№1885 バスマガジンvol.90(講談社ビーシー/講談社)

 今月と来月は減量運営、毎週火・土曜日の週2回更新とします。
「危険な暑さ」のフレーズも、正直聞き飽きました。昨日は銚子電鉄でレールに歪みが出て、電車が止まったとか。名古屋では初めて40℃を超えたそうで、異常気象、本当に何とかしなければならない。

「バスマガジンvol.90」が先月末、発売になりました。
 表紙は福島交通で、エアロスターMとは。隣には富士ボディのいすゞKC-LR333Jがいて、車両面では過渡期にある同社の状況を表しているようです。

日本初の量産型電気ハイブリッド車 HIMRを語る
 というのだけれど、根本的な疑問として、「HIMR」と「ブルーリボンシティ・ハイブリッド」(BRCハイブリッド)は、別物ではないのか?なにかごっちゃになっているような気がするのだが。

バスづくりの新勢力から
 オノエンジニアリングのアメリカン・スクールバス。前号の予告の「フロントエンジンのスクールバス」とは、この事だったのか。3年前にアメリカに行った時も、特にボストンでかなり見たので興味深い。ただ、この車両は一般の貸切で乗れる代物なのだろうか?オノエンジニアリングの公式Webにはラインナップがありませんでした。
 
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.22 神奈川県 Part1

画像

 前回は2006(H18)年のvol.17とvol.18で、やはり2回に分けて取り上げられていました。
 今回のPart1は横浜・川崎市内が中心で、横浜市営(横浜交通開発含む)・川崎市営・臨港バス・東急バスと、フジエクスプレスと大新東が取り上げられています。12年前は臨港バスの分社で臨港グリーンバスがあったが、現在は再統合されています。
 12年前は、横浜市営バスは「完全民営化決定」とあり、その翌年までには大規模な民営譲渡も行われたが、全面的な民営化という所までは至っていない。一方で外郭団体の横浜交通開発への路線移管や管理委託も行われています。川崎市営バスは、(なぜか今号では記されていないが)一部営業所の臨港バス、神奈中バスへの委託も行われています。
 やはり両公営は、CNG車やハイブリッド車の導入が多い。臨港バスもハイブリッドにEVがあって、工業地帯を控えているので、低公害という所には気を使っているのだろう。
 フジエクスプレス・大新東は、新規展開は考えていないのだろうか。フジは考えていないと、大分前のバスのイベントで話していたが。
(ここで走っていたらしい日デ車を、先日沼津で見ました)

おじゃまします バス会社潜入レポート Vol.90 福島交通

画像

 前に1回、2010(H22)年5月のvol.41で取り上げられていました。
 当時はみちのりHDによる再建がスタートしたばかりの頃で、車両面では中古導入で他3メーカーの導入が始まっていたものの、9割方はまだ三菱ふそう、という状況でした。今でも最大勢力ではあるが、7割を切りました。
 中古導入を積極的に進めているが、1991(H3)年式がまだ4台残っている。高速車でも四半世紀使用されている車両がまだあり(域内ローカル用なのだろうが)、早急な代替が求められる所でしょう。とはいえ、車両面ではかなりバラエティになりました。
 車両面が昔と大分違うと感じるようになったのは塗装もあるのかなと。一時新カラーが模索されたが、再び現行カラーに戻ったという所。ただ、さすがにやや古臭くなってきたような気もしていて、一般乗合車は良いとしても、高速車・貸切車は、現行のクリーム・赤・青を活かしつつも、新しいデザインが模索されてもいい時期ではないかと思います。
 みちのりHD入りして、同じ福島の会津バス、栃木の関東自動車・東野交通(間もなく合併)、茨城の茨城交通・日立電鉄交通サービスと同じグループになったが、会津バス以外とは直接の交流がない(名古屋線が栃木県を経由し、関東自動車で乗車券の発売はあるが)。中通りは北関東とは県境を接していても日常の交流があまりないようなので(特に茨城県)、スケールメリットの点ではどうなのだろうか。

