西日本の台風被害、そして北海道の大地震。交通インフラも被害を免れる事はできなかったし、「計画停電」の4文字は、7年前の悪夢を思い起こさせた(結局実施はされなかったが)。各企業の公式Webサイト冒頭のお見舞いメッセージも、だんだん文言が長くなってくる。アメリカのハリケーンに、インドネシアも地震と津波。地球に住まう限り、人は災害からは逃れられない。ならせめて、立ち向かう覚悟と勇気が一人一人に必要、なのだろうか。全世界規模で力を合わせて難事に挑まなければならない、のに、それはNO、という人が、アメリカに少なくともひとり、いるようだね…。
大坂なおみ全米Vの快挙、安室奈美恵引退、樹木希林死去と、明暗様々入り交じった9月。「リーマンショック」から10年の今月は、どのような事が起こったのでしょうか。
1日 元受刑者社会復帰 支援のカフェ 墨田区にオープン
2日 ブラジル 国立博物館全焼 収蔵品大半を焼失
3日 就職活動の指針「廃止」 経団連会長言及
4日 国民民主党代表選挙 新代表に玉木氏選出
5日 元スパイ暗殺未遂事件 英警察 容疑者特定
6日 早稲田大学野球部 新監督に元ロッテ・メッツ小宮山悟就任 記者会見
7日 スルガ銀行 第三者委員会調査結果公表 会長・社長ら辞任
8日 「本田美奈子.ミュージアム」 埼玉県朝霞市に開館
9日 韓国 MARS感染を確認 緊急会議開催
10日 日本体操協会 塚原夫妻の職務 一時停止
11日 ロシア・中国大規模軍事演習 極東シベリア地域で開始
12日 「タッキー&翼」 年内解散を発表
13日 川崎市タクシー強盗事件 映像公開で容疑者逮捕
14日 評論家自殺ほう助 TV局ディレクターに有罪判決
15日 宇宙輸送船「こうのとり7号」 打ち上げ延期
16日 ベルリンマラソン男子 キプチョッゲ優勝 世界新記録2時間1分39秒
17日 福島県飯館村 明治大学と農業再生事業で協定
18日 職員残業代30年以上未払い公表 神奈川県二宮町
19日 従業員雇用飲食店は原則禁煙 千葉市の条例可決・成立
20日 旭岳 初冠雪 平年比5日 昨年より10日早
21日 ベトナム チャン・ダイ・クアン国家主席死去
22日 横綱白鵬 41回目の優勝 史上初 幕内1000勝
23日 ポルシェ ディーゼル車販売から撤退発表
24日 長野五輪金メダリスト清水宏保 日本スケート連盟理事就任
25日 女川町新庁舎 業務開始
26日 仮想通貨流出 テックビューロ 3度目の業務改善命令
27日 JR東日本・トヨタ 水素利用交通システム構築へ連携発表
今月はこの他、「モーニング娘。」元メンバーひき逃げで検挙、今年二度目の南北首脳会談、「Zaif」から仮想通貨67億円流出、安部首相が自民党総裁選3選、広島東洋カープが球団初のリーグ3連覇、LGBT関連投稿めぐり「新潮45」休刊、貴乃花親方「退職願」めぐり相撲協会と対立、などがありました。
宇宙関係のニュースが相次ぎました。「こうのとり7号」はその後打ち上げに成功し、昨日、ISSとのドッキングも完了しました。その前には「はやぶさ2」から探査ロボットが分離、小惑星「リュウグウ」を撮影した画像を送ってきた事も話題になりました。金持ちIT実業家の宇宙旅行なぞはどうでもよいが。
先月、富田林の警察署から逃走していた男が、更新直前、山口県で身柄を拘束されたそうです。世間が色々ゴタゴタする中で、あれ、今どうなっているんだっけ?と思っていた所だった。
マニアックな話で、一般的でなくてゴメンナサイだが、今年少しばかし力を入れている、アニメラッピング列車・バスで動きがありました(なぜ力を入「れているかというと、来年の自作カレンダーは、アニメラッピングをテーマにして作る事にしているので)。茨城交通「ガールズ&パンツァー」と、国際興業「ヤマノススメ」ラッピングバスは、共に1号車が退役しました(「ヤマノススメ」の方は、明日本体で画像を公開します)。逆に伊豆箱根バス「ラブライブ!サンシャイン!!」は、3号車デビュー、だって(エルガミオで、伊豆箱根では初のノンステップ車)。静岡鉄道「ちびまる子ちゃん」ラッピング電車は、さくらももこ先生追悼の意味で、特製ヘッドマークをつけて運行中です(来月14日まで)。まだまだアニメラッピング車は、アニメファンだけでなく、乗り物のファンにも、様々話題を提供し続けてくれるようです。
