「バスラマインターナショナル165」、先月末にはいつも通り発売されていたのに、これもまた遅くなってしまいました。
表紙は京都バスのセレガ・ハイブリッド(紅葉をバックにしているが合成)と、「バステクin首都圏」。
新車は、各地に「ポストポスト新長期規制」車両が続々入っているが、エアロスターの第1号は函館バスなのか?
沖縄のバスは事業者一覧があるが、本島は20~30年位前は、乗合は琉球・那覇・沖縄・東陽の4社だけだった。今は7社ある。石垣島は東運輸1社のみながら33台あるが、宮古島は3社あっても合計で12台、竹富島より少ない。
注目はやはりBYDバスで、車内は京都と比べてかなり「普通の」バスっぽくなった。
バス事業者訪問200 京都バス
まず、この時期を狙っての取材だったに違いない、カラー写真はどれも紅葉が美しい。
輸送人員は21世紀に入ってすぐ1万人を割ってしまったが、その後は微増・微減を繰り返し、2016(H28)年度は1万1千人に乗りました。走行キロも前の年との比較ではかなり増えた。
京都市営バスとの関係が良好なのは良いと思う。統一性も重視しているとの事で、バス停名が事業者によって違っている事に関しては、他の地域でも結構あると思う。共同運行は、ドライバーの効率的な運用にもプラスではないだろうか。
運賃改定は「値上げをしたい」というのがホンネと見えたが、乗客の立場もあるので面と向かっては言い出しにくいかも。特に京都市は均一運賃が230円で、他市と比較しても既にやや高めなので。
車両面では、早晩いすゞ・日野で統一されるのなら、今の両社のラインナップは全てノンステップ車なので、今後はノンステップ率も上がっていくでしょう。
ところで、バス事業者訪問は今号の京都バスで200回となりました。
ここで、これまでに取り上げられた事業者を一覧にしてみました(37までは「ユーザー訪問」の名称)。
創刊から30年近く経つと、事業者の動向も大きく変わってきました。公営バスは多数が民営移行で廃止になり、民営も特に鉄道会社からの分社が目立ちます。経営統合などで姿を消した事業者もいくつかあります。
2回以上取り上げられている事業者もある一方、比較的大きく、長距離の高速バスも運行しているのに未だ取り上げられていない事業者も、思いつくだけでも10社程度あります。和歌山県はまだ1社も出てきていません。
今後については、これまでの所比較的大規模、業界への発言力の大きな事業者が選ばれる傾向があるので、もう少し小規模な所も、2~3社まとめてでいいから積極的に取り上げて欲しい。特に地域分社。バスラマ誌的に言えば、「バスに求められる物」は事業者の大小に関係ないはずだし、特に中小は路線の維持運営が大変な所がさらに多いはずなので、どのような取り組みを行なっているのか、知りたい所です。
全国JRバスグループ運転競技会 目指せ 日本一!
「JRバスグループ」、というか「JRグループ」という言い方、本当は正しくないのだけれど。母体となっているJRの鉄道7社の間には、資本関係はないので(法律で資本の持ち合いは禁止されている)。
一般の路線バスは民営化後かなり縮小し、特にJR東海バスは全面廃止、となると、ドライバーは採用即高速または貸切となるので、大丈夫なのかな?先日の火災事故は対応が良くて惨事を免れたのは幸いだった。普段の車内の研修がよくできているという事でしょう。
第66回 中央技術委員会全国大会 開催
ここで発表された京成バスの取り組みが別項で詳しく記されているが、無論どの事業者も、安全教育は昔からやっているはず(よほどの「ブラック」でない限り)。ただ、運行する車両に導入される技術や道路状況は年々変わっていくし、加えて最近は経験が浅いドライバーを雇わざるを得なくなってきているので(2種免許を持たないまま採用し、養成する事も)、教育内容もまた、変わらざるを得なくなってくるのだろう。バスに限らないが、ミスを起こした時に、単に「一喝」するだけではダメで、フォローアップのあり方も大切だし、社内(事業所内)のモラルや雰囲気も大事な要素だと思う。
KORTRIJKのBusworld(前編)
今更ながらコルトレイクってどこだと調べてみたが、ベルギーの西部でフランスとの国境に近く、リールまではすぐ、という場所。フランドル地域になるのだろうか。
前回取り上げた年鑑の表紙にもAPTISのEV、車内の様子も見たかった。前輪が前ドアの前にあってその上にコクピットがあるのはポンチョと同じだが、写真を見る限りは、客室とは完全に分離されているように見える。としたらドライバーが運賃の収受に当たる日本でこの形態は、すぐには取り入れられないだろう。