「しばり」のバス旅ミッション
 茨城空港までバスで行って、そこから上海へ、というのだが、全体的なストーリーの組み立てが、ややウソくさい気も、しないではない。いくら航空運賃が高くなっていくとはいえ、この便に乗るためのパスポート取得のためだけに香港に行くというのが、なにかヘンな気がする。香港まで行ってしまう(いくら安い便でも)のでは、トータルではコストが相殺されてしまうのではないか?ツウなりの裏技、なのかも知れないが。
 上海のバスは、ここでは特にEVが多かったとかは記されていない(前号では北京でEVバスがかなり走っていると書いていたのだが)。やはりシロートがいきなり上海の一般路線バスに乗るのは、ハードルが高そうだ。
 バス以外では、マグレブの最高速度430㎞/hで運行される列車は一部だけしかない事(なぜだろう?)、オンライン決裁事情が興味深かった。

鈴木文彦が斬る!バスのいま 第16回
 公営バスの民営化。バスマガジン誌では過去に各地で民営化直前、という公営バスの特集を何度か組んでいたが、比較的小規模な所が大半でした。しかし、今年の4月にはついに大阪市交通局が民営化され、地下鉄は大阪メトロ(正式には大阪高速電気軌道 路線の大半が軌道特許なのでこの社名になったのだろう)、バスは大阪シティバスとなりました。特殊法人だった営団地下鉄の民営化はあったが、純公営の地下鉄が民営化されたのは、初のケースとなりました。
 大阪市に絞ると、交通に限らないが、2011(H23)年の橋下市長誕生以降、同じ「大阪維新の会」がトップに立つ大阪府との連携により、「大阪都」構想の住民投票をピークとして、上の国とも、下の住民とも、かなり先鋭的な軋轢がありました。大阪市交通局の民営化もその流れの中での出来事でした。特に労働組合との対立はかなり激しいものがあり、市職員へのアンケート強制という事も行われて、先月はアンケートに関わった弁護士が、弁護士会から業務停止の処分を受けたりもしています。
 という事があるので、大阪の交通の民営化は、他の公営よりも、ひょっとしたら旧国鉄の時よりも、今後の運営に不安な部分が多々あると思う。労と使は大阪市に限らず、公に限らず、どの組織でも起こるものではあるけれど、市長を頂点とする市の態度が強硬に過ぎると、どこかで労使関係が完全に破綻し、地下鉄もバスも健全な運営が妨げられる危険性があります。労もだけれど、特に使は心して欲しい。最近もサンフランシスコとの姉妹都市提携の破棄とか、学力テストの結果から、教員の人事の評価に反映させようとするとか、ややもすると過激に走る傾向があり、市そのものの運営が健全に行われるのか、懸念もあります。これは、野党勢力のご都合主義にも原因があり、来年の統一地方選挙時の大阪市議会選、その後遅くとも暮れには行われる大阪市長選挙の行方には、注目すべきでしょう。その結果が、市内交通にどう影響するのか。
 全体的には、「公から民」の流れは、まだ続くでしょう(来年には佐世保市営が西肥バスに譲渡)。それは国鉄分割民営化が「一応」成功ととらえられた事(さらに背景として、大手私鉄の成功体験がある。国鉄内部の労使双方の瓦解もあった)が極めて大きく、その後も日本航空、道路公団、営団地下鉄、さらには郵政まで民営化が続いた事で、流れが定着した感があります。
 ただ、何でも民営化すればうまくいくかというと、そうでもないだろうと思います。民営企業は、結局は利潤を重視しなければならないのだから。私は廃止間際の公営バスにいくつか乗ったが、特に2012(H24)年の呉市(特に音戸方面)や苫小牧市などで感じたが、地方では採算だけでは片付けられなさそうな地域密着的な要素も濃く、大都会目線だけで公営の善し悪しを語るのは必ずしもフェアではないな、とも感じたものでした。
 とはいえ、今後も公営で残すのであれば、やはりキチンとした説明、どうして公営でなければならないの?という説明はなされ続けるべきだし、普段から経営状況を細かく公表していく事も必要でしょう。京都市営バスではバス停の時刻表に系統の収支係数(100円稼ぐのにいくらかかるか)が書かれているが、こういう取り組みもまた、大切でしょう。
 なお、公営の形態のままでも一部営業所の運行を民営に委託するケースが急増しているが、ここでは取り上げられていない。
 また、「公設民営」の問題は、岡山の両備HDが常に主張している事ではあるが、今回の岡山のスッタモンダでは、新規参入側から、補助金のあり方についての問題も提起されています。過去には鹿児島のいわさきグループは「補助金なしで頑張っています!」と車内に掲げていた程(今はどうか知らないが)だし、バス業界内部に足並みの乱れが生じる事になるかも知れない。「公か民か」と共に、今後は自治体からの補助金のあり方も、議論の元になるかも知れません。

