№1869 私鉄名車列伝 144.南海電気鉄道50000系

 1994(H6)年9月4日、大阪府南部の泉南沖に、関西国際空港が開港しました。海上に人工島を建設してその上に造られた、日本初の海上空港で、伊丹空港に発着していた国際線全便と、国内線の一部の便が就航、国内線⇔国際線相互の乗換が便利な空港としてPRされていました。
 対岸の泉佐野市とは連絡橋で結ばれ、鉄道も建設されました。鉄道アクセスはJR西日本と南海が担う事となり、両社とも新線を建設の上、空港アクセス用の特急車両を新造しました。今回の名車列伝は、南海が新造した空港アクセス特急「ラピート」50000系です。デビュー当時、そのスタイルは多くの人々の度肝を抜き、魅了しました。

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 南海電気鉄道50000系は、難波~関西空港間を結ぶ空港アクセス特急車。愛称の「ラピート」(rapid)は、ドイツ語で「速い」の意味。1995(H7)年、南海初のブルーリボン賞を受賞した。

 設計に当たっては、①難波~空港間を30分以内で結ぶ ②南海のイメージリーダーとする ③空港アクセスにふさわしい機能とデザイン があげられ、車体デザインに関しては、外部からプランナーとデザイナーが起用された。「レトロフューチャー」をコンセプトとして、力強さが印象的な前頭部を持つ車体は普通鋼製で、車体幅2,850㎜、先頭車の車体長21,570㎜は、いずれも南海では最大となり、裾絞りの形状をなしている。側窓は航空機を連想させる楕円形が並び、前頭部と共に強烈な印象を与えた。ドアはプラグ式を採用、開口部1,000㎜を確保している。「ラピートブルー」と称される、マイカ分を含有した深みのある青一色のカラーリングも印象的である。

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 6連のうち難波方2両(5・6号車)はスーパーシート、その他4両(1~4号車)をレギュラーシートとした2クラス制を採用。
 スーパーシートは2-1配置の3列シート、シートピッチは1,200㎜、サービスコーナーが1ヶ所あり、運行開始当初はパーサーが乗務し、飲料の提供を行っていた。


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 レギュラーシートは2-2配置の4列シート、シートピッチは1,030㎜。足下を広く取り、荷物類を置ける様に配慮されている。
 天井部も楕円を模していて、屋根には電球色の蛍光灯、航空機タイプの、ふたがあるストウェッジスタイルの荷物棚には間接照明がある。出入口と客室の間には、3段式の荷物スペースが確保されている。客室は全車両禁煙となったが、当初はデッキ部を喫煙スペースとしていた(現在は完全に禁煙)。客室仕切り扉の上部には、LEDで日英2ヶ国語による案内表示装置が設けられた。
 なお、4号車の一角には、CAT荷物室が設けられている。運行開始当初は、難波駅にある航空会社のカウンターで搭乗手続きを済ませた乗客の荷物を搭載、空港到着後に荷物捌き所に移送するサービスを行っていた。しかし利用が少なかった上、同時多発テロ発生の影響もあってサービスは中止、荷物室も現在は使用を停止している。


 システム的には、南海の特急車両では初めてのVVVF制御を採用、3M3Tで、180㎾の三相かご型誘導電動機を、GTO素子のVVVF制御装置が1C4Mで制御する。空港連絡橋上で南海初の120㎞/h行っており、当初のラピートα(難波~関西空港間完全ノンストップ)は難波~空港間を29分で結んでいた。運行区間が限定されるため、抑速ブレーキは備えられていない。台車はボルスタレス式で、運行開始後にヨーダンパを設置した。

 6連×6本、合計36両全車両東急車輌によって製造、空港開港前に全編成が揃った。当初はラピートαと、主要駅停車のラピートβを交互に運転する形態だった。その後、朝方の空港行を除いてβに統一された時期があったが、2014(H26)年改正より、夜間の空港発がαに戻されている(現在は天下茶屋~泉佐野間がノンストップ)。2015(H27)年より行先種別表示のフルカラーLED化、VVVF制御装置のIGBT素子への換装、車内案内表示を、4ヶ国語対応の液晶ディスプレイに交換などのリニューアルが行われている。