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《今月この1枚》
これも明日本体で公開するが、今月10日、しずてつジャストラインバスの終点、奥長島を訪ねてきました。その山の中の奥長島から1時間13分、一転して駿河湾に近い住宅地の中の東大谷まで、安倍川を渡って、静岡駅や静岡大学を経由してたどり着きます。山から海へ、という訳です。全区間通しの便は極めて少ないが。画像の東大谷の終点は、奥長島~東大谷間の美和大谷線の他に石田街道線も経由、駐輪場も整備されて、地域のターミナルとして機能しています。
右側の新エルガが、奥長島から乗ってきた最新車で、銀色+紺帯の旧塗装を復刻しています。静岡駅前に降り立った感触では、しずてつは思った以上に旧塗装復刻車が多くて、1時間もいれば、他の赤系・緑系もまとめて、全部見る事も難しくないのではないかと思いました。この旧塗装車両も、3色とも明日公開します。なお、しずてつは1日にダイヤ改正を行うが、同時に「深夜バス」がスタートする事になっています。23時を過ぎて始発を出発する便は、全て運賃が倍額になるという事。首都圏などと同じなのだけれど。美和団地線にも設定されます。静岡鉄道も静岡県では大企業グループだと思うが、それでも路線の維持が大変なのは、他地域と変わりがないです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
28日 フェイスブック 5000万人分個人情報流出
29日 武豊 JRA4000勝達成
武豊のデビューは1987(S62)年3月、だから国鉄分割民営化・JRスタートの直前でした。もう49歳か…。
今月の締めも、また台風なのか!明日、山陽本線の三原~白市間が開通、全線で運転が再開される予定だが、あるいは延期になってしまうかも知れない。延期だけで済むならまだいいが、豪雨・地震等の被災地の傷口を広げるようなものには、ならないで欲しい。この週末、バスの日・空の日・鉄道の日それぞれのイベントも多数予定されていたのに、ことごとく中止になってしまいました。異常気象が深刻な今日、イベントの開催が無事行われるのか、毎年のように心配しなければならなくなる、のだろうか。
№1905 バスラマスペシャル13 30周年を迎えたJRバス
今年4月1日、バス事業者としてのJRバスが発足して、30年が経ちました。
既にその前年、国鉄が分割民営化され、バス部門も民営のJRバスとしてスタートしたが、この時点では全社、旅客鉄道のバス部門の位置づけにありました。ただ、本州については、翌年のバス分社は規定路線にあり、その通り、5つのJRのバス専門事業者が生まれました。
その後、残る「三島会社」のバス部門も順次分社され、今の体制ができあがっています。
今号はいつものレギュラー号より厚いし、巻末を除いて全部カラーページなので、力は入っているなあというのが第一印象。
各社の規模に応じてページ数は異なり、最多は関東の15ページ、最少は東海の9ページ。いずれも担当者のコメントがあり、走行写真や過去写真、そして主な現役車両のアルバムの構成は同じ。
当然地域によって差があるし、営業政策によっても違いは出てくるが、おおざっぱな傾向としては、
1.高速バスへのシフトが進む
2.一般路線は急速に縮小
3.国鉄時代にはなかったような業務への進出(幼稚園バス、とか)
というのは、ある程度共通でしょう。
それを踏まえて各社を見ていくと…。
北海道
