№1986 バスマガジンvol.94(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.94」が先月末発売になったが、少々遅くなってしまいました。
 表紙は、鹿児島氏の天文館付近を走るJR九州バスのエアロスター。後方の山形屋は鹿児島一の百貨店で、かつては鹿児島交通のバスターミナルも併設していました。

2019年型 NEW MS06 出撃!!
 新エアロクィーンとエアロエースって、2008(H20)年のBKG-MS96系が始まりだから、早いものでもう11年か。
 エンジンは先代の2TG-MS06系と同じなので、スペック的な変更はない。大きく変わったのは安全システムで、

① ドライバーの異常時に、乗客などが操作する事で自動的に停止させられるスイッチの装備
② 「アクティブ・サイド・ガード」の採用

の2点となろうか。
 ただ、鉄道と違ってバスは、①レールで車輪がガイドされる鉄道と違って、左右方向のコントロールはドライバーまかせ、②他の乗用車等と、道路は供用、という違いがあり、異常時の自動停止システムは、バス自体としては最善としても、全面的には完全に安心、という事は言えないと思う。システム作動中にカーブを曲がり損ねる、他の車両と衝突する、などの危険はあり得る。なので、乗客の側としても、走行中(特に高速道路)は、シートベルトをキチンと締めるなどの、自衛の策は講じておきたい。ドライバーの異常がなくても、事故は起きうるのだから。
 ヘッドライトの形状が変わったが、個人的には前のデザインの方がシンプルでいいと思っていたのだけれどなあ。
 

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.26 茨城県

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 本来は前号で予告されていたのだが。
 前回はvol.93で取り上げられていました。ちょうど10年前。基本的な構図、関東鉄道(とその子会社)、茨城交通、日立電鉄交通サービスの大手でエリアが3分され、隙間を埋める形で路線を大幅に縮小したJRバス関東に、そのJRバスを引き継いだ中小事業者、東武の系列の朝日自動車と茨城急行自動車、独立系の大利根交通などが支えているのは変わっていない。ただし、特に茨城交通は、前回の刊行直後にみちのりHDの傘下に入り、一度分社した茨交県北バスを再度本体に戻した上、茨城オートを吸収合併している 。5月1日、令和の世が始まると同時に、同じみちのりHD傘下に入った日立電鉄交通サービスと合併、これで茨城県は、水戸市内でエリアが被るが、南の関東鉄道(グループ)と、北の茨城交通に二分される事になります。
 廃止になったローカル鉄道路線のBRT転換路線が2路線あるのが目を惹く。「かしてつBRT」は前回の刊行直前に運行を開始しているが、旧日立電鉄線の線路跡を活用したBRTも、2013(H25)年に開業、今月1日には常陸多賀~大甕間の専用道が本格開業したとの事。今後の日立駅乗り入れは、茨城交通の元で行われる事になります。
「桜東バス」とはブランド名で、前回は晃進物流として掲載されていました。
 利用者は南部のTX沿線あたりを除くとやはり減少傾向だそうだが、高速道路の整備が進んでいて、ここを走る高速バスが、県内のバス業界全体を引っ張って行く形を作れるといいと思います。関東鉄道と(新)茨城交通の一層の協調関係の構築が望ましい(ICカードの互換性がないのが残念)。
 茨城交通は「ガルパン」がなかったねえ。以前聖地巡礼の連載で取り上げていたのに。新ラッピング車を作ろう、という話があるらしい。6月15日には劇場版第2弾公開。

おじゃまします バス会社潜入レポート Vol.94 JR九州バス

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 JR九州バスも、Vol.45で取上げられていました。2011(H23)年1月の刊行、九州新幹線鹿児島ルート全通を間近に控えていた頃で、新八代で接続する「B&Sみやざき」用のエアロエースも、速報でカラー写真が掲載されていました。
 一般路線バスに関しては、整理が一段落して、エリアの集約が完了した直後くらい。これが、今でも基本的には維持されています。細かく見るとなくなってしまった区間も、一部にはあるようだが。
「牛の岳線」の写真は懐かしいなあ。15年前、終点の牛の岳まで行った事は本体でも書いています。嬉野温泉から先にテクテク1時間半かけて歩いて行ったのだけれど、ただ、「大茶樹」という大樹があるのは知らなかった。むしろ途中にあった、65年前の国鉄バス遭難の慰霊碑が目を惹きました。「この路線はいつまで持つだろうか」みたいな事を書いて締めたが、15年後の今も、本数は減ってしまったが(休日は1.5往復のみ)、JRバスとして維持されています。
 また、嬉野本線は長崎県の彼杵まで入っているが、長崎県は元々国鉄~JRバスとしては空白域で、民営化の時点でも、大きく遡って「よん・さん・とお」の頃でも、長崎県の国鉄バスはこの路線だけでした。「よん・さん・とお」の時点では約30分毎だったそうで、8往復という現状とは比べものにならないが。
 鹿児島市内のコミュニティバスは、撤退しました。
 今後はどうなるのだろうか。他のJRバス同様高速バスが営業の主力になるのだろうが、一番需要がありそうな福岡発着は西鉄があるから、独自の展開は難しいだろう。一般路線バスはノンステップ車の積極的な導入があり、路線網はこのまま維持、と期待して良いのだろうか。博多駅発着路線で便数が減少傾向にあるのが気がかり。福岡県は「nimoca」を導入しているが、この辺の記載がなかった。

