「バスマガジンvol.93」が、先月末発売になりました。
今号はまた、前号の予告とは内容が大きく異なってしまっていました。
表紙は関東鉄道のエルガハイブリッド。背後の関東鉄道常総線は守谷駅は、つくばエクスプレスTX開業までは、ごく普通のローカル線の駅の風情だったのに、駅そのものも、その周辺も、全く変わってしまいました。「こんなになってしまったの?」と思う人も多いだろう。関東鉄道バスも、その変化を受けて変わってきた、と言えます。
中古導入車の元事業者をたどる
「バスマガ信州支局」なんてあるの?
中古車両導入の多様化は長野県に限らないけれど、特に長電バスの三菱ふそうや、富士ボディ車両は新鮮な印象がしました。村営バスから来た車両があるのは面白い。普通は逆だろう?と思うが。
長電・アルピコ、共に中古導入ながら、ノンステップ車が増えて来ている。ただ、都営バスはないようだ。21年前の長野パラリンピックでは、都営バスから選手・観客輸送で多数の車両が貸し出されているので、譲渡されていれば「里帰り」という形になって面白かったのに。
さすがに地元ファンだけあって、車両そのものだけでなく、その出自についても詳しくテキストが記されています。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.25 秋田県
前号の予告では、茨城県になっていたのだが。
秋田県は、前回はvol.50で取り上げられていました。基本的には、秋田中央交通を中心に、北部を秋北バス、南部を羽後交通が広域に支える構図は変わっていない。
秋田県は秋田市一極集中、という感があり、中央はまだ良いかもしれないが、秋北と羽後は厳しそうだ。羽後交通に関しては、この数年に何回か乗って、感じていた事でもあります。
7年前は「大型ノンステップ車は1台も入っていない」と書いたが、中央と羽後は中古導入ながら、大型ノンステップ車が導入されています。羽後については、昨年羽後本荘で見ました。
秋北バスは体制の変更により、国際興業からの移籍を除いて、オリジナル旧塗装への移行が進んでいるみたい。
なおテキストでは、対東京では秋田新幹線利用が約6割になったと記されているが、航空もまだ負けていないようだ、というのは、昨年搭乗して感じた事です。機材の小型化は進んでいるようだが。
おじゃまします バス会社潜入レポート Vol.93 関鉄グループ
前号の予告は、国際興業だったのに。
最近ではかなり珍しくなった(しかも、ローカル鉄道では)、鉄道直営のバス事業者。つくばエクスプレス開業で高速路線は打撃を受けたが、フィーダー路線は拡充が続いている、全体的にはプラス、という所だろうか。
ローカル路線は廃止になった路線も少なくないが、全体的に沿線自治体との関係が良好なのは頼もしいと思う。桜川市内の旧筑波鉄道代替バスも真壁~岩瀬間が一旦廃止になったが、「ヤマザクラGO」として復活しているのも(市長がバス復活に積極的な姿勢だった事もあるが。アナウンスは櫻川めぐらしい)、その流れだろうと思います。
去年、取手〔営〕と水海道〔営〕を統合して守谷〔営〕が開設になったが、その辺の記述はなかった。常総線の守谷駅と新守谷駅の中間くらいの場所にあり、全車両がバリアフリー対策車両、という事。やはり首都圏に近いからか。
車両はなかなかバラエティに富んでいて、見ているだけでも楽しい。最近は京成バスからの譲渡が中心のようだが、東急からも多くなっているよう。以前は関西からも来ていたが、今はないようです。
関鉄は、分社はどのような方向に行くだろうか。この後出てくるが、関鉄の場合、受委託はないので(関東鉄道と書かれていても、運転しているドライバーは関鉄グリーンバスとか、という事はない)、当面はこのままか。鉄道からバスの分社はあるだろうか。
「しばり」のバス旅ミッション
いきなり「行ってこい」と言われるのはやはりウソッぽい気がするが、しかし今回の港珠澳大橋のバス旅は、これはこれで興味深く読めました。
一般の国際ニュースにもなったが、橋というよりは高架橋のイメージがしました。バスはひたすら海上区間を往復する運用になるから痛みが早くなりそうで、取り替えの周期が早くなるのではないだろうか。
1香港ドル≒14円だそうだから、片道は約2,400円というところか。こんなものかなという気がする。話は次号に続くそうだ。
今の所、日本~マカオ間の空路はエアマカオのみ(ANAコードシェアあり)。今回も香港往復はLCC(香港エクスプレス)だったようだが、特に日本側のLCCは、マカオなんてディスティネーションは、良いのではないか?香港がより近くなったわけだし、マカオならまだ競争は厳しくないだろうから。次に香港に行く機会があったら、間違いなくこのバスでマカオへ行く事になるでしょう。
鈴木文彦が斬る!バスのいま 第19回
京都市営バスからの京阪バス受託撤退はNHKのニュースサイトでも特設で取り上げられていて(京阪バスの名は出していないが)、この結果、新規にドライバーを採用しなければならず、来年からの10年間で100億円超の赤字になる見込みとしています。NHKの記事でも、民間委託を最初に採用したのは京都市営で、受託側・委託側双方にメリットがある仕組みだったのに、ドライバー不足で限界に近づきつつある、としています。
