№1947 2018年度年末年始 航空利用データ分析
2018年度の年末年始の航空利用のデータが昨日、航空各社から発表されました。例年通り、データから利用状況を読み解いていきたいと思います。
今年度は、12月28日~1月6日の10日間が対象となりました。特に国内線で、やや例年と違う傾向が見られたような気がします。
会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。国際線は「日本発」「日本着」で統一。
注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。「ピーク」は各社が発表している日付をそのまま表記、基準は様々です。
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全日空
国内線 座席数 1,808,063席(96.7%) 旅客数 1,450,462人(95.9%) 利用率 80.2%(△0.6%)
国際線 座席数 346,633席(96.3%) 旅客数 300,389人(98.6%) 利用率 86.7%(+2.0%)
国内線は、全体的に座席数が減ったが、それ以上に旅客数が減少したため、利用率はやや低下。「前後の連休(天皇誕生日・成人の日の所か?)に利用が分散した」としています。沖縄が86.6%と好調の一方、東北・北陸が74.4%と低くなりました。「旅客数前年比」も、この方面が一番低くなっています。
ピークは、下りは12月28~31日(29日96.1%)、上りは1月2~6日で、谷間の、今年初の平日の4日が95.0%と一番高くなっています。
国際線は、B787トラブルの影響だろう、減便を行っている北米と中国で座席数が減少しました。リゾート(ホノルル)路線は、利用率が96.1%でダントツに高い。これは、5月以降のA380導入後が、大いに期待できそう?
ピークは、日本発は12月28・29日で両日とも93.7%、日本着は1月4~6日(6日94.8%)。
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日本航空
国内線 座席数1,197,138席(101.7%) 旅客数981,816人(100.6%) 利用率82.0%(△1.0%)
国際線 座席数327,991席(108.2%) 旅客数299,730人(108.7%) 利用率91.4%(+0.4%)
国内線は、座席数は全体的に横ばい。こちらも沖縄が89.9%の一方で、東北・北陸方面の利用率が77.0%と、方面別で一番低い。ただこちらは、旅客数の前年比は高くなりました。
ピークは、下りは12月29・30日(96.2%)、上りは1月4~6日で、こちらも4日が95.7%と一番高くなりました。臨時便は羽田~新千歳10便、羽田~旭川4便、羽田~沖縄17便。
国際線は、増便を行ったグアム線の座席数がほぼ倍増、その他全体的に座席数が増えました。旅客数は、米大陸とハワイ線が、前年度よりかなり増えました。一方で韓国路線の減少がやや大きい。
ピークは、日本発は12月29日の96.2%、日本着は1月5・6日(6日98.1%)。臨時便は成田~ホノルル5便、成田~グアム1便、チャーター便は成田~コロール(パラオ)5便。
日本トランスオーシャン航空
座席数114,620席(105.7%) 旅客数94,722人(102.3%) 利用率82.6%(△2.9%)
座席数の増加に、旅客数が追い付かなかった。臨時便は沖縄~宮古間8便。
琉球エアコミューター
座席数21,150席(99.8%) 旅客数15,483人(105.0%) 利用率73.2%(+3.6%)
こちらは、座席数は減少したが旅客数は伸びた。前年度は運航されなかった沖縄~宮古(10便)・沖縄~久米島(7便)の運航があり、JAL本体の沖縄路線の好調さが波及した形、だろうか?
