№1846 京王ライナー 初乗り

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 昨今は関東地方の大手私鉄でライナータイプの有料座席指定列車の設定が相次ぎ、一般のニュースにもなっています。京王電鉄でも、同社初の有料列車「京王ライナー」が、2月22日のダイヤ改正時より運行を開始しました。
 横浜市在住の人間だと通常はほとんど利用する事はないだろうが、先月、富山へ向かう高速バスにのる直前に、新宿から橋本まで利用してみました。

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 京王線新宿駅の、発車案内表示。京王ライナー」の表示には、空席の案内もあります。日曜日の夜でもあり、八王子行も橋本行も、席にはまだ余裕もあるようでした。
 20時20分発橋本行15号に乗ります。

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 京王ライナーの券売機は、改札を入った中にあります。券売機の場合は直前の出発の列車のみの発売で、この時点では京王八王子行13号がまだ発売中でした。
 購入出来るのは、発車の3分前まで。

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 先発のライナーが出発すると、次の列車の発売が開始になります。PASMOなどのICカードでも支払い可能。券売機では、号車・座席の指定はできません(一部はできるそうだが)。

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 指定券。10号車だから一番後ろ。10Aは窓際。指定席料金400円。磁気券ではない。降りた駅で回収する事はしないので、指定券は手元に残ります。

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 京王ライナーは2番ホームから発車。その2番ホームにも、券売機があります。

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 20時08分、橋本行15号が回送で入線してきました。

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 乗車開始。1両につき1個所から乗車。乗車前に駅係員が指定券をチェック、という事はしない。この辺が、昔の各社のライナー列車とは違ってきている。

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 車内モニター。

 定刻出発。京王永山まではノンストップ。主な通過駅の通過時刻を記して起きます。
 
 笹塚 20時24分20秒
 明大前 20時26分20秒(一旦停止があった)
 桜上水 20時28分05秒
 八幡山 20時29分00秒
 千歳烏山 20時30分00秒
 つつじヶ丘 21時31分45秒
 調布 20時36分25秒(一旦停止があった)
 若葉台 20時41分45秒

 車内での検札もないが、巡回する車掌はタブレット端末を手にしています。これに指定券の発売情報が表示され、どの席が売れているか、指定されている場所に着席があるかをチェックするのでしょう。

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 5000系ではWi-Fiサービスの提供もあります。手持ちのノートPCでネットを閲覧してみました。JRA(日本中央競馬会)のWebサイトで、この日行われた皐月賞の動画。
 座席にはコンセントもあります。

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 橋本到着。日曜日だからだろう、行楽帰りの乗客がほぼ全てでした。平日だったら、会社帰りでスーツ姿の方々がほとんどになるだろうが。

 この手の列車、「座って通勤」の観点で言うと、座席定員の面では、全ロングシートよりも少なくなる。だから着席数なのではなく、混雑に悩まされる事なく、ゆったりしたクロスシートでくつろいで貰うという、トータルな雰囲気が売りなのだろうと思います。それが、今回の乗車で得た印象でした。
 現状のダイヤは京王八王子行・橋本行がいずれも1時間毎と少なめだが、線路容量が少ないので、現状ではこれが精一杯でしょう。2018年度の設備投資計画でも5000系の増備はないし、夕方は当面この形態が続くと思われます。ただ、新宿からの着席保証があれば成り立つ列車なので、現在の通過駅の利用者の利便性も考慮して、府中・京王永山からは各駅停車にしても良いのではないかと思った。
 あとは逆方向、朝方の新宿行の設定はあり得るだろうか。その場合は、都営新宿線への直通運転もあるかも知れません。
 今後の「京王ライナー」の動向、通勤輸送のあり方そのものを探る上でも注目されていくと思います。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 京成・京急が昨日、西武が今日、2018年度の設備投資計画を発表しました。

