№1992 弾丸旅行月間 第4弾 2.今年最初の関西へ おおさか東線初乗り

画像

 おおさか東線は、先月16日のダイヤ改正時に放出~新大阪間が開業、久宝寺~放出間と合わせて、当初の計画の全区間が旅客線として開業しました。今回の開業区間は、平成最後の鉄道新線になります。
 先行開業区間の久宝寺~放出間と含め、今回、おおさか東線全線に、初めて乗車しました。どんな路線なのだろうか。

 4月 1日(月)

画像

 新大阪停車中の久宝寺行。ウグイス色の201系6連で、大和路線(関西本線)と共用。
 隣の3番線は、京都行〔はるな〕。

画像

 一部の窓部には、このようなラッピングが施されていました。
 4月になったばかり、しかも曇り空なので外はややひんやりしていて、車内はまだ暖房が入っていました。

 久宝寺まで往復するが、申し訳ないですけれど、いきなり端折ります。

画像

 久宝寺駅。ここは八尾市になります。
 2面4線の中2線がおおさか東線だが、大和路線の待避線と共用になっている。

画像

 出発してしばらくは、大和路線と併走。新加美の手前で高架線になって分かれる。

画像

 去年開業した新駅、衣摺加美北へ向かう途中の急カーブで、左側から、百済貨物ターミナルからの貨物線が合流します。
 という事は、天王寺方面からの旅客列車の設定は、できないのだろうか。

画像

 JR長瀬。久宝寺行と出会う。遠くに、近鉄大阪線の高架橋梁が見えます。電車が通過しています。

画像

 放出到着直前、両側に学研都市線(片町線)の線路が現れ、併走になります。久宝寺と同じ、方向別複々線の形態。

画像

 放出でしばらく停車、四條畷の方から来る学研都市線の電車と相互に接続を取る。
 ここから新線になります。

画像

 発車すると、学研都市線の下り)(京橋→四條畷方向)が高架線でおおさか東線を跨ぎ、南側へ。

画像

 学研都市線、おおさか東線、それぞれの複線になって、平野川の分水路を渡る。
 鴫野は、学研都市線ホームの北側におおさか東線のホームを新設。3面4線で、学研都市線四條畷方面と、おおさか東線新大阪行が同じホームで乗り換え可能。

画像

 野江までの間には、なんと踏切がある。貨物線時代のものが、旅客線化されても撤去されていない。

画像

 JR野江の手前で京阪の複々線と交差するが、下り緩行線を通過するのは5000系だ!

画像

 淀川を渡る。貨物線時代は歩道が併設されていた事で有名だった橋。遠くに梅田の高層ビル群を見る。

画像

 JR淡路で途中下車してみました。ホームのすぐ真下を、阪急線が走る。京都本線と千里線が合流する部分で、阪急の駅はちょっと遠い。「阪急線は乗り換え」というアナウンスがあるが。

画像

 ホームの路線図。左がおおさか東線の停車駅で、右は「アーバンネットワーク」の路線網。

画像

 JR淡路駅。高架駅。

画像

 阪急の駅はちょっと遠い。からか、地元の商店街が作ったらしい、阪急の駅へ誘導する幟が、道端に立っていました。

画像

 JR淡路駅の、改札階1Fのコンコース。

画像

 柱状のモニュメントが印象的。特に題名はないようだが、菅原道真が漢詩に詠んだ梅の風景が描かれているようです。

画像

 大阪市内で、乗換の案内もある、という駅なのに、一部駅員がいない時間帯があります。休憩時間確保のためと思われるが、地方の駅みたいだ(加古川線の粟生を思い出した)。

画像

 改札内コンコース。

画像

 改めて、相対式ホームの北側から、新大阪方面を見る。阪急は高架化工事中だが、高架のおおさか東線を乗り越す事になるし、阪急は上下を分離するので、かなり大がかりな、京急蒲田をも上回る大規模な駅になりそうです。乗換の利便性はどうなるのかな。朝新大阪発に乗車した時には、結構乗車が多かったのだが。