ここでは民営事業者の事情にも触れられていて、分社化が進んでいた事業者の再統合が進んでいるとしています。ここではなぜか記載がなかったが、最近で一番大きかったのは京浜急行バスのグループで、羽田・横浜・湘南の各京急バスが、昨年4月1日に全て、京浜急行バスに統合されました。その前には京急観光バスが精算されていて、京浜急行電鉄直系のバス事業は、京浜急行バスに一本化された事になります。既に2000年代には、さいたま国際バス(→国際興業)、西武自動車(→西武バス)、臨港グリーンバス(→川崎鶴見臨港バス)など、その流れが見えつつあったような気がします。
無論全事業者が一気に再統合、とはならず、小田急シティバスは当面このまま行くようだし、東急トランセもそんな感じだけれども、京成バスや富士急行のような(上の関東鉄道のグループもそうだろうが)、グループ内の受委託がない、はっきりした地域分割タイプの分社でなければ、再統合の流れは続くでしょう。
公営バスに関しては、東京都ははとバス、横浜市は横浜交通開発と、いわば「身内」に近い所に委託しているので、変化はないだろうと思う。大阪シティバスは、それを全面的に移管して民営化した形で、尾道市や岩国市も似たような形態でした。こういう事例は、今後もないとは言えないと思う。ただ、他の純民営事業者に任せる形の民営化は、今年の佐世保市に、近い将来の徳島市で行われると、この先は当分ないだろう。民営側の体力がないのだから。
ドライバーの賃金を、民営でも公営バスベースに、というのは、それがベターだろうとは思うが、そのための資金を運賃に転嫁するのは、簡単ではないのではないか?京都市の場合、そもそもそこから民間委託という話になったはずなので。現在の京都市営バスの均一区間の運賃は230円で、東京都や川崎市の210円、横浜市や大阪シティバスの220円、と比べて割高に設定されていて、一部には批判もあったので(なので、外部から新規参入という、昨年の岡山のような事態も起きた)、どうしても外部の理解を取り付ける事が必須になる。
しかし、バスに限らず、運賃値上げへの理解を得るのは難しい(正直私だって、値上げは困る)。私は、30~40年以上前の国鉄の混乱と、その結果としての分割・民営化の政策が、バスに限らず、交通業界全体に、今に至るまで重くのしかかっているのだろうと感じます。国鉄では、末期には毎年のように運賃値上げが繰り返されながら経営の改善に結びつく事がなく、特に大手私鉄との運賃差が拡大し(私鉄も値上げはやっていたが)、結果公共交通でも完全民営の方が良い、という事になって、分割・民営化が断行された、その歴史も踏まえる必要があろうと思います。この結果、運賃は低く抑えられるべきものとされ、1990年代後半には、(消費税転嫁を除いて)どこも運賃値上げはやりづらくなってしまった。特に最近は旧ツアーバスの台頭や航空のLCC就航などもあり、「安い事が良い事だ」という考えが(歪んだ部分があっても)定着してきているので。さすがに最近は一部で持ちこたえられなくなり、「100円バス」を見直した西鉄や、深夜運賃を導入したしずてつジャストラインの例も見られるようになってきているが。公営バスの委託や完全民営化もこの流れを引きずったもののはずで、運賃面や職員の待遇、というだけでなく、どういう形態が、公共交通を支えるものとして望ましいのか、そこまで考える時なのかと思います。とにかく、内輪だけでなく、外部の議論も必要。
終点の情景を求めて
北鉄奥能登バスの五十洲。沿線はほとんどが曇り空で寒々とした感じがするが、それも北陸の秋の風情、なのだろうか。紅葉は美しい。北陸鉄道のバスも数多くの分社があるが、方向性はどうなるのだろうか。
都営のスカニアのフルフラットバスは、「不具合」による運休が長引いています。何が起きているのだろうか。今後の導入に影響が出ないだろうか?
前号で予告されていた、「平成の30年のバス」はありませんでした。次号(平成最後の号)には予告がない。新元号に持ち越しで掲載されるのか?次号は、予告通りにやって欲しい。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
エアバスA380の生産終了がささやかれています。エミレーツが発注分をA350に切り替えた事で、このまま生産が続けられるのか、という話になっているようです。エアバスとしては、中国キャリアの受注に希望をつなぎたいようだが、あのエミレーツが、となると、A380の命運はこれまで、となってしまうかも知れません。
《今日のニュースから》
6日 アルストーム・シーメンス鉄道事業統合 EU却下
7日 デサント 伊藤忠商事のTOBに反対決議
アルストームとシーメンスの統合計画は、中国のメーカーに対抗するためのものでした。これって、日本には何らかの影響が出るものなのだろうか?