№2034 バスマガジンvol.96(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.96」が、先月発売になりました。

国産初のハイブリッド連節バス Debue!
 既に他誌にも掲載済みの、国産初の(ハイブリッドである事を抜きにしても)連節バス、「バスマガジン」誌らしく、藤沢のコースで試乗したインプレッション。連節バスは1台と見なされるので、牽引免許はいらないが、牽引車の運転スキルがあると有利だろう、というのは同誌らしい表現かも知れない。
 リアに書かれた「全長17.99m」の表現は細かい。確か、外国からの導入の連節バスは皆、「18m」と書かれていたはずだ。
 連節バスに対する懸念は過去に何度も書いたから繰り返しはしない。ともかく完成車として世に出た以上は、うまく生かす方策を、バス会社も、行政等も、皆頭を絞って考えて欲しい。
「プラットホーム正着制御」が、注目の新技術ではないだろうか。一般のバスにも応用できそうだが、地上側にも設備を必要とするので、特に「BRT」で効果が発揮されるのではないだろうか。

おじゃまします バス会社潜入レポート Vol.96 奈良交通

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「100号」に向けてと言う事なのか、誌面構成が変わって、カラーページとモノクロページを分割して、別の記事を挟むスタイルになりました。
 奈良交通は、創刊間もないvol.3でも取上げられていました。2004(H16)年だから、15年振り(当時は創業60年だった)。
 表紙もだが、カラーページの風景は、どれも奈良らしいなあ。都会も田舎も。明日香の「赤かめ」が走る道路は、一見公道とは思えない感じ。
 車両面では、全体的な傾向は15年前と変わらず、日野が主力で一部にいすゞ。連節バスのスカニアが入ったが、15年前は導入したばかりだった三菱ふそうエアロキングはなくなり、「ならまちバス」のような個性派車両もない(一時期元京急「りんどう号」も走っていたが、この15年の間だけで、どちらにも画像がない)。3ドア車は、テキストの通りならあと17台。20年以上経つのでそろそろ見納め、とも思うが、一般路線で運用される、日本最後の3ドア車、となるかも知れない。
 事業所は、南紀〔営〕がなくなり、エヌシーバスで再編成が行われている。十津川〔営〕は、奈良交通バスの配置は2台(リエッセとポンチョ)しかないが、白ナンバーの十津川村営バスの運行受託が中心、という事だろう。
 スカニアの連節バスが入ったが、日野・いすゞのヘビーユーザーであれば、上述の国産ハイブリッド連接バスの導入が、特に3ドア車が残る近鉄奈良線沿線では、期待されるのではないでしょうか。学園前駅のバスターミナルが、連節バスに対応できるか、だが。

バスドライバーへの道
「どらなびEXPO2019春」のルポ。どこも相変わらずドライバーの確保には四苦八苦のようで、先日宮古に行ったら、岩手県北バスでは、正面にまで「運転手募集中」とラッピングされた車両が走っていたほどだ。関西会場にも関東の大手事業者がいくつか見られるし、関東会場にはまた十勝バスが来ている。先日新しい最低賃金がほぼ決まって、東京都と神奈川県が1,000円を超えた事が話題になっているが、東京都が1,013円に対し、北海道は861円となる見通しで、格差が2円広がってしまった。どれだけ本州の人が北海道まで来てくれるか、正直懸念もあります。賃金以外の魅力で、惹きつける事はできないのだろうか。秋は名古屋でも開催予定。