画像

 南吹田駅を挟む急カーブで、JR京都線(東海道本線)と合流して、新大阪に戻ります。緩行線の東淀川駅を過ぎるが、おおさか東線は停車しない。

 という感じで、やや慌ただしくなったが、おおさか東線に初乗りしました。
 1往復だけで全ては解らないけれど、何回も書いたが、同じ貨物線の旅客線化でも、郊外の高規格のバイパスとして造られた、関東の武蔵野線とは全然違うと改めて感じました。
 久宝寺で大和路線、放出で学研都市線と線路を共用する区間があるため、ダイヤ編成は苦しそう。朝ラッシュ時の普通電車は約18分毎で、15分毎の日中より本数が少ないのは、この影響があるでしょう。今はこれでも良いが、ラッシュ時の乗客が増えて、増発の必要性が増した時には、やや困った事になるかも知れない。
 一方で、多彩な運転系統の設定の可能性は大きいと思う。今改正でなくなったJR東西線~おおさか東線~大和路線の復活とか、新大阪~大阪東線~学研都市線四條畷方面、あるいは天王寺方面~放出方面という系統の設定も、利用動向によってはあり得るかも知れないし、行楽シーズンくらいは(今GWではなかったが)、新大阪~奈良間の特急の設定もあり得るかも知れない。近鉄に一矢報いる事ができるか。
 次の変化は、もう一度淀川を渡って、「うめきた新駅」への延伸になるでしょう。この時点で、さらにどのような変化を見る事ができるか、平成最後の新線の、令和の世における発展を期待します。

 新規開業区間は、今日現在のGoogle Mapでは、まだ工事中になっています。

 天気は晴れたり曇ったり、という感じ。普通列車の乗継ぎで変える事にするが、久しぶりに関西本線全区間を乗り通します。それは次回。
 平成に代わる新しい元号は、加茂駅で知る事に。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 また、路線バスの死亡事故…。亡くなられた方々にはお悔やみを申し上げますが、正直ため息が出てしまう。もう少し捜査の状況など、様子を見る必要があるが、何度も書くが、日本のバスの現状は、バス業界や行政だけでなく、もう政治全体でも考えなければならない。私はむしろこの問題、バス業界の労働団体とも関係が親密な野党にこそ問いたいと思う。この問題、あなた方はどう解決する用意をもちあわせているのか、と。ドライバーを初めとする労働者の労働条件の維持・向上と、バス路線の維持・サービスの向上がトレードオフになってしまっている所が根本的な問題で、良い方法を見いだすのが難しくなってしまっているのも事実なのだが、何とか解答を見つけ出さなければならない。

《今日のニュースから》
21日 男子高飛び込み 玉井陸斗選手優勝 史上最年少12歳
22日 堺市 竹山市長 政治資金問題で辞職届提出
23日 旧優生保護法救済法案 参議院厚生労働委員会 全会一致で可決

 スリランカの爆弾テロ、正直今は言葉にはしたくありません…。気に入らないものは、暴力で排除する、以外に道はない、とでも言いたいのか。

№1991 弾丸旅行月間 第4弾 1.今年最初の関西へ 普通電車乗継ぎ

画像

「弾丸旅行月間」と銘打った先月、4回目の旅先は、昨年末以来の関西としました。
 プランは天気次第の所があって、晴れたら京都などの電車、イマイチだったら、16日に全通したおおさか東線に乗る、という程度のものは考えていました。出発直前の大阪の天候は今一つ、このままならおおさか東線、かなと思いつつ、この日も仕事帰りで直行になりました。

 3月31日(日)

「青春18きっぷ」使用で、大阪まで普通電車乗継ぎ。これは昨年末と変わりません。ダイヤ改正の直後だが、乗継ぎパターン自体も変わらず。

画像

 ただし、熱海までは前回の快速アクティーより1本早い、普通電車1555Eに乗車。

画像

 2両目のボックスシートに着席、空いてきたので、藤沢出発前に購入しておいた、大船軒のサンドウィッチをつまむ。至ってシンプルなハムとチーズのサンドウィッチなのだが、どちらも具が素晴らしくオイシイ。530円とお値段もウレシイお手頃プライス。早めに売り切れる事もあるようなので、そのつもりで。
(当然、大船駅でも販売)

