№1786 2017年度年末年始 航空利用データ分析
2017年度の年末年始の航空利用のデータが今日、航空各社から発表されました。例年通り、データから利用状況を読み解いていきたいと思います。
今シーズンはクリスマスは含まず、12月28日(木)~1月3日(水)の一週間と、短期決戦です。
会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。国際線は「日本発」「日本着」で統一。
注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。「ピーク」は各社が発表している日付をそのまま表記、基準は様々です。
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ANA
国内線 座席数1,309,187席(95.5%) 旅客数1,076,725人(99.2%) 利用率82.2%(+3.0%)
国際線 座席数251,647席(103.8%) 旅客数213,328人(105.0%) 利用率84.8%(+1.0%)
今年から別紙が、国内線と国際線で別になりました。
国内線は、A321導入が進んだためか全方面で座席数が前年度を下回っているが、旅客数はそこまでは落ちていないから、利用率は上向きました。関西路線99.1%、沖縄路線88.9%が高率。一方で九州路線が78.3%、東北・北陸路線が78.5%とやや低迷か。
ピークは、下りが12月28~31日(29日95.6%)、上りが1月2・3日(3日94.2%)。
臨時便は羽田~八丈島路線で8便運航。
国際線は、LA路線の増便があった北米路線の座席提供数が、前年比115.7%と大きく増加しました。旅客数はリゾート路線(ホノルル線)は減少したが、他は増加、ただ利用率はリゾート路線が一番高く、96.3%とかなりの高率でした。他路線も80%を上回っているが。
ピークは、日本発が12月28~30日と1月1・2日で、29日の94.0%が最も高率だが、元日が90%というのが目に付きました。日本着は12月28・1月2・3日(3日86.6%)で、31日が69.6%と低率。全日、日本発が着を上回りました。今シーズンはピークの基準を日本発90%以上、着80%以上としているのも、この傾向を反映しているのかも知れない。
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JAL
国内線 座席数850,126席(102.2%) 旅客数691,268人(102.6%) 利用率81.3%(+0.3%)
国際線 座席数213,430席(101.4%) 旅客数194,847人(102.7%) 利用率91.3%(+1.2%)
国内線はE190導入拡大の一方で、JAC→JALの移管もあったから、横ばいという所か。関西路線以外は座席数が増えています。旅客数は沖縄路線が前年比112.9%と好調だったが、こちらも九州路線が旅客数前年比割れで、利用率も76.3%と低調でした。東北・北陸路線も利用率74.2%と低調だったが、前年比は座席提供数以上に旅客数が増えています。
ピークは、下りが29~31日(30日94.3%)、上りは2・3日(2日90.5%)。ピークの反対方向が65%~70%台半ばと低くなっています。「分散傾向にある」としています。
臨時便は羽田~新千歳・宮崎・沖縄で合計10便を運航。
国際線は、メルボルン線がスタートしたオセアニア線が、座席数前年比143.9%に対して旅客数は前年比153.4%と大幅に増加、利用率95.2%と、方面別ではもっとも良くなりました。一方米大陸線は、座席数の増加に旅客数の増加が追い付かず、83.5%と、方面別ではもっとも低くなっています。
全ての日で日本発が90%台、ピークは12月28~30日と1月2日、としているのだが(2日98.2%)、3日が96.5%で、ピークとされている28~30日を上回っています。日本発はこちらも全日、日本着より上回っています。日本着のピークは1月2・3日(3日95.5%)。
チャーター便は成田~コロール(パラオ)3便、臨時便は関空~ホノルル3便。
JTA
座席数76,070席(100.9%) 旅客数65,758人(106.2%) 利用率86.4%(+4.3%)
座席数は横ばいだったが、旅客数がかなり増え、利用率も高くなりました。臨時便はセントレア~那覇4便を運航。
RAC
座席数14,750席(107.1%) 旅客数10,258人(101.0%) 利用率69.5%(△4.2%)
DHC-8-Q400CC導入で座席数は増えたが、旅客数が追い付かず、利用率が70%を割ってしまいました。臨時便は那覇~南大東・北大東、南大東~北大東で合計8便。
JAC
座席数30,315席(72.8%) 旅客数20,006人(69.2%) 利用率66.0%(△3.5%)
JAL(J-AIR)移管が進んで座席数が減少、それ以上に旅客数が減って、利用率はかなり低くなっています。臨時便はなし。
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SKY
座席数163,371席(100.4%) 旅客数148,069人(100.2%) 利用率90.6%(△0.2%)
はっきり横ばい。ピークは下りが12月29日の97.2%、上りは3日の95.6%。
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ADO
座席数60,210席(100.0%) 旅客数49,786人(95.1%) 利用率82.7%(△4.3%)
10月に新千歳~広島線が廃止になったが、輸送力を他路線に転用したのか座席数は横ばい。しかし旅客数が落ち込み、利用率が低下しました。ピークは下りが12月28・29・31日(31日94.5%)。上りは1月3日(92.5%)で、90%を越えたのはこの日だけでした。全体的に低調か。
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SNA
(ANA販売分は含まず)
座席数54,466席(102.9%) 旅客数46,228人(100.0%) 利用率84.9%(前年度との単純比較は不可)