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.28 富山県

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 前回は9年前、2010(H22)年のVol.43で取上げられていました。基本的な構図は、大きくは変わりない。富山地方鉄道とその系列で大半を占めるが、前回の富山地鉄中央バスが、富山観光バスとの合併で(独自に一般路線があったが、9年前には路線バスはもうなかった)、富山北斗バスと改められている。地鉄は、ブルー系の旧塗装は、もう1台しかないらしい。個人的には、こちらの方が好き、かも知れない。
 富山空港へのリムジンバスがあるが、北陸新幹線の開業で、一番の主力だったANA羽田便が減便・ダウンサイジングされているのは痛いだろう。国際線の展開に期待、だろうか(週3便飛んでいるエアソウルのソウル便が、日韓関係の極度の関係悪化で懸念されるが)。富山ライトレール接続の、EVのバスはないのか。フィーダーのバスは変わったようだけれど、もう少し電車に合わせて、レベルアップを図って欲しいなあ、というのが、以前富山ライトレールを訪れた時に感じた事でもありました。
 立山黒部貫光はハイブリッド車が主力になったようだが、さらにもう一押しで、EVバスの導入が期待されるのではないか(温暖化で春先の雪の壁が溶けちゃったら、名物がなくなっちゃうよねえ)。また、トロリーバスが数年後には存続できるかどうかの判断を迫られると思う。あるいは関西電力同様、EV転換もあり得るかも知れない。
 なお、福光には金沢から西日本JRバスの路線があり、現状でも4往復ながら運行が維持されているが、ここにはありませんでした(15年前にもなかった)。

開業50周年を迎えた 東名ハイウェイバス
 でも気づけば、国鉄よりJR、しかもJRバス関東とJR東海バスの、旅客鉄道から分離されたバス専門分社で運行されている期間の方が、圧倒的に長くなってしまいました。
 私のようなオールドファンなら、東名ハイウェイバスと言えば、富士重工ボディの、少し古臭いけれどモノコックの車体の国鉄専用型式、という印象が強いだろう。民営化後はどんどん在来の民営バスと共通になっていって(車両だけでなく、運賃制度なども。鉄道との共通性がほぼなくなった)、外国製車両の導入や、ハイグレード車両とエコノミー車両と、格差をつけるようになった、というのが近年の流れか。
 前にもどこかで書いたが、既に6月10日の満50年は過ぎてしまったが、是非もう一度キャンペーンを展開して欲しい。特に車両。関東でも東海でも国鉄色の再度の復刻(数年前に一度あったが、あれはラッピングだったし、ブルーの色調が明らかに異なっていた)を。そして、既に小田急箱根高速バスに旧小田急電鉄色があるし、さらに東急バス(東急トランセ)が東名急行カラーを復刻させて(東急の資本が入っていたので)、3社並べてイベントでもやったら、大いにウケる事、間違いなしだと思う。

「しばり」のバス旅ミッション
 韓国経由の九州往復+ギャンブル、の後半。今回は+下関競艇。下関は関門海峡を隔てていても、北九州との結びつきがかなり強いのはまちがいない(だからJRも、九州の電車が下関まで入るし、SUGOCAが導入されている)。
 下関競艇は、マイカーの利用が圧倒的に多い、か。バスは下関駅発2便・下関行3便しかない(1往復は彦島営業所発着)のは、マイカー利用の他、山陽本線の長府駅から徒歩3分、という事もあるのだろう。なお、近隣のホテルでは、下関競艇来場者への大幅な割引料金プランがあるらしい。
 今回は韓国(釜山)はついで、という感じになってしまったが、昨今の日韓関係の極度の極度の悪化は、重大な懸念材料。JR九州の高速船も、かなり影響が出ているらしい。「しばり旅」のプランニングも、難しくなりませんか?

鈴木文彦が斬る!バスのいま 第22回
 池袋の暴走事故を見て、運転免許自主返納者が急増しているという(正直に言うと、実は私も運転免許返納者です。一昨年の話で、暴走事故とは関係ない)。受け皿をどうするか、という話。これもまたバス会社だけでなく、というよりは政治・行政が先頭を切って考える事では亡いか。
 ここでは免許返納からの話になっているが、全体的にマイカーから公共交通(特にバス)に乗り換えてもらうにはどうするか、という話にも通じると思う。何回も書いているが、大型ショッピングセンターができるたびに近郊の道路が大渋滞し、バスの運行に悪影響が及ぶケースが、未だになくならなくて、正直はらだたしい。温暖化防止などの環境問題の面からも、マイカー依存そのものを、全面的に見直すべき時が来ている。それは、政治・行政になんとかしろ、と叫ぶだけではダメ、我々自身がライフスタイルを見直し、変えなければならない(昨今世界的に展開されているこの種の活動家達の運動は、この部分が欠けている)。ただ、そのためには、受け入れる公共交通の側も、容易に乗り換えて貰うような、積極的な施策を採る必要があるでしょう。上で書いた富山県は、ある程度その辺を意識しているように見えるが。免許返納問題を機に、この点にも踏み込んで、皆で知恵を絞って欲しい。

