№1810 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 18.近鉄奈良線 近鉄奈良駅<後>

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 近鉄奈良駅の時刻表、後半は21世紀に入ってからの時刻を回顧します。奈良線と阪神なんば線の相互直通運転開始が最大のイベントになるが、一方で近鉄全体でダイヤが減量の傾向になり、特に京都線では大きな影響が出てきます。

 ところで、2000年改正で快速急行が新大宮に停車するようになって以降、ダイヤ改正毎に準急普通の改廃が頻繁になるが、需要動向もあるだろうが、大和西大寺駅で平面交差する京都・橿原線とのダイヤの調整、あるいは運用の都合(西大寺で乗り換えになる、逆に直通になる、など)に左右される面が大きいのではないかと思います。一部時間帯、列車を除けば、あまり大げさに気にする必要はないかと思います。上位級の列車を中心に検証します。

 2001(H13)年3月22日改正では、奈良駅間系では小修正程度か。大阪線で、朝ラッシュ時の減便が行なわれています。

 2002(H14)年3月20日改正では、京都線の特急が全列車、丹波橋に停車になりました。京阪との接続駅。また京都発夜間の特急が、追加で高の原にも停車しています。
 奈良線では、土休日8時台の快速急行1本を急行に変更。

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2003(H15)年3月6日改正
 結局京都線の快速急行は短命に終わり、今改正で急行に格下げとなって、京都線内では急行は日中毎時6本(うち2本は京都市営地下鉄直通)運転になっています。
 特急車両の運用効率の向上を図るという事なのか、奈良線特急の一部で21000系「アーバンライナー」、23000系「伊勢志摩ライナー」の運用が始まりました(21020系「アーバンライナーnext」がデビューしたが、当時は別運用で、奈良線には入らない)。京都線では夜間にも「伊勢志摩ライナー」運用があります。奈良→京都→橿原神宮前→京都→奈良と運用されます。

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2004(H16)年3月18日改正
 奈良線では、日中のみ運行だった急行が、夜間も一部快速急行を建て替える形で運転時間帯を延長しました。
 特急が平日の8時台で1本が増発になりました。アーバンライナー運用。アーバンライナー、伊勢志摩ライナーは土休日でも運用数が増えています。一方で京都線の特急は平日の1本が削減になりました。

 2005(H17)年3月25日改正では、奈良駅関係は大きな変化はなし。奈良発の平日の伊勢志摩ライナー運用がなくなりました(奈良行は深夜に1本あり)。同日開幕の「愛・地球博」対応で、大阪線特急の増発が行なわれています。

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2006(H18)年3月21日改正
 ダイヤ減量の波は奈良線にも及び、新たに区間準急を設定。東花園~奈良間が各駅停車となり、東生駒折返しの普通は、東花園折返しに短縮。同時に準急も東花園が停車駅となり、基本的に普通と相互に接続になります。
 京都線では、平日朝方の特急にアーバンライナーが運用されるようになりました。京都まで1往復した後、難波へ向かう運用となっていたようです。
 この直後の3月27日、けいはんな線・生駒~学研奈良登美ヶ丘間が開業しました。

 2007(H19)年3月22日改正では、深夜の準急2本を区間準急に変更。

 2008(H20)年3月17日改正では、奈良線で夜間に特急を増発。難波発23時35分発は奈良着が0時10分となり、近鉄では初めて、0時を過ぎて運行される定期特急が設定される事になりました。

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2009(H21)年3月20日改正
 奈良線と阪神の相互直通運転が始まりました。
 難波~西九条間で建設されていた阪神西大阪線の延伸線が開業、難波で近鉄線と接続し、相互直通運転を行なうものです。阪神西大阪線は、新線区間も含めて阪神なんば線と改称しました。
 直通運転を行なうのは、快速急行区間準急準急普通の一部で、急行は行なわない(ただし、特急共々、折返しの回送で桜川まで入線する事あり)。快速急行はさらに阪神本線の三宮まで直通します。
 この時点では、平日の日中は快速急行も、阪神なんば線内は各駅停車でした。
 相互乗り入れでは阪神車両も奈良まで乗り入れるが、近鉄の20m級4ドアに対して、阪神は18m級3ドアと規格が大きく異なるのが、特に通勤電車を使用した相互直通運転では異例です。
 奈良線内の20分サイクルは変わらないが、土休日は快速急行急行が入れ替わっています。阪神線内のダイヤが関わっているのでしょうか。
 この他、夜間に特急を増発。
 京都線は大きくは変わっていないが、アーバンライナー運用はなくなりました。新田辺行最終が、平日のみ奈良からの直通になっています。
 この改正から、近鉄難波→大阪難波、上本町→大阪上本町と改称しています。
 4月1日、新特急車22600系「ACE」がデビューしました。