BYDのミディバスは、フロントの形状がかなりユニークで、かなり「中国っぽさ」が払拭された感がある。
「地形を考慮した路線環境と運行形態」が重要なポイント、となるなら、どの道どの路線でも、都市の路線もローカル線も走れる、という汎用的なEVバスは、実はあまり現実的ではない、とも読める。この後にアイントホーフェン(オランダ)のBRTで走るBravoの連接EVのルポがあるが、このようにまとまった台数を持って、便数がかなり多い路線(それこそBRT)で、EVは効果を最大限発揮するのかも知れない。号車によってかなりキチンと充電の時刻が決められているらしいが、それも渋滞などでダイヤが酷く乱れる可能性が少ないBRTならだろう。この点も、日本に本格的なEVを導入するなら、(BRTであるか否かに関わらず)考慮されるべき点ではないだろうか。
「コルトレイクと比べて日本の現状は何だ!?」という論調を以前から展開しているが、それはやはり業界の外部から、ジャーナリズムなり、一番は金を払って乗る乗客の層あたりが、もっとバス業界の現状に関心を持って、積極的に働きかける事も必要だと思う。それにはやはり、バス(のみならず公共交通全体の)業界の地位の向上が必要です。それが、業界の内も外も変える事になるでしょう。
(日本の現状だったら、鉄道も巻き込んでやる事は考えられないか)
韓国の高速バス、懐かしい!7年前にソウル→釜山間で乗りました。現状のソウル~釜山間はプレミアでも、日本円で5,000円もしないので、日本の感覚では安いです(優等高速バスの運賃は、7年前とほぼ同じ)。サービスの多様化が進んで、ある程度は競争もみられるようになった(一件数社が競っているように見えるが、組合方式なので競争がなかったという事)、というが、見た限りでは、未だ(プレミアム車両でも)トイレの装備がないようです。韓国は以前の日本のような、「旧乗合」vs「旧ツアー」の対立、といった事は起こらなかったのだろうか。
次号のバス事業者訪問は山梨交通、ここも大分昔だが、44号で取り上げられています。現状はどうでしょうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
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《今日見た・聞いた・思った事》
というか、実はこの記事、盛岡のホテルの一室で更新しました。
去年、IGRいわて銀河鉄道の駅を乗り降りしているが、盛岡近郊の駅を後回しにしていて、まだ撮影を行なっていません。なので明日の休みを利用して、ちょっと弾丸っぽいが、残りの駅を全部撮影してしまおうと思っています。
盛岡は雪はあるが、日本海側のような大雪で積雪が凄い、という事はないです。
実はこれ、今日盛岡へ来る際に東京から乗ってきた〔はやぶさ63号〕です(U30編成)。スマホなどのように撮って間髪入れず送信、とは行かないけれど、デジカメだったら画像処理ソフトをインストールしているPCがあれば、その日のうちに画像を公開出来るんだな、とやや興奮して(子供じみているが)書いています。デジカメ画像は早く公開ができる、という点で、私的には結構いろいろな可能性が出てきたと感じています。
それにしても〔はやぶさ63号〕、車内販売がありません。特定日のみ運転する列車だから、なのかも知れないが、新青森行〔はやぶさ〕なのに車内販売がない、とは正直ため息が出てしまいました。こんな事では、食堂車とかバーコーナーの復活・設置なんて、さらに夢のまた夢、でしょうかねえ。今回の旅行については、また後日書きます。
明日は軽井沢のバス事故から2年です。今日、現場で献花が行なわれたそうです。バスの技術とか以前に、とにかく事故が起きないように。教育体制の充実はどの事業者でも必須でしょう。
《今日のニュースから》
14日 発達障害の子供たち 旅客機体験搭乗 成田空港で実施
成田空港会社とANAが行なったもの。発達障害を持つ子供たちは、保安検査とか、機内の過ごし方とか、色々苦難を抱えているようです。狭い所が苦手な事もあるようなので。飛行機に限らないが、外部の人がまず丁寧な説明をする事が大事、という事です。
(機内にも実際に搭乗したが、機体は空港内を走行したが、実際に飛行はしていないようだ)
№1791 年鑑バスラマ2017→2018(ぽると出版)
毎年恒例の「年鑑バスラマ 2017→2018」、先月発売になったが、少々遅れて年をまたいでしまいました。
