№1913 バスグラフィックVol.36(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックVol.36」、少々遅くなったが、ここで取り上げます。

関電トンネル 新型電気バス登場!!
さようなら 関電トンネル トロリーバス

 ここのトロリーバスは大分昔、まだ300形に置き換わる前に乗った事があるが、正直あまり記憶がない。写真が今回ちょっと見つからなくて申し訳ありません。
 その頃に乗った、先代の100形・200形の写真は貴重だが、当然当時のバスは皆ツーステップだけれど、一般のディーゼルバス以上に腰高な印象。
 300形のメカニックが公開されているが、床下がほぼ全部走行機器になっていて、この構造である限り、トロリーバスはバリアフリー化はできないという事になる。最近は欧州でもトロリーバスが廃止になりつつあるようだが、架線などの構造の他に、バリアフリー化も理由の一つに挙げられるのではないだろうか。
 その点、新規のEVは新ブルーリボンベースだから当然ノンステップなのだが、座席は普通のディーゼルバスと同じみたいなので、やや安っぽい、かも?
 これでトロリーバスそのものが日本から消滅、ではなく、同じアルペンルートの大観峰~室堂間を走る立山黒部貫光が残るから、こちらも少しでいいから取り上げて欲しかった。関電300形導入の3年後にディーゼルバスから転換しているから、貫光の方も3年後くらいには車両や施設の更新という話が出てくるはずで、その時点でEV転換となるのだろうか。また、美女平~立山間の一般の高原バスも、一部はハイブリッドになっているが、こちらもEV導入、という話になるかも知れません。

InterCity DD登場!!
 JRバス関東に新規導入のダブルデッカーだが、「アストロメガ」という名にはならないらしい(バスラマ・インターナショナル誌ははっきり「アストロメガ」と呼称していたが)。元々のアストロメガは観光バスベースで、今回は本格的な高速バス仕様だから名称を変えた、らしいが、先行の京成やジャムジャムは、観光バスベースのまま、高速路線に導入していた、という事か。

祝 開業90周年 橫浜市営バス
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 橫浜市営バスは5年前のVol.18でも特集されていたが、今年は市営バス創業90周年の記念として、再度登場。

 41系統は、遠い昔は鶴見~中山間通しの便もあって、旧鶴見〔営〕と緑〔営〕が共同で受け持っていました。最末期の通し便は早朝の1往復だけになっていたが、三菱ふそうを配置していた緑〔営〕持ちだったので、市営・臨港が皆いすゞという鶴見においては異色の存在だった事を覚えています。鶴見側と中山側で、系統番号を分けた方が良いと思うが。
 今は大倉山~川向町あたりをラップさせる形で分断されているが、鶴見側は便数が多い。ただ、市営バスで最多の乗降人員を誇るというのは、今回初めて知りました。
 狭隘路が多いというのもあるが、今、首都高速横浜北線のランプの工事を行っている所があるので(道路は開通しているが、ランプは後になる)、その影響は出ていないだろうか。
 21系統の旅も興味深いが、滝頭営業所は整備工場工事中か。

「橫浜市営バスの車両たち2018」は、これで全車種になるそうだが、全体的にJBUS系に偏重になっているのが、昔のバラエティを知る者としては、正直寂しい気もする。三菱ふそうはもう1タイプしかない。これにしても確か8年ぶり位の三菱ふそう導入だった、はず。恐らく、三菱ふそうの相次ぐ不祥事で、入札から締め出されていたのではなかろうか(これは全国の公営バスでほぼ共通していた)。日産ディーゼルも、後身のUDトラックスがもう製造を止めてしまったから、このままだと数年後には全部JBUS系、という事になるのか?
 昨今の公営では珍しく、ワンステップ車の新規導入があるのが、目につく。皆Q尺で、ラッシュ輸送を考慮していると思われる。今はエルガもブルーリボンも全部ノンステップだが、どちらもハイブリッドも含めてQ尺のラインナップがあり、今後導入があるかが注目。
「あかいくつ」は、初代車両がもうすぐ15年になるので、そろそろ代替、という話が出てくるのではないだろうか。全体的には利用は好調のようだし、中型車では輸送力不足かも知れない。
 観光バスは、最近の公営の観光バスでは珍しく本格的なタイプで、この「リムジン型」を使って、スパリゾートハワイアンズへの無料送迎バスの運行を受託しているので、この辺も記されると良かった。病院の送迎バスのローザにリエッセⅡも、公営では珍しいのではないか?
 今後は、東京都営バスのような燃料電池車(京急バスも導入すると発表している)、あるいはEVの導入はあるだろうか。地元も地元の市営バスだし、今後に期待します。