 2010(H22)年3月19日改正では、京都線の早朝の急行が削減されています。
 この年は平安遷都1300年祭が行なわれ、関連して奈良駅と大和西大寺駅が改装されています。

 この年、近鉄では2012(H24)年度に、全線規模で大幅な列車削減を伴うダイヤ改正が行なわれると噂されていました。

 2011(H23)年3月16日改正では、南大阪線系統でそれを先取りした削減などはあったが、奈良駅に関しては大きな変化は見られなかった。奈良線では、下り特急の増発が行なわれています。

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2012年3月20日改正
 全線規模で大幅な減量(全体で10%程度とも言われる)が行なわれた改正となりました。
 京都線が一番きつかったとおもわれるが、日中の特急が毎時4→3本に削減されました。京伊特急が大幅に削減されています。奈良駅発着はほぼ変わらないが、日中の2本中1本(奈良は毎時35分発)は、大和西大寺~京都間で橿原神宮前発着との併結運転になっています。
 関連して「伊勢志摩ライナー」運用の特急が変更になりました。
 また、朝方の上りが高の原に新規停車しています。
 急行も日中は毎時6→4本、終日の本数ベースでは13~14%と、大幅な削減。京都市営地下鉄直通急行も、1時間に1本の運行になりました。
 奈良線は、自社線内は大きくは変わらず(大和西大寺始発大阪難波行特急を増発)。阪神線内で変更があり、快速急行は尼崎発着の一部が三宮まで延長されたほか、平日日中も、西九条~尼崎間がノンストップになりました。代わって区間準急が尼崎まで延長されています。
(土休日朝方に新開地始発列車が設定になった)
 この他、他線区でも種別統合などを伴った減量が行なわれたほか、名阪ノンストップ特急は全列車津停車になりました。
 これより前、大阪・名古屋~伊勢・志摩間新型観光特急が2013(H25)年春デビュー、とアナウンスがありました。

 2013(H25)年3月17日改正では、その新型観光特急「しまかぜ」50000系が、大阪難波・名古屋~賢島間にデビューしました(運行開始は3月21日)。奈良駅関係は、修正程度。

 ここまで規模の違いはあっても、毎年3月には必ずダイヤ改正が行なわれてきたが、2014(H16)年は3月には実施されず、9月21日の実施となりました。
「しまかぜ」が京都~賢島間でも運行を開始(10月10日~)。奈良駅関係では、京都行特急の「伊勢志摩ライナー」運用が、平日は1往復増えました。京都まで往復した後、大阪難波行になります。
 特急の高の原停車時間帯が拡大しました。
(2014(H26)年4月1日、阪神の三宮が神戸三宮と改称)

 さらに、2015(H27)年は結局、ダイヤ改正を行ないませんでした。

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2016(H28)年3月19日改正
 現在使用されているダイヤです。
 奈良線の初電が準急区間準急に変更になった他、平日夜間の快速急行の増発、区間延長が行なわれています。
(阪神発では、阪神線内は快速急行→大阪難波または尼崎からは普通となる列車がある)。

 昨2017(H29)年は、ダイヤ改正が行なわれませんでした。

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2018(H30)年3月17日改正
 最後に、来月行なわれる、2年振りのダイヤ改正です。全線時刻表の発売はまだだが、各駅の時刻表がWebサイト上にUPされたので、そこから作成してみました。
 京都線は、特急が再び毎時4本運転になり、京都~奈良間と京都~橿原神宮前間を交互に運行する形態になります。
 急行は時刻が変更になります。京都市営地下鉄直通の時刻も変わります。
 奈良線は時刻の一部修正程度で、大きくパターンを変えるものにはなっていません。阪神直通も現状維持(阪神はダイヤ改正を行なわない)。