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 近年は人気アニメや航空会社とコラボしたラッピングが多く、近年では2015(H27)~2016(H28)年にかけ、映画「スターウォーズ」のラッピングが、第5編成に施されていた。


【編成】
←難波方     関西空港方→
 Tc1 50501 - *M1 50001* - M2 50101 - T1 50601 - *M2 50201* - Tc2 50701
* パンタグラフ

「難波~関西空港間29分運転」が目標の一つだった「ラピート」だが、現行のダイヤでは、αの最速が34分、日中のβは36分運転になっています。
 今の所、車内のアコモデーションに関しては大きく手をつけていないが、間もなくデビューから四半世紀を迎える事となり(小田急EXE(→EXEα)より古いし)、大幅なリニューアルもあるかも知れません。50000系そのものはそれでいいとして、関西空港は一時減少傾向だった利用が昨今は再び増加傾向にあり、それは結構だが、当初想定されていたのとは利用者層が若干異なってきているようでもあります。特にLCCが国内線や近距離国際線で多数就航し、それが利用増に繋がっているようです。なので、鉄道アクセスに関しても、(JRもだが)、ダイヤ体系を見直すべき時期が来ているかも知れません。今の所はまだないようだが、成田空港のような、都心と空港を低運賃で走る空港バスの開設も今後充分予想されるので、対抗の意味でも、もっと低コストで乗れる列車(南海で言えば空港急行になるが)の量・質両面での充実が図られるべきでしょう。本線もあるからダイヤ構成も難しくなりそうだが。近いうちに、関西空港の時刻の検証もやります。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1994年10月臨時増刊号 新車年鑑1994年版」「同1995年12月臨時増刊号 【特集】南海電気鉄道」「同2008年8月臨時増刊号 【特集】南海電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ダイヤ情報2014年10月号」(交通新聞社)
「私鉄車両年鑑2017」「同2018」(イカロス出版)
「南海電車」(高橋 修/JTBキャンブックス)
「南海電気鉄道 完全データDVDBOOK」「南海電気鉄道 130周年DVDBOOK」(メディアックス) 等
を参考にさせて頂きました。

 楕円系の窓もラピートの特徴だが、「鉄道ピクトリアル1995年12月臨時増刊号」の、「50000系“ラピート”構想から完成まで」を読むと、初めに楕円窓ありきという訳ではなく、最初は連続窓を想定していたが、車体形状見直しでデザインのバランスが取れなくなり、楕円窓になった、という事です。
 次回は西鉄の通勤車7000形を予定しています。

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 ANAのB787が、エンジンの点検の追加が必要になったため、明日からの一週間で合計113便を欠航すると発表しました。欠航になるのは比較的便数が多い幹線が中心になるが、とはいえビジネスユースが多い伊丹路線とかだと、旅客に与える影響は深刻ではないか。そろそろ夏休み輸送が視野に入ってきているし、早いうちに事態が収束すると良いが。
 NCAは、今日から1機のみだが、運航を再開しました。
 東武東上線は送電トラブルで、6時間30分に渡って止まったとか。朝ラッシュの真っ只中で混乱も大きかったよう。東武も大小様々トラブルが多い気がするが、どうだろう?

《今日のニュースから》
 4日 大飯原発訴訟 名古屋高裁 1審判決取り消し
 5日 ギャンブル依存症対策法案 参議院内閣委員会で可決

 また大雨…。岩国の錦川で氾濫危険水位に達したと言うから錦川鉄道、大丈夫か?と心配したが、その後水位が下がり、夜になって徐行ながら運転を再開したというので、まずは一安心。九州北部豪雨からまだ1年経っていないのに、今年もまた「記録的豪雨」の文言が、連日ニュースを騒がせるようになりました。とにかく人的な被害が出ない事、鉄道を中心とした交通で長期間の不通を招く事態が起きない事、この2点だけはなんとかお願いしたい。