京成…車両面では3000形を28両(8連×2編成・6連×2編成)新造。金町線・東成田線以外は全列車6・8連での運行が可能になります(東成田線は長編成運行が可能だが、芝山鉄道に3500形4連をリースしているから除外しているのか)。「来年度以降新造の通勤車の設計に着手する」とも謳っていて、2003(H15)年以降16年に渡って製造が続いた3000形は、合計326両の大台に乗せて、今年度で製造終了、という事になります。
 3400形・3700形の座席にはスタンションポールを増設。3400形は下回りが初代AE形(1972(S47)年製)の転用だから既に46年経っていて、案外置き換えが近いかも知れないと思っていたのだが、あと数年は使う事になるようです。新AE形は車イススペースの増設を完了。PC・スマホ上で列車走行位置を確認出来るサービスを開始。
 京成上野駅のリニューアルは今年度完成。ホームドアは日暮里(1F上りホーム)・空港第2ビル駅に整備。京成上野・日暮里・空港第2ビル・成田空港各駅の行先表示を4ヶ国語に拡大(韓・中を追加)。
 京成立石付近の立体化は、用地買収と下り仮線工事を実施。
 投資総額201億円は、前年度より49億円増。結構大きいです。

京急…新1000形を42両新造。「ホームドア設置の阻害要因となっている4ドア車両の廃車を前倒し」すると記されていて、2000形の置き換えが完了しているから、42両は全て6連で、800形を一気に置き換える事になりそう。800形は平成の世の内にサヨナラ運転、という事になりそうです。
 そのホームドアは京急蒲田・京急川崎・橫浜・上大岡・羽田空港国内線ターミナルの各駅に整備(800形引退後になるはず)。しかし、これ以上の展開を進めるとしたら、ATOやTASCを導入しないのなら、車掌や運転士の負担がかなり重くなりそうだし、現状のダイヤ形態にも影響を与えるかも知れない。
 この他、大師線地下化工事(第1期)を引き続き推進。一部の駅に運行管理支援システムを導入。
 品川駅の工事は、まだ予算が計上されていない。
 投資総額236億円は、前年度より17億円増。

西武…いよいよ新型特急車のデビューが具体的なものになりました。今回は設計コンセプトと想像図のみで、製造数とか、具体的な内容は盛り込まれていないが、今年度末のデビューが予告されています。
 通勤車は新造がないよう。9000系の早期引退が噂されているが、代替車両の製造がないなら、あと2~3年程度は走るのではないか。
 西武新宿駅と飯能駅のリニューアルを実施。飯能は、フィンランド人のデザイナーを起用。両駅とも今年度末には完成。
 新宿線・中井~野方間(地下化)と東村山駅付近(高架化)の連続立体化を引き続き推進すると共に、野方~井荻及び井荻~東伏見間の連続立体交差の早期事業化に向けて準備。
 ホームドアは池袋駅(2~6番ホーム)は整備が完了し、2020年度を目標に練馬・西武新宿・高田馬場・所沢・国分寺の各駅に整備。
 投資総額247億円は、前年度より13億円増。

 これで、関東の大手私鉄で残るのは東急のみになりました。去年は5月12日(金)、一昨年も13日(金)曜日に発表されているので、例年通りなら明日にはリリースされるでしょう。前年度は502億円だったが、田園都市線の問題もあるので、今年度は相当な高額になると思われます。

 JALが中長距離LCCに参入するとか、ニュースになっています。一昨日の日経誌が書いて、昨日はNHK等が報道していました。JAL自身は今日現在、検討はしているが、発表できるものはまだないとしています。

《今日のニュースから》
 9日 マレーシア議会下院選挙 野党連合勝利
10日 スパリゾートハワイアンズ 食中毒でレストラン営業停止

 富士急ハイランドが、7月中旬から入園料を無料にするそうです。現在は中学生以上1500円、小学生900円というから、結構太っ腹です。富士急の電車や各高速バス路線などにはどのような影響を与えるでしょうか。

№1845 2018年度GW 航空利用データ分析

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 2018年度のGWの航空利用のデータが今日、航空各社から発表されました。例年通り、データから利用状況を読み解いていきたいと思います。
 今年度は4月27日~5月6日の10日間が対象です。今年度も日並びが比較的良く、最大で10連休も可能でした。また国際情勢は去年とは一転、GW直前に朝鮮半島の南北首脳会談まで開かれたほどだから、利用を脅かすような事態はなかったと言えます。これらの要因は、航空利用にどのような影響を与えたでしょうか。