 以上、簡単ながら、1987(S62)年以降の近鉄奈良駅のダイヤから、主な改正ダイヤをピックアップして回顧してみました。まだまだ筆が回らなかった部分もあったと思います。
 近鉄全体の流れとしては、1990年代前半は「アーバンライナー」「伊勢志摩ライナー」のデビュー、志摩スペイン村オープンなど活気があったが、以降は右肩下がりの傾向となり、特に2010年代に入って、大幅な減量ダイヤが相次ぐようになりました。
 その中で奈良線は、快速急行の新大宮停車や区間準急の設定で列車が統合される動きはあったが、やはり近鉄一の通勤線区であるので、他線区ほどの落ち込みはない。2009(H21)年の阪神との相互直通運転のスタートも、奈良線全体に活気を与えるものとなったと思います。
 一方の京都線は、次の改正で特急の復便はあるものの、一般列車は2012(H24)年の減便を引き続き引きずる事になりそうです。単純な沿線の人口減なのか、JR学研都市線(片町線)や奈良線のダイヤの充実による転移、あるいは京阪奈自動車道の開通なども影響しているのか、一般列車はもうしばらく停滞が続くのでしょうか。
 それを如実に表しているのが、通勤車の新造がもう10年も無い事。2008(H20)年8月の9830Fが最後になっています。他の大手私鉄ではない事。従って在来車両の老朽化もかなり進んでいるはずだが、ダイヤの減量により、代替車両を新造しないで単純に廃車を推進、という流れになっているかと思います。
 ただ、奈良線に限ると、今後阪神直通の増強(特に快速急行)が求められる場面も来るかと思われるが、現状の旧式化して、阪神直通に対応できない車両が大半、という状況では対応できないだろう。近鉄で新造が途絶えた10年の間、他私鉄もJRでは、技術の進展により、次世代の車両が相次いでデビューしています。もはや「シリーズ21」でさえ遅れをとってしまっているかも知れない。
 次の改正でも大阪線や名古屋線ではさらに減量が進みそうで、減車という方向は続くのかも知れないが、そろそろ近鉄でも、「シリーズ21」に代わる次世代の通勤車の新造が検討されるべきではないでしょうか。特に奈良線では、未だ長編成列車による大量輸送が行なわれている、近鉄では希有になってしまった通勤の幹線なので、イメージアップの点でも(阪神はほとんどが近年の新造車両だし)、新型通勤車のデビューが強く望まれると思います。 

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《今日のニュースから》
18日 イラン国内線旅客機 山岳地帯に墜落
19日 ソフトバンク 携帯=固定電話間 通信障害
20日 ユニセフ 新生児死亡率の報告書公表 最小は日本

 小平奈緒選手、金メダルおめでとうございます。スピードスケートでは日本女子初の快挙、となると、こちらも国民栄誉賞級、かも。

№1809 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 18.近鉄奈良線 近鉄奈良駅<前>

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 今回の私鉄の駅の時刻表の変遷は、近鉄奈良駅を取り上げます。
 近鉄奈良駅は、大阪市内と奈良をダイレクトに結ぶ近鉄奈良線の終着駅で、京都からの京都線の列車も、大和西大寺から特急など一部が乗り入れてきます。1969(S44)年に地下化され、4面4線のターミナル駅として機能しています。
 近鉄では2012(H24)年までは、毎年3月中旬にダイヤ改正を行なっていました。しかし路線によって改正の規模に差があり、時刻の上からは変化が少ない改正もあります。なのでここでは、近鉄奈良駅の視点で、ある程度目立った改正が行なわれた年をピックアップしていきます。
 前半は、2000(H12)年までの、20世紀の間の改正です。

 近鉄の時刻表は、種別・行先毎に縦書きにした体裁が特徴的だが、全体のバランスを容易に見る事ができるように、ここでは一般的な体裁の横書きで記します。
 快速急行は急行と容易に区別出来るよう、ここでは紫色で記します。

