから。京都の中心では仕方がないだろうけれどねえ。
 保津川下りの乗客は、5/6が外国人なのか!イマドキ当然の傾向なのだろうが、難しい時代になったねえ。有名とはいえ、ローカルな船下りでは、外国人対策(特に言語)は大変だろう、と思ってしまう。プラスして嵯峨野観光鉄道を加える事ができれば、良かったかな。
 京阪バスの系統の呼称は、「経路」が正しいの?京阪バス、京都京阪バスは「経路」で良さそうだが、京阪京都交通の公式Webでは、「系統」になっています。

◆終点の構図 小田原
 シリーズ17は旧京阪宇治交通の茶屋村、R71は前述の通り、京阪京都交通の原でした。茶屋村への路線は、京阪バスグループとしては廃止となっていて、宇治田原町のコミュニティバスに移行しています。
 小田原、と聞くと、神奈川県民としては当然、箱根の玄関口に位置する西部の市の名前を連想してしまうが、こちらの小田原は正反対の田舎町、の様子。大津市の南の外れに位置していて、茶屋村とは、府県境を挟んで反対側に位置しています(距離はあるが)。現状では平日5本・土休日3本しかありません。昔は路線が繋がっていても、小田原を過ぎると府県境付近、維中前がある宇治田原町まで何もないので、廃線はやむなしだったのか。
(歩いて行くと、京都府に入ってすぐに猿丸神社バス停があるが、維中前とを結ぶバスの運行は、祭日の毎月13日のみ) 

◆京阪バス・京都京阪バスの路線エリア
◆京阪京都交通の路線エリア

 京都交通は、元々は京阪グループでなかったからか、京阪バスなどとは別に記されています。
 京阪バスと京都京阪バスは分けられていない。シリーズ17では、旧京阪宇治交通は破線で区別されていたのだが。全体のエリアは、基本的には、淀川より南で、京阪本線とJR学研都市線(片町線)に挟まれたあたり。滋賀県~京都府に跨がっていた旧京阪宇治交通エリアは、R71の時点で、県境付近で分断されてしまっていました(その滋賀県側にあるのが、小田原の終点)。
 京阪京都交通は、JR嵯峨野線(山陰本線)の沿線に路線網があり、京阪バスとのつながりは、京都市内の中心部を除いてない。R17ではかなり北部まで路線が延びていたが、今回はなくなっています。「美山ネイチャーバス」の区間で、バスそのものは存続しているが、一般の路線バスではないから、今回消されたのか。あとは一部廃止になった区間はあるようだが、基本的にはR71時点の路線網を維持しています。
 グループ全体の高速バスは、かつては福岡へ行く路線もあったが、現在夜行は東京路線(5月15日から、大手町へ延伸している)のみ。なお、20日から11月24日までの毎日、京都・京田辺~高野山(奥の院)間の高速バスが運行されます。南海りんかんバスとの共同運行で、1日2往復。所要時間2時間40分。

 京阪バスは日常的に利用する事業者ではないから、あまりどうのこうのは言えません。上記の通り、大阪府域の団地の住民の高齢化など懸念材料は多々あるようだが、ともかくグループ3社が結束して、地域のバスを盛り上げていく事が求められていくのでしょう。特に京阪京都交通の北部(亀岡を中心としたエリア)は、まず最低でも利用の維持がはかられる事が求められます。
 京都府域、特に京都市内に関しては、同じ京阪の資本下にある京都バスや、京都市営バスなどとの協調の強化が求められるかと思います。京阪バスの受託撤退による京都市営バスの経営への影響は懸念材料だが(一般のニュースにもなった)。加えて京都市内は他地域以上に新規バス事業社の参入が多いように思われるが、なんとか波風立てずに協調体制を築ければ良いのではないかと思います。
 CNGバスがなくなり、乗合車は低公害車両がいない状況になっています。主力の日野のブルーリボン・ハイブリッドの導入はあり得ないか。京都を地盤の一つとする事業者でもあるし。事業の主力の一つである大学等の学生輸送関連で、ハイブリッド連接バスの導入とか、あるだろうか。
 定期観光バスは新車両導入でテコ入れがはかられているが、過去にはバンホールや、上記の通りエアロキングを運行した実績があり、バンホールが走っていたのなら、アストロメガの新規導入は期待できないだろうか。高需要の高速バス路線も含めて。
 ともあれ、次のBJシリーズの刊行までの約10年?の、京阪バスの飛躍を期待します。

 次回刊・V102は京成バスと予告されています。2002(H14)年のNEW36(当時は京成電鉄)、2008(H20)年のR64に次いで、3回目の刊行となります。今月中旬刊行、というから、もう本屋に並ぶのか?ところで「グループ6社」と記されているが、1社少ないはず。BJエディターズの公式Webをのぞいてみたら、あれ、京成トランジットバスは?

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
11日 堺前市長 政治資金問題 大阪地検特捜部が家宅捜索 
12日 渋野日向子 オーバーパーなし連続29ラウンド 国内新記録

 関東地方は台風15号の影響が未だに甚大で、特に千葉県では房総半島南部のJR線や小湊鐵道、いすみ鉄道の不通が続いています。成田空港交通の営業所では、地元住民に水を提供したとか(地下水なので飲用には向かないそう)。千葉市の市長が県や東京電力に対して怒りをあらわにしたとも聞くが、とにかくライフラインの復旧がある程度でも済んで、住民を皆元の生活に戻すのが最優先、ではないでしょうか?「あいつが悪い、こいつが悪い」と責任を追及するのは、その後の話だと思う。神奈川県も、神奈中バスがいまだ1路線迂回運行中。それも山間部ではなく、鎌倉市内だ。