(他に沖縄~南大東・北大東、南大東~北大東で各3便臨時便運航)
日本エアコミューター
座席数30,560席(71.2%) 旅客数19,841人(68.0%) 利用率64.9%(△3.1%)
J-AIR運航に移行した路線が多くなり、座席数、旅客数、共に大きく減少しました。臨時便の運航はなし。
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スカイマーク
座席数251,871席(107.9%) 旅客数221,659人(105.6%) 利用率88.0%(△1.1%)
路線再開もあり、座席数が増加。旅客数も増えたが、座席数の伸びには追い付いていない。ピークは、下りが12月29日(95.4%)、上りが1月6日(97.8%)。80%を切ったのは、1月5日の下り(79.5%)だけでした。
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エア・ドゥ
座席数79,728席(92.2%) 旅客数67,087人(94.4%) 利用率84.1%(+1.9%)
座席数は減ったが、旅客数はそれまで落ち込まず、利用率は上向きました。期間後半の新千歳の混乱の影響は、ADOはあまりなかったかも知れません。ピークは、下りが12月31日(96.9%)、上りが1月6日(99.7%)。羽田~新千歳で20便増便。
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ソラシドエア
(ANA販売分は含まず)
座席数77,101席(99.2%) 旅客数63,668人(96.3%) 利用率82.6%(△2.5%)
座席数はほぼ横ばいだが、旅客数はやや減少が大きい気もします。ピークは、下りは12月29・30日(29日98.3%)、上りは1月3~6日(5日98.8%)でした。羽田~長崎線で臨時便8便運航。
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スターフライヤー
(ANA販売分は含まず)
国内線 座席数58,096席(101.2%) 旅客数49,691人(98.3%) 利用率85.5%(△2.5%)
国際線 座席数6,000席 旅客数3,337人 利用率55.6%
国際線再参入後初のハイシーズンになりました。
国内線は、前年度は運航していなかった北九州~沖縄路線が就航していて、座席数は増加したが、旅客数が減少してしまいました。ピークは路線毎に出しているが、トータルで一番の高率は、下りは12月31日の96.4%、上りは1月5日の98.7%。下りは1月1~3日も90%を越えているのが目に付きます。
国際線は、再参入したばかりだからでもあろうが、最初のハイシーズンは低調でした。一番の高率は、日本発は1月2日の87.3%、日本着は1月6日の90.7%。北九州~台北線の北九州着は、12月29日がピークだったそう。1月5・6日の日本発が20%を大きく割り込んでいて、台湾側の知名度がまだかなり低いだろう事が想像されます。エアアジア・ジャパンが中部~台北線への参入をリリースしており(2月1日~)、知名度は遙かに高いだろうから、このままだと今後も苦戦が予想されます。まずは台湾側の知名度を上げる事でしょう。
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フジドリームエアラインズ
(JAL販売分を含む)
座席数55,536席(102%) 旅客数43,811人(101%) 利用率78.9%(△0.8%)
出雲路線が開設されているが、座席数、旅客数ともほぼ横ばい。
路線別では、新潟~福岡線(92.2%)が最も良くなりました(前年度もそう)。この1年間の新路線では、静岡~出雲が70.1%で最も低く、仙台~出雲は75.2%でした。
ピークは、小牧の下りは12月29日(94.1%)、上りは1月5日(96.4%)、静岡の下りは12月29日(97.7%)、上りは1月4日(96.7%)、松本の下りは12月31日(96.0%)、上りは1月5日(97.6%)でした。
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ピーチ
国内線 座席数126,360席(113%) 旅客数113,248人(115%) 利用率 89.6%(+1.1%)
国際線 座席数74,160席(106%) 旅客数67,798人(109%) 利用率 91.4%(+1.5%)
国内線・国際線とも、座席数以上に旅客数が伸びました。
ピークは、国内線の下りは12月30日(90.4%)、上りは1月6日(95.1%)、国際線は他キャリアと傾向が異なっていて、日本発は12月30日(90.4%)と遅くなり、日本着は12月29日(94.7%)で、日本発より早くなりました。内際とも、80%を割った日はありませんでした。
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ジェットスター・ジャパン
国内線 座席数 197,460席(115.7%) 旅客数 178,056人(114.6%) 利用率90.2%(△0.8%)
国際線 座席数 23,400席(93.5%) 旅客数 21.317人(95.7%) 利用率 91.1%(+2.1%)
国内線は関空~熊本・高知路線が開設になり、座席数が増えました。伸びはやや追い付いていないが、それでも好調だったと言えるでしょう。ピークは、下りは12月31日(94.0%)、上りは1月5日(96.5%)。
国際線は関空~台北が減便になったため、座席数はやや減少したが、旅客数はそこまで落ち込みませんでした。ピークは、日本発は12月29日(98.1%)、日本着は1月2日(92.8%)になりました。他キャリアではピークに近くなる6日の日本着が、唯一80%を切りました。どうしてだろう?