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1987(S62)年3月18日改正
 手持ちの近鉄時刻表で一番古いのは、1987年春・夏号です。当時は、土曜日は平日ダイヤでした。
 奈良線は特急快速急行急行準急普通の5本建てで、急行は日中のみの運転でした。日中は快速急行急行準急各1本、普通2本(うち瓢箪山折返し)を20分サイクルで運行。
 京都線は特急急行準急普通の4本建てだが、準急は主に朝・夕、京都~新田辺間の運行。一部大和西大寺発着の列車もあったが、奈良を始発とする列車はなし(奈良行はあった)。15分サイクルの運行でした。奈良発着の特急は基本30分間隔、京都で折返し京都~賢島・京都~橿原神宮前間特急となる列車が大半で、西大寺からの送り込みの性格もありました。一部30分発がない時間帯があるのは、当時は難波~西大寺~京都間の特急があったためです。

 1988(S63)年3月18日は、「アーバンライナー」21000系がデビューした改正が行なわれた日だが、時刻表がないので、ここでは省略します。

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1988(S63)年8月28日改正
 京都市営地下鉄烏丸線が竹田に延伸して近鉄京都線と接続、相互直通運転が始まりました。新田辺~北大路(当時)間を、日中は30分間隔で運転。
 この時点では奈良発着の相互直通列車はなかったが、竹田が急行停車駅になりました。
 また、運転系統の変更で、特急急行の発着が増強されています。
 奈良線では平日の快速急行の運転時間帯が拡大され、朝ラッシュ時の快速急行は、奈良発と大和西大寺始発の列車を入れ替え。

 1989(H元)年3月17日改正では、奈良線で平日朝の大和西大寺始発快速急行1本が奈良始発に延長され、夜間の生駒行1本が難波まで延長。

 1990(H2)年3月15日改正では、奈良線で平日夜間・休日早朝の一部の普通準急に格上げになり、休日の快速急行運行時間帯を1時間拡大。

 1991(H2)年3月19日改正では、奈良線で平日夜間に快速急行を、休日朝方に快速急行準急を増発。

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1992(H4)年3月19日改正
 難波~西大寺~京都間の特急が廃止になり、奈良~京都間に建て替えられました。奈良発特急が30分間隔で揃いました。
 奈良線で夜間の特急快速急行が増発になり、生駒→難波で最終電車が繰り下げになっています。
 日中の難波~瓢箪山間普通が、東生駒まで延長されています。奈良線の全ての駅で、1時間6本以上、列車が停車する事になります。
 この改正で、22000系「Ace」がデビューしました。

 1993(H5)年3月17日・1994(H6)年3月15日改正では、奈良駅関係では修正程度。
 1993年9月21日、京都線に近鉄宮津駅が開業しました。車庫を併設しています。
 1994年改正で、「伊勢志摩ライナー」23000系がデビューしています。
「近鉄時刻表」はこれまで年2回刊だったが、1994年から年1回刊になりました。

 1995(H7)年3月16日では、奈良駅関係は修正程度。

 1996(H7)年3月15日改正では、京都~賢島間特急1往復に「伊勢志摩ライナー」が運用される事になり、送り込みのため、奈良9時30分発京都行特急も「伊勢志摩ライナー」の運用になります。
 京都線新祝園駅が改良工事完成により待避線の運用を開始し、一部の普通電車が待避を行なうようになりました。

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1997(H9)年3月17日改正
 この改正より、土曜日は休日と同じダイヤになりました。奈良線で、朝方に快速急行2本が増発になっています。

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1998(H10)年3月17日改正
 京都線で、土休日のみ快速急行が設定になりました。並行するJR奈良線で1991(H3)年より快速が設定されており、改正毎に増強されていたので、対抗の意味があったのでしょうか。あるいはこの年の暮れに奈良の文化財が世界文化遺産に登録されるので、観光客が増えると考えたのかも知れません。

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1999(H11)年3月16日改正
 奈良線で、平日日中の特急の大半が取り止めになりました。
 1990年代後半は近鉄全体で、そろそろダイヤの減量化の流れが見えてきたように思えます。