会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。国際線は「日本発」「日本着」で統一。
 注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。「ピーク」は各社が発表している日付をそのまま表記、基準は様々です。

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全日空
国内線 座席数1,852,362席(99.8%) 旅客数1,413,872人(106.5%) 利用率76.3%(+4.8%)
国際線 座席数364,633席(103.8%) 旅客数292,598人(107.9%) 利用率80.2%(+3.1%)
 国内線は、A321の導入が進んでいる事もあるのか座席数は微減だが、旅客数は大きく上回っています。特に北海道・九州が好調としています。北海道路線は前年度72.6%→74.9%、九州路線は73.0%→75.7%と大きく伸びました。どちらも、旅客数が10%近く増加しています。
 ピークは、下りが4月28日(95.0%)と5月3日、上りが5月3・5・6(98.2%)日。29日の上りが5割を切っています。
 国際線は、中国路線の旅客数が前年度より20%以上増加し、利用率が前年度66.0%→80.1%と大幅に向上しました。欧州路線も84.0%と高率です。一方北米路線は、ロサンゼルス路線の増便があって座席提供数は10%以上増えたが、旅客の伸びが追い付かず、方面別では唯一80%を割りました。
 ピークは、日本発が4月27・28(96.0%)・29日、日本着が5月5・6(95.3%)日。
 国内線・国際線とも、臨時便の運航はなかった模様。 

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日本航空
国内線 座席数1,167,262席(103.2%) 旅客数915,881人(106.6%) 利用率78.5%(+2.5%)
国際線 座席数313,325席(105.9%) 旅客数268,597人(108.6%) 利用率85.7%(+2.2%)
 国内線・国際線とも、座席提供数の伸びを旅客数が上回って、好調だったと言えます。
 国内線は、九州路線、中国・四国路線の利用率が前年を大きく上回ったとしています。九州路線は前年度74.0%→75.5%、中国・四国路線は75.0→76.5%でした。特に中国・四国路線の旅客数は10%以上増えました。一方で沖縄路線は、座席数が横ばいながら旅客数が減少し、利用率が80%を割りました。
 ピークは、下りが4月28日(96.2%)と5月3日、上りが5月3・5・6(98.1%)日。一方で4日の下りが55.2%と、かなり低調でした。
 臨時便は羽田~沖縄12便・羽田~長崎2便、合計14便。
 国際線は、メルボルン線がスタートした(9月1日~)オセアニア路線が、座席数の伸びを上回る旅客数があり、利用率が前年度75.3%→80.7%と大きく伸びました。増便になったグアム線も座席数の伸びに比例して旅客数も伸び、利用率が90%を上回っています。一方、欧州路線はロンドン線が増便になった(10月29日~)のに、座席数はそれほど増えず、旅客数は微減でした。韓国路線は成田~仁川路線休止で座席数・旅客数とも減少しています。
 ピークは日本発が4月27・28(98.0%)日、日本着は5月5・6日で、共に98.0%でした。
 臨時便はなく、チャーター便は成田~コロール(パラオ)間4便。

日本トランスオーシャン航空
 座席数109,520席(101.2%) 旅客数85,927人(100.4%) 利用率78.5%(△0.6%)
 利用率微減。まあ横ばい、という所でしょうか。臨時便は那覇~石垣1便。
 
琉球エアコミューター
 座席数20,650席(101.6%) 旅客数15,752人(104.0%) 利用率76.3%(1.7%)
 旅客数の伸びが座席数を上回って、利用率が良くなりました。前年度は運航がなかった臨時便は、那覇~宮古・那覇~石垣・宮古~石垣で各1便を運航。

日本エアコミューター
 座席数43,052席(81.5%) 旅客数30,040人(81.7%) 利用率69.8%(+0.1%)
 JAL(J-AIR運航)への移管が進んだ事で、座席数が大幅に減りました。利用率は前年並。臨時便は鹿児島~奄美4便。

