北海道旅行記は、1回お休みします。
西日本豪雨では、鉄道網も、特に岡山・広島県を中心にして大規模に被災していて、今後の影響が懸念されます。各社から被災状況や運転再開の見通し、運転状況が相次いで発表されているが、トータルで記されたものはなく、全容を把握できません。ここで、各社が公式Webで発表している、今日現在不通になっている路線・区間をまとめてみました。山陽地方が中心だが、熊本県から岐阜県まで、広範囲に渡っています。
JR西日本
山陽本線 : 福山~海田市 96.6㎞・岩国~徳山 68.8㎞
岩国~柳井間は17日、福山~三原間は18日に再開予定
姫新線 : 上月~新見 107.2㎞
津山線 : 岡山~津山(全線) 58.7㎞
岡山~玉柏・野々口~津山間は17日に再開予定
因美線 : 用瀬~東津山(~津山) 49.7㎞
用瀬~智頭間は18日に再開予定
伯備線 : 豪渓~上石見 71.4㎞
芸備線 : (新見~)備中神代~広島(全線) 159.1㎞
下深川~広島間は1ヶ月以内の再開見込み
木次線:出雲横田~備後落合 29.6㎞
福塩線 : 福山~神辺 8.4㎞・府中~塩町 54.4㎞
福山~神辺間は1ヶ月以内の再開見込み
岩徳線 : 岩国~櫛ヶ浜(全線) 43.7㎞
山陰本線 : 益田~東萩 57.5㎞
1ヶ月以内の再開見込み
舞鶴線 : 西舞鶴~東舞鶴 6.9㎞
早くて20日以降の再開見込み
合計 812.0㎞
大半の区間は、1ヶ月以上の長期にわたって運転を見合わせ。再開していても、通常より大幅に本数が減っている区間が大半。
〔サンライズ出雲〕は、今月一杯は取り止めが発表。〔サンライズ瀬戸〕は、18日始発駅出発より運行を再開(琴平延長は取り止め)。〔スーパーはくと〕は京都~智頭間を5往復運行、鳥取~智頭間はバス代行(郡家は経由しない)。
JR四国
予讃線 : 本山~観音寺 4.1㎞・伊予市~宇和島(山まわり内子線経由) 96.9㎞・向原~伊予大洲(海まわり) 41.0㎞
伊予市~八幡浜間(山まわり)は早くて10日後、本山~観音寺間・八幡浜~卯之町間は1ヶ月後、伊予市~伊予大洲間(海まわり)は2ヶ月後の再開 卯之町~宇和島間は相当な期間が必要
予土線 : (宇和島~)北宇和島~若井(~窪川)(全線) 76.3㎞
早くても2ヶ月後の再開
合計 218.3㎞
〔しおかぜ〕〔いしづち〕は多度津~観音寺間バス代行。
JR九州
筑豊本線 : 桂川~原田 20.8㎞
相当な期間を要する見込み
肥薩線 : 八代~人吉 51.8㎞
19日以降の再開に向けて復旧作業中
人吉~吉松間は〔いさぶろう〕〔しんぺい〕と同じダイヤで普通列車を運行
合計 72.6㎞
JR東海
高山本線 : 飛騨金山~下呂 21.6㎞・飛騨古川~猪谷 37.9㎞
合計 59.5㎞
全線再開には相当な日数を要する見込み
長良川鉄道
美濃市~北濃 54.4㎞
京都丹後鉄道
宮舞線 : 西舞鶴~宮津(全線) 24.7㎞
〔丹後あおまつ〕は21日から、福知山~天橋立間で11・12号〕として運行(金・土・休日のみ)。〔丹後あかまつ〕〔丹後くろまつ〕は運休。
井原鉄道
井原線 : 総社~三谷 15.1㎞(総社~清音間3.4㎞はJR伯備線が運行)
錦川鉄道
錦川清流線 : 川西~錦町(全線) 32.7㎞
平成筑豊鉄道
田川線 : 崎山~田川伊田 13.9㎞
犀川~崎山間は午前中3往復のみ 代行バスは犀川~田川伊田間で運行
(スカイレールサービスは公式Webがなく、詳細がここでは解りませんでした。瀬野駅があんな状況では、動いてはいないだろうと思うが)