№1868 バスラマインターナショナル168(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル168」が、先月末発売になりました。
 表紙は神奈中バスの新エアロスターとシターロGで、バックには平塚の七夕(今年は7月6~8日)の竹飾り。「かなみん」やエルガ・ハイブリッドなどが描かれている。165号から、「バス事業者訪問」で取り上げられる事業者の車両の背後に、事業者のエリアの風景や、名所があしらわれるようになっています。
(165…京都バス 紅葉、166…山梨交通 南アルプス、167…近鉄バス あべのハルカス)

各地の新車から

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 道北バスのブルーリボン・ハイブリッド、私も撮りました!さすがに北海道らしく長尺。新車採用は8年振りか。中古採用の新顔はかなりあって、確か昔はなかったと思ういすゞ車も入っていたのだが。
 旭川電気軌道の高速エアロエースも見たが、こちらは撮影できていない。南千歳を終点としているのは、航空旅客だけでは集客が不安で、「アウトレットモールRera」への買い物客の利用も期待しているのだろう。旭川のバスについては後日本体でアップします。

バス事業者訪問203 神奈川中央交通グループ

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 地元も地元、毎日通勤で乗っているので、期待して読みました。
 17年前の68号でも取り上げられており、当時は旧神奈交各社への分社が始まった頃でした。夜行バスのエアロキングも運行されていた頃。乗車人員は1991(H3)年度の302,909人がピークで、その後2000(H12)年までは減少が続いていました。1999(H11)年度の落ち込みが大きいのは、橫浜市営地下鉄(現ブルーライン)の湘南台延伸があったからでしょう。
 今号では、2011(H23)年度を底として(震災の影響もあったろう)、以降は少しずつだが乗客が増える傾向にあります。
 車両数は、17年で100台程度増えている。現行では、台数が一番多いのは平塚〔営〕(212台)だが、特定が29台もある。一般路線は舞岡〔営〕192台、戸塚〔営〕(ここは立場から移転した営業所で泉区になり、しかも大和市との市境に隣接していて、この名称はもう適当ではないと思うのだが)182台と、戸塚区を中心とした横浜市西南部をメインにする営業所が上位にきています。
 昨年元日より分社を再編成したが、特に「西」はやや疑問もあります。平塚・秦野両営業所と津久井〔営〕は丹沢の南と北に分かれていて日常的な交流がないので。伊勢原〔営〕は、エリアのかなり西に位置しているが、神奈中の直営になっていて、はっきりとしたエリア区分になっていない。再編はまだ途上で、また違った運営形態になるのかもしれない。
 連節バスは何回か書いているが、座席配置に関する乗客の意見はどうなっているのだろう。特にタイヤハウス上のボックスシート部。フルフラットのノンステップ車の実現のためには避けては通れない部分だが、日本人は(鉄道なども含めて)あまり歓迎しないようなので。
 ここでは触れられていなかったが、昨今の神奈中バスで一番心配のは、ローカル線でもないの路線で減便が相次いでいる事で、乗客が上昇傾向にあるというのに、この状況を止められないと、再び客離れを引き起こしかねない。明らかにドライバー不足が原因で、無論神奈中自身も積極的な採用をかけているのは、車内のポスターや「かなch」でも見かけている所だが。トレーニングルームがあるのは初めて知りました。
 車両面では、一般路線は基本的に大型…三菱ふそう、中型…いすゞという方向か。ATである事が理由らしい。フィンガーコントロールシステムを先駆けて導入した事業者なので、シフトには気をつかっているのか。

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 なお、旧各神奈交は、68号の時点では神奈中から移籍した車両だけだったので神奈中カラーのまま、その後独自の神奈交カラーをまとった新車が直接導入したが、昨年の再編成を前に、神奈中カラーでラッピングされています(本文にも、津久井の山間部路線を走る、旧津久井神奈交のポンチョの例がある)。なので、アーカイヴの形ででも、神奈交オリジナルカラーを出して欲しかったかなあと思います。
 また、「かなみん」は「海」「町」「橫浜」が出てきたので、「山」(緑ベース)も出して欲しかった。
 舞岡〔営〕の教習車転用の「かなちゃん号」は、なぜ緑ナンバーが維持されているのだろう?左の伊勢原〔営〕の車両の如く、乗客を乗せる事がないのなら白ナンバーで良さそうなものだが(津久井〔営〕から転属した車両もあるが、緑ナンバーのまま登録を変更している)。

