№1928 JTB時刻表2018年12月号(JTBパブリッシング) 「超リニューアル号」

「JTB時刻表12月号」、予告もなくいきなり「超リニューアル号」と称し、大幅に誌面構成が変わりました。
 でも、なぜ12月号で、なのだろう?次の1月号でも良さそうなもので、なにか時期が中途半端、という気がする。

ココが使える!新しくなった時刻表
 では具体的にどこが新しくなったの?という事が、グラビアで解説されています。

① 指定席連結列車の車両形式を掲載
 これは既に先月から始まっています。特急以外の指定席連結列車や、ライナー列車の形式が本文中に記されています。JRと一体で掲載されている私鉄や第3セクター鉄道もです。
(だから今号の表紙が、〔湘南ライナー〕で走る東海道本線(大船~藤沢)の185系なのか?)
 例えば、特集ページの〔新春初詣やまどり〕は「485系」、〔ぶらり高尾散策号〕は「651系」、高崎~横川間で運行される客車列車は「旧型客車」。
 本文の〔湘南国際マラソン1号〕は「185系」、〔ホームライナー静岡1号〕は「373系」、〔みえ〕は「75形」、〔マリンライナー〕は「5000系+223系」、南阿蘇鉄道〔ゆうすげ〕は「トラ700形+TORA200形」、〔風っこストーブ女川号〕は「トロッコ車両(48形)」、新千歳空港の〔エアポート〕は「721系または733系」など。
 本数が多い快速では、欄外に記載されているものもあります。
 ただ、私鉄のページまでは記載がなく、展望席つきが限定運用の小田急ロマンスカーや、「しまかぜ」「アーバンライナー」などの近鉄など以外は、個々の列車の形式は記されていません。
 特急はともかく、他の列車ではややマニアックな気もしないではないが、航空だと各航空会社の公式の時刻表でも「B777」「A320」などと記されているし(単にサービス・居住性の違いだけでなく、手荷物の機内持ち込みの許容サイズなども関わってくる、という事もあるのだが)、これでも良しでしょう。ファンにはありがたいかも。

② きっぷページを使いやすく
 営業案内のピンクのページと、特集のページに分かれていたきっぷのページが、「特集」の次に一本にまとめられて掲載。
 JRが関わらない私鉄のきっぷも、かなり増えています。ただ、実際にはもっとたくさんあるのでね…。とりあえず、私鉄各社や、都市部の一日・二日などのフリーきっぷを、一覧にして並べてみても良かったのではないでしょうか。

③ 索引地図に一部路線を追加
 湘南新宿ラインの大崎~西大井間、〔はるか〕〔くろしお〕が通過する新大阪~福島間など、旅客列車が通過する貨物線(と言っても今は貨物がほとんど走らない区間が多い)を追加、二重線で、凡例では「旅客列車が通る貨物線」と称しています。
 湘南新宿ラインがスタートするまでは、どこもたまに臨時列車が通るだけで(駒込~上中里間は、国鉄時代末期から池袋発着の普通電車が通過するようになっていたが)、ファンの間では「裏街道列車」と呼ばれていたものでした。
 鶴見~東戸塚間は、今の定期旅客列車はライナーだけだが、あと2年位?で、鶴見~羽沢横浜国大(中間の羽沢貨物駅に隣接して新設される駅)間で、相鉄直通列車が走る事になります。ただ、大半がトンネルとシェルターになるのだが(東海道線と横須賀線を分離するために建設されたが、かなりモメた区間)。

「のりもの情報局」は、「キングレコード『エアトレインNEXT』好評発売中」「東武鉄道『2018東武ファンフェスタ』開催」「西武鉄道新型特急車『Laview』」「東京メトロ『地下謎への招待状2018』開催中」「水島臨海鉄道『2019オリジナルカレンダー発売中』」「日本鉄道写真作家協会『協会30周年記念写真展「&」アンコール展開催』。
「鉄道模型プレゼントコーナー」は京阪電車大津線の80形。これ、1両だけ?冷改以降は引退まで2連で走っていたのだが。

