№1921 バスラマインターナショナル170(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル170」が、先月末発売になりました。
 表紙は小田急バスの新エルガと、セレガ夜行高速車。バックはハイアット・リージェンシーか。沿線は他に著名な観光地とかは、ないか…。

各地の新車から
 三重交通の新エルガハイブリッドは、バスラマ誌では営業車としては初掲載、のはず。長距離仕様は、今後の各地の長距離路線のモデルとなり得るか。
 北九州市営は、本格的な貸切事業が残っている。どの程度の規模なのか、公式Webを探しても判然と市内のだが。フロントシグネチャーライトは、ウィラーの新車みたいだ。

バス事業者訪問205 小田急バス・小田急シティバス

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 最近も既に他誌で取り上げられている事業者だから書く事は繰り返しになってしまうが、まず一般路線網は、JR中央線と東急田園都市線の間に広がっているが、中央線より北にも路線がある(武蔵境駅~桜堤団地)のが、「小田急」のバスとしては面白い。無論、小田急線沿線にも路線はあるが、南側はむしろ東急バスの方が密だ。前回№90の時と、全体的な違いは少ないが、町田への乗り入れはなくなりました。
 輸送人員は、2009(H21)年が7万人を割ってこの10年では底になっているが、その後は全体的には増加傾向、2017(H29)年度は、前年度より2.2%も増加している。「PASMOと定期券対応が増加要因」としているが、それだけで大幅な増になるのだろうか?京王相模原線沿線の路線の延びがあるかも知れない。その中で世田谷エリアは低迷しているとしているが、小田急線の複々線化完成による再開発の進捗状況によっては、新規展開があり得るかも知れない。
 コミュニティバスの受託については、記述がなかった。
 夜行高速バスは、〔フローラ〕は20台まで出た事があるとはすごい(他社の東北路線も、同じような状況だったと聞いている)。ただ、秋田はLCCはないのだけれど、旧ツアー組のバスが多数あって激戦区になっているようなので、こちらの影響が出ているのではないだろうか。その辺の分析はなかった。
 空港バスは、成田路線の低迷傾向(羽田の国際線増便が要因だろう)もあるが、沿線住民の高齢化が空港路線に影響が出ているようだとしている。航空業界側は、高齢者の取り込みが利用増と考えているらしいのだが。
 一連のコメントを読む限り、小田急シティバスは現状維持で行く事になるようです。本社所在地も小田急バス本体と異なるし、今後さらに独自色が強まっていくのだろうか?アクアライン路線を中心とした、比較的短距離の昼行路線が支えていく事になるだろう。
 車両の「スケールメリット」は、特に立川バスで感じられる気がしました。最近はかなり小田急バスの仕様に近づいているようだ。ただ、中乗り前降りの違いはあるし、まだフルカラーLEDにはなっていないが。
 ドライバー事情はどうだろうか?小田急バスも先日事故が起きているし。安全訓練車もあって、安全対策は拡充が進んで行くのだろうと思うが。
 車両面では、セレガHDはパープルか。犬のプレートはなくなった。

大型電気バスBYD K9 3年間の運行実績
 今年になって増備された2台は、167号で車内の写真が公開されているが、かなり一般のバスに近づいている。ただ全体のコンポーネント、特に中ドアの位置は、もう少し後にできると良いのではないか。機器類の配置があるのかも知れないが、このままだと幅を広げる事は難しいのではないか?
 肝心の燃費のデータは、ランニングコストは圧倒的にEVが上。電気価格が安定しているので、燃料費/距離は平均でディーゼルの1/3。今後は軽油の単価が高止まりになる事も予想される(原油を中東から安定して輸入出来なくなるかもしれない)ので、よりEVが優位になるのではないか。課題はやはり初期の車両価格、それと充電設備の充実、という事になる。ただ、何度も書くが、電力の安定的な供給が今後も可能なのか、それが問題。
 京都市は、過去に京都市営バスが三菱ふそう「ブル」をベースにしたEVバスを走らせていた実績もあり(車両は保管されている)、プリンセスライン一社で終わらず、京都市営バスや、京都バス・京阪バスあたりと協調して、EV導入の拡大を図る、という方向に行く事はできないだろうか?EVに限らないが、事業者間の横の繋がりが欲しいです。