えりもの観光客が足が遠のいているのは、日高線が不便、というより、今は日高線の運行自体が止まり、代行バスの時間が掛かってしまっている事が一因ではないか?(苫小牧を朝出ても、様似着は昼になってしまう)。札幌直行の高速バスは、日高地域発が朝、札幌発が夕方でと地元住民向けで、観光には便利とは言いがたい。前にもどこかで書いたが、夏休みシーズンくらい、帯広駅・帯広空港~えりも間の直通バスの運行も検討されて良いのではないかと思う。
西日本豪雨の代行バスに、北海道まで応援とはやや驚き。特にドライバーは長期の駐在でご苦労だと思う。
JR北海道グループ全体に言えるようだが、なぜ「JR」でなく「JHB」となったのか。この点は少し説明が欲しかった。
北海道は唯一、道路で他地域と繋がっていない事もあって、やや独自の展開。高速バスは既に中央バスや北都交通が路線をかなり密に延ばしているし、札幌一極集中の上、札幌以外の大都市に拠点がないため、今後の大規模な展開はあまり考えにくい。札幌中心の一般路線がかなりのウェイトを占める事になり続けるのだろうか。
車両面では、深名線に札幌地域からの一般車が転用されていたのは、やや驚きだった(道北バスへの委託が行われているはずだが、いっさい記されていない)。旧札幌市営バスは全滅。もう14年経ったから…。
東北
5月に乗った〔ドリーム鳥海〕から撤退とは、実は初めて知りました。「乗客が減少傾向」という事だったが、〔あけぼの〕など鉄道の夜行がなくなって久しいし、由利本荘は旧ツアー組の夜行路線はないので(青森や秋田は激戦区のようだが)、沿線の人口が減っている影響が出ているのだろうか?車両は秋田、ドライバーは交代前・交代後、共に福島なので、運用上問題もあったのだろう。運行開始時点は象潟に営業所があり、ここが受け持ちだったはずで、この時点ではうまくやれていたのだろうが。
(10月からは羽後交通単独となるが、同社としてはどうなのだろう?収入は全部同社のものにはなるけれど、夜行バスを運行できるドライバーを、単純計算で倍に増やさなければならず、うまく確保できるのだろうか?今後東京側にパートナーを探す事もあるのだろうか?)
十和田湖への路線は、八戸からの〔おいらせ〕はスタートしたが、全体的に(JR以外も含めて)縮小傾向にあるのが残念。盛岡からの高速便まで運行されていた事もあったのに。
車両面では、新幹線の二次アクセスを相当意識しているだろうと思われる事が、カラーからも伺えます。
関東
〔ドリーム号〕は高級指向に向かっていて、一般の〔ドリーム号〕は苦戦気味との事。〔青春ドリーム号〕はどうなのだろうか。
アストロメガは〔ドリーム号〕が本命になるとしているが、昼行路線への導入も、積極的に行われても良いのではないか。東京駅で見ていると、特に鹿島神宮へ行く路線は、休日の午後~夕方は慢性的に行列が長くて、こういう路線に収容力が多い車両が向くと思われる。成田空港への廉価路線への導入もあり得るのではないか。
一般路線は、まだ縮小傾向にある地域もあるようだが、とりあえず現状のエリアは維持されるもようでこの点では何より、だろうか。
車両面では、トヨタハイエースの導入が、国鉄時代には到底あり得ない事だが、車種は、関東は「0」か。中古導入中心ではあるが、ノンステップ車が増えてきているよう。
東海
一般路線がなくなって久しい。国鉄バス発祥の路線もあったのに。瀬戸くらいは残せなかったかという感はあります。
車両面では、他のJRバスはいすゞが中心になりつつあるように見えるところ、ここは三菱ふそうと日野で全て。エアロキングは残っているが、SHDはもうないのか。
西日本
まず、大阪駅北口の新バスターミナルについて、何一つ触れられていないのはどうしてだろう?代表取締役のコメントにもないし、画像もない。東京駅八重洲口と同じく、西日本JRバス、ひいてはJRバス全体の、30年における重要なできごとの一つ、のはずなのに。
西日本は一時期「ツバメ」のマークをやめ、一般路線車ではフロントに独自のエンブレムを掲げていた時期があった。今は再びツバメマークが付いているものの、最近はツバメに代えてマスコットキャラクターを描いている車両もあって、方向性が一定していない気がする。大阪なので、「反東京」の雰囲気も、どこかにあったりするのだろうか?