画像

 早川を過ぎると、左手には真っ青な相模湾。そろそろ本格的な桜のシーズンです。

画像

 熱海に着きました。伊豆急行8000系には、「静岡ディスティネーションキャンペーン」のステッカーが貼られていました。

画像

 ここから大阪までは、去年と同じ乗継ぎのパターンになります。浜松行443M(改正前は445M。これは沼津始発の1452Mで到着した所)。211系オンリーの6連は変わらず、なので浜松まで2時間41分もかかるのに、トイレが無い。

画像

 三島で2分の小休止。解りづらいと思うが、右の伊豆箱根鉄道1300系には、東京オリパラの「ミライトワ」「ソメイティ」が描かれたヘッドマークが掲げられていました。
(修善寺でオリンピックの自転車競技が行われる)

画像

 昼間の静岡県内の東海道本線は、普通列車と貨物列車、ばかり。EF210の初期型。下枠交差型パンタ。

画像

 富士山を望みながら、大岡川を渡る。向こうの鉄橋は御殿場線。

画像

 3月からTOICAのエリアの拡大があり、東側は御殿場線の下曽我~御殿場間の各駅にも導入されました。
 しかし、しつこく書いてしまうのだけれど、自社の路線なのに、熱海~函南間に加えて国府津~下曽我間がTOICAで乗れず、一般の乗車券を買わなければならない、というのは、本当になんとかならないのでしょうか?特に御殿場線の新規導入駅は大半が神奈川県になり、JR東日本の区間への直通客の方が格段に多くなるはずなので(松田から小田急、というのもあるだろうが)。技術的な問題ではないはずなのだが。
(三島や沼津では、SuicaエリアからICで来た乗客で改札口に長い行列ができて問題、という話も聞こえてくる。例のアニメの影響もあるだろう。精算機で精算は可能なのだが)

画像

 吉原駅の岳南鉄道の駅には、今日も9000形の姿がありました。

画像

 富士への途中の左手には、中古バスの販売事業者の車庫があり、元所有者のカラーのままの車両も多数並んでいました。手前に臨港バスのレインボーやウィラーのセレガ、向こうに神奈中のエアロスターが数台と「ムーバス」のリエッセ、他に京阪バスもいたようです。

画像

 富士を過ぎると、富士山がさらに美しく見える。今日は晴れて良かった。

画像

 駿河湾も、今日は真っ青。フェリーが見えるが、土肥~清水航路だろうか。

画像

 静岡鉄道との併走区間でやってきたのは…「ちびまる子ちゃん」!引退前には乗っておきたい。

画像

 静岡運転所には、185系の姿がありました。この日、〔静岡DCオープニング号〕として、東京~静岡間で団体専用列車として運行されたとの事。

画像

 静岡で6分停車、この間でトイレに行くが、静岡駅は県庁所在地の高架駅なのに、トイレがかなり狭いと思う…とは、昨年末にも書いた事。

画像

 引き続き、EF210型の貨物列車と頻繁に行き違う。これはシングルアームパンタの後期型。

画像

 島田~金谷間の富士山。昨年末は薄暗くなっていたが、春分の日を過ぎたとあれば、かなりはっきり見えます。

画像

 来年開業と、駅名が発表になった御厨新駅。昨年末はもう暗くなってしまっていたが、この日は初めて全体をはっきり見る事ができました。

 浜松到着は、改正前より2分早くなりました。
 駅弁を買うためには、在来線側には売場がないから一旦改札を出て、高架下のショッピングセンターに行かなければならなかった。

画像

 コンコースには、リニア中央新幹線についての展示がありました(大きめのサイズに拡大します)。山側を迂回していくので、静岡県には直接のメリットはない。〔のぞみ〕からの転移が見込まれるため、〔ひかり〕〔こだま〕が増えて静岡県内の利便性がよくなる、という間接的なメリットを強調しているよう。でも、名古屋止まりでは果たして…。

 米原行新快速5349Fに乗り換え。313系8連、なのだが、前の2両は、ボックスシートのセミクロスでワンマン対応の3000番台になっていました。これが、今回の乗継ぎで一番目立った前回との変化だが、改正以降、これが正規の運用となっているのか?

