№2037 新生三陸鉄道と BRT縦貫の旅 3.BRTの今と 三陸鉄道旧南リアス線

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 大船渡・気仙沼線のBRTは、開業直後の2013(H25)年4月14日に盛→柳津で乗り通し、№933で書きました。当時は両路線とも専用道路がまだ整備されておらず、大半が一般道路だったし、陸前高田は仮設の乗り場でした。あれから6年、どう変わっただろうか、読み比べて頂けると幸いです。一気に行きます。

** 気仙沼線 **

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 柳津11時33分発が、専用ホームに入ってきました。実際の運行は、ミヤコーバス佐沼〔営〕。

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 単線断面のトンネルを抜けていく。長いので、前後には信号設置の行き違い場所があります。

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 トンネルを抜けた先の、信号付の行き違い場所で停止。柳津行の到着を待ちます。みなみさん

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 志津川の手前で一般道におります。志津川駅は、6年前のカプセル状の「駅舎」があった場所とは別の、プレハブの小屋が建つ折返し場所に入る。
 志津川の中心部は一般道。右手の丘を上がって南三陸役場・病院前(病院の前が乗り場)、戻って左の丘の志津川団地中央と、めまぐるしい。

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 志津川団地中央の先で専用道に戻るが、左手にも専用道があるのに、今は使われておらず、ロープが張られている。

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 清水浜の手前の、信号付の交換場所で、今度は向こうが待っていた。

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 歌津。6年前はトンネルを抜けるとここで一般道に乗り換えたものでした。

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 長いトンネルを抜けて、陸前港の手前で一般道(R45)へ。しかし専用道の工事も進行中のよう。

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「過去の津波浸水区間」。この標識はこの後も、岩手県にかけてR45の各地で見られる様になります。

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 本吉。ここも6年前は駅前広場発着だったものが、専用のプラットホームが造られています。
 ここで少々停車。トイレ休憩も兼ねているようだ。また、ドライバーもここで交代。降車したドライバーは、ミヤコーバスのマイカーで営業所に向かいました。
 私はここで途中下車します。

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 専用道延伸を見据え、旧鉄道ホーム付近に、また新しく専用プラットホームを造成中です。

 ここで下車したのは、後続の本吉始発気仙沼行が「e-BRT」運用、と記されていたから。しかし…。

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 下の津谷〔営〕から現れたのは、「普通の」ブルーリボンシティ・ハイブリッド。「e-BRT」は、今日はお休み、だって…。

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 しばらくは専用道を走行するが、小金沢の手前でまたR45へ。R45上の小金沢駅。ミヤコーバスの赤井海岸のバス停を併設。

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 8年前の惨劇が信じられないくらい、穏やかな三陸海岸。8年経つと、「爪痕」というものはさすがにあまり感じられなくなったが、海岸沿いは、至る所で工事中だ。

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 陸前階上~松岩間がまた専用道。6年前より専用道区間が延伸され、真新しい橋もある。

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 この便は気仙沼市立病院経由で、松岩から一般道だが、逆行していく感じ。途中で一般のミヤコーバスとも出会います。結構遠回り(松岩~南気仙沼間は、直行の7分に対して、19分かかる)。

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 気仙沼市内中心部でグンとマイカーが増えるが、不動の沢からまた専用道路。大きくカーブを切って、鉄道の大船渡線と並走していきます。

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 気仙沼駅には、「ポケモントレイン」の姿がありました。
 気仙沼駅も、以前の駅前発着から、鉄道から転換した専用ホーム発着になっていました。

** 大船渡線 **

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 気仙沼の駅舎。それ自体は変わっていない。
 時間まで街中をうろついていたら、お天気雨?