表紙は「ポストポスト新長期規制」の新エアロクィーンと、沖縄に導入されたBYDのEV、コルトレイクで発表されたEVのAPTIS。これ、ホイールベースはどの位あるのだろう?ちゃんとカーブを曲がれるものかと思ってしまう。
◆2017年 国内バスハイライト
トップは奈良交通のボンネットバスか。日本では「ポストポスト新長期規制」対応の新モデルが出そろい、ここではエアロクィーン、セレガ(ハイデッカーショート)、エルガ、コースターを紹介。一方で脱内燃への動きが急速に活発になり、都営の燃料電池バスと、沖縄のBYDが取り上げられています。BYDはレギュラー号に先駆けて、ここが初めての掲載になりました。
貸切・高速バスのデラックス化も流れの一つか。中小事業者のエコノミーな車両と、二極分化するのかも知れない。
ウィラーの「君の名は。」のエアロキング「カフェバス」があったけれど、私は去年本体で、「ラブライブ!サンシャイン!!」「あまんちゅ!」のラッピング車の画像を公開しました。他事業者にもいくつかあるが、これらアニメタイアップラッピング車を並べても面白かったのではないか。バスラマ誌のカラーに合わないのは承知だが、特に地方はアニメの力を借りないと公共交通もなかなか注目してもらえなくなっているので、その現実を直視する点でも、意味がない、という事は決してないだろうと思います。
和田編集長による今年の巻頭言、昨年急に加速しだした「脱内燃」に向けたEVバスの普及の可能性、連節バス、BRT、そしてもう一つ大きく動き出した、自動運転についてオピニオンが展開されています。
EVの普及については技術的な面より以前に一つ、なぜか誰も話さないが、重大な懸念があります。バスに限らず、欧州を中心に乗用車・トラック等のEVの普及化が進む気配があり、欧州の一部の国では十数年後に内燃車の販売を全面禁止にする、と発表もあるが、単に片っ端から全車両をEV化しただけの場合、必要な電力を充分確保できるのだろうか?温暖化防止対策で火力発電所は廃止、原発もNOで、電力は全部再生可能クリーンエネルギーにせよ、との運動が(日本でも)あるけれど、電力総消費量が現状のレベルでキープされ続けるなら、それでも良いだろう(コスト面だけなら、何とかなる。日本は何のかんの言っても世界有数の経済大国の一つなのは間違いないし)。しかし、乗用車の電力使用量が急増したら、たとえ航続距離の延長など性能の向上があっても、発電能力が追い付かなくなるのではないだろうか?どうも「何をエネルギー源にするか?」の一点で議論が止まっている気がするが、「クリーンエネルギーなら、ジャブジャブ使ってOK」とはもはやならないはず、限られたエネルギーをどう配分するか、そこでバスなどの公共交通が優先されるべきではないか、その辺の議論も行なわれて然るべきです。
なお、関連して三菱ふそうが「E-FUSO」ブランドを立ち上げ、トラック・バスのEV化を進めると発表しました。東京モーターショーと連動しての発表だったので、今号では速報のみ、具体的な論評はこれからとなろう。昨年「何らかの解答が求められる時期だ」と書いたが、これがそうなのだろうと思います。結局、在来の内燃バスの延長上では高性能なEVバスは得られず、まっさらな新設計が必要になるという事だろうと思います。それは、工場の配置(三菱ふそうは、川崎市内の工場機能を集約する事になるらしい)など、生産体制そのものにも多大な影響を与えるでしょう。
連節バスについては完全に去年の繰り返しになってしまうが、走行環境が劇的に改善されないと、在来の単車を置き換える(それを期待しているようだが)所までは行かないのではないか。公道以上にバスターミナルが問題と思うようになってきた。単車の運用を前提とした設計になっているので乗り場の改修、場合によっては新設も必要。乗車以上に降車が問題で、ラッシュ時等に到着が集中した場合、安全に降車を扱えるのか、折返し出発までの待機場所のスペースは確保出来るのか。BRTはともかく、バスターミナルも公道も、最低幕張レベルで整備されないと、連接車の頻繁な運行はできないと思う。
また、「ドイツなどでは連節バスの運転は免許上の区分で明記されている」の文言も注意。後述するが、ただでさえバスドライバーの確保に四苦八苦なのに、さらに連節バスを充分に乗りこなせるドライバーを、必要なだけ養成できるだろうか。
連節バスでは、いすゞが昨年2月、日野と共同でハイブリッド連節バスの開発に着手するとリリースがあったが、なぜかどこにも記されていない(レギュラー160号に一報はあったが)。純国産初の連節バスともなり、注目される動きと思うが?