車両面では、高速車にダブルデッカーがあるが、いずれアストロメガ導入もあるのだろうか。アストロメガは今の所関東の事業者のみの導入で、関西初、という事はありうるだろうか。
中国
西日本豪雨の真っ只中で、通常と違う部分も多々あるだろうが。
広島を抱えているので、観光需要は好調そうだ。貸切は、修学旅行の利用はどの程度あるだろうか。
車体の裾に書かれている社名が「JRバス中国」なのは、どうしてなのだろうか。同じJR西日本から派生した事業者ながら、車体のデザインは大分違って、国鉄時代末期に採用されたデザインを受け継いでいて、関東や東海に近い。
車両面では、高速・貸切・乗合とも、現行はほとんどがいすゞで、それ以外は合計で59台しかいない。全体の1/4以下。その中にトヨタがあるが、こちらの3桁目は「9」だ。
子会社の西日本バスネットサービスとは、どのような会社なのか、言及がなかった。光市で運行されているようだが。
四国
大栃線は昨年乗ったばかりだが、「ドキンちゃん」は転属していたのか。こういうの、メインキャラクターが揃っていた方が、本当は良いのだが。去年ミュージアムまで乗った時は家族連れの乗車が多くていいなあと思っていたのだが。10月1日から3往復は実良布折返しに短縮される。本当はミュージアムの前まで入れれば良いと思うのだが、そういう場所がなさそうだ。
四国はJRバスで唯一、貸切から完全撤退したが、他事業者との競争の激化もあるだろうけれど、四国は新幹線も国際空港もなく、外部からの旅客の入り込みが少ないだろうと思われるのも、ウィークポイントになったのではないだろうか。民営化直後には香川の貸切事業者の買収もあって、期待の分野と思っていたのだろうが。
運転競技会では整備技術の知識が不足しているのが解った、整備部門がないから、と言っていたが、整備は全部外注なのか?
車両面では、ここでは三菱ふそうと日野が半々くらいか。今はいすゞがなくなっている。いすゞがないのは、ここと東海。最近の車両は、社名表記は「JR」の2文字をあまり使わず、「ジェイアール四国バス」のフル標記だし、JRマークも使わなくなってきている。
九州
嬉野温泉は新幹線開業でバスへの影響が心配、とのコメントがあったが、フリーゲージトレイン導入の断念で、開業は遅れるのではないか?不動山までテクテク歩いて行ったのは、もう14年前か。「いつまでJR九州バスとして走ってくれるのだろうか」と思ったものだが、特に土休日は減便されている物の(休日の不動山行は1本のみになった)、今の所は維持されているのは何より。
〔パシフィックライナー〕は、臼三線撤退以来8年振りに大分県を走るJR九州バスという事になったが、6往復中の1往復しか担当がないし、〔ひむか〕は今月一杯でJRは撤退。
九州は貸切が好調、過ぎて、ドライバー不足で苦労しているとの事。福岡発着のインバウンドが多いのではないか。去年太宰府へ行って、実感した事です。
「ななつ星バス」は、本当は昼間の写真を見たかったが、稼働中でキャッチ出来なかったのかも知れません。残念。
車両面ではさすがに九州、という事か、西工ボディの車両が比較的多い。「SHDは夜行の標準仕様」としているようだが、本州行の夜行バスはもうないし、比較的距離が短い割にはおごっているなあ、の印象。
以上、簡単ながらJRバス各社の簡単な印象を記してみました。中心となった高速車は、エアロキングやアストロメガはあるが、SHDはかなり減りました。
JRバスの車両称号は、民営化・分社後多少変わってきている所はあるが、基本線は国鉄時代を踏襲していて、鉄道のJR四国のように根底から変えた社はない。ただ、関東・中国にトヨタハイエースがあるが、国鉄時代ではトヨタは「3」だったが、両社ともこの数字は使っていない。昔はトヨタも大型ディーゼルバスを製造していたからこの番号が用意されていたのだが(国鉄時代にトヨタ車の導入はあったのだろうか?)、それとワゴンは違う、という事だろうか。