 神奈中バスグッズは、ネット販売やイベント販売時に入手出来るそうだが、固定したグッズ売場、というものはないのだろうか。案内所で手に入るようになると良いと思うが。バス会社がグッズ販売を軽視してきた、とは思っていないのだが、鉄道と比較してエリアが全体的に小さく、小規模事業者だと知名度も低いし(鉄道だと小さくても全国区でそこそこ知られる)、販売体制を整えるのも一苦労、という所も少なくないのではないでしょうか。神奈中は全県規模の、日本有数の大規模事業者だし、小田急グループの一員でバックも大きい、というのがプラスに働いているのでは?

上海バスウオッチング 2018年4月
 別稿で取り上げられている揚州亜星のバス工場見学に合わせた、上海のバス事情。
 メインはEVバスという事になって、8年間の中国の進化に比較して、日本の現状はなんだ?という論調であるが、メーカーとか事業者に任せっきりだと、なかなか先に進まないのかも知れない。ノンステップ車もそうだが、どこか公的な機関が前面に出ないと、開発が進まないかも知れません(日本はそういうのを嫌うかも知れないが)。それと、利用者を中心とした世論による喚起も必要でしょう。あとはやはり、片っ端からEV化するのなら、電力の確保をどうするのか、が最大の懸念材料(EVの性能が向上したとしても)。上海はどうなっているのだろう。
 BRTは島式ホーム(高架橋下を有効活用)だから、ドア配置も一般とは逆になっているが、これも日本では受け入れにくいかも知れない(一般のバスとの共通性が少なくなるから)。中国は他都市でLRTが運行されているが、上海は既に地下鉄網がかなり整備されたから、補完する中量交通機関はBRTで、という事でしょう。
 EVは良いのだが、バス停には時刻表がなく、渋滞が酷い、と、この辺こそもう少しテキストを割いて欲しかったかも知れない。海外からの観光客がバスを利用して観光しようとしたら、インフォメーションは整備されているのか(特に路線図)、とか。

 韓国では、韓国鉄道公社がバス事業に参入した、とコラムにあるが、これを読んで、日本の国鉄~JRバスの歴史を思い出させた。国鉄時代のバスはあくまで鉄道の補完的な役割に専念する事とされていて(「先行・代行・培養・補完・短絡」の五原則があった)、民営化の直前あたりから本格的な高速バスに参入するようになったが、中央道ではその課程で在来の民営事業者との確執もありました。韓国では「民業圧迫」の批判はでていないのだろうか。

 次号のバス事業者訪問は、60周年の四国交通と予告されています。それと、JR関東がアストロメガ(という名前にはならないかも知れない)を導入する(14日の新宿~TDR路線でデビュー)ので、JRバスが導入となると、業界全体への影響が大きいはずだから、ある程度詳報されるのではないか。

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 韓国というと、アシアナ航空が、機内食搭載のトラブルの影響で、韓国出発が遅れたり、日本路線など短距離路線では機内食を搭載しないで出発する(この場合、金券を提供)とかいう事態が起きているそう。ジンエアーが航空法違反(役員の登録の問題)で免許取り消しか?という話も起きているらしい。事故も頻発しているし、韓国の航空業界はどうなっているのか?