画像

 いきなり端折るが、豊橋を過ぎて、飯田線のワンマン2連と出会う。

画像

 遠くに三河湾が見える様になった。

画像

 もうすぐ18時。さすがに陽がうんと西に傾き、住宅地をオレンジ色に染める。

画像

 相見駅が近づく。またEF210型の貨物列車。それにしても、愛知県内の東海道本線は、豊橋~蒲郡間を除くと、どこも直線が非常に長い。

画像

 新幹線が追い抜いていったが、あれ、700系だ。定期列車ではない。〔のぞみ391号〕で、この日は700系と、時刻表に記されていました。残りは1年も無いはずだし、まして〔のぞみ〕として走る機会は、あとどの位あるのか?

画像

 名古屋が近づき、名鉄電車と競争になる。

画像

 名古屋が近づいてきた。ビル群がそびえる。左の複線は中央本線。

画像

 名古屋到着。右に見える8000番台は普通列車?〔ホームライナー〕は休日運休なので。

画像

 さすがに真っ暗。〔ひだ18号〕とすれ違う。

画像

 大垣での新快速の並び(右は豊橋行5356F)。これは、去年と同じだ。
 残念ながら、関ヶ原越えはもう真っ暗で、外の景色はほとんど解らない。

画像

 米原到着。連絡通路に向かう狭い階段・エスカレーターには、大勢の乗客が列をなして、大混雑になる。このシーズン特有の事象なのだろうが、もうちょいなんとかならんの?と思う。
 まあ、米原駅は乗換駅としては大きいが、日常の利用は少ないのだろう。「コンビニは駅から歩いて10分」と、駅員も言っていたし。大きなホテルは建っているが。

 
画像

 こちらも同じ。TOICAが新規に導入された駅は、西側は皆滋賀県で、大津や京都、大阪に向かう旅客の方が多いはずだから、こちらも何とかできないでしょうか?

画像

 新快速3337M。これは昨年末と同じ。米原始発の8連に、敦賀からの4連が連結されて、12連で網干へ向かう。
 転換クロスシートだが、端の座席が固定され、ボックス部になる所は、乗客はほとんど座らない。

画像

 ここで、浜松駅で改札を出て購入した駅弁を食する。「浜松 三ヶ日牛弁当」。オイシイが、やや高いか。

画像

 大阪に到着しました。藤沢から8時間以上掛かった。

画像

 Osaka Metro一周年。去年の今日が、大阪市営地下鉄の最終日でした。一年経ってしまった。まだ、市営時代からガラッと変わった所は、今の所は感じない。

 という事で、もう遅くなってしまったから、いそいそとホテルに投宿。明日に備えます。さて、月が変わって4月1日、どこへ行くか行かないかは、空模様と相談しながら決めたいと思います。
 新元号は、どこで聞く事になるだろうか?

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 前回書くべきだったろうが、ポルトガル領マデイラ島で、観光バスがカーブを曲がりきれずに転落、29人もの犠牲者を出す惨事になってしまいました。原因の究明はこれから進められると思うが、生存者の中には、「自分はシートベルトをしていたが、他はしたがらなかった」と証言していた人も居たようです。やはり、シートベルトがあるバスだったら、まずはしっかり着用すべきです。日本でも、ベルトをしなかったゆえ、命を落としてしまった事例は、バス以外にもたくさんあるので。

《今日のニュースから》
19日 「アイヌ新法」可決・成立 「先住民族」と明記
20日 Jヴィレッジ全面再開 常磐線新駅開業

 アイヌというと、この3月アタマに行った、帯広空港の展望ルームの展示を思い出しました。
 池袋で高齢者運転の車が暴走して多数をはね、母子が死亡する事件が起きてしましました。亡くなられた方々にはお悔やみを申し上げます。事件性はないようだが、そろそろ、高齢者(特に80代以上)の運転をどこまで認めるのか、あるいは否か、政治の舞台でも真剣に話し合われる時期ではないでしょうか。

 一つ、大きな訂正とお詫びをしなければなりません。Jリーグでグランパスの楢崎正剛選手が引退した時、「横浜フリューゲルを知る現役選手はいなくなった」と書いてしまったが、ガンバ大阪の遠藤保仁選手が、初年度フリューゲルスから始まっていました。解体後京都で2年間、その後がずっとガンバで、生え抜きでガンバだと思い込んでいたもので…。遠藤選手と、ファンの皆様にお詫びします。

№1990 永久保存版 JRバス30年の軌跡(マガジン大地/グラフィス)