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スカイマーク
 座席数242,136席(103.2%) 旅客数211,462人(108.6%) 利用率87.3%(+4.3%)
 利用率が大幅に向上しました。ピークは下りが4月28日(96.6%)、上りが5月6日(98.6%)。全ての日で両方向とも70%以上、上下を合計すると全日80%以上になりました。
 中部~鹿児島・鹿児島~奄美大島路線の8月1日開設が既に発表になっています。経営再建もまずは一段落かと思われるので、今後は路線の再拡充も期待されるでしょう。来年のGW時期にはどのようなネットワークになっているか。

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エア・ドゥ
 座席数83,116席(96.9%) 旅客数71,737人(104.6%) 利用率86.3%(+6.3%)
 新千歳~広島・岡山路線を廃止したので座席数は減少したが、旅客数は逆に増加し、利用率が大幅に向上しています。この両路線、そんなに良くなかったのか?ピークは下り(北海道着)が4月28(97.0%)~30日と5月2・3・6日で、6日も95.3%と高率だったのが目を惹きました。上り(北海道発)は5月2~6(99.5%)日。羽田~新千歳で6往復増便。

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ソラシドエア
(ANA販売分は含まず)
 座席数75,504席(99.1%) 旅客数60,870人(104.4%) 利用率80.6%(前年度との単純比較は不可)
 参考までに前年度の利用率は80.0%。こちらも座席数は微減だが、旅客数は伸びました。ピークは下りが4月28日(99.3%)と5月3日、上りが5月5・6(99.7%)日。4月29日の上りが5割を割りました。臨時便は羽田~長崎・宮崎・熊本で合計14便運航。

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スターフライヤー
 座席数60,920席(107.9%) 旅客数48,107人(103.7%) 利用率79.0%(△3.2%)
 昨年7月新規就航の北九州~沖縄線を含んでいるので、座席数は増えました。旅客数の伸びは追い付いていないが、まずまずではないでしょうか。全体としてのピークは何日、とは言っていないが、一番利用率が高かったのは、下りが4月28日(91.6%)、上りが5月6日(96.9%)。
(北九州~沖縄線は、北九州発が下り、逆が上り)
 
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フジドリームエアラインズ
(JAL販売分を含む)
 座席数59,216席(106.0%) 旅客数47,657人(113.6%) 利用率80.5%(+4.5%)
 前年も4月27日~5月6日を対象としていて、日曜日だった5月7日を含んでいないから、この点は多少割り引く必要があるか。新路線(静岡・仙台~出雲)の開設もあったが、旅客数の伸びが座席数を上回り、利用率が80%を超えました。
 FDAは路線別のデータを公表しているが、利用率が一番良かったのは、新路線の静岡~出雲線(92.6%)でした。逆に静岡~札幌(丘珠)線が65.8%と一番低くなったのは、去年と同じ。やや意外な気がします。
 ピークは、名古屋(小牧)発着は発が4月28日(95.2%)、着が5月6日(96.8%)。静岡発着は発が4月28日(96.6%)、着が6日(98.3%)。松本発着は発が5月6日(96.3%)、着も6日(99.2%)。新潟は公表がなくなりました。
 
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ピーチ
国内線 座席数113,580席(115%) 旅客数104,304人(115%) 利用率91.8%(△0.5%)
国際線 座席数73,440席(107%) 旅客数65,081人(108%) 利用率88.6%(+0.5%)
※ APJは、前年比のパーセントは小数点以下を省略して公表
 国内線は、3月に関空~新潟線がスタートしたため座席数は増加、旅客数も同じ程度の割合の増加なので、利用率は微減。ピークは下りが5月3日(94.8%)とやや遅い。上りは6日(96.0%)。全日で両方向とも80%を上回っています。
 国際線は、直前の4月26日に沖縄~高雄線がスタート、この事もあって、特に台湾方面が好調だった、としています。ピークは日本発が4月28日(95.8%)、日本着が5月6日(97.1%)。

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ジェットスター・ジャパン
国内線 座席数185,040席(109.9%) 旅客数159,746人(112.3%) 利用率86.3%(+1.8%)
国際線 座席数23,049席(104.9%) 旅客数19,739人(102.2%) 利用率85.7%(△2.2%)
 国内線は、成田~宮崎線スタート(12月21日~)や、その他で全体的な増便があったため座席数が増加、それ以上に旅客数が増えたため、利用率が向上しています。利用率の大きな波はないけれど、ピークは下りが4月29日(91.5%)、上りが5月3日(90.3%)で、他キャリアで90%台になる5・6日の上りも80%台に留まっています。
 国際線は、成田~上海線スタート(6月2日~)で座席数は増加しているが、こちらは旅客数の伸びが追い付かず、利用率は下がりました。ピークは他キャリアとかなり異なり、日本発は4月28日(97.5%)とほぼ同じだが、日本着は翌29日(90.6%)となり、5月は両方向とも全日、90%を超えた日がありませんでした。