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2000(H12)年3月15日改正
 そんな中、京都線で奈良~京都市営地下鉄烏丸線直通急行が運行を開始しました。
 近鉄では「シリーズ21」3220系がデビュー、一部編成は京都・奈良の風景を描いたデザインをラッピングしてPRしました。なお一部列車は京都市営10系で運用、奈良にも姿を見せる事になります。
 快速急行は平日も含め、日中30分間隔と大幅に増発されました。上下とも竹田で、地下鉄直通急行に接続するダイヤになっています。
 京都線の急行が、新祝園にも停車するようになりました。京都府内だが、学研奈良研究都市の玄関口にもなっています(けいはんな線開業はまだ)。
 また奈良線・京都線とも、快速急行が新大宮にも停車。奈良線の準急普通が、特に日中のほとんどが大和西大寺発着に短縮されています。

 ここまで、20世紀終わりまでの近鉄奈良駅のダイヤを振り返ってみました。
 次回は21世紀に入ってからのダイヤ改正を、近鉄奈良駅目線で回顧します。何と言っても、阪神との相互直通開始が、最大のイベントになります。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 東急が昨日、東京メトロと埼玉高速鉄道が一昨日、3月30日(金)ダイヤ改正の内容を発表しました。

東急 … 平日朝ラッシュ時の増強がメイン。田園都市線は、ピーク前に上り急行2本を増発。渋谷着7時05分~35分の間5分間隔。下り各停を2本増発。大井町線は、急行を9分間隔に増発、上り各駅停車は全て上野毛または旗の台で急行を待避し、混雑を緩和。池上線は雪が谷大塚折返し5本を蒲田へ延長し、雪が谷大塚~蒲田間で運行間隔を短縮。多摩川線は8時台に1往復増発。目黒線は直通先を調整し、混雑を平準化。
 朝ラッシュ以外は、田園都市線は帰宅時間帯に急行・各停を1本ずつ増発、土休日は中央林間行最終電車を繰り下げ(ほぼ平日と同じになる)。大井町線は日中以降、各停を毎時2往復増発、平日夜間の溝ノ口行急行3本を長津田へ延長。目黒線は、6時台奥沢始発、22時台目黒始発の下りを、浦和美園始発に延長。
 大井町線の急行を7連化し、田園都市線2020系、大井町線6020系が順次デビュー。

東京メトロ … 半蔵門線は、平日朝ラッシュ時に渋谷~清澄白河間2往復、押上発東急直通1本を増発。雄夜間に渋谷~押上間1往復を増発。南北線は、朝ラッシュ時は王子神谷始発1本を埼玉高速鉄道発に、白金高輪行1往復を東急直通に延長。夜間の赤羽岩淵折返し4往復を埼玉高速鉄道直通に延長。逆に平日・土休日とも日中の埼玉高速鉄道直通の一部を赤羽岩淵折返しに短縮。

埼玉高速 … 平日・土休日とも鳩ヶ谷行最終を浦和美園へ延長し、鳩ヶ谷→浦和美園間で最終繰り下げ。平日朝ラッシュ時に鳩ヶ谷発南北線直通2本、南北線発浦和美園行1本、夜間に赤羽岩淵~浦和美園間4往復増発。平日・土休日とも日中の鳩ヶ谷折返しは取り止め(赤羽岩淵折返しに短縮)。
 埼玉高速は、日中の輸送力を朝夕にシフトする形になります。
 なお、都営地下鉄三田線も、少なくとも修正程度はあるはずだが、今日の時点ではリリースがありませんでした。
 それにしても、今近鉄奈良駅のダイヤを回顧する課程で近鉄全体のダイヤの変遷にも触れる形になっているが、近鉄はこの数年ダイヤの減量が続いていて、来月17日の改正でもその流れは変わらないようです。京都線の特急の復便はあるが。奈良線はそれほどでもないが、近鉄に限らず、関西の私鉄は、全体的には減量傾向が変わらないように思えます。その一方関東は今回の東急もそう、小田急や京王も次の改正で増発が行なわれる事になっていて、「東高西低」の傾向は、今しばらく続きそう。「少子高齢化」+「東京圏回帰」の傾向が、そうさせているのでしょうか。

《今日のニュースから》
16日 金井宣茂航宙士 初の船外活動
17日 藤井聡太五段 棋戦初優勝 六段昇段

 羽生結弦選手、金メダル、やってくれました!宮城県が県民栄誉賞授与を検討するそうだが、今回の金メダルには歴史的な価値もあるので、国民栄誉賞もアリ、では?銀メダルの宇野昌磨選手共々、おめでとうございます。