巻末に在籍車両一覧があるが、それも大いに役立つけれど、資料的な観点では、各社毎の毎年の利用状況や収支を記したもの、それと運行拠点や一般乗合の路線を記した図が、やはり欲しかった。また、年表があってもよかった。
全体的にいうと、これでも通常号より増ページなので仕方ないかも知れないが、やや物足りなさも感じました。これも母体が全国組織でボリュームが大きい、という事なのだろうが。カラーグラフは、「走る道」と「アーカイブス」がごっちゃになっている印象もあって、はっきり分けた方が良かった。一部に国鉄時代の写真もあったが、この号に限ってはいらなかったと思う。それより、JRになってから(も)走った、特徴的な車両の写真を並べた方が良かった。JR北海道で、開拓の村路線で走ったボンネットバス(実際に乗った事があるが、すごい乗り心地だった)とか、日本一周ツアー、JRバス関東の草津温泉や塩原温泉で見られたオリジナルカラー車、鉄道線路跡を転用した専用道を走っていた五新線、高速道載せ替え前の〔なんごく〕、他事業者と共通カラーだった〔ONライナー〕や〔フェニックス〕など。歴史を振り返る、という点でも。
最後に和田編集長が、JRバスと日本の社会をリンクさせた形で、30年を振り返っています。JRバスから多少なれるが、現状の「地方創生」に疑問を呈していて(これはVol.169 事業者訪問・四国交通でも投げかけていた事だ)いるが、繰り返しになるが、それは我々のライフスタイルそのものにも関わってくる事でしょう。いつまでマイカー依存を続けるのか、という事。現自民党政権の政策への批判、とも受け取れるが、では政権が交代したら180°変われるのか、といったら、8年前の民主党政権下で行われた高速道路無料化の結果を見たら、正直疑問も感じます(あれで、特にJR四国バスがかなりの悪影響を被ったとも聞いている)。どうも旧民主党は、中央で実験を握ったら、地方はどうでもよい、と考えている節があったので。
あと、未だに「メガライナー」(上部にモノクロ写真があるが、カラーグラビアで出てくると思っていた)のような特大車、連接バスへの期待があって、JRバス各社に導入への期待を掛けているようだが、これも繰り返しになるけれど、法ではなく、物理的な面で、導入は困難ではないか。大きく道路面積を専有する車両は、道路条件が欧米などより良くない日本では向かないのではないか。特大車を安全に運行できるドライバーの養成も問題でしょう(ただでさえドライバー不足が深刻になっている現像では、なおさら)。アストロメガくらいが適切ではないか。
期待するとしたら、合同の競技会開催に見られる様な、安全対策の強化・充実策と、その根底にあるポリシーを、JRの外のバス業界全体に広げる事ではないか。二度と関越・軽井沢のような惨事を繰り返さないためにも。
今後のJRバス各社はどこへ行くのか。一般乗合事業者が高速中心に転換するという、業界でもあまり例がない方向性に向かう各社だが、札幌や広島などを除いて、一般路線に残念ながら伸び代があまり期待できないのも事実だろうから、今後もその流れは変わらないでしょう。ただ、高速路線も〔ドリーム鳥海〕や〔ひむか〕撤退に見られるように、需要と供給を見極めながら、取捨選択する方向にはなるだろう。JRに限らないが、昼行で5時間程度、夜行でも10時間程度が限度になるのではないかと思え、これを超えるような路線は、利用状況にもよるが、見直しが進められる事になるだろうと思われます。ドライバーの確保の面でも。
それと、JR以外の事業者の関係はどうなるか。民営化直前の中央道の申請で旧国鉄と京王などで対立があったし、最近ではJR九州バスが一時〔フェニックス〕から離脱して独自に高速便を運行した事もありました。北海道中央・京王・名鉄・阪急・西鉄など有力高速バス事業者との関係のあり方(路線・ダイヤの他、予約システム構築やバスターミナルなど)も、今後の検討課題ではないでしょうか。先鋭的な対立だけにはなってもらいたくない。今は落ち着いているようではあるが。
