当ブログも、更新1800回になりました。1000回を越えると、100回単位は(500を除いて)あまり意味がなくなってくるけれど、それでも2009(H21)年8月スタートから、8年と5ヶ月でここまでやってこれました。駄文ばかりでお見苦しいのは申し訳ないですが、それでも少しづつでも改善しつつ、あくまで自分の言葉で知った事、考えた事、言いたい事を綴っていきたいと、いつもながら思っています。
このペースをこのまま維持できれば、来年には更新2000回を達成します。また来年は10周年を達成します。この時点で、かなり大がかりな企画を考えています。お楽しみに。
「私鉄名車列伝」、今回は近鉄です。前回の近鉄は2610系について書いたが、2013(H25)年11月24日更新だったから、もう4年以上経ってしまいました。
今回は奈良線・京都線向けに製作された界磁チョッパ制御車、8810系・9000系・9200系です。編成の両数や車種の構成に違いがあるが、事実上同じ系列と言えます。まとめて書きます。
近畿日本鉄8810系は奈良・京都線用の界磁チョッパ制御通勤車である。省エネが図られたほか、車体もモデルチェンジし、21世紀に至るまでの基礎となった。後に派生形の9000系・9200系も製造された。
近鉄では次期省エネルギー車の模索として、界磁位相制御の8810系、電機子チョッパ制御の3000系が製造されていたが、今後の省エネ車としては、各種比較検討の結果、量産車両では、コスト面で有利な界磁チョッパ制御が採用される事となり、1981(S56)年2月の大阪線用1400系に続いて、3月に8810系がデビューする事となった。界磁チョッパ制御とは、分巻界磁を持つ直流複巻モーターに流れる電流をチョッパで制御する方式で、、回生ブレーキを使用できるのが特徴である。
8810系は1C8M制御、モーターは160㎾の大容量となった。1400系とは基本的には同一性能だが、当時の大阪線と奈良線の建築限界の違いから、8810系は車体幅が広く、裾絞りとなった。制御装置は1400系の三菱製に対して、日立製を採用している。
車体は形の丸みを小さくして角張った形となり、正面は切妻となった。前照灯回りにステンレス板を張り、行先・種別表示器を同一平面上に置いている。急行灯・標識灯は横3列の長方形として、近代的なイメージとなった。正面デザインはこの後、「シリーズ21」デビューまで、近鉄通勤車の基本となった。乗務員室のすぐ後ろに窓1つ分の座席があり、側面が左右非対称となっているのは、在来車両と同じ。
当初はマルーン1色だったが、後に3200系デビューに合わせて、マルーン+白のツートンカラーに移行した。
車内は一般的なロングシートだが、化粧板は白を基調とした新デザインとなったほか、座席形状の変更も行なわれている。
1次車4連×4本の後、翌1982(S57)年に製造された2次車は、コンピューターによる強度計算技術の活用により、最大1.5tの軽量化が図られた。最終3次車はクーラーの形式が変更され、当初から側面に行先種別表示装置を設けた。
1983(S58)年には2連形の9000系、3連形の9200系が製造された。どちらも車体は8810系と同じで、軽量化設計になっている。9000系は1C4M制御のため、モーターの定格が8810系の約2倍の675Vとなった。9200系は1C8M制御で、モーターは8810系と同じ。両者とも、後の製造車は8810系と同様の変更点がある。
奈良・京都線の界磁チョッパ制御車グループは1984(S59)年まで製造、8810系は3次に渡って9編成36両、9000系は4次に渡って8編成16両、9200系は2次に渡って4編成12両が、全て近畿車輛によって製造、合計64両の所帯となった。
この3系列はこの後、奈良線・京都線各系統の一般列車に運用された。8925Fは大阪線車両更新工事の間、1987(S62)~1989(H元)の短期間、小改造・方向転換の上、大阪線で運用されている。9200系は京都線の3連運用減少により、1991(H3)年にサ9350形を組み込んで4連化された。この頃の近鉄通勤車は全線共通のアルミ車体に移行していて、サ9350形も同様のアルミ車体で製造された。このため、在来他車と比較して車体の裾が長く、すぐに見分けが付く。側面は左右対称となった。
21世紀に入ると、「シリーズ21」導入により、他線への転出が始まった。8810系は8911Fの1編成が、9200系は9208Fを残して他3編成が大阪線に転じ、上本町~青山町間の各種列車に運用されている。同時にサ9350形は全てサ9310形に形式を改めた。9000系は全て名古屋線に異動し、明星区に5編成、富吉区に3編成が配置された。明星区の編成は全てワンマン化改造されて山田・鳥羽・志摩線ローカルに、富吉区の編成は名古屋口の各列車で運用されている。
【編成】
←近鉄難波・京都方 近鉄奈良・橿原神宮前方→