№1808 大サービス! HAPPY PARTY TRAIN

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 相変わらず人気ですねぇ、「ラブライブ!サンシャイン!!」。

(以下長いので「LLS」)

 このシリーズ2作目は地方都市が舞台という事もあるのか、ビジュアルが公共交通機関にも展開(1作目「ラブライブ!」ではなかったよね?)、我々鉄道ファン、バスファンにも大いに注目されるところになっています。
 バスについては伊豆箱根バス、東海バス(オレンジシャトル)がラッピング車を運行していて、それらは本体でも公開しています。
 今回は鉄道、伊豆箱根鉄道駿豆線を昨年から走っている「HAPPY PARTY TRAIN」(これも長いので、以下「HPT」、ヘッドマークにもそう書かれているし)の画像を公開します。

 はっきり言って私はアニメをナマでは見ていないし、もう私みたいなオジサンが、「Aqurs」(ユニット名)のファンだの、「〇〇ちゃん大好きーっ!」とか叫んでも、キモいだけでしょ?この年齢ではかなり照れ臭い、というのが正直な所なのだが、伊豆箱根鉄道は昨年創立100周年を迎え、各種記念行事も展開されています。その100年の歴史の1ページを記録したものだ、と思っていただければ幸いです。

 アニメファン、鉄道ファン双方に絶大な人気を誇るHPTだけに、ネットで検索してみれば、画像はいくらでもヒットします。
 ただ意外に、側面全体を撮った、まして編成全体を大きく撮った、という画像はほとんど見かけません。
 伊豆箱根鉄道は全線電化の路線なので、架線の柱とかが邪魔になって撮りづらい、と思う方も多いと思う。
 しかし丁寧に探してみると、時間帯限定ではあるが、そういう写真を撮れる場所はあるものなので、先日12日の振り替え休日を使って、場所を探して、撮ってみました。

 当ブログをご覧になる方々のどの程度がLLSのファンなのかは覚束ないが、そんな方々には、今回は大サービス!?いつもよりかなり大きなサイズで、画像を提供させていただきます!

 まず、編成全体の画像です。

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 こういう構図の画像は見ないもので(むろん過去に多数撮影されているだろうが)、今回トライしてみました。 
 これは午後に撮ったものです。三島二日町~大場間で、午後に富士山をバックにして撮れる超有名な撮影場所「北沢林道踏切」に近い小道から、多分50㎜で撮ったものだと思う。
 しかし派手だよねえ。常々思うが、渋谷やアキバなどの大都会でなら映えると思うが、ローカル鉄道としてはどうなんだろう、という気はしています。

 とか言いながらも、次に1両ずつ並べてみます。「Aqurs」メンバーも紹介。
 便宜的に「東側」「西側」と呼称します。まず西側。

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 三島方先頭車、3011号車の西側です。先の編成全体と同じ場所から、確か85㎜で撮影。
 左が三島、右が修善寺になります。三島方から主人公の高海千歌(CV:伊波杏樹)、渡辺曜(CV:斉藤朱夏)、桜内梨子(CV:逢田梨香子)。

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 中間車、3012号車の西側。下枠交差型パンタグラフが2台。
 三島方から国木田花丸(女の子に「花丸」って名前、どうなんだろう…。CV:高槻かなこ)、黒澤ルビィ(CV:降幡愛)、津島善子(CV:小林愛香)。

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 修善寺方先頭車、3501号車。クハです。
 三島方から黒澤ダイヤ(CV:小宮有沙)、小原鞠莉(CV:鈴木愛奈)、松浦果南(CV:諏訪ななか)です。

 次は東側です。午前中に、原木~韮山間にある空き地から、これも確か50㎜で撮ったと思う。
 メンバーは左右で点対象に配置されているのかと思っていたのだがそうではなくて、三島→修善寺へ、メンバーの並びは東西同じです。
 模型ファンの方、いるかな?台車や床下機器にも注目して頂けると嬉しい。

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 三島方先頭車の3011号車で、左は修善寺、右は三島になります。三島方(右)から高海千歌、渡辺曜、桜内梨子。

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 三島方から国木田花丸、黒澤ルビィ、津島善子。
 台車の間、広いスペースを抵抗器が埋めています(伊豆箱根鉄道は今の所、大雄山線を含めてすべて抵抗制御)。

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 三島方から黒澤ダイヤ、小原鞠莉、松浦果南。ダイヤとルビィは、姉妹…。

 いかがでしょう、拙い画像ではあったが、ファンの方々、堪能して頂けましたでしょうか?