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バニラエア
国内線 座席数57,660席(104.2%) 旅客数50,102人(107.2%) 利用率87.0%(+2.4%) 
国際線 座席数36,000席(90.9%) 旅客数31,569人(93.0%) 利用率87.7%(+2.2%)
 国内線は新路線はなかったが(関空~函館は期間限定運航でGW中は運航なし)、座席数は増加、旅客数がそれ以上に伸びたため、利用率は向上しました。ピークは下りが4月28日(93.9%)、上りが5月6日(97.0%)。両方向トータルでは全日80%台。
 国際線は台北~ホーチミンシティ区間休止と成田~香港路線の減便で座席数は大幅に減少しました。しかし旅客数の減少はそこまでは行かなかったので、利用率は向上しています。ピークは日本発が4月28日(98.7%)、日本着が5月6日(97.8%)。両方向トータルではこちらも全日80%台。
 VNLはこの後、成田・沖縄~石垣線開設と成田~関空線の休止が予告されているが、その直後にAPJとの統合が発表になっているので、今後の運航計画は、統合作業開始の10月を待たずに何か動きががあるかも知れない。

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春秋航空日本
国内線 座席数7,560席(33.3%) 旅客数7,015人(42.4%) 利用率92.8%(+19.8%) 
国際線 座席数7,560席(100%) 旅客数7,083人(108.7%) 利用率93.7%(+7.5%)
 国内線は成田~広島・佐賀路線の各1往復のみになってしまい、座席数は前年度の1/3になってしまいました。国際線の路線網は変わらず、座席数も全く同じ。この結果、旅客数は国際線の方が、わずかながら国内線より多くなってしまいました。これは、一応日本の航空会社では(国際線専門だった旧JAAなどを除けば)初めての事になるのでは?このためか、リリースは国際線が先に来るようになりました。
 ピークという言い方はしていないが、国内線の下りは5月2日(97.9%)、上りは翌3日(98.9%)、国際線の日本発は4月28日(99.2%)、日本着が翌29日(97.4%)が最高と、他キャリアとはっきり違う傾向になっています。国際線は、5月3日以外は日本発が着より高い。

 エアアジア・ジャパンは、今日の20時現在ではリリースが出ていません。

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 以上、本当に簡単ながら、私なりの視点で、今GWの航空利用のデータを分析してみました。
 LCC勢は、キャリアによって旅客の動向に違いが見られるようになってきました。特にピークの時期にバラツキが見られるようです。これまでのLCCは外資主導が多かったので、インバウンドが増加している事が、ストレートに反映しているのでしょう。
 今後のLCC勢は、ピーチがバニラエアを吸収する事で、「ANA系のピーチ」vs「外資系各社」の構図に変わっていく事になります。特に外資系の日本国内路線の展開がどうなるのか。春秋航空日本やエアアジア・ジャパンの路線の展開は注目されると思います。そろそろ、「オイシイ」路線は少なくなってきている気もするので。
 個人的には、大手2社とLCCに挟まれた各キャリア、具体的にはエア・ドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーの各社の行方が気になっています。そろそろ大きな展開が欲しい気がする。でないと、上と下に挟まれて、存在感を見いだしにくくなってくるのではないか。ただ、3社ともANAの資本が入っているので難しい部分も出てくるのだろうが。

 次回の分析は夏のお盆時期に行います。
 ところで、来年のGWはどうなるのだろう?この期間中に平成の世が終わり、新しい元号の元での新しい世が始まる事が解りきっているので。昭和→平成の時のような「自粛・自粛」の重苦しいムードにはならないはずだし、(5月1日が祝日になって)完全10連休になるという話も聞こえてくるが、航空を初めとする各交通の需要には、どのような影響を与える事になるのでしょうか?