(ハイブリッドというのが、EV化の流れの中で中途半端にならないかとの懸念もなくはないが)
沖縄のモノレールや新高速鉄道に対しては、引き続き過小評価に過ぎると思う。モノレールの「2連10分間隔」は、私は逆に輸送力不足になっていると感じていました(だから昨年、曜日によっては増発が行なわれている)。また、沖縄~名護間70㎞(東武鉄道の浅草~館林間とほぼ同じ)となると、BRTといえども一般道の路線で対応できる距離ではないだろう。既に高速バスが運行されている区間でもあるし。
ドライバーに関しては、福利厚生の充実は、公営や大手私鉄系、その他地域を代表する大手の事業者は良いだろうが(レギュラー164号の東急バスのドライバーの座談会でも触れられていた)、地方で経営自体が苦しい事業者ではどうだろう。思い切った地域毎に事業者の再編成にまで踏み込む必要も出てきているのではないだろうか。もっとも経営統合や合併などをやってもすぐに良くなるわけではないようで、とさでん交通が2社の経営を統合し、競合していた路線の整理統合を行なってもなお、代表取締役自らが「危機だ」と言っているようでは、再編成をやってもすぐには事情が好転しないかも知れない。しかし地方のみならず、都会でもドライバー不足が原因と思われる減便が相次いでいるようで、何とかしなければならない。
無人運転への各種の懸念は、私も感じます。ただ、労働力人口そのものが減少に向かっており、もはやこれを前提として物事を考えられなければならず、ドライバー不足の状況下でも路線を維持したいのであれば、無人運転の不安とかなんとか言っていられなくなるかも知れない。一昨日はボルボがシンガポールで大型EVの自動運転バスを開発するとニュースになっていて、日本にも影響を与えるだろう。既に鉄道では新交通システムや、福岡市営地下鉄七隈線の無人運転の実績もあり、例えば駅⇔公共施設・病院等を結ぶ、所要5~10分程度の短距離シャトル路線あたりでは、数年の内に実現の可能性が出てきたのではないかと思う。それより長距離の路線はどうなるかは読めないが。
結局の所、これまた繰り返しだが、「バス(を初めとする公共交通)の社会的地位の向上」、これなくして諸問題の解決はあり得ないと思う。でなければ車両のEV化をしても電力が充分に供給されなければ効果は発揮しないし、BRTの整備も、どのみち地べたを走るのだから、沿道となる地域の協力が欠かせない。なにより一般道の走行環境が向上が図られないと。ちょっと大きなショッピングセンターやアウトレットモールがオープンする度に大渋滞が発生して大幅な遅延が頻発、埼玉の三峰神社へのバスが通常1時間強が8時間も掛かるような、狂っているとしか思えない大渋滞が日常茶飯事になるようでは、ドライバー候補だって敬遠してしまうだろう(有名ラーメン店の行列の如き感覚で渋滞など起こされては、たまったものではない)。どれもこれもバス業界だけで解決する事ではなく、行政も地域も、本当にバス(だけでなく公共交通)を必要、と思うなら、ただ公共性や環境面を上げて利用を訴えるのばかりではなく、具体的にバスの利用を増やし、路線を維持できる策を施さなければならないのではないか。業界の地位が上がれば、バスドライバーを目指す人も増えてくるのではないか。今後は、この辺まで含めて、もう少し広い範囲で議論をリードして欲しいと思います。
◆ 国内バスカタログ 2017→2018
「ポストポスト新長期規制」施行に対応した新モデルに移行しました。どれもこれも外観は大きくは変わらない。エアロスターのクーラー(デンソー)が多少変わった位か。
エルガハイブリッドがやはり中止になりました。日野ブルーリボン・ハイブリッドの登場でアドバンテージがほとんどなくなってしまい、キャビン後部のデッドスペースの存在がハンデになりつつあり、中止は時間の問題だったかと思われます。J-BUS内部で争ってもしょうが無いし。
三菱ふそうエアロミディも再度中止になったが、こちらは「E-FUSO」ブランドの下での、EV化しての再登場に期待か。
アストロメガは今の所合計5台らしいが、バイヤーのもくろみとしては、この時点としては多いのか、少ないのか?高速バスの需要を当てにしていた所もあったと思うが、あと数年するとエアロキングの代替需要が出てくると思われるので、その時点での売り上げが注目、でしょうか。
