だから人的被害が出ないように、交通の重大な災害など起きないように、と前回書いたのに、西日本の豪雨で50人近い犠牲者が出てしまいました。お悔やみを申し上げます。鉄道も、芸備線の鉄橋が流されてしまって、他にもあちらこちらで災害によって不通になっている所があるよう。九州北部豪雨から1年しか経っていないのに、この時期の豪雨災害は、年々凄まじいものになりつつあるように感じられてなりません。
そこへもってきて、関東も更新の直前、千葉で震度5弱の地震がありました。こちらは今の所重大な事態は起きていないようだが、内房線は木更津~館山間で止まっているそうです。成田空港も一時閉鎖になったそう。この一ヶ月くらい、サッカーで盛り上がる一方で、国内は何か落ち着きがなくなっている…。
1月の岩手、3月のノルウェー、4月の北陸、5月の秋田と今年はいつになく旅行が重なったけれど、先月もまた、北海道へ出かけてきました。日曜夕方出発・木曜帰宅と、国内では今年最長です。
北海道にしたのは、6月だから本州より南は梅雨入りしていて、梅雨がない北海道がいいんじゃないかと思った事、特に道東は10年以上訪れていない事、それと、経営危機が伝えられているJR北海道の列車に、やはり実際に乗ってみて、少しでも実態を知っておいた方が良いのではないか、というのが理由としてありました。
全部が全部晴れ、にはならないかも知れないが、少しでも青空の日が増えて欲しい、そう願いながら仕事帰りのあと、早々に成田空港行〔成田エクスプレス〕の車中の人となったのでした。
6月 3日(日)
成田?と思われただろうが、今回は変化をつけて成田からのLCC便を利用。ジェットスター・ジャパン(JJP)は5年前の沖縄路線で乗っているから、今回はバニラエア(VNL)に初搭乗、となりました。予約・購入の時点ではピーチ(APJ)との統合は発表になっていなかったが、結果として、最後のバニラ搭乗、という事になるでしょう。
戸塚から、特急〔成田エクスプレス35号〕。国内線に乗るのにNEXに乗るのは、初めて。
この日は渋谷駅の工事のため、大崎~新宿間は運休。本来池袋始発の編成は、品川駅の14番線で待機中。
東京で、後から回送で到着して、連結されました。
空港第2ビル駅到着。
折返し36号となるが、やはり池袋行編成は東京から先は運行がなく、行先表示は大船のみ。
VNLは第3ターミナルから出発します。初めての第3ターミナル利用になります。
第2ビル駅から地上へ出て、連絡バスもあるが、今回は歩いて行きます。
連絡通路が非常に長い。歩いて、最低10分程度はかかる。休憩所?なのか、所々ベンチと飲料の自動販売機も置かれていました。青と赤で動線を分けているのが目を惹く。
これはチェックインのあと、一旦外に出て撮った、第3ターミナルの外観。こぢんまりしているし、簡素。
第3ターミナルの内部。一応国内線と国際線に分かれているが、曖昧。
VNLの国内線チェックインカウンター。チェックイン終了は30分前、大手キャリアよりだいぶ早めなので注意。
LCC専用ターミナルらしく、高級品店などはほぼない。コンビニや量販店が並び、フードコートもある。
この先に手荷物検査場があるが、やや造りが簡素に過ぎて、セキュリティ面での懸念をちょっと感じました。
(内際共用)
VNL923便は、一番遠い175番ゲートから出発。検査場から、400mも離れている。ゲートは橋の先にあって、一旦階段・エスカレーターを上り下りしなければならない(エレベーターもある)。
国内線のゲートの案内表示。
国内線のゲート。やはりやや狭いですかね。
923便出発の175番ゲート。意外に高齢者が多いなあと思った。高齢者はLCCを好まないのではと、勝手に思っていたので。「手荷物再チェックが必要なので、再度カウンターへお越し下さい」とかいうアナウンスが聞こえてきた。理由は解らないが、LCCは荷物の扱いが厳しい。
先に1・12・14列目(リラックスシート)が優先搭乗、その後、後部から搭乗になる。ほぼ同時刻のSJO広島行は、窓際が先に搭乗になっていて、搭乗の順番の決め方は様々。
ボーディングブリッジはなく、一旦階段で地上に降りて、雨除けの囲いを通って、タラップを上がって搭乗する事になる。
第3ターミナルはLCC専用なので、造りが簡素とか、中がショッピングセンターみたいだ、というのはまあいいが、ボーディングブリッジを省略している事で、搭乗が面倒、というのは、正直正しい方向なのかなあと思う。何より、バリアフリーの点で問題もあるだろう(実際VNLでは数年前、車イス利用者の乗降でトラブルも発生している)。安さと便利さはトレードオフでしかないのか、ちょっと考えてしまう所はありました。
ドアの脇には、「奄美大島・徳之島・沖縄本島北部及び西表島」が世界自然遺産登録を目指すというステッカーが貼られていました。少なくとも、今年は見送りとなる事になるのだが。