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 14時20分発盛行。陸前高田まで乗ります。大船渡線は岩手県交通に委託。

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 こちらも、鹿折唐桑まで専用道になっています。なので以前見た、津波で打ち上げられた漁船があった町の様子は解らない。

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 専用道路から見た、気仙沼港。
 鹿折唐桑で一般道に降りる。この先上鹿折方向は、更地のまま。専用道にする事はないのか。
(上鹿折は、ミヤコーバスの金山行に乗る。平日6.5往復、土休日5.5往復)

 R45に乗って、岩手県に入ります。

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 陸前高田の中心部に入って、気仙中学校の校舎の跡。6年前と変わっていない。

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 6年前は保存作業中だった、「奇跡の一本松」。後は旧ユースホステル。これも変わっていない。

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 変わったのは、陸前高田駅。以前の高台から移転し、バスターミナルとして整備されていました。「駅舎」もあり、現在は毎日窓口が開いています。

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 バスターミナルにはBRTの他、岩手県交通の一般のバスも入ります。一ノ関からの長距離便も入るが、6年前に乗った夜行バス〔けせんライナー〕は入らない。

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 道路の反対側には、岩手県のスーパー「Maiya」を中心とした、ショッピングセンターが建っていました。

 次に、陸前矢作行に乗り換えます。エルガ・ハイブリッドでした。端折ってしまうけれど、沿線はまだ復興に向けた、再開発の途上、と見ました。旧JRバス東北の中学校前バス停がまだ残っている。遠野本線は震災よりはるか前、2004(H1)年に廃線になっているのだが。あるいは、何か別の用途があるのか?高速バスとかはないのだが。車内からは解らなかった。
 陸前矢作は、旧鉄道駅の近く、鉄道用地を転用した折返し場所に移転しています。

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 鉄道時代の駅舎。と言っても待合室レベルだが。

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 相対式ホームの真ん中の部分に、BRT乗り場に向かう通路が造られています。

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 旧ホームの駅名標が、まだ残されていました。でも、直接上鹿折まで行く事は、もうできそうにない。

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 反対側、上鹿折方向を見る。

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 専用道と交差する道路には、踏切のマークが残されていました。しかもSL。震災前からのものなのか?

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 BRT乗り場から専用道を見る。ここまで乗ってきたエルガ・ハイブリッドは回送で去って行って、別のBRCハイブリッドが回送で来ました。

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 改めて、陸前矢作のBRT乗り場。旧鉄道駅構内の東側を回転場所としています。
 この形態からして、やはり鹿折唐桑~上鹿折~陸前矢作間は、BRTとしても再生する事はないだろうと思われます。県境を挟む区間でこの区間だけの流動はほとんどなく、気仙沼~陸前高田・大船渡間の広域の流動は、比較的高規格のR45経由で走れば充分、という事でしょう。

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 6年前は「ここが終点?」と唖然とさせられた、旧陸前矢作。当時は折返し場所を工事中だったが、再度の移転で役割を終えて、解体されています。現役の姿を見る事はなかった。
 矢作「支線」はここと、あと竹駒駅付近も専用道になっていました。

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 高台にある栃ヶ沢公園。ここが、6年前の陸前高田駅でした。一般のバス停が並んでいるが(〔けせんライナー〕もここに停車)、バス停名が「陸前高田市役所」のままで、統一が取れていない。いずれ市役所も本庁舎に移転するはずで、なのでBRTは名前を変えているのだろうか。
 陸前高田に戻り、再度盛を目指す。

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 16時40分発は高田病院前経由便。5分遅れで来た(一番上の画像)。最後部に座る。せっかくの病院経由なのに、乗降なし。高校前は帰宅の学生が多かったのだが。
 高台の一般道を経由。穏やかな海を見る。

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 6年前は整備途上だった、小友からの専用道に乗ります。
(この専用道の開通により、開業時に設定された直行便の設定はなくなっている)

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 碁石海岸口の手前の、信号設備のある交換場所で、陸前矢作行を待ちました。気仙沼線も同じだが、信号がある場所だと、赤信号で一旦停止し「感知中」の文字が現れ、それから対向車がいないと青に切り替わって出発、という手順を踏む。ここは対向車があったのでしばし停車していたわけ。

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 鉄道時代のホームの跡が残る、細浦。その先にBRTのホームがあります。