立川バス 福生新営業所 始動!!
さようなら 拝島・瑞穂営業所

 立川バスの拝島営業所と瑞穂営業所は7月1日、福生営業所として統一。まだ実際に見てはいないのだが、女性用の設備の充実は、他もそうだろうが、最近の新しいバス営業所らしい所。今や女性の力も積極的に借りないと、バスの運行の確保もままならない時代だから…。
 今後は上水〔営〕所属車両も、車検は福生で受ける事になるのか。
 福生市は八王子ナンバーのエリアなので、旧拝島〔営〕車は、全部八王子ナンバーに付け替えられる事になります。旧拝島・瑞穂〔営〕のラッピングバス(「リラックマ」「すみっコぐらし」「フレームアームズガール」)は全車、そのまま福生〔営〕に移動した模様(「フレームアームズガール」は、公表されている新運用から見て上水〔営〕に転属かと思ったが、中休みだけらしい)。

2018 しずてつジャストラインの復刻塗装車たち 
 今回ここに掲げられている車両は見ていないが、先日静岡に行ったら、思った以上に各復刻デザインの車両が走り回っていて、1時間も静岡駅前にいたら、少なくとも一般路線車は全デザイン見られるのではないかと思った。エアロスターは美和大谷線で走っているそうだが、小鹿〔営〕。先日、やはり旧デザイン復刻の新エルガで奥長島から東大谷まで乗り通したが、あれは鳥坂〔営〕だった。この路線は共管らしい。

讃えよう P-車の功績
 東京からは遠いとは言え、特急列車一本で行ける茨城県や福島県で、まだP-が見られるのか。首都圏ではKL-さえ淘汰されつつあるのに。椎名観光のジャーニーKは、内装(床が板張りではない)だけでなく、外観も遠州鉄道の色違い。グリーンをブルーに変えただけ、という感じ。

 最後の方に、桜木町を走る市営バスの見開き写真。市営バスが同じ方向に4台続けて走ってくる。
 2台目の後方、「CIAL」と掲げた建物が見えるが、昔の東横線の桜木町駅の跡地。

 折込み付録は、神奈中バスの連節バス・シターロG。

 今号も、カラーグラフ中心で楽しく読めました。次回刊も楽しみだが、バス業界の最近の大きな出来事として、関東自動車の東野交通吸収合併があったので、栃木のバスの特集をやってほしいかなあ。関東も旧東野も、旧塗装復刻車があるし、日光の東武バスあたりも交えてやってもらえたら。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 ANAが、来春からの羽田~ウィーン線の就航を発表しました。羽田は深夜早朝枠を利用。B787-9でデイリー。現在はOSとのコードシェアで乗り入れ、という形を採っているが、かつては成田~パリ便のうち、週1便がウィーン経由で飛んでいました。それ以来の自社機材の就航となるが、やはりルフトハンザグループと提携しているからか、自社機材で乗り入れる欧州就航地点は7ヶ所となるが、うち4ヶ所がドイツ語圏という事になります。
 11歳の少年がオセロの最年少チャンピオンになった、というのが話題になっているが、デュッセルドルフから帰国で搭乗したANA便の谷田機長も、かつてのオセロの最年少チャンピオンだった、という事。ANA側で、帰国便を運航出来るようにスケジュールを調整していたらしいが。デュッセルドルフ便もB787だから、この谷田機長も、いずれウィーン線を運航する機会があるのでは?

《今日のニュースから》
14日 巨人 菅野投手 ノーヒットノーラン達成 クライマックスシリーズ初
15日 海賊版サイト対策 賛否対立 中間とりまとめ断念
16日 東京電力 強制起訴裁判 元副社長 津波対策先送りを否定

 海賊版サイト対策(ブロッキング)は、前にも書いたが、特に出版社側にとっては重大なジレンマです。「自分たちの自由を侵害する行為は許されなくても、自分たちの利益を侵害する他者の自由を束縛する行為は、OKなのか?」という事だから。政府有識者会議は当分予定がないそうだが、権力の介入は許されない、のなら、何としても自分たちだけでコトを解決しなければならない(今の所、私個人の感触としては、出版社側に向けられる視線は厳しい)。
「自由」「権利」は美しい響きを持つ言葉だが、(少なくとも日本では)自らの利益の獲得・保護のためにのみあって、社会正義のために存在しているのではない、のではないか?私には、どこかそう思えてならない。