 本文が皆同じ色になり、「黄色のページ」という呼び方は出来なくなりました。何と呼べば良いだろうか?
 この号からはページ上の文言に合わせて、「特集」「お知らせ」「きっぷ」と呼び分ける事にします。

特集
「ひと目でわかる!JR線 電化区間と複線区間」
 この記事、今年は1月号・10月号に次いで3度目の掲載となりました。10月号から変わった事項はないのだけれど。
 大みそか終夜運転が、今号はダイジェストで発表になっています。
 関西は運転区間が縮小され、奈良線(関西本線)・城陽~奈良間、学研都市線・四條畷~京田辺間、和歌山線・王寺~高田間が取り止め。これらはいずれも、前シーズンでは60分間隔程度と本数が少なかったので、利用が減少していたのでしょうか。近鉄があるからいいか、という事もあるのか。
 阪和線・鳳→日根野間の臨時列車も取り止め。
 関東は、若干本数に変動がある区間はあるようだが、運行区間は変更なし。
 初詣列車でここまで公表されている分では、新潟~弥彦間は、NO・DO・KAによる全席指定の列車は取り止め。
 四国の薬王寺は、徳島~阿南間も設定されていた普通(阿南~日和佐間ノンストップ)は取り止め。特急〔やくおうじ〕(185系)は変わらず。
 ハウステンボス関連は、博多行特急は1本削減、愛称から「カウントダウン」の文字はなくなり、単に〔ハウステンボス〕となりました。普通列車は変わらず。

 会社線は、東急大井町線の「Q SEAT」設定の急行の時刻が発表になりました。平日運転で、大井町発19時30分・20時30分・21時20分・22時27分・23時09分の5本。「Q SEAT」は鷺沼まで設定、自由が丘までは乗車のみ、その先鷺沼までは降車のみで、その先は自由に乗降出来ます。指定料金400円。

本文
 中央本線・東京~高尾間の快速電車の時刻が掲載になりました。全列車ではなく、高尾で大月・甲府方面と接続する列車を掲載しています。太多線や愛知環状鉄道線、あおなみ線などの時刻の掲載場所が変わりました。
 埼京線は川越線・川越~高麗川間と一体になり、早朝・深夜(別項)以外は川越線直通のみの掲載になりました。八高線・八王子~高麗川間は川越線と分離されて、中央本線(東線)と同じページに記載。
 相模線は東京近郊区間のページに移動しました。土休日ダイヤは主要駅のみ掲載(寒川神社最寄りの宮山の記載がないのは疑問)。
 JR在来線は全体で、16ページの減少になりました。

 年末年始、「とれいゆつばさ」が、東北新幹線を走る事になりました。

下り
とれいゆつばさ99号 上野12:52 → 15:41山形 12月29・30日運転

上り
とれいゆつばさ98号 山形13:17 → 16:24上野 1月3・4日運転

停車駅:大宮・福島・米沢・髙畠・赤湯・かみのやま温泉

 奥羽本線・津軽湯の沢駅は今シーズンから、冬季は全列車通過になります。12月1日~来年3月一杯。現状でも一部の普通列車が通過になっていました。赤岩駅の通過も続いていて、次のダイヤ改正で廃止も?