《今日のニュースから》
 2日 タイ 洞窟内部で不明の少年ら13人 全員生存を確認
 3日 マレーシア ナジブ前首相 逮捕

 W杯、日本は2点リードしながら逆転される、非常に悔しい形で敗退、となってしまいました。ともあれ、選手・関係者の皆様にはお疲れ様でした、と言いたいと思います。詳しい分析は専門家の方々があれやこれややるはずだから一切を任せるとして、次の2024年カタール大会に向けてだけれど、今大会直前の前監督とのトラブルとかを見ると、A代表の監督も、もう初めから日本人に任せても良いのではないか?W杯初出場からちょうど20年、Jリーグ開幕からだともう四半世紀、日本国内でも様々なノウハウが積み重なっているはずなので、これを活かさない手はなかろう。元Jリーガーが代表監督、という話も、そろそろ出てきて良い頃では?W杯は初出場のフランス大会が予選リーグ敗退、以降ベスト16と予選リーグ敗退が繰り返されていて、このままでは次のカタールは予選敗退、となってしまいます。まず地区予選を勝ち抜く事だが、このパターンをなんとか破って、ベスト8以上の高みを極めて欲しいと思います。

№1867 もはや珍列車?新宿発小田原行 小田急線各駅停車

 今月に限り日曜日も更新、週4日更新とします。先月の北海道旅行が長くなりそうなので。

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 小田急の大型ダイヤ改正から、3ヶ月あまり経ちました。ダイヤ体系の変更により、新たな形態の列車もいくつか生まれ、「珍列車」もいくつか見られ、最もたるものは町田→相模大野間の一駅間のみ運行の6833列車でしょう。時間帯(1時台)もあるし、なぜこのような列車が設定されたのだろう?(平日のみ)
 一方、ごく当たり前だろうと思われている、新宿~小田原間の小田原線全線通しの列車。ロマンスカーや快速急行では当然。
 では各駅停車となるとどうか。1990(H2)年の時点では平日下り11本・上り12本、休日上下各6本の設定がありました。
 しかし、新宿側の長編成化が進む一方で小田原側の各駅停車のみ停車の駅は6連までしか対応できず、改正毎に分断が進んで直通は減少、現行ダイヤでは、平日ダイヤの下り1本だけ、となってしまいました。
 とはいえ、今改正前は上り1本のみだけ、下りでは設定がなかったから、復活、という言い方もできます(上りはなくなった)。いずれにしろ、当然の様に思えて、実はもはや珍列車の部類に入るかも知れません。
 この、小田原線を通しで運行する唯一の各駅停車、新宿を13時46分に出発し、小田原に15時57分に到着する6609列車に、通しで乗車する機会がありました。合わせて、小田急の現状も、日中のみになるが再確認してみようと思います。

(乗車:5月28日)

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 新宿駅地下ホームの表示。「小田原」の3文字が現れるのは平日の1回のみ。それでも2年振りに表示が出るようになりました。

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 13時34分、9番ホームに本厚木始発6572列車で到着しました。すでに小田原の行先表示になっています。3562×6連。
 折返し、定刻に出発。出発時点では空いています。

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 南新宿駅ホームは既に10連対応になっているが、8連停止位置より先は柵があり、立ち入りを禁じています。
 次の参宮橋は、8連停止位置に立ち、到着に気づかない乗客がいて、2~3度、軽く警笛が鳴らされる。6連の各駅停車はほとんどないので、車両が停止しないとは思っていなかったのだろう。新宿発着で6連は、あとどの位あるのだろう。
(平日ダイヤでは、少なくともあと1往復はあるはず(片瀬江ノ島始発5500→6569と思われる))

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 代々木八幡は、上下線の間に10連対応ホームを新しく造っています。元々このすぐ先で千代田線が割り込んでくるので、上下線の間隔が広くなっていました。完成すると、小田急の地上駅では異例(唯一)の島式ホームになります。

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 代々木上原出発時、緩行線側に出発の青信号が出ます。内側が緩行線になります。

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 東北沢は、緩行線ホームの真ん中あたりで、急行線の線路がさらに深く潜っていきます。珍しい眺め。

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 下北沢の緩行線ホーム。地下線のホームはこの次の世田谷代田も含め、今の所はホーム柵のみ。

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 世田谷代田のホーム発車案内表示。液晶式になっているよう。
 上下とも3本目は「通過」になっているが、準急。新ダイヤでは、準急は緩行線を走ります。