終点の情景を求めて
 鞆鉄道の内海農協前。鞆鉄道の廃線は1954(S29)年だそうだからもう65年も経ってしまったが、バス専業になっても未だ、「鉄道」の二文字を名乗っている。正直福山は行く機会を作れない。確か、昭和の終わり以降、通過はあっても立ち寄った事がない。井原鉄道や福塩線と組み合わせて、もう一度降り立ってみようかなあ。

 岩手県北バスの盛岡~宮古線は、7月31日からアストロメガを導入しているが、実は30~31日にかけて宮古市内に宿泊していたので、31日に宮古駅前で待っていました。撮影が適うかは解らなかったが、実はそれどころか、この日の宮古発は、普通のセレガだった…。セレモニーをやる盛岡発便から、だったそうだが、実は地元の県北バスの社員も知らなかったみたいだ。どうなっているんだろう?(旅行については次回から書く予定です)。

 前号ではじまったばかりの「平成初期のバスを振り返る」、いきなりお休み…。
 今号は珍しく?前号で予告された通りの掲載となりました。次号の予告を見ると、もうハイブリッド連節バスの導入が決定している事業者が存在する、という事か?やはり東京BRT?予告通りになるなら、期待です。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 九州新幹線・長崎ルートの佐賀県内区間について、与党の検討委員会は「フル規格」が適当をまとめ、佐賀県と長崎県に説明する方針となりました。私個人としても、フル規格の方がスッキリしていいとは思うが(こんな事なら、最初からそう計画すべきだったような気がする)、佐賀県が反対しているので、重い負担にならないようなスキーム作りが肝要、ではないだろうか。佐賀県内でも、県と地元自治体では多少温度差があるようだが。日本の新幹線整備は、中国のようにスイスイ、とは行かないなあ。中央の政治が強権的に事を進めるのは問題だけれど。
 今日は京成線で停電が発生し、駅間に停車した電車の車内の乗客が複数、体調不良を訴えているという事。冷房が効かなくなるから…。こういう事態になったら、運転開始が大幅に遅くなってもやむを得ないから、車内の乗客の早急な車外への脱出、これを最優先させるべきではないか、と最近は思うようになりました。一日中朝から晩まで猛暑が続くような、昨今の真夏ではなおさら。温暖化防止の一環で、電気で動く電車への期待は世界的に高まっているようだが、先日の京王の永山の変電所の一件もあるし、トラブルなく、安定して電力を供給し続けるシステムの構築が、どの電化鉄道でも欠かせないでしょう。京成のような、国際空港アクセス鉄道では、なおさら。

《今日のニュースから》
 4日 千歳基地航空祭 新政府専用機B777-300ER 飛行披露
 5日 ロシア・クラスノヤルスク 軍弾薬庫が大規模爆発 
 6日 神戸大学のカッターボート 和歌山市沖で転覆

 台風8号が九州を直撃して影響が心配されたが、JR九州は、今日一日は混乱したが、明日は一応全線、通常通りの運行に戻れるようで、何よりです。ただこの後も台風が相次いで日本に近づいてきていて、大丈夫だろうか…。
 またアメリカで銃乱射事件…。しかも南北で2ヶ所。正直、何も言いたくないです。これがアメリカなんだ、と思うしかない。世論がいったいとなって、「もう銃とは完全に決別するんだ」という雰囲気を、作れない所が、根本的な病理だと思う。基本的に「力」を信望する思想が根本にある国だから。トップからしてそうだもの。あとエルパソに関しては、若干21歳の若者が、どうして大量殺戮に駆り立てるほどの人種差別的思想にどっぷり浸ってしまっていたのか、そこから考える必要もあります。
 香港のデモが過激化し、日本発着の空路にも影響が出ているが、抗議活動者たちはひょっとしたら、自ら後戻りできない危険な領域に、自ら踏み込んで、抜け出せなくなってしまっているかも知れない。