一般路線は、とにかく残された路線の現状維持を望みたいが、JR四国は、存続が厳しくなったかも知れない。新車のレインボーⅡにアンパンマンの装飾まで施すくらいだからしばらく安泰と思ったのに、この程度の規模(東海の末期より小さい)では、いずれ民営譲渡(伊予鉄・とさでん)の可能性もあるだろう。一方で京都や鹿児島あたりは、やりようによっては伸びが見込めるような気もします。知恵を絞って、存続を目指して欲しいと願う。
協調しつつ、結局は別々の会社になっている以上は、JRバス同士の競争もあるだろうと思うが、ともあれ競うところは競いつつ、基本的には営業の面でも協調路線を築いて(JRバスに限らず)、次の30年で(各地域の)バス業界のリーダーとして発展していく事が望まれます。
なお、国鉄バス時代のツバメマークは、国鉄在籍の工業デザイナー・黒岩保美氏が、元々は特急〔つばめ〕のヘッドマーク用として描いたものがボツになり、これが転用されたもの、だそうです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
「さんふらわあだいせつ」火災事故の報告書が今日、発表されました。発生から3年以上もかかっていて、何しろ近年に日本では最大の船舶火災事故だけに、調査がかなり難航した事が伺えます。直接の原因はトラックの冷凍機の配線がショートしたと考えられるが、特定はできなかったとの事。それ以上に、消火や脱出の手順に不手際があって、実践的な訓練が不足していたのではないか、としています。
亡くなられた二等航海士の方には改めてお悔やみを申し上げるが、このくらいの規模で収まったのはまだ運もあったと言えます。今後二度と同じような火災事故が起きない事を望みます。
《今日のニュースから》
26日 仮想通貨流出 テックビューロ 3度目の業務改善命令
27日 JR東日本・トヨタ 水素利用交通システム構築へ連携発表
JR東日本は品川再開発地区(新駅工事中)で水素ステーションを整備し、路線バスに燃料電池車を導入するほか、燃料電池で走る鉄道車両の開発も行うとの事。実は、ドイツでは先日、燃料電池を使用した列車の営業運行が始まったそうです。バスでは既に都営で走り出して、来年には京急バスも導入する事になっている日本だが、鉄道車両では、ドイツに追い付く事ができるでしょうか。
広島東洋カープの3連覇、おめでとうございます。次は日本一。去年はクライマックスシリーズで敗退してしまっているし。あとは、サンフレッチェ広島がこのまま逃げ切ってJリーグVのアベック優勝なら、豪雨の被害が大きかった広島の方々に、さらに元気を与えてくれるのではないでしょうか。
また台風か。24号が近づいています。速度によっては、30日の沖縄県知事選挙に影響を与えるかも知れない。既に竹富島では繰り上げ投票をやったようだし。
№1904 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 19.西鉄天神大牟田線 花畑駅<後>
主に花畑駅目線で西鉄天神大牟田線のダイヤ改正を回顧しているが、後半は21世紀です。駅も、ダイヤも変わりました。
2001(H13)年1月20日改正
この年は、2回に分けて改正が行われました。
大牟田線は天神大牟田線と改称、西鉄福岡駅も、「(天神)」の2文字が付け加えられました。
平日朝ラッシュ時上りで、快速急行が新設になりました。大牟田始発と柳川始発が1本ずつで、8連運転はこの2本に集約されます。急行は全列車下大利・春日原・大橋停車になりました。
甘木線は北野始発・終着の区間運転が延長になり、花畑では甘木行始発が繰り上げになった(北野始発を延長)他、最終の北野行が甘木まで延長になりました。この時点で甘木線は平日・土休日とも、甘木発着41往復、本郷折返し3往復となりました。
思うに、この改正が、西鉄のダイヤのピークだったのではないか?この後は、一転して輸送力が減少傾向になります。
この年2度目の改正で、運転形態が大きく変わりました。