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 地上に出るとすぐ、藤沢行快速急行3535列車が追い抜いていきました。下北沢で、緩急が内外入れ替わっています。私鉄の複々線で、緩急が入れ替わるのはここのみ。

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 経堂で、唐木田行急行2731列車と相互に接続。1000形10連。
 上りホームにいるのは、唐木田からの急行2736列車で、4000形10連。

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 緩行線を上がってきた、向ヶ丘遊園からの準急4040列車。東京メトロ16000系。

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 喜多見で、〔はこね33号〕が追い抜いていきました。MSE6連。

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 和泉多摩川で、小田原行3033列車に追い抜かれました。ただし、登戸で追い付きます。

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 快速急行は新ダイヤで、登戸に停車するようになりました。3033列車は3000形10連。

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 下りは今の所、複々線はここまで。向ヶ丘遊園までは目と鼻の先なのだが、複々線化されるのはいつの日か。 上りは藤沢からの快速急行3558列車で、8000形10連。最近は自形式だけで10連を組む事がほとんどとなり、その場合は6連+4連で末尾2桁を揃えるのが原則、となっているようです。

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 向ヶ丘遊園駅の折返し線に、JRのE233系が待機していました。この線路にE233系が入るのは、このダイヤが初めてになりました。
 ここから上下線とも、複線になります。

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 新百合ヶ丘では6分停車し、2本の列車を待ち合わせます。まず新松田行急行1261列車。1000形の6+4連。

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 続いて藤沢行快速急行3537列車。8000形の6+4連。
 快速急行からの乗り換え客が多く、立つ客も多く見られるようになりました。
 柿生でも6連の到着に気づかない乗客がいた。ホームの表示には「6両」と記されているのだが、8連がほとんどとなれば、両数の表示を気にしなくなるのは、どの鉄道も同じか。

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 上り〔はこね20号〕。EXEαの6連。

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 鶴川~玉川学園前間の境塚トンネル。単線並列。

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 相模大野に停車していた〔はこね22号〕が、GSEでした。

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 相武台前で〔はこね35号〕の通過待ち。VSE。

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 海老名で、小田原行快速急行3035列車待ち合わせ。
 この4000形は、先の経堂停車中に上り線にいた2736列車の折返しなのでした。新宿を35分後に出発しています。
 6609列車は特急2本・快速急行4本・急行2本に抜かれるが、これが最後の待ち合わせになります。
 この駅のホームのメロディは、去年活動を休止した、いきものがかりの楽曲。

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 海老名を出ると高架線になり、丹沢を見る事ができます。一番高いのは丹沢の雄・塔ノ岳。

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 厚木駅ホームと相模川橋梁の間には、今は圏央道の高架橋が立っています。

 日中の各駅停車はほとんど全てが本厚木折返し、小田原まで行く各駅停車は、本厚木7時53分発の6521列車(向ヶ丘遊園始発)以来だから7時間21分空き、この後は22時34分発6825列車(海老名始発)。

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〔はこね24号〕。EXE6連。ここまでEXE(α含む)・MSEの〔はこね〕5本とすれ違ったが、皆6連だった。

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 愛甲石田~伊勢原間では、新東名高速道路の工事現場と交差しました。
 この前陥没があったのは、どこだったのだろう?

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 車内は再びガラガラ、という感じ。4分前に快速急行(新松田まで各駅停車)が走っているのだから当然、と言えるのだが。時間からして学生の帰宅対策なのか?と思っていたのだが、そうでもないようだ。

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 本厚木を過ぎると、さすがに少しはローカル色も出てきます。大山を右に見る。

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 鶴巻温泉は、改良工事の真っ只中(橋上駅舎化ではない)。

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〔メトロはこね22号〕。
 東海大学前から大挙して学生乗車、と思っていたが、そんな事はなかった。上りホームはいっぱいいたけれど。

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 東海大学前~秦野間の秦野トンネル。この区間は急カーブが多い。