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 参考までにHPTのベースとなった、ラッピング前の3011Fの画像も掲げておきます。3000系は伊豆箱根鉄道初のカルダン駆動車として1979(S54)年にデビュー、2次車からはステンレスとなり、窓割も変更。座席指定車連結快速用の7000系製造を挟み、1997(H9)年に製造された3次車がこの編成です。正面にはスカートがつきました。伊豆箱根鉄道では最新の編成でもあります。側面は国鉄・JR211系とほぼ同じです。

 むろん、撮影はHPTだけではありません。他にもいくつか撮りました。

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 朝早く、戸塚を一番で立って、三島で乗り継いで原木まで。寒かったです。夜明け前の戸塚より寒かった。
 まず沿線で、「イエローパラダイストレイン」(以下YPT)を1枚。バレンタインデー企画で、「鉄道むすめ」も描かれたヘッドマークが掲げられた他、(この画像では解りづらくなってしまったが)行先表示に♡が加えられています。
 この日のYPTは、HPTの1本前を走る運用に就いていました。

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 沿線に梅が咲いているのを見かけたので、先にHPTと梅の組み合わせを撮ってみました。柵はあるが、複線分の用地がある分スペースがあって撮りやすい。

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 先のHPTを撮った空き地から、YPTの編成全体を撮ってみました。東側で、左が修善寺方、右は三島方です。
 YPTは西武101系旧塗装時代を模したもので、3連である事、社紋を除けば、西武時代と同じです。

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 このED重連運転が、今回の伊豆箱根訪問の決め手となりました。午前中~昼間にかけて、大場→修善寺→三島→大場と展示走行しています。
 現状では通常走る機会があまりなく、工事列車や、大雄山線車両の大場入場で運用される位で、私にはこういう機会しか、撮影するチャンスが生まれないのです。
 これは、伊豆長岡駅の近く、三島寄りの川を渡った先での撮影です。単線だけれど、複線分の用地が確保されているので、柵(比較的新しい)をクリアして撮る事ができました。

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 HPTの後を追って走ってきた、〔踊り子105号〕。

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 伊豆長岡駅。「Aqurs」のメンバーがデコレーションされているが、メンバー9人に対し、上部の窓ガラスは8枚しかないので、松浦果南のみ、下段のドアの左側にデコレーションされています。「韮山反射炉世界遺産登録」と、ずいぶんなミスマッチ。

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 7000系の7101F。正面は金色、帯の色はHPTと同じ紺色になっています。なぜだろう?

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 駅前から出る伊豆箱根バス、当然LLSラッピング車に人気が集中するが(1号車は取り直しました。明日公開します)、もう一路線、「歴バス のるーら」が運行されています。韮山反射炉や江川邸など、近郊の観光地を循環する路線で、伊豆の国市が伊豆箱根バスに委託しています。土休日中心の運行で、午前2周、午後4周。大人・子供とも300円で、乗車券を購入すると1日乗り放題。バスは沼津市「ビーバス」からの転用らしい。結構な乗り具合が、頼もしく感じられました。

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 アニメなどのタイアップでない編成では、ドア部分に広告がラッピングされています。三ツ矢サイダーは、今はアサヒ飲料が販売するサイダーのブランド名。オールドファンだと、大瀧詠一のCMソングが思い出されるのではないでしょうか。

 午後は大場に向かいます。先にご覧いただいた、HPTの編成全体の写真を撮りに行くためです。

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 大場で1300系が並びました。予告はされていなかったが、♡マークは白+青の、伊豆箱根カラーの1301Fでも見られました。

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 伊豆箱根鉄道本社ビル。車庫・工場も併設されています。ここの前を通って、先の北沢林道踏切へ向かいました。