天神大牟田線南部(花畑~大牟田)でもワンマン運転を開始、このためこの区間の普通の大半は甘木線と一本化、甘木~花畑~大牟田の直通運転が中心となりました。
福岡(天神)~大牟田間通しだった普通は大善寺折返しに、福岡(天神)~大善寺間の急行(久留米~大善寺間普通)に短縮されました。つまり、運行本数自体は変わらないが、長編成の列車が遠くまで行かなくなるため、トータルの輸送力としては減少する事になります。
特急は大善寺が正式な停車駅となり、全列車が停車。甘木~大牟田直通の普通は、原則大善寺で特急と相互に接続する形になります。
土休日夕方に1本あった福岡(天神)→大牟田間の急行は取り止めになりました。
また甘木線は、土休日の夕方2往復が削減され、39往復になっています。
この改正時刻を掲載した、冊子状の時刻表。7000形が表紙を飾っています。7000形は、この再編成のために製造されたようなもので、この後600形ワンマン車を置き換えていきます。№1888で出した7000形の画像は、地上時代の花畑で撮影したものでした。
2003(H15)年5月26日改正
平日の深夜が増強、福岡(天神)発では、普通の最終の後になる24時00分発花畑行急行(久留米から普通)が増発され、1本前の23時30分発は久留米行から柳川まで延長になりました。上りは、大牟田発柳川行急行が福岡(天神)まで延長、普通では二日市止まり1本が福岡(天神)まで延長になっています。
この改正から、女性専用車の設定が始まりました。福岡(天神)着7時45分~9時19分の特急・快速急行・急行全列車が対象。始発の時点で普通の場合も始発から女性専用車として運用、花畑発では7時09分・21分・27分・8時08分発の4本が対象になっています。
花畑駅付近の高架化と区画整理事業が、2004(H16)年10月にほぼ完成しました。
2004(H16)年10月17日改正
これを機に、一気に特急・快速急行・急行全列車停車駅に格上げ。正直少しばかし驚きもありました。そんな大した駅だったっけ?って。
だから時刻表も、急にカラフルになった印象があります。
急行停車駅となった事で、平日は大牟田発最終柳川行急行も停車、初めて24時を過ぎて花畑駅を発車する列車が設定された事になります。
この時刻を掲載した、冊子状の時刻表。この後数年の間、西鉄はホークスの川崎宗則選手をイメージキャラクターに起用していました。この年だけダイエーです(翌年からソフトバンク)。
2005(H17)年11月13日改正
特段にダイヤ構成上大きな変化はないが、花畑と同時に高架化された試験場前を始発とする列車が設定されました。平日は7時35分、8時06分、9時09分、土休日は8時18分が、試験場前を始発としています。
翌年春の新急行車3000形デビューが予告されていました。
2008(H20)年3月22日改正
特急の最高速度が100→110㎞/hに引き上げられ、日中の最速が下り63→59分、上り62→58分に短縮されました。福岡(天神)~花畑間だと、下り30分、上り28分です。
甘木線で、上下とも初列車が削減されて繰り下げになり、平日40往復・土休日38往復となりりました(他に本郷折返し3往復)。
2010(H22)年3月27日改正
紫駅が開業しました。普通のみ停車。
快速急行は廃止になりました。急行は増発されているが、福岡(天神)最混雑時間帯の到着が18本に削減されています。8連運転も取り止め(最長は7連)。
花畑発では、平日夕方の下り普通が、運転区間縮小により、かなり削減されています。甘木線も、本郷折返し1往復が削減になりました。
さらに、柳川~大牟田間では平日の朝夕に区間運転が設定されているが、夕方の4往復が2往復に削減されるなど、全体的に減量傾向になりました。
一方で、深夜帯の急行が柳川まで延長され、花畑からの発車が増になっています。
2012(H24)年3月24日改正
三国ヶ丘が急行停車駅になりました。開業からちょうど20年です。