画像


「永久保存版」と銘打たれた、JRバスのあゆみを記したムック本が、先月刊行になりました。といっても、JRバスの30周年(本州の5社)は去年の事、1年あとの話のなったのだが。

 まず、「Grafis Mook」となっているが、編集が「株式会社 マガジン大地」となっていて、バスマガジン誌(講談社ビーシー)と同じだ。裏表紙はバスマガジンの広告になっているが、なぜ別の出版社の刊行になったのだろうか。

 本文は4部構成で、まず現役車両がカラーグラフ、1990年代の車両がモノクロで、カタログ的に並んでいます。
 カラーリング的には、一般の路線バス(JR東海バスはもうないが)は、JR九州バス以外は白と青のツートンカラーを基調としていて、無論西日本JRバスが典型のように多少アレンジされたりしているものの、基本的には国鉄時代末期の頃のデザインを踏襲している。JRバス東北はほとんど国鉄時代のカラーのまま。一方で、コミュニティバスを受託したり、旧塗装の復刻があったりしたりして、この辺は経営環境や、時の流れを感じさせます。
 一方で高速バスは、各社とも一番力を入れているだろう分野であるだけに、かなり個性的になっている。意味は違うが、JRバス東北とJR九州バスに、新幹線との共通性を持たせたデザインの車両があるのが興味深い。親会社の旅客鉄道のクルーズ列車の下車観光用車両があるのも共通している。
 JR四国バスは、大栃線は5台体制だったのに、「ドキンちゃん」号が松山に移動になってしまったのが残念(その辺については触れられていない)。

 一方で1990年代は、まだ国鉄時代の車両が相当数残っているし、何よりモノコック車がかなり多い。「いすゞシャーシ+日野車体」の、国鉄時代の王道と言える車両も見られる。国鉄時代は前中折戸が標準だったが、民営化後は前後ドアや、中ドアが4枚折戸になった車両も見られる。カラーも個性化してきていて、白黒なのはやや残念。
 車両そのものだけでなく、行先も、一般路線車ではもう見られなくなってしまった所が、かなり多い。

 次が、JRバスの車両の一覧表で、去年の大晦日の時点に続いて、本州の5社がスタートした1988(S63)年の時点。排ガス規制スタート前の車両が相当数残っている。
 本州のバス分社の時点では、番号の付け方はまだどこも変更していない。後に変更した会社でも、基本的な付け方は国鉄時代からのものを踏襲していて、鉄道のJR四国のような、完全に付番方法を変更したバス会社はない。ただ、国鉄時代にはなかった車種や中古車両を導入したり、メーカーサイドのモデルチェンジや、型式の集約などは、ある程度反映されているようです。
 ここでも、廃止されてしまった営業所や支所・派出所がほとんどで、正直哀しい。配置が20~30台程度の所がほとんどで、歴史上の経緯(国鉄時代の通称「五原則」の存在)で路線網の面的な展開がなかった事も、縮小に結ぶつく要因となったかも知れない。「支店」という言い方は、ここではまだ。

「JRバス30年のあゆみ」でJRバスグループ全体を俯瞰すると、一般路線バスの大幅縮小→高速バスへのシフト、という流れは、程度の差はあるが、JHB以外はほぼ一致している。
 JHBもそうなのだろうが、高速バスは札幌中心にならざるを得ず、面的なネットワークを構築できない上、既に北海道中央バスが路線網を展開していた事、一方で一般路線は撤退も多かったが、札幌市営バスを引き受けた事で、札幌市内の路線は、在来の事業者と同程度のネットワークを構築した、という点が他のJRバスとはやや異なる点ではないだろうか。唯一、本州と直接の繋がりがないという事もあるし。特定地方交通線でないローカル鉄道線の転換バス(深名線)を開設したのも今の所JHBだけで、今後のJR北海道の状況によっては、同じようなケースの路線の開設もあり得るのだろうか。帯広は3月に行ったばかりなので、地上時代の駅の写真は興味深い。
 西日本JRバスの能登路線は、需要の縮小も当然あるが、接続していたJR七尾線(和倉温泉~輪島間)がのと鉄道に転換した事で、JRグループとしては孤立したエリアになってしまった事も、撤退の理由にあったのではないだろうか。民営化の時点では、座席指定制の定期観光バス〔おくのと号〕を運行していたエリアだったのだが。
 一般路線は、座席指定料金や急行料金を必要とした便が(路線自体は存続していても)全て廃止になった一方、在来事業者と共通のICカードを導入する路線が多くなった事が、ほぼ共通した傾向。
 貸切バスはかなり差が出てきているようで、民営化直後はどこも積極的に営業を強化していたが、西日本JRバスは子会社を作った一方、JR四国バスは、既存の事業者を買収したりもしたのに、2年前に撤退してしまった。四国の場合、貸切バスは橋の相次ぐ開通で本州から直接多数入り込むようになり、四国内での需要が小さくなってしまった、という事もあるのではないだろうか。
 簡単でもいいから、規模の比較のために、新旧の一般の路線図もあると良かった。
 なお、JR九州バスのテキストは、基本的にはバスマガジンvol.94と同じ。