 HPTの撮影も終わって、この日は終了、三島へ戻ると、先に通過したHPTがまだホームにいました。

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 HPTでは、「Aqurs」のメンバーの誕生日に合わせて、メンバーを描いたヘッドマークを掲げて走っています。この日は、2月10日が誕生日という、松浦果南のマークを掲げていました。
(21日まで。22・23日はヘッドマークなし、24日~3月11日は国木田花丸(3月4日バースデー))

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 車内。中づり広告と、窓上の広告部は「Aqurs」のメンバーが掲げられています。吊り輪のカラーもカラフルで、ひたすらHPT仕様。
 窓部からは、ラッピング部であっても、きちんと外を見る事ができるようです。

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 ドア注意喚起ステッカーも、Aqursのメンバー。ドア毎にメンバーが違い、これは黒澤ダイヤ。

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 HPTのデコレーションのアップ。修善寺方先頭部の松浦果南。バス同様、電車にもCVの方のサインが記されていて、(この画像では解らないだろうが)窓柱には「しゅっぱーつ!」と描かれていました。
 しかし窓部にまでラッピングされていたら、窓を開けた瞬間(一段下降式)、大変なブーイングを浴びる事になるだろうな(特にキャラクター部)。戸袋窓がなかったら、その部分にキャラクターを描いたのだろうが。
(駿豆線には、戸袋窓がない旅客車両はない)

 バスもなのだけれど、アニメファンには大いにウケるだろうが、一般のお客さん、特に乗客の主力であろう高齢者の方々には、どう映るのだろう。逆に、キャラクターと同年代の10代の皆さんは、どう感じたりするものでしょうかねえ?去年沼津駅でLLSラッピングバスを撮影していた時、同世代のJKの皆さんがバスを見て、クスクス笑っていたのを、思い出したりしました。伊豆長岡駅のたたずまいなんかもそうで、その点はちょっと気になったりしています。

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 最後に、今回購入した一日乗車券「旅助け」のLLSバージョン。一般の「旅助け」は1,080円だが、通常のヘッドマークを模したバッジがついていて、合わせて1,200円。バッジは正直要らなくて、欲しいという人にあげても良いのだけれど、とりあえず記録の一部として、コレクションしておきます。

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「変われば変わるもんだ」。という事で、3年前の駿豆線のアニメラッピングは、「弱虫ペダル」でした。№1346でご覧いただいたものを再度掲載するが、LLSとは全く対照的な、昨今のアニメには珍しく男臭い作品と映ったものでした。記念乗車券も発売されていたものです。 

 いろいろくだらない事を書いたが、ともかく、現役JK9人が歌って踊って、だからこのアニメって、いろいろな面でインパクトがあるよね。もうしばらく、沼津のバスともども、人気が続くでしょう。
 ただし、LLSラッピングの第1弾、3501F。この日は終日車庫の中にいて運用されなかったのだが、この日、ラッピングの耐久性を考慮した結果として、4月1日(日)の営業運行をもって、ラッピング電車としての運行を終了すると発表がありました。後日、最後の撮影会も企画しているとの事。いつかは終わってしまうのは仕方がない事。ケジメをつけるイベントなどが行われれば、ファンも納得してくれるでしょう。一昨年4月スタートだったから約2年。となると、昨年4月8日運行開始のHPTも、長くてあと1年とちょっとか?焦る必要はないと思うが、撮りたい、乗りたいファンの方々は、機会があるうちに行っておいた方が良いかと思います。
 その際はバスと同様、他のファンや鉄道関係者、何より乗客の方々とのトラブルなど、絶対ないように。そんな事がなくても、十分楽しめるはず、だと思いますので…。また、沿線の撮影時は、特に踏切では要注意。ワンマン運転士から、「危ない!」などと思われないような行動を。HPT以外も含めて、みんなで譲り合って、撮影や乗車を楽しみましょう。

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《今日のニュースから》
14日 南アフリカ ズマ大統領 辞任表明
15日 三浦知良 ギネス世界記録に認定

 また、アメリカで銃乱射…。正直聞き飽きた(こんな事ではいけないと解ってはいるが)事件だけれど、この所、学校で発生する頻度が高まっている気がする。10代の少年が、同じ10代の若者たちを殺めるとは、狂っている。二次元スクールアイドルの追っかけに青春の一ページを費やしていい日本の社会、何のかんの言っても健全なのかも知れない。