井尻~都府楼前間の立体化工事のため、全体的に所要時分が増となり、日中の特急は福岡(天神)~大牟田間が下り62分、上り61分となりました。福岡(天神)~花畑間だと下り31分、上り32分です。
甘木線の大半の駅で、日中(10~16時)の駅員の配置がなくなりました。
2014(H26)年3月22日改正
福岡(天神)→大宰府直通急行が設定(1本は「旅人」で運用)された改正だが、花畑駅関係では、平日19時台の大善寺行普通(福岡(天神)→久留米間急行)が、柳川まで延長の上、全区間急行運転に変更されました。これで普通に関しては、夕ラッシュ時も日中と同じ毎時4本運転(2本は大善寺折返し)にまで減少しています。
また、朝一番の急行は特急に格上げになっています。
高架化工事の進捗で所要時分はさらに増加し、日中の特急は福岡(天神)~大牟田間の下りは63分となりました(上りは61分で変わらず)。福岡(天神)~花畑間だと下り32分、上り33分です。
柳川~大牟田間の夕方の区間運転が取りやめになり、日中以降の大善寺~大牟田間の普通は、完全に30分間隔になっています。
甘木線は平日の1往復が削減されて、39往復となりました(+本郷折返し2往復)。また、学校前・大堰・本郷の各駅が終日無人駅となり、新たに天神大牟田線でも南部の5駅で、日中の駅員の配置がなくなりました。
2017(H29)年8月26日改正
3年以上の間をおいて改正され、現在使われているダイヤです。残念ながらこの改正から、冊子状の時刻表の発行がなくなりました。
大橋が特急停車駅になりました。大橋駅は南区役所に近く、2013(H25)年から渡辺通幹線バスが発着するようになるなど、重要さは増してきたようでした。しかし、かなり福岡(天神)に近い位置の駅が特急停車駅になるとは、少々意外でした。大牟田方向から来て、ここで降りる需要も、それなりにあるのか?
また、朝方の上りで平日2本・土休日3本増(急行から格上げ)、平日の下りは福岡(天神)22時32分発急行が格上げになっています。
甘木線は、土休日の本郷折返し1往復が削減されました。
以上、本当に簡単ながら、平成になってから行われた西鉄天神大牟田線のダイヤ改正を、特に花畑駅の目線で書いてみました。
まだまだ書き足りていない事は多いはずだが、全体的な傾向として、21世紀に入ってからは、久留米以南で利用の減少が顕著になっているようで、それは普通電車の相次ぐ削減や編成の減車ではっきり見えると思います。西鉄の公式Webで公表されている各駅の乗降人員では、特に柳川~大牟田間の中間駅では、1日の乗降人員が1,000人を超えているのは、特急停車駅の新栄町の他は倉永だけ(銀水は多少増加傾向だが)、花畑~柳川間各駅も減少傾向で、これでは普通の削減もやむなし、なのかも知れません。
甘木線も、乗降が1,000人を超えているのは北野と甘木だけ、終日駅員無配置の5駅は、500人に届きません。
そんな中で、花畑駅は特急停車の効果が出ているのか、7,594人と増加の傾向にあります。これでも、関東の目で見てしまうとかなり少ないなあ、と思うのだが。
来年の「THE RAIL KITCHIN CHIKUGO」運行開始に合わせて、全体的なダイヤ改正が行われるかどうかは解らないが、特に南部は沿線の人口がかなり少ないように見えるので、沿線からの利用の増加は、正直あまり望めない。甘木線も含め、なんとか現行の30分サイクルを維持する、という方向にならざるを得ないのではないか。せめて柳川と大牟田、この特急停車駅の利用がもう少し増えて欲しい。大牟田は、JR九州の減量ダイヤがどう影響するだろうか?特急の設定増や「水都」の運行開始を見ると、特急の利用が、天神大牟田線の生命線になりそうです。また、北部の連続立体交差工事事業の進捗も、影響を与えるかも知れません。当分は「北高南低」の傾向が続くのでしょう。ともあれ、観光地柳川も控えているし、天神大牟田線の賑わいが、再び戻ってくる事を期待します。
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