豪雨から一週間経った今日現在でも、合計9社で1303.2㎞の旅客鉄道路線が不通になっています。非常に不謹慎な比較だが、東日本大震災の時でさえ、こんな長距離にはならなかったのではないか?とさえ思ってしまったほどです。
特にJR西日本が甚大で、山陽本線からして復旧に相当な時間がかかるとされているのでは、日常の足はもちろん、貨物輸送の面でも深刻な事態です。山陽本線を最優先で復旧させる事になるのではないかと思われるが、早急な全線再開が望まれます。
それは他の路線も同じで、特に広島県の場合、呉市が呉線だけでなく、バスも〔クレアライン〕が運行見合わせのまま、広島へは広島電鉄による臨時輸送バスが運行されているが、あとは広島空港を経由するなど大回りを強いられる状況です。広島~呉間は輸送量が多い区間であり、こちらも早急な再開が期待されます。
懸念されるのは中国山地の路線、特に芸備線の東部(備中神代~新見)や木次線・福塩線、それに姫新線など。衰退著しいのは2年前に乗って感じているところで、しかも東城や庄原、三次から広島への備北交通の高速バスは既に運行を再開しているので、利用者の転移がさらに進む事で、被災状況によっては、存廃の議論が起こるかも知れません。特に備後落合を巡る区間は、恐らくJR北海道が見直しを表明している路線と同等以下、の輸送量しかないように思えたので、重大な危機を迎えたような気がします。
その他、伯備線以外も、特急が頻繁に行き交う高山本線や予讃線も長期の運休が避けられなくなっていて、お盆の輸送に深刻な影響が出そうです。高山あたりは観光の面でも心配です。
全体的に、経営状況が思わしくない鉄道が大半で、JRはまだしも、第3セクター鉄道は、不通が長引くと経営に深刻な影響が出る事になります。それは13年前の高千穂鉄道を見ても明らか。鉄道は基本的に、自社で復旧の費用を賄わねばならず、道路などと比較して辛い所です。
去年の九州北部豪雨のように、毎年梅雨末期の時期は豪雨災害が頻発するが、年々その規模が大きくなってきているようです。せっかく昨日、久大本線が全線の運行を再開したのに、一歩進んでは二歩戻る、そんな事の繰り返しになってきているように思えます。災害への備えはどの鉄道会社もきちんとやらなければならないが、ではどこまでやればここまでの激甚災害にも充分耐えうるものになるのか、と問われると、正直誰も答えられないのではないか。ローカル線だと、それは運営そのものを危うくする事にもなります。地震などでも同じだけれど。鉄道会社だけに任せっきりにするのではなく、一度政治のレベルでも考えなければならないでしょう。
ともかく、全ての被災地、全ての被災鉄道路線が、一日も早く復旧する事を願います。でも、日本全国の鉄道が五体満足な状態に戻る日は、果たしてくるのだろうか。
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大韓航空とアシアナ航空の社員が合同で昨日、両社の昨今の度重なる不祥事に抗議し、経営陣の退陣を求める集会を開きました。本来ライバル関係の大手2社が合同で集会とは全世界的にも異例だが、韓国では他にもジンエアーなど数社で、役員人事に関する問題が浮上していて、ジンエアーは免許取り消しとかいう話もあるそうです(結論はしばらく先送りになるようだが)。韓国の航空業界の現状は、どうなってしまっているのでしょうか。航空に限った話ではなさそうだが。
《今日のニュースから》
15日 大相撲 最年長力士安美錦872勝 大鵬と並び歴代8位