 最後に、JRバス本州5社の紀行。
 多古線は、旅客機の撮影で何度も乗っているので興味深かった。ただ、航空科学博物館自体は、実は入った事はないのだが。「機内食風ランチ」は、実はごく普通のハンバーグ定食で、特定の航空会社のメニューではない(私は関西空港に行った時、ガルーダ・インドネシア航空のフェアがあって、機内食を食した事がある)。雪だったが、旅客機はちゃんと発着していたようだ。多古線は今は成田~航空科学博物館(~成田空港貨物地区)がメインとなり、八日市場は支店の多古移転もあって、便数はかなり減ってしまいました。ただ、新車のエルガノンステップが入ったりしているので、この辺は希望が持てそう。ここではなかったが、「さくらの山」への経由便の設定もあるし。
 最後に、故種村直樹氏の、東名高速線の途中の停車場での乗り降りの紀行。しかし1995(H7)年3月13・14日と言ったら、阪神大震災から2ヶ月しか経っていなくて、東名高速の被害は少なかったが、影響はなかったのだろうか。山陽新幹線や山陽本線などはまだ不通だったし(テキストには記述はない。「地下鉄サリン事件」は一週間後)。「ミニ周遊券」「小田急電鉄」は懐かしい響きだ。
 なお、東名の乗継ぎで新の方のライター、栗原景(かげりと読むらしい)氏は、種村氏のアシスタントだった方。

 かなり駆け足になったが、全体的にカラーグラフが中心なので、気楽にJRバスの歴史を振り返る事ができる構成になっていたと思います。次の30年はどうなるか。願わくば、普通の路線バスで、少なくともこれ以上の縮小がない事を願う。親会社の旅客鉄道の、特にローカル路線の動向にも、左右される事になるかも知れません。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 ANAが、国際線エコノミークラスの事前座席指定の一部有料化を発表しました。対象運賃はValueの運賃クラスV・W・SとSuper Valueで、5月29日以降の発券・8月29日以降の搭乗から。全部の席ではなく、後方を除いた窓側と通路側、それに非常口座席が対象となり、欧州・北米大陸・オーストラリア路線では、非常口座席は+5,500円、それ以外の対象の窓側・通路側は+2,500円。B787-8の例が図で示されていたが、後方のゾーンの2列目までが有料化の対象で、私は後方に座る事が多いから、まずは有料化の対象にならずに済みました(だって、今回対象となる前方の窓際は、丸々翼の真横だもん)。A380はどこまでになるのだろうか(ANA COUCHiiは対象にならないと思う)。しかし、去年搭乗のルフトハンザは丸々事前座席指定が有料になっていたようで、A350だった往路ミュンヘン便は窓際を確保出来ず残念、とも書いたが、いよいよLCC以外の在来キャリアも、エコノミーの事前座席指定の有料化へ、舵を切っていく事になるのか。JALはどうする。いずれは追随する事になるのでしょうか。

《今日のニュースから》
17日 台湾 ホンハイ会長 2020年総統選挙立候補表明 
18日 成田空港 テロ対策の合同訓練実施

 台湾というと、今日はまた大きな地震があって、今の所人的な犠牲は報告されていないようだが(1人重体らしい)、3年前に立ち寄った花蓮駅は水道管が破裂して水びだしになっているそう。台湾って、日本以上に大地震が多いように思います。早期に立ち直る事を願います。