 高山本線・坂上~猪谷間は、21日に運行を再開しました。

 函館本線は、12月1日から蘭越~余市間で、一部列車の時刻が修正になります。繰り上げの列車も、繰り下げの列車もあって、時刻表上からは理由が解らないが。臨時列車もないようだし。
(JR北海道の公式Webには記載がない)
 日高本線・苫小牧~鵡川間は、19日に運行を再開しました。

 高速バスは、名古屋~長崎間〔グラバー号〕は今月一杯を持って休止、京都・大阪~長崎間〔オランダ号〕は12月から近鉄バスの単独運行になります。長崎自動車は〔オランダ号〕運行開始からちょうど30年で、夜行バスから撤退する事になります。
 会社線は、南海の高野山ケーブルは、この3連休が終わって翌26日より、来年2月一杯までの間、車両更新のため運休。「運休」とあるだけで、代行バス(橋本~高野山間)については記されていない。「天空」も今年は明日25日まで。〔こうや〕は難波~橋本間〔りんかん〕(号数はこうや+20)で運行。
 京急・京成・北総・都営浅草線・相鉄が12月8日にダイヤ改正を行うが、今号は予告のみ。

 国際線航空は、再び国内線の次に来ました。ベトジェット航空が関空~ハノイ・ホーチミンシティ(12月14日~)、成田~ハノイ(1月11日~)に就航。JALとのコードシェアが行われるが、ここでは記載されていない。アリタリアのANAコードシェアも、まだ記されていません。

 営業案内は、本文と同じ色になりました。文字が小さくなった。ページの数字が、先月までは本文から通しだったものが、特集など(旧「黄色のページ」)と同様別カウントになりました。
 ビジネスホテルのページがなくなりました。最近の予約はWebサイト経由が中心になって、時刻表を見て、というニーズが少なくなっていたのでしょう。

 前にもお願いした事だけれど、今後は私鉄の時刻表を、もう少し充実させて欲しい。大手や地下鉄は必要なさそうだけれど、ローカルについては、第3セクター鉄道などと別の扱いにする必要性は薄れているように思います。観光地や世界遺産へのアクセスの鉄道もあるし、ローカル鉄道支援の意味も込めて、是非本文への掲載をお願いしたいと思います。JR線の掲載方法を少し工夫すれば、大した増ページを必要とはしないと思うが、どうでしょうか。

 これで今年(2018(H30)年)分の発売は終わりました。
(来月に2019年1月号の発売がありますが…。)
 例年通り、今年の更新最終日(12月31日の予定)の一回前、12月29日に、JTB時刻表に見る日本の交通の総まとめを行う予定です。
 今年は小田急線複々線化完成と新ロマンスカーGSEデビュー、「京王ライナー」・西武「拝島ライナー」・東急「Q-SEAT」運行開始、三江線廃止、JR九州で全体的に減便、豪雨・台風・地震等による大規模被災、大阪市営地下鉄民営化、などが挙げられると思います。

 平成の世が終わり、新しい世が始まる来年は、久しぶりにJR線で動きがありそうです。おおさか東線(新大阪~放出)延伸が、平成最後の鉄道新線開業となります。また、山田線全線再開と三陸鉄道移管も大きな出来事になります。それと、中央東線の特急〔あずさ〕〔かいじ〕が全てE353系に置き換わるが、富士急行をも交えて、大きな再編成が行われそうです。既に座席指定の新しいサービスについてはリリースが出ているが(全車指定席になるようだ)、運行形態としてはどう変わるのか。いずれにしろ、来月の、たぶん14日だと思われる、来春のダイヤ改正のリリースが待たれます。他には、西武新特急車「Laview」デビュー、石勝線夕張支線廃止、ゆいレール延伸、ANAのA380(5月らしいが…。ANAの公式リリースはまだなし)にJALのA350就航が挙げられそうです。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
23日 津久井やまゆり園建て替え 住民説明会開催
24日 IOCバッハ会長 福島県訪問 東京五輪競技会場視察

 2025年万博の開催地が、大阪に決定しました。他の候補の顔ぶれからしたら順当か、とも思うが、地元も必ずしも祝福一色ではないようです。例によって、トップダウン的な手法で立候補が決まった経緯もあるので…。さてこの事は、関西の交通にはどのような影響を与えるのか。京阪中之島線の西九条延伸が、これで進む事になるのかも知れない。