JHBのブルーリボンは速報みたいで、北海道は早くも雪景色。
◆ 海外バスカタログ 2017→2018
EVが3車種。VDLのシティア・エレクトリックはオランダ・アイントホーフェンで多数運行されているそうで、レギュラーの165号でルポが掲載されています。
路線車では、イベコ・クレアリスとキンロンでシート配置が表示されているが、どちらもやはり後ろ向きシートが配置されている。フルフラットのノンステップ車の場合、どうしてもこの配置を取り入れなければならない。ボックスシートを嫌う日本人に受け入れられるのか。既に外国産ノンステップ連接車を運行している所で、利用者の感想を聞いてみたい。
◆ 歴史編 創業100周年を迎えた 神戸市交通局のバス
〔ムーンライト〕をやるかと思っていたのだが。
バスとは直接関係なくなってしまうが、トップの写真は阪神三宮駅だが、そごうビルに掲げられた文言が、旧「大阪・須磨ゆき」→現「大阪・梅田・難波・奈良・姫路ゆき」(一部は見えないが)と範囲が拡大されているのが面白い。本当は、切れている画像の左側の部分が、震災で大きく変わった所なのだが。
今年のバス業界は昨年に引き続き、「ドライバー確保」と「脱内燃の方向性」がメインの論点となるでしょう。また、大阪市営バスの民営化も、過去に市営バスのサービス(特に「赤バス」)を追いかけてきたバスラマ誌的には重要なポイントとなるのではないか。
今後レギュラー号で取り上げて欲しい事。昨年度と同じだが、加えて3点。
1.フルフラットノンステップバスの行方 日本のノンステップバスのあり方についてバスラマ誌は長年疑問を投げかけ続けているが、その疑問もまた長期化しつつあり、もどかしく感じる。ボヤいたり嘆いたり海外をうらやましがるだけではなく、ここらで一度「なぜ、理想と考えられるフルフラットのノンステップ車は、日本では実現しないのか?」、問題点を整理する時だと思う。それはメーカーの技術力なのか?コストなのか?単なるヤル気の問題なのか?あるいは法規制に欠陥があるのか?また先の「海外バスカタログ」に記したとおり、フルフラットにした場合の利用者の反応(特にシート配置)も課題だろう。一番肝心なのは、運賃を払って利用する乗客なのだから。メーカーの本音も知りたい。
2.バス経営の枠組みの変化 昨年は東野交通・日立電鉄交通サービスがみちのりHD入りしたが、他に千曲バス・新常磐交通を保有するグリーンキャブや、沖縄の第一交通など、近年になって複数のバス事業者を保有する企業グループが相次いで現れる一方、大手私鉄は地方の事業者の運営からほぼ撤退した。アルピコ交通やとさでん交通などの大型統合も見られる。この流れと、広範囲でバス事業者を保有する事のスケールメリットは何なのか(みちのりHDの場合は、今一つそれが見えてこない気がする)、他の事業者や企業グループに与える影響は何か、この辺の分析を。
3.アメリカのバス 欧州や東南アジアのバスは毎号必ず記事になっているが、アメリカははっきり盲点になっていて、ほぼ記事がない(15年前にはラスベガスのショーを中心に記事があったが)。2015(H27)にアメリカに行って、NYやボストンのバス、長距離バスにも乗ったが、車社会と言われつつも大都市ではバスも公共交通の一部として機能していて、ボストンにはトロリー・ディーゼル両用の、はっきりBRTも運行されていたりして、特に東海岸は欧州の影響が強い。一方で、「脱内燃」の動きは、アメリカにはなにか影響を与えているのだろうか(トランプ政権下の環境政策には不安を抱かざるを得ないが)。そもそもアメリカのバスは、どこが作っているんだろう?グレイハウンドなどの名前は聞いていても、市内バスのシステムなど、意外に知られていない部分は多いはず。アメリカも積極的に取り上げて欲しい。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