全員着席し、定刻より心持ち早めに出発。CAが「注目!」と大きく書かれたボードを掲げてから、実演で非常デモ。もっとも、見ない乗客が多いが。ただ、隣りに座った女の子2人組はキチンと見ていたが。
手を振って見送ってくれるのは大手キャリアと同じか。ハンドリングはANA。
しばらくはトーイングカーに牽引され、ターミナルから離れた位置でエンジンがスタート。B滑走路の16Lから離陸。B滑走路は着陸は何度か経験したが、離陸は初めてになります。
未買収地が未だに残っているのが、「成田」の現実。
R/W16Lは着陸機のラッシュになっていて、6分も待たされた。4機連続で着陸、NZのB787の着陸を見て、ようやく進入。
離陸。ターミナルをはるか真下に見る。ほとんどのスポットに機体がいる。
芝山鉄道の芝山千代田駅。
航空科学博物館の周辺。「ひこうきの丘」も、こんなロケーションにあります。
(この先の一部の画像にはテキストを加えています)
最初はすぐに左旋回するのか、と思っていたらずっと直進、太平洋上に出たら逆に右旋回して、Uターンする形。
再び陸地に出て、松尾。遠くに犬吠埼。
右手に成田空港の全景を見る。A滑走路は、出発機が8機も並んでいる。
成田市中心部の上空。
霞ヶ浦と、JRAの美浦トレーニングセンター。
筑波山を右に見ながら右へ旋回。北へのルートに乗る。こうしてみると、筑波山までは欧州へ向けて日本海に向かう便と同じルートになります。
キャビン。背もたれの大きめの広告が、LCCらしい所か。
飲み食いは全て有料になるのだけれど、「炙りさけ雑炊」というものを注文してみました。350円。量はやや少なめかも知れないが、オイシイです。
ホットコーヒー。300円。
それと、クリアファイル2枚セット(300円)も買いました。もうすぐなくなるから貴重なコレクションになると思って。他にもぬいぐるみやモデルプレーン、キーホルダーなど様々なグッズがあります。行楽需要がほとんどになりそうなLCCならでは、と思うが、大手でもグッズ類の機内販売って、あっていいと思うけれどなあ。
薄いけれど機内誌もあります。左の「VANILLA PRESS」は、今月1日に就航した石垣路線の特集。基本的に全ての記事が、日英中の3ヶ国語で記されています。右の「V STORE」は国際線の機内販売だが、23品目中17品目が化粧品。国内線では搭載しなくても良いはずだが、内際込みで飛ぶLCCならではか。
離陸から30分弱で、福島を右に見る位置を飛ぶ。
さらに、仙台空港。
このあたりでキャプテンアナウンス(副操縦士担当)があって、山形市の上空11,900mを飛んでいるのだそう。
蔵王らしき山々も連なって、先の鳥海山ほどではないが、雪が残っている山々が多い。
18時を10分くらいまわって、右手には八戸。新幹線の駅も確認できるが、こうしてみると八戸駅は、中心部から相当離れているのがよく解る。
三沢空港と小川原湖。
このあたりでディセンドがスタートしました。
下北半島を北上して、尻屋崎から海上に出ます。
ベルトサインが点灯。アナウンスは合成音声で、言語は日英2ヶ国のみ。
厚真の上空から北海道へ。
厚真町の上空を、高度を下げつつ北上。
追分町の上空。石勝線と、道東自動車道。左手には新千歳空港が見えたと思う。
この先で大きく左旋回。
由仁。JR室蘭本線が一直線に延びていくのが見えます。
6月となると、19時が近づいても陽はまだまぶしい。水田をオレンジ色に染める。
当たり前なのだけれど、農村地帯も本州とはだいぶ趣きが異なる。
千歳市の東側を通過して、空港へアプローチ。
R/W19Lに着陸。晴、17℃だそう。
これなら定時到着だなあ、と思っていたら、ターミナルが近づくとノロノロピタッになってしまう。一つ前のVNL992便(特定日運航)の出発を待っていたようだ。向こうは18時35分出発なのだが。
結局2分程の遅れ、という形で到着。遠くにはAPJがいる。いずれはこの機体も、向こうと同じピンク系の色に模様替えする事になるのでしょう。
ハンドリングは、こちらもANA。
手荷物の受け取りが少ないのは、やはり有料になるからでしょう。
今回初めてVNLに乗ってみたが、LCCとしてはまあこんなものだろうというのが感想。5年前に乗ったJJPはオーストラリア資本主導という事もあって、国内線なのになにか外国目線で運営が行われていた(ように思えた)事で、かなり戸惑いを感じる所もありました。その点VNLはANAHD100%出資、という事もあって、日本人としては安心して乗れるキャリアではないか、と思います。
全てのLCCについて言えるが、荷物の重量(預けるのも、持ち込むのも)は要注意でしょう。
これから根室へ向かうが、根室交通の夜行バスに乗ります。それは次回。
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