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 渋沢~新松田間は小田急では最も駅間距離が長く、6.2㎞もある。山間部で四十八瀬川を何度も渡り、カーブが多い(勾配は小さいが)。トンネルも2ヶ所ある。第一菖蒲トンネル。

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 第二菖蒲トンネル。
 小田原線は合計4ヶ所、江ノ島線にも1ヶ所トンネルがあるが、全て単線並列だ。両路線とも、最初から全線複線で開通しているのに、どうして複線断面にならなかったのか。昭和初期ではまだ技術がなかったのか。
(戦後開通の多摩線のトンネルは皆複線断面)

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〔はこね26号〕。VSE。

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 新松田の折返し線に待機する各駅停車。日中は、急行は新松田で折返しで各駅停車に接続する形態。次が終点小田原なのに、中途半端な気がする。

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 開成駅は、ホーム延長工事中。来年のダイヤ改正で快速急行・急行停車駅になる事がすでにアナウンスされているが、見た限り、すぐに停車駅としなければならないほどの駅とはまだなっていない様に見えた。大規模な開発が行われるのだろうか。

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 駅前(東側)に、NSEの先頭車が保存されているのが見えます。
 むしろ次の栢山の方が、乗降が多いように感じられました。新松田~小田原間の各停のみ停車の駅は、基本的にどこも小駅。

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 右手には箱根の外周の山々を見ます。明神ヶ岳?

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 狩川を渡って、大雄山線の五百羅漢駅を見下ろす。ちょうど上下列車が行き違う所でした。

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 足柄駅構内に留置線があるが、EXEの4連が並んでいる。別の場所にもう1編成いました。
 元々EXEが6+4連の分割対応だったのは、箱根方面+江ノ島方面の2方向併結がメインの目的だったはずだと思うのだが、現行の併結は、平日の上り1回のみ(土休日はMSEであり)。

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 小田原到着直前、新宿行快速急行3072列車と会います。先に海老名でこちらを追い抜いた編成。その前は経堂ですれ違っていました。

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 小田原定時到着。JRE231系との並びに、小田原にたどり着いたとの実感が沸きます。
 結局の所、全線通し各駅停車で走る意味は、この日に関しては見出せませんでした。運用の都合、の部分が大きいのではないかと思います。

 6609列車は、新宿~小田原間82.5㎞を2時間11分かけて走り抜きました。表定速度37.78㎞/h。
 28年前、1990(H2)年のダイヤで、比較的近い時間帯を走る列車として、新宿を13時42分に出発し、小田原には16時09分に到着する6563列車があり、表定速度は33.67㎞/hになっています。追い抜かれる列車本数は8本と同数だが(1本は土曜のみ運転だった)、町田より西で抜かれる本数が多く、新松田10分停車もあって、町田~小田原間は今より10分余計に掛かっていました。新宿側で抜かれる本数は現代の方が圧倒的に多いが、やはり複々線効果で、9分早くなりました。
 ちなみに、新宿~町田間所要59分は、28年前の町田→新宿間の朝ラッシュ時の、最も遅い急行と同じです。いかに複々線化前のラッシュ時の急行が、深刻なまでに時間が掛かっていたのかを表していると思います。

 希少価値のある全線通しの各駅停車だが、見てきたように、新宿~代々木上原間の各停のみ停車の駅も10連対応工事が進んでいていて、次の改正では新宿発着の10連の各停が見られる事になりそう。その時点で、細々ながら走り続けてきた小田急小田原線全線通しの各駅停車も、いよいよ見納め、となるのでしょうか。

 なお、小田急自線内のみならこの列車が最長の各駅停車となるが、他線直通を含めると、我孫子発伊勢原行6067という列車があります。94.2㎞を2時間52分かけて走り、表定速度32.93㎞/h。
(平日のみ。JR編成)

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《今日のニュースから》
 1日 フィギュアスケート高橋大輔 現役復帰を表明

 岡山の中学生だけの自動車事故、どうしてこんな事が起きてしまったのか?
 W杯はメッシとクリスチアーノ・ロナウド、今大会の「目玉」のストライカーが、相次いで消えてしまった…。