 ニュースに拠れば、今GWの航空輸送は、国内線は13社で6.4%の増、特に九州方面が人気。国際線は6社で7.2%の増だったそうです。JRは新幹線・特急が3%の増。各社のリリースに拠れば、特に前半に多くの利用があったようです。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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《今日見た・聞いた・思った事》
 京王が今日、2018年度の設備投資計画を発表しました。
 笹塚~仙川間の連続立体化は、今年度は用地買収を進めると共に、工事ヤードの整備等に着手。事業区間7.2㎞、7駅が高架化され(八幡山は既に高架化)、25個所の踏切が撤去されるとの事。
 ホームドアは新線新宿と渋谷で完了し、飛田給(味の素スタジアム(東京スタジアム)最寄り駅)の整備に着手。この後は下北沢が2021年度、明大前は連続立体交差事業の進捗に合わせて整備。下北沢駅は、下り線の高架橋の架け替えを実施(13日に実施。工事運休が発生する)、井の頭線専用改札を設置。
 飛田給駅では大型エレベーターを整備し、駅舎も改修。新宿駅も大型エレベーターを整備。
 車両面では、8000系2編成・1000系3編成でリニューアルと、新型VVVF制御装置への交換を実施。今年度は、車両の新造はなし。
 この他、車両・駅設備双方でインバウンド対策を推進。
 投資額は237億円、前年度より56億円減。

 JR東日本は、東京・新宿~伊豆急下田間の新型観光特急E261系を、2020年春に運行開始させると発表しました。8連×2編成で座席は全部グリーン車、8両中1号車はプレミアムグリーン車(1-1)、2・3号車はグリーン個室(4または6人部屋)、5~8号車はグリーン車(2-1)。4号車は主に麺類を提供する「ヌードルバー」。完全な新タイプの列車となり、185系や251系を置き換えるものにはならないようです。

《今日のニュースから》
 6日 ダニエル太郎 テニス・イスタンブールオープン優勝
 7日 相模原市 やまゆり園 解体工事開始
 8日 アジア太平洋ITSフォーラム 福岡市で開催

№1844 私鉄名車列伝 143.阪神電気鉄道8000系

「私鉄名車列伝」、今回は阪神電気鉄道の急行車、8000系です。

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 8000系は、1984(S59)年から製作された急行系専用系列、いわゆる「赤胴車」である。「赤胴車」では7001・7101形(後に改造されて2000系)以来14年振りの新形式となった。阪神初の新機軸が数多く盛り込まれたが、第1編成と第2編成以降では大きくスタイルが異なり、以降も仕様の変更を繰り返しつつ、同社の最大勢力となった。

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 「赤胴車」では初めて他系列との連結を想定しない6両固定編成となった。Tc―M-Mの固定ユニット2本の片側を反転させて組成している。制御装置は回生ブレーキ併用の界磁チョッパ、ブレーキは電気指令式、補助電源装置はSIVとなった。運転台には故障情報を表示できるモニターも装備されている。
 第1編成は武庫川線延伸に伴う車両増備の目的で製造された。3901-3801形に始まる当時の阪神標準スタイルで、側窓は2段サッシだが、正面扉の連結用の貫通幌と渡り板は設けられず、のっぺりした印象を与える。このスタイルは1編成のみに終わった。


 1985(S60)年製造の第2編成は、特に外観が大幅にモデルチェンジされ、番号が8010番台に飛んでいる。正面の窓は上方に拡大、行先と種別の表示は分離して、正面窓の内部に納めた。前照灯は貫通扉の上部に配置、窓下に急行灯と標識灯を一体のケースに収めて配置した。また、初めてスカートを装着している。側面は天井方向に拡大して断面が変わり、側窓は独立した一段下降式となった。車内では化粧板がそれまでの緑系から灰色系に変わり、座席端の仕切りの形状も変わっている。3編成が製造された。

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 翌1986(S61)年製造の第5編成からは冷房が集約分散型に変更され、天井は冷房ダクトを納めた平天井となっている。8編成が製造されている。