「しばり」のバス旅ミッション
 前回の続きで、マカオの送迎バス事情と、香港の「ザ・ピーク」。
 ホテルの前にエッフェル塔のレプリカが建つなんて、個人的にはあまり趣味が良くないと思った。金持つが集うマカオらしいと言えばらしいのだが、ラスベガスと同じか。カジノ以外にマカオの観光スポット、ってないの?そんな事はないはずだが、一般路線バス事情を、もう少し知りたかった。
 私は7年前に香港に行っているが、「ザ・ピーク」は最初から行くつもりがなかった。行列、もあるが、日本人が多そうでイヤだな、と思ったので。特にピークトラムは。実は、バス路線の存在は知りませんでした。一般のバスなら観光客は少なさそうでいいかも。
 チャーハンのアドバイスはなるほどと思った。思っているほど、現地の漢字は、日本人には解らないもの。
 なお、東京からマカオへの定期直行便はない、と記されていたが、実際にはエアマカオによる直行便が1日1便あります。所要4時間30分~5時間。ANAコードシェアあり。7月1日から増便されるそう。関空からも便あり。前号でも書いたが、日系LCCは、マカオなんてディスティネーション、いいと思うのだが。

鈴木文彦が斬る!バスのいま 第20回
 上のエアロクィーン・エアロエースでもそうだが、特に高速道上を走る機会が多い車両では、安全装置の整備が急ピッチで進んでいるよう。
 ドライバーの健康リスクは数年前から一気に表面化し、去年は私が毎日利用する会社の営業所でも、これが元で旅客死亡事故が起きてしまいました。東京都交通局は全ドライバーに脳ドック受診義務づけ、という話も聞くが、公営や大手はまだ良くても、路線の維持そのものが一苦労の中小事業者では、なかなかここまでは行けないのではないか。政治や行政も、もっと積極的に動いて欲しい。
 ここでも指摘されているが、乗客の側も、特に高速道上のシートベルトの着用で自衛が必要だと思う。だが、3年前に航空科学博物館からのJR高速バスに乗った時、車内アナウンスに加えて高速道に上がる前にドライバー自らがシートベルトを着用するよう促していたのだが、他のお客さんはほとんどしていなかった。軽井沢の事故の直後でもあったのに。どうも、安全確保は(バスに限らず)全て会社にお任せが当然、という考え方が、日本では根強いようだ(無論、まずは事業者側がしっかりやるべき事だが)。この辺の世論全般の意識を変える必要もあろうかと思います。

終点の情景を求めて
 鹿児島交通の今岳。伊集院~枕崎間は旧鉄道線に平行した路線を利用しているが、鉄道が全線廃線になって、35年も経ってしまった。伊集院から西鹿児島(当時)まで直通運転も行っていたのだが。SL列車の復活も模索していたらしい。今岳への路線は平日・土曜日・休日で時刻の違いはない。脱線するが、鹿児島交通を保有するいわさきコーポレーションは、公式Web上でのバスの情報が、不十分なのではないか。

 アクアライン高速バスは、京浜急行バスが3月31日を持って撤退。4社体制による運行になっています。

 南紀白浜空港が「バスターミナル」になったというが、西武バスの大宮・池袋・横浜~南紀白浜路線の夜行バスも、南紀白浜空港まで延長になりました。南紀白浜空港は、航空便は羽田からの3便のみだから、何の意味があるのかと思っていたが、航空⇔バスだけでなく、バス⇔バスの乗継ぎのポイントとしても、期待されているようです。地方空港の新しい生き方となるか。

 次号の予告には、公営バス全般の特集がラインナップされているようです。去年大阪市営バスが、今年も先日佐世保市営バスが民営に転換されているが、その先は引き受ける民営側の体力がなくなってきているので、現存の公営バスは、当面はこのままだろうと思われる。その点の分析だろうか。ただ、予告通りやってくれれば、だが。

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 昨日は小田急が、朝ラッシュのピーク時に1時間半も全線で止まって、JRや京王なども巻き添えになって大混乱になったらしい。私はこの時間千葉県の方にいて、たまたま見かけたTVの画面のテロップで初めて知ったのだが。小田急だけでなく、京急も、特にトラブルなどはなかったはずなのに7時前から混雑のための遅延が発生し、それが京成線や北総線にまで波及していきました。スカイライナーも遅れていたし、成田空港発アクセス特急も、一部が青砥止まりになっていたほどだ。夕方には人身事故もあり、とばっちりで地下鉄ブルーラインも遅延が発生していて、昨日の関東私鉄はあちらこちらでトラブルが頻発していたようでした。千葉の京成線を乗りあるいていた私は、ラッキーだった、という事?

《今日のニュースから》
 7日 気仙沼大島大橋開通 渡り初め 
 8日 関西空港連絡橋 全車線復旧
 9日 航空機エンジン不正検査 IHIに業務改善命令

 昨日は中朝国境間の2本目の橋も開通したと聞いています。
 航空自衛隊のF35Aが、青森沖で行方不明だそう。