11時間立ち往生、乗客が閉じ込められっ放しになったJR信越線の一件は、豪雪の最中で色々理由はあったのだろうが、今回はすぐ後ろに東光寺駅があったのだし(国鉄時代に駅員がいなくなっていたようではあるが)、どのみち早期の再開は不可能と解ったはずだから、やはりすぐに列車から乗客を脱出させるべきではなかったか。先日の京浜東北線の架線断線による立ち往生と同じ。そもそも、新潟は元々豪雪地帯なのに、なぜこのような事が起こったのか。近年が暖冬で降雪量が少なめになっていた事も影響していたのか?もっと早く違う手を打てたのではないかと思えてなりません。
《今日のニュースから》
12日 ICAN事務局長 長崎を訪問
13日 サッカー元日本代表 鈴木隆行 水戸で引退試合
№1790 鉄道ピクトリアル2017・12月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道(鉄道図書刊行会)
鉄道ピクトリアル誌の臨時増刊、阪神電気鉄道(阪神)の特集号が昨年発売になったが、ここもやや遅くなってしまいました。
表紙は1000系と5700系の、新ステンレスカーの並び。5700系、まだ撮っていないんだよなあ。1000系は近鉄直通を見据えて、2007(H19)~2011(H23)年にまとまって製造されたが、96両の製造数は、阪神全体の旅客車輌の26.8%、8000系に次ぐ勢力で、そんなにあったんだ、という印象。近鉄線に行っている編成が多く、阪神線内では見かける機会が意外に多くないから、そう感じるのかも知れません。
阪神の一社単独特集も、前回の京急と同じく、1997(H19)年7月以来だから20年以上も経ってしまいました。当時は2年前の阪神淡路大震災の衝撃がさめやらぬ頃だったが、電車は9000系(近鉄直通対応前の赤帯時代)と5500系を除くと、急行系がクリーム+オレンジがかった赤の「赤胴車」、普通はクリーム+紺色の「青胴車」の時代でした。
総説:阪神電気鉄道
「十年一昔」だから、20年もやはり長い。特に阪神は1998(H10)年2月の阪神~山陽直通特急運行開始と、2009(H21)年3月の阪神なんば線開業及び近鉄との相互直通運転と、特にダイヤ面での大きなプロジェクトがありました。阪急との経営統合もまた一大事だったか。
大手私鉄だと不動産業も大きいのが普通だけれど、阪神は大規模な宅地開発というのは、戦前の甲子園くらいだろうか。一番海側を走る鉄道だから、開発の余地があまりなさそう。むしろ最近は、梅田のエンタメの方が目立つ気がします。
阪神電気鉄道の鉄道事業を語る
(阪神 岡田信 都市交通事業本部長×今城光英 大東文化大学教授)
同じ関西の他事業者の動向もあって、関西の鉄道は利用が一律に落ち込んでいるのではないか、と先入観を抱いていたのだが、阪神に関してはそうではないと。若いお客さんが多いというのは、明るい話題ではないだろうか。阪神なんば線も、京セラドームの存在が大きいという事。近鉄線への直通需要は、どの程度あるのだろうか。(「ハンドブックHANSHIN 2017」に拠れば、1日あたり3万人強らしい)。
5700系は今年は2編成増備で、これで「青胴車」は5001形のみになるのだろうか。
六甲山は、インバウンドのお客さんが増えているが、ホテルや企業の保養施設は減少し、寂しさも感じると。大都市に隣接しているので、箱根などとは違うという事でしょう。スキー場がある。
営業設備とサービス
阪神は小駅が多く、朝晩は駅員を配置しない駅が少なくないが、そうなったのは最近の事ではなく、昭和の終わりには駅務管理システム導入で、既にやっていたらしい。
「線路は続くよ どこまでも」のメロディーは前から使われていたが、阪神なんば線開業の頃からやや曲調が代わっていたのは感じていた。向谷実氏のアレンジだったか。
「ええまちMAP」は、今は作っていないらしい。
20年前は、「スルッとKANSAI」がスタートして、1年経った時期でした。今月一杯で改札機などでの利用が終了し、払い戻しのみになるのだから、磁気カード時代もいよいよ終わりと思う。ICカードの利用率が50%とは、関東の感覚からしたらかなり低く感じられる。関東では8~9割位とも聞いているので。当初はポストペイでC/C加入が必須のPiTaPaだけだったからこうなっていると思われるが、ICOCAとも提携し、全国相互利用も行なわれているから、今後はもっと増えるでしょう。「レイルウェイカード」は、どの程度の売り上げがあるのだろう?