参考までに、前年度の利用率は76.6%。対象とする日数が異なるから、単純な比較はできない。横ばいでしょうか?。ピークは下りが12月29.30日(30日98.6%)、上りは1月3日(97.5%)。下りは全日80%以上だったのに、上りは60%台の日が合計3日ありました。羽田~長崎で臨時便8便を運航。
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SFJ
座席数40,378席(99.5%) 旅客数35,825人(98.9%) 利用率88.7%(△0.5%)
(ANA販売分は含まず)
座席数は微減だが、旅客数の減少が上回って、利用率は若干低下しました。全路線トータルの最高搭乗率(トータルでは「ピーク」とは呼んでいない)は、下り12月29日の98.0%、全日90%台でした。上りは3日の96.0%。3日以外は全て、下りが上りを上回っています。路線別では、羽田→関空のピークは1月1日でした(数字は記されていない)。
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FDA
(JAL販売分を含む)
座席数37,868席(100.2%) 旅客数30,682人(104.6%) 利用率81.0%(+3.3%)
新路線はなく、座席数は横ばい。しかし旅客数が増えて、利用率は80%台に乗りました。
FDAは路線別のデータを公表しているが、利用率が一番良かったのは、新潟~福岡線(94.3%)でした。全路線で唯一90%台。前年より3.4%伸びています。前シーズンは60%台の路線があったが、今シーズンは全て70%以上。
ピークは空港別に出していて、名古屋(小牧)発着は発が30日(95.9%)、着が3日(90.3%)。静岡発着は発が29日(98.6%)だが、着も29日(87.4%)、90%台の日はなかった。松本発着は発が30日(96.4%)、着が29日(90.5%)。新潟発着は発が3日(92.5%)、着は30日(96.9%)。山形の記載はありませんでした。
静岡~新千歳・丘珠は冬期休航。
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APJ
国内線 座席数81,360席(99%) 旅客数69,874人(96%) 利用率85.9%(△2.8%)
国際線 座席数49,320席(109%) 旅客数43,728人(106%) 利用率88.7%(△2.6%)
※ APJは、前年比のパーセントは小数点以下を省略して公表
今シーズンは内際ともやや低調、だったかも知れません。国内線はこの後関空~新潟・釧路路線の開設が予定されています。良い結果を生み出すでしょうか。
国内線のピークは、下りが12月28日(87.9%)、上りが1月3日(86.0%)。全日80%台で、抜きん出て良かった日も、今一つだった日もありませんでした。
国際線のピークは、日本発が1月1日になり(94.6%)、日本着は12月30日(90.7%)。全日、日本発が着を上回りました。
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VNL
国内線 座席数39,060席(155.0%) 旅客数32,265人(146.4%) 利用率82.6%(△4.9%)
国際線 座席数27,720席(100.0%) 旅客数23,778人(96.0%) 利用率85.8%(△3.6%)
国内線は函館への就航、関空~成田・奄美大島線開設があって、座席数・旅客数が共に大幅に増えました。ピークは下りが1月1日となり(91.0%)となり、唯一90%台となりました。上りが1月3日(84.0%)。全日、下りが上りを上回っています。両方向合計では、全日80%台。
国際線は横ばいか。ピークは日本発が12月29日(94.9%)。着は3日(86.5%)で、90%台に乗った日はなく、全日、日本発が着を上回りました。全日、合計で80%台でした。
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SJO
国内線 座席数10,584席(66.67%) 旅客数8,897人(61.27%) 利用率84.06%(△7.39%)
国際線 座席数4,417席(200.0%) 旅客数8,156人(230.17%) 利用率83.46%(+10.94%)
国内線は冬スケジュールより関空線休止・佐賀線減便のため、座席数が前年度比1/3と大幅減。利用率が90%を割ってしまいました。ピークは下りが12月29日と1月3日(29日99.3%)、上りが1月3日(99.5%)。
国際線は天津・ハルビン線開設で、座席数、旅客数とも倍増。ピークは日本発が12月30日と1月3日(30日94.4%)。日本着は12月28日(90.7%)となって、この日が唯一の90%台でした。
ジェットスター・ジャパン(JJP)と、10月より新体制で再就航したエアアジア・ジャパン(WAJ)は、今日の20時30分現在ではリリースが出ていません。この後発表されれば、次回の更新で書きます。
今回は全体的に、国内線は下りが上りを、国際線は日本発が日本着を期間中全てで上回っていました。この後6~8日に3連休があるので、今日・明日は年休を取ってここで帰宅なり帰国、という旅客が多いのだろうと思われます。今日は電車・バスが平日ダイヤになったが、いつもよりかなり空いていたし。
LCC勢は、今日公表した3社はいずれも、国内線はやや低調と感じました。しかしAPJは新路線開設に加えて新千歳の拠点化を実施すると発表しており、他社も併せて、来年度はまた違った傾向になるかと思われます。
次回はGWに分析します。
ニュースに拠れば、トータルでは国内線0.7%増、国際線4.2%増との事。日本発のリゾートと、アジアからのインバウンドが多かったようです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
3日 韓国・北朝鮮「連絡チャンネル」 2年振りに再開
4日 サガン鳥栖 豊田陽平 蔚山現代FCへ期限付き移籍
「核のボタン」がどうのこうのと、アメリカと北朝鮮のTOPがやり合っているようだけれど、ドナルド・トランプと金正恩、2人だけで気の済むまで殴り合って決着を付ければ良いだけの事。無関係なその他大勢を、一切巻き込まないで頂きたい。核兵器の撃ち合いなど、まっぴらゴメン。