第68回 IAA会場に見るバスと新技術
 今回のショーは、EVが席巻。ドイツはフォルクスワーゲンのディーゼル車のスキャンダルもあったし(今月に入って集団訴訟が提起された)、敏感にならざるを得ないだろう。それと、他のショーとの関連で、メーカーの垣根を越えた「ボーダーレス」の流れも見られるという。
 BYDのEVは正面上部がラウンドされているデザインがユニークだが、大分欧州のバスのそれに近づきました。12m級だが、もう少し短いバージョンはないのか(ミディサイズはあるが)。そうすれば日本でも導入の可能性が出てくるかもしれない。
(公式側を見たかった。中ドア付近はどうなっているのだろうか?)
 アメリカのスクールバス向けの車両も展示されているが、アメリカの一般の路線バスの事情はどうなっているのだろう?
 大量のバスが展示されるショーの開催はうらやましい、けれど、コルトレイク・Busworld(166号)の時にも書いたが、「バスのショーの存在自体が、日本では知られていない」というのがあるので、まずそこから始めるべきなのだろうと思っています。

 その代わり、と言って良いのかどうか、バスの日(9月20日)を挟んで、各地でイベントが行われています。ただ、「スルッとKANSAIバスまつり」が2年連続で中止になったように、元々台風の時期の終わりなのに加えて、この数年の異常すぎる気象状況で、イベントがキチンと行われるかどうか、不安にならざるを得なくなってきているのが少々困ったもの(仙台も去年は中止になっているし)。張り切って準備に当たってきた関係者の方々の無念も、相当なものだろうと推察します。このあとも海老名や立川などでイベントが行われるが、無事に開催にこぎ着けて欲しい。
 ドライバー安全運転コンテストもいくつかあって、普段の走行では考えられないような、難易度が相当高い条件下を走る事になるが、言い換えれば、これをクリアできるなら、一般の運行はもっと余裕を持って出来るはず、という事。

 香港のバスのコラムには、ニューランタオバスのBYDが出てきた。ニューランタオバスは6年前に乗っているので懐かしい。この車両はプリンセスラインと同型だ。香港と言えば二階建てバスだが、ダブルデッカーはまだEVは作れないのだろうか。今の香港のバスの最大の関心事は、何と言っても港珠澳大橋の開通だろうと思う。次号で取り上げてもらえるだろうか。

 国内ニュースは、関東鉄道の茨城空港~つくば路線の筑波山神社延長が週3日だけなのは、ソウルからのイースター航空便からの接続と考えられます。筑波山神社付近に、韓国人が泊るような宿があるのだろうか。
 北九州市の連節バスは、運行が検討されている区間は、(小倉~戸畑ルートの東側を除いて)かつて西鉄の路面電車が走っていた区間だ。廃止からもう、四半世紀以上経ってしまいました。

 次回の事業者訪問は、江ノ電バスが予告されています。200回に到達した165号の時、「比較的大きく、高速バスも運行しているのに未だ取り上げられていない事業者が、思いつくだけで10社程度ある」と書いたのだけれど、江ノ電バスはその内の1社(正確には江ノ電バス橫浜と江ノ電バス藤沢の2社)です。地元でたまに乗る事もあるけれど、橫浜と藤沢では大きな違いを感じます。とはいえ、それほど広くはないエリアを、今後も2つに分けてやっていくのは、メリットがあるのかなとも思っています。どんなコメントが出てくるのだろうか。

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《今日のニュースから》
 2日 航空自衛隊F2戦闘機2機 空中で接触
 3日 競技カルタ 初の世界大会 近江神宮で開催


 月曜日から4日間、南九州(大分・宮崎・鹿児島)に行ってきます。特に大分と宮崎はかなり久しぶりです。天気が少々心配でありますが…。
 このため、来週の火曜日、それとたぶん木曜日も、更新はお休みとさせて頂く予定です。