№1959 バスグラフィックVol.37(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックVol.37」、またちょっと遅くなったが、ここで取り上げます。

バス乗務員不足 トップに聞くその実情と対策
 バスグラフィック誌としてはやや硬く、ジャーナリスティックな記事だけれど、この所バスドライバー不足が全国的に問題になり、バス趣味各誌でも毎号の様に様々取り上げるようになったが、会社のトップとのOne on Oneのインタビューは、初めて見ました。
 年収が20年で200万円近く減少、というのは確かにキツイ。月平均にならすと13万円以上の減少だ。
 ドライバーが減るとダイヤはどうなるか、初めて具体的な数字が示された気がするが、会社の規模にもよるけれど、100人足りなくて70本減便、となると、日中は1時間に1本程度は削らなければならない、という計算になるだろうか。10→12分間隔、12→15分間隔、15→20分間隔、20→30分間隔、になるという事。
 福利厚生は、京浜急行バスは大手私鉄系だし(何でもかんでも親会社の電鉄をアテにするわけにはいかないが)、数年前に開業した新子安営業所はかなり充実した設備で、「ブラック」な所とは違うよなあと思ったものだが、全部の事業者が出来るわけではない。連節バスや無人運転は、羽田空港を抱える京急バスならある程度は導入できるかも知れない(空港内循環バスなどで)が、これも地方では…、という所。
 俳優まで起用した京急バスほどではないにしろ、最近はバスの全面ラッピングで乗務員を募集する会社も少なくないようです(私は、豊鉄バスで見ました)。ともかく、他誌のところでも書いている事の繰り返しになってしまうが、バス(に限らず公共交通全体)の社会的な地位を高め、優先順位も高める事。実際に一般の市内バスに乗ると、どうしても公道上における地位の低さを感じてしまう。地位が高まれば、ドライバーを目指す人も増えるでしょう。あとは運転以外の部分の負担をある程度減らす事、バス会社の垣根を越えたダイヤの再編(共同運行化など)、また、場合によっては業界そのものの再編成、このあたりに、当面は落ち着くのではないでしょうか。あとは政治や行政が、何とか(ドライバー問題以外も含めて)方策を考えて欲しい。

さらなるはばたきへ 71年目の はとバス

画像

 まず冒頭の、セレガ・ガーラ両方あるが、同じ顔がズラリと並んだ車庫の写真は圧巻。
(セレガはほとんどがハイブリッドのようだが)

コース企画担当者に聞く!
 はとバスの公式Webをナナメ読みしてみたのだが、同じエリアでも、コースによってずいぶんと切り口が違ってくるものだなあと思った。最近は歴史的な所だけではないし、「工場の夜景」のように、一昔前だったら、とても観光バスのコースにはならないようなものも、増えてきているよう。
「東京・横濱ベイサイド夜景コース」は、中華街の滞在が50分とあり、自由食となるとやや慌ただしい気もする。
 なお、はとバスのグループには、クルーズ船の「シンフォニー」があるが、それには触れられていなかった。ともあれ東京を中心とした首都圏は、見所そのものは事欠かない。毎日の様に新しいものが現れるので、あとはそれをどうアレンジするのか、が、コースの企画者の腕の見せ所、という所でしょうか。オリ・パラ以降はどんなものが現れるでしょうか。
 インバウンドはどう対応しているのだろうか。外国人専用のツアーもあるが、一般のコースに乗る事もあるだろう。日本人が、海外で定期観光バスに乗る事もあるように。

はとバス ヨコよこストーリーの旅
 東京駅丸ノ内南口を8時50分に出発し、19時40分帰着予定、だそうだから、結構な長丁場。
 昼が横須賀でハンバーガーとカレー、夜が中華街の中華料理、ずいぶんお腹いっぱいになりそうなコースだ。
(2月10・11日は「催行中止」になっている。注意)

1日はとバスガイド研修体験
 はとバスのガイドの研修は定評があるけれど、実際の体験の記事は初めてみた、かも。
「おじぎ」の研修は、一般の企業でもビジネスマナーでやった、という方、少なくないですよね?
 バスの動きに合わせるのは、しんどそう。もし大渋滞に巻き込まれてしまったら、どうしよう…。間が持たなくなってしまいそうだ。