Tc 8910 - M 8810 - *M 8810* - Tc 8910
*Mc 9000* - Tc 9100
Mc 9200 - *M 9200 - (T 9350) - Tc 9300
* パンタグラフ
新製当時の編成で、9200系のサ9350号車は後から組み込み
大阪・名古屋線転属車両は方向を転換している サ9350はサ9310に形式変更
界磁チョッパ制御は、1980年代の私鉄の省エネ車両としては標準的な仕様で、このシリーズで取り上げた中では、東武10000系、西武3000系、東急8000系・8500系、京急800形・2000形、阪急7300系、小田急9000形、芝山鉄道(京成)3600形、南海8200系など、大手私鉄の大半が導入し、量産を重ねてきました。
近鉄はその中でも比較的早い方だったが(一番早かったのは東急8000系)、近鉄では界磁チョッパ制御車の最終投入が行なわれた1984(S59)年には、早くも1500V線区用では初のVVVF制御車となる1250系(現1420系)が製造され、その後3200系を皮切りにVVVF制御車の量産が始まるため、界磁チョッパ制御車は、近鉄においては案外地味な位置に置かれた感もあります。むしろ正面のデザインが、この後15年位の間、近鉄通勤車の「顔」として定着していく事になります。
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1992年12月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」「同2003年1月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」(鉄道図書刊行会)
「私鉄の車両13 近畿日本鉄道Ⅱ」(保育社 ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻)
「信頼のネットワーク 楽しい仲間たち きんてつの電車」(近畿日本鉄道)
「近畿日本鉄道完全データ DVDBOX」「近畿日本鉄道 DVDBOX2013SPECIAL」(メディアックス)
「近鉄電車」(三好好三/JTBキャンブックス) 等
を参考にさせて頂きました。
次回は京阪13000系を予定しています。支線から導入、後に本線に展開した珍しい系列です。
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《今日見た・聞いた・思った事》
というか、25日にはリリースが出ていたので、遅くとも昨日のうちに書くべきだったのだが、西鉄が、前々から予告していた観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の導入を発表しました。
今はやりのレストランスタイルの列車で、詳細は公式Webページに譲るが、意外だ!と思ったのは、6050形3連をベースにするという事。「旅人」の運用を終えた8000形から改造されると確信していたから。
確かに6050形は1995(H17)年デビューと「比較的」新しいし、VVVF制御なので長く使えるでしょう(ちなみに西鉄は界磁チョッパ制御は導入した事がない)。また4ドアは西鉄福岡(天神)駅の大改良の過程で2線になってしまうため、折返し時間の短縮を図るべく採用された経緯があり、現状ではあまり必要とされなくなった、という事もあるかも知れません。いろいろな点で、今後長く観光列車として運用するに適した車両、と判断された、という事でしょう。
しかし近鉄「青の交響曲」もそうで、通勤電車を改造して豪華観光列車に…というのは、正直ため息が出る部分もあります。JR九州の「D&S列車」もだが、それだけ、特に西日本では通勤車の余剰が出ているという事でしょうか。
北から南まで、同じようなコンセプトの観光列車が未だあちらこちらの鉄道でデビューしているが、そろそろ飽和状態になって、客の奪い合いが発生しそうな気がしています。列車そのものだけでなく、列車の走る路線、目的地まで含めて、どれだけ他線区より魅力を出せるのか、が勝負になりそうです。乗車スタイルは様々だが、いずれにしろ私としては、編成全体が豪華に過ぎると、少々敷居が高く感じられます。男の一人旅で乗るような列車は空くなさそうだし。1両、いや半室で良いから、もう少し気軽に、ふらっと立ち寄って一息つけるスペースがあると良いんじゃないかなあと思っています。昔の特急〔つばめ〕のビュッフェのような。
ANAの東京オリンピック・パラリンピックスペシャルカラー機(JA741A・B777-200ER)が、羽田空港でお披露目されました。明日の羽田8時20分発福岡行243便から就航。
《今日のニュースから》
28日 世界最高水準の大型望遠鏡 兵庫県播磨町東亜外業東播工場で公開
この望遠鏡はこの後一度解体し、南米チリに輸送して再組み立て、2019年初に試験運用との事。