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 終点近く、右手に港を見て、やがて三陸鉄道と合流して、盛に到着しました。盛も、旧鉄道駅施設を転用したプラットホームの発着になっています。
 大船渡線は、6年前は盛~大船渡間のごく短区間だけが専用道だったが、特に気仙沼市内と、大船渡市内では相当整備が進みました。一方で陸前高田市内は、「矢作支線」以外は専用道が見られなかったが、大津波が何もかもを押し流して、線路跡もヘッタクレもなかった、という事だろう。復興を期す市内は区画整理も行われていて、一般道を走ればそれで充分、という事でしょう。
 あとは、陸前高田市役所が移転して、それから、という事になろう。その時点でまた、路線の再編が行われるのか。BRTに関してはまだまだ書きたい事が一杯あるのだが、ともあれ大船渡線も気仙沼線も、BRTはまだ変化が繰り返される事になりそう、と感じました。次に再訪する機会があったら、また違ったものが見えるでしょう。

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 盛駅。6年前はBRTもここからの出発でした。今も岩手県交通の路線の一部が入るが、一番遅くても最終が18時台…。

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 陸橋から駅を見る。気仙沼行のエルガ・ハイブリッドが出発。右手は三陸鉄道。

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 岩手開発鉄道の盛駅。と言っても旅客列車が無くなってもう四半世紀を過ぎているし、ホームへの立ち入りもできないが、そのままの姿で残っています。向こうにBRTの待機スペースがあります。

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 もう一息、今日の宿泊地、釜石まで、三陸鉄道の旧南リアス線区間で行きます。6年前は、吉浜までの暫定再開、という状況でした。18時20分発の217D。36-715の単行。
 1ボックスに1~2名程度の乗車。

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 高台を行く列車から望む、三陸の海。BRTの車内でも痛感したが、こんな穏やかな海がどうして8年前、大津波として牙をむき、何千人もの犠牲を出す事になってしまったのか…。
 前方を時々、シカが横切る。

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 三陸駅で218Dと交換。
 車内の乗客は駅毎にパラパラ降りて行って、吉浜から先は、もう5人しかいなかった。皆男。

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 終点の釜石。行き止まりの5番線に到着しました。さすがに暗い。
 この日の釜石は、全国で2番目の猛暑を記録したらしい。海に近いのに?19時を過ぎても、昼間の蒸し暑さが残っているようでした。
 タクシーで、この晩投宿のホテルに移動。初乗り+2段階で済んだ。明日の転換区間の乗車に備えます。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
11日 群馬 防災ヘリコプター墜落から1年 記念式典開催
12日 西武 秋山翔吾 連続フル出場記録701試合 歴代2位
13日 DeNA パットンに罰金500万円 冷蔵庫殴打で骨折

 群馬の墜落と言えば、昨日は日航ジャンボ機墜落事故から34年となり、追悼式典が行われました。JALの赤坂社長も参列、昨年続発した飲酒問題で、遺族の方々から「厳しいお叱りを受けた」とも。平成の30年間は幸い、日本のキャリアによる旅客死亡事故は発生しなかったが、一歩間違えれば大惨事、という事態は、決して少なくはありませんでした。海外キャリアの惨事もありました。全ての関係者が、令和の世も引き続き、旅客死亡事故ゼロに向けて、研鑽を続けて欲しいと願います。
 香港の抵抗運動はさらに過激化し、空港機能がマヒして、日本路線を含むかなりの航空便に影響が出たようです。抵抗勢力は、今はまだ高揚感もあるが、前にも少し書いたが、自ら後戻りできない、危険な領域に踏み込みつつあるのではないか?妥協を全否定して運動をさらに先鋭化させ、香港全体を大混乱に陥れてしまった以上、もはや要求の100%達成以外に、道はなくなってしまった(退路は失われた)。香港政府側も、過激化した行動に、一方的に折れる事もできなくなってしまったし。それに、事が香港の領域の中だけで終わる話ならまだ良いが、中国メインランドの共産党政権が本腰を上げて介入してきたら、どうなるのか?「天安門」の二の舞も、全くない話ではないだろう。彼らなら言い訳はいくらでも作れるし、「内政問題」とすっとぼける事も、できてしまうので。
「超大型」台風10号が西日本に接近してきています。航空は今日から、鉄道は明日から影響が出そうで、JR西日本は、明後日15日の山陽新幹線は、終日運休になる可能性もあるとしています(具体的な運行計画は明日11時発表との事)。何より人的な犠牲が出ない事が第一だが、また復旧まで年単位の時を必要とするような、鉄道を中心とした交通の被災がなければ良いのだが…。去年の西日本豪雨の傷跡がまだ癒えていないのに。