終点の情景を求めて
 日本交通の明高。山陽本線の倉吉駅が市中から遠かった事が倉吉線建設の理由になったそう。廃線から30年以上経つのに、ホームとレールがまだそのままの形で残っているとは。倉吉線の終点は山守で、かつて種村直樹氏が「何もないところだ」と書いていたが、現状はどうなっているのか(山守駅付近の写真はない)。レールの間にニョキっと竹が伸びている所に、長い時が流れた事を感じさせます。

 インドに路面電車があるのは初めて知ったが、あまり乗りたくないなあ。インドは特に鉄道で大事故が頻発している、BRICSの一角を担う割に、公共交通への投資はあまりに貧弱、なのではないのか?

 今号は、昨今では珍しく?ほぼ前号の予告通りの内容でした。バス会社は京福バスだそうだが、その通りにmなるのか。また、西日本豪雨のバスへの影響はどこまで記されるか。中国ジェイアールバスは代行輸送のため、一部高速バスの運行を西日本JRバスやJRバス関東に肩代わりさせている。この辺の状況も知りたいところ。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 小田急グループの箱根への100億円投資は、一般の経済ニュースでも話題になっています。水戸岡デザインの芦ノ湖海賊船新造や箱根登山電車アレグラ増備、箱根登山バスの更新、一部駅のリニューアルなど。ただ、小田急電鉄そのものは、この中には入っていない。来年度の設備投資計画で盛り込まれるのだろうか。GSEの増備、とかあっても良さそうなものだ。やはりロマンスカーは看板アクセスで、それ自体が箱根観光の花形になっているので、展望席も良いが、何かもう一つ、プラスアルファのプレミアムが欲しい。VSEもスタート時はそうだったのだから。あとはソフト面で、西武(伊豆箱根)との提携の一掃の強化を。
 ANAのB787トラブルは9月以降国際線にも波及し、7日から成田~LA・香港、セントレア~香港路線で欠航が発生する事になりました。対象便は全て、B787-8ではないのだが。国内線の9月以降は7日に、冬スケジュールは21日に発表、との事(便そのものが削減の見込み)。
 アエロメヒコ(アエロメヒコ・コネクト)機事故は、まずはとにかく、犠牲者が出なかったのが何より。しかしなぜ、悪天候の中で離陸がなされようとしていたのか、今後の原因の究明が待たれます。

《今日のニュースから》
 1日 パリ・エッフェル塔 ストライキで閉鎖
 2日 KDDI 「食べログ」(カカクコム)と資本業務提携
 3日 イギリス揚陸艦アルビオン 東京晴海ふ頭寄港
 4日 南北離散家族 再会事業再開に向け参加者名簿交換

 巷ではアップルの時価総額が一兆ドルを超えたとか、大手企業の夏のボーナス平均が過去最高95万円とか大騒ぎしているようだが、はっきり言って、私にはどうでも良い事。人の稼ぎをうらやんだり、怒ったり、妬んだりしたって、自分の稼ぎが増えるわけじゃない。私はただ、今やるべき事を、自分なりに邁進するだけです。