 1991(H3)年製造の第13編成は、8000系の完成形と位置づける事ができる。側窓は連続窓風の黒色サッシとなり上下に拡大、側窓と側面表示に使われていたHゴムを廃したため、スッキリした印象を受ける。

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 車内は1人ずつの着席位置を区分したバケットシートを採用、荷棚の形状も変更された。ドア上にはマップタイプとLEDを併用した車内案内表示装置も設置された。8241F以降は当初から車イススペースも設けられ、表記類がピクトグラム化している。9編成が製造されたが、8249Fのユニットの片側(下2けたが「50」の3両)は、阪神・淡路大震災直後の竣工である。

 1995(H17)年1月17日の阪神・淡路大震災では大多数の車両が被災、8000系では当時竣工していた123両中15両が被災して廃車となった。このため代替新造車両3両が製造された他、8201号車は8502に改番・方向転換を行っている。代替新造・方向転換車両は車号に300を加えている。また編成替えにより仕様が異なる編成が生まれ、第1編成の残存3両は、車体形状が異なる3両と編成を組んでいる。
 この結果、8000系は126両(21編成)+代替3両、合計129両全車両が武庫川車両で製造され、現在は19編成114両が在籍し、阪神の最大勢力となっている。
 その後1998(H10)年より、阪神梅田~山陽姫路間の直通特急が運行を開始する事になり、8000系も充当される事となった(8502Fは対象外)。


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 2002(H14)年からは大規模リニューアル工事がスタートした。中間車は9300系に合わせて、転換クロスシートを備えたセミクロス構造となり、ロングシートもバケット化、どちらも一般席は赤系・優先席は青系の柄模様になっている。セミクロスは2両のみ改造された編成があり、13編成以降は全車がロングシートのままになっている。この他車イススペース未設置編成への設置や、非常通報装置の新設も行われている。車外では外幌が設けられた。リニューアル更新車はカラーリングが9300系と同じ「プレストオレンジ+シルキーホワイト」のツートンカラーに改められた。更新工事は2015(H27)年に終了、本線からは「赤胴車」が姿を消す事となった。この他、行先・種別表示のフルカラーLED化、正面の急行灯・標識灯が兼用のLED表示一灯への交換も、順次進められている。
(本線の)急行系では最古参となったが、現在も本線の直通特急や急行の主力として活躍している。


【編成】
←梅田e方     元町方→
 Tc1 8201 -* M' 8001 - *M 8001 - M2 8101* - M' 8001* - Tc2 8201
* パンタグラフ

 2000系が2011(H23)年7月までに全車廃車となって以降、本線の急行用車両の最古参は8000系となりました。いつの間に?という感もあります。それだけ阪神の車両が(特に関西では)若い、という事でしょう。8201改め8502号車は、色は変わったけれど本線用急行車では最後の「阪神顔」(または最後の2段サッシ窓車)でもあります。この第1編成の生き残り3両はデビューから34年となり、いつまで?の感もあるが、最近山陽電鉄姫路まで乗り入れの試運転を行ったとの情報もあり、当分は活躍が続くのではないでしょうか。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1997年7月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道」「同2017年12月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「私鉄の車両21 阪神電気鉄道」(保育社 ※後にネコ・パブリッシングによって復刻
「私鉄車両年鑑2017」(イカロス出版)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄12 阪神電気鉄道 阪急電鉄2」(朝日新聞出版) など
「阪神電気鉄道完全データ DVDBOOK」(メディアックス) 等
を参考にさせて頂きました。
 次回は南海の関西空港アクセス特急「ラピート」50000系です。関西空港は来年9月に開港25周年を迎えるが、それは同時に、「ラピート」のデビューも25周年の節目を迎える、という事でもあります。早いものだと思います。

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《今日のニュースから》
 4日 スウェーデン・アカデミー 今年のノーベル文学賞発表見送りを発表
 5日 こどもの本総選挙 「ざんねんないきもの辞典」1位

 なんだか、文学を巡って対照的。一昨年はボブ・デュラン、去年はカズオ・イシグロが受賞したノーベル文学賞だが、セクハラ問題がここまで影響するとは。「残念」というのは、決して特定の動物そのものを劣ったものとして見るのではなくて、様々な動物を巡る「弱点」について取り上げられた本、のようです。