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バニラエア
国内線 座席数56,520席(105.7%) 旅客数44,191人(99.5%) 利用率78.2%(△4.9%)
国際線 座席数37,980席(95.9%) 旅客数31,927人(93.9%) 利用率84.1%(△1.8%)
最後の年末年始。国内線は、座席数は増えたのに、旅客数が減少しました。ピークは、下りは12月30日(89.5%)、上りは1月6日(90.8%)。90%を越えた日が、1月6日の上りだけでした。
国際線は、関空~セブ路線が休止になったので座席数が減少、それ以上に旅客数が減少しました。ピークは、日本発が12月30日(94.8%)、日本着が1月5日(87.7%)で、日本着は90%を越えた日がありません。内際とも、全体的に低調だったように思えました。
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春秋航空日本
国内線 座席数 20,034席(189.3%) 旅客数15,985人(179.7%) 利用率 79.8%(△4.3%)
国際線 座席数 9,695席(183.2%) 旅客数 8,306人(188.0%) 利用率 85.7%(2.2%)
国内線は復便があり、座席数は倍に近くなりました。ただ、旅客数はまだそこまで追い付いていない。ピークは、下りは12月30日(97.7%)、上りは1月4日(96.0%)。
国際線も増便があって、座席数、旅客数も倍に近くなりました。ピークは、日本発は12月28日(92.6%)、日本着は1月4日(94.0%)。体制の立て直しで、今後が期待されます。
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エアアジア・ジャパンは、今日の時点では確認出来ませんでした。
全体的には、国内線は低かったのかな?利用率が前年度より上がったのは、エア・ドゥとピーチだけでした。座席数が大幅に増えた所もあるから、低調、とまでは言い切れないが。また、ピークが早めに来る傾向があるように思えたLCC勢が、今シーズンはスタートがやや遅めになったような気がします。あるいは、期間終盤(今現在も影響が出ているようだが)の新千歳の降雪による混乱も、あるのかも知れない。
今年はANAのA380就航にピーチ・バニラの統合など、航空界にかなり大きな動きが予定されています。これが、今後のハイシーズンにどのような影響を与えるのか、注視したいと思います。
まずはGW。何しろ平成から新しい世の中に変わり、しかも10連休となる事が決定しています。昭和→平成の時のような事はないと思うが、どう数値が動くのかねえ。少々読みづらいです。
報道によると、国内線は13社合計で334万4千人となり、0.4%の減少。やはり前後の連休に分散されたとみられるとしています。鉄道は5%増で9年連続の増加、雪の影響による航空からの転移らしく、北海道新幹線は9%増だったそうです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
ANAウィングスで今月あたま、機長から乗務前の検査でアルコールが検出された問題で、飲酒の量などで虚偽の報告をしていた上、副操縦士らに口裏合わせを依頼していたという事。先月JALに業務改善命令が出て、ANAウィングスも厳重注意を受けていたのに、少しは自粛しようという考えはなかったのか?航空だけでなく、クルーズ船でも船長からアルコールが検出されたとかいう話もあり(事故の後らしいが)、一連の事態は、交通業界に留まらない、日本人の飲酒文化が深く関わっているのではないだろうか?
「いだてん」の第1話を日曜日に見たが(ビートたけしが大河ドラマ出演とは、時代も変わったものだ)、ストックホルム五輪に日本から選手を出すための予選会をやろう、という所で、「京浜電鉄」の4文字が出てきたので、オヤッと思った。大師電気鉄道から社名を変えて間もない頃だが、羽田に海水浴場を開発するための用地を持っていて、そこで予選会を行った、というストーリーでした。今の感覚だと羽田で海水浴?と思うが、京急線には今も大森海岸駅があり、明治の頃は、東京でも充分に海水浴が楽しめたのでしょう。京急関連の文献には、羽田の開発に関する記述を(少なくとも私は)見つけられなかったけれど、このまま羽田に海水浴場が造られていたら、飛行場(空港)が建設される事はなく、のちの日本の交通全般が、全く違った方向に行っていたかも知れません。2話以降は、金栗四三の出身地・熊本(地震があった、今の和水町だって)が舞台になるようだが、事前の予告編を見たら、〔SL人吉〕の50系が出てくるようです。無論ミスマッチは否めないのだが。
《今日のニュースから》
6日 テニス錦織圭 3年振りツアー大会優勝
7日 国際観光税導入 出国時に1000円
8日 日産ゴーン前会長 勾留理由開示手続き 無罪主張
吉田 沙保里(レスリング)・中澤 佑二(F・マリノス)・楢崎 正剛(グランパス)が引退表明、攝津 正(ソフトバンク JR東日本東北出身らしいが、何をやっていたんだろう?)が引退会見と、今日は大きな「引退」のニュースが多かった。