 バスガイドは大概高卒で採用されるようだが、今の十代の女子には、(はとバスに限らず)バスガイドという職業は、どう映るものだろうか?「バスガイド」の概念も変わりつつあるようだし(ガイドレスの観光バスも少なくなくなっているようだ)、実際に仕事に触れる機会はどの程度あるものだろう。昔のバス趣味誌をひっくり返してみると、地方の出身者がかなりの割合を占めていたようだが、今はどうなのだろうか。

 車両のカタログでは、「'O Sola mio」や「ハローキティ」、貸切では「ピアニシモ」が代表格のようだが(「フォルテシモ」はなくなった)、「スーパーバス」や「はとまるくん」のような、はとバスならではの車両は、もうない。どうだろう、70周年と、来年のオリ・パラを機に、また斬新なデザインの車両は現れないでしょうか。
 なお、最近のはとバスの動きの一つに、横浜に営業所が開設された事があるが(以前の橫浜市営バス野庭営業所の敷地を利用)、これについては触れられていない。

 冒頭で乗務員不足の問題が取り上げられたが、はとバスはどうなのだろうか?定観にしろ貸切にしろ、当然普通の路線バスや高速バスのようなわけにはいかないはず。裏表紙で運転士募集の広告が掲載されているが、未経験もOKとあるけれど、大丈夫なのかな?とも思う。はとバスは都営バスの(青梅を除く)支所の運行を受託しているが(裏表紙の募集にはない)、そちらからのルートというのはないのか。通勤バスは白ナンバーなので大型一種でOKなのだが。お客さんを楽しませるだけでなく、同時に運転している自分も楽しくなる、そんな職場にできればいいなと思います。

沖縄バスと東陽バスの730車
 沖縄バスの新原ビーチ終点は私も行った事があるが、やはり沖縄のバスを代表する風景はここ!という事になるのだなあ。私が行った時は、曇り空だったのが残念でした。 今でも現役はウレシイが、残念ながら行けば必ず乗れる、というものではなさそう。東陽バスは休日に191系統で運用されるようだが、沖縄バスはちょっとスケジュールが見当たらなかった。
 今回は観光ガイドもあるが、「Jef」は知らなかった。4店舗だけだそうだが。「A&W」は行ったけれどね…。ファストフードチェーンでも、地元資本があるなら、そちらの方へ行って見たいもの。
 こうなると、那覇バス(いすゞBU04)と琉球バス交通(日産ディーゼルU20H)が「730車」を全滅させてしまったのは、なんとももったいなかった。「しまった!」と思ったかも知れない。両社とも経営が破綻してしまった、その影響もあったのかも知れないが。本土にも同期のモノコック車の動態保存車があり、それらと並ぶ機会があれば、なんて夢も見てしまう。

 この他に、JRバスと首都圏の事業者がそれぞれ行った、ドライバーのコンテスト、観光・高速バスのユニバーサルデザイン化、「P-」代車(士別軌道は、運用期間が橫浜市営時代の倍以上になった)。
 折込みカレンダーも、730車。
 バスグラフィック誌は、メインの特集が関東の事業者になる事が多い。関西も大きな事業者が多数あるので、どこかやってもらえないでしょうかねえ?

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 東急が昨日、3月16日ダイヤ改正のリリースを出しました。これで、関係各社全てが、3月16日改正のリリースを出した事になります。後日書きます。

《今日のニュースから》
 3日 陸前高田市長選 5票差で現職当選
 4日 成田空港A滑走路 運用時間延長決定
 5日 中日 松坂大輔 永住権取得のため渡米

 成田空港A滑走路の運用時間延長は、1978(S53)年5月20日の開港以来初めて。10月から、午前0時まで延長。特にLCC勢は歓迎しているようだが、特に交通アクセスが問題で、鉄道は運転時間繰り下げで、保守の時間をキチンと取れるのか。バスは深夜帯のドライバーを確保出来るか。そのあたりが最大の課題になるでしょう。とにかく交通アクセスがウィークポイントであり続けている空港なので。