駅管区、列車所のあらまし
20年前には書かれていなかった事で、私鉄の職員だったからこの点が興味深かった。駅員も乗務員も日勤で、泊まり勤務はないというのがちょっと驚いた。初電・終電担当などの乗務員は、手配された送迎用バス・タクシーで出退勤するらしい。だから小駅は、朝晩は駅員がいなくなるのか。ローカル私鉄みたい。駅の管区制とか、やっている事は私が勤務していた所とほとんど変わらないけれど。
車両総説
この20年間で新造されたのは、急行系は9300系と1000系、普通系は5550系と5700系。
合計で134両になるが、これは旅客用車両の37%になります。この数字は、関西の大手私鉄としては一番高いのではないでしょうか。関西は全体的に車両の新陳代謝が進まないという印象が、特に最近はするので。近鉄直通用車両を大量に必要としていた事もあったろうが。
5700系は大手私鉄の全ロングシート通勤車では初のブルーリボン賞受賞車(名鉄6000系は、受賞時はセミクロス)。バケットシートで中仕切りもあるロングシートとは、関西も変わったと思います。扉開閉ボタンは、関西の私鉄全体でも初めてだったっけ?寒い所も走る近鉄あたりにも普及しても良いと思う。
立体交差事業、駅改良工事の実績と 今後の改良工事について
阪神は軌道から始まった鉄道なので主要駅でも規模が小さく、列車が大型化したり、長くなったりすると、すぐ不都合が起きる事になるようです。春日野道駅の旧ホームは、バラエティ番組でも出てきたような。
連続立体交差工事は20年前でも各地で進行中で、当時の対談でも、「立体化の進んだ鉄道という特徴を持っている」という表現がありました。現在も各地で進行中だが、まず印象的だったのは、梅田~野田間の地下線化による、福島駅の地下化でした。位置そのものが、南側の国道2号に移動しています。
梅田は、新1番線には降車ホームは作らないようだから、こちらが普通電車用になるのだろう。
今後は阪神なんば線の淀川橋梁かさ上げがあって、合わせて伝法・福の両駅が高架化されるという。具体的な設計はこれからのようだが、この機にどちらかの駅が待避駅になると良いのではないか。阪神なんば線は10.1㎞の間に待避駅がなく、ダイヤ編成上のネックになっていると思われるので。
阪神なんば線の構想から完成、そして今後
画期的な新路線だったが、早い物で全線開業からもうすぐ9年になります。
構想は戦後すぐからあったが、20年前は万博後の情勢の変化で計画が止まってしまった、とあった。実際は地元との交渉が決裂したのが、長年西九条止まりになっていた最大の要因になっていたようです。
出来島は先行した高架化の時点で、ホームが延伸されていた。
7年間で新線区間の利用者数は55%増となったが、「ハンドブック」を読むと、阪神なんば線全体では、中間は西九条を除くと良くて九条の1万2000人強、1万人に届かない駅もいくつかあり、一番少ない桜川は5000人強と大分少ない。これでも増えてはいるが(マンションとかが建っているそうだ)、今後は中間駅の利用者の増加も課題でしょうか。
後は別項で記されているが、京セラドーム対策か。甲子園と違って、増発・延長運転をやろうとすると、近鉄の大阪難波折返しを延長する形を採らざるを得ないから、難しい事なのだろうと思います。近鉄は全車両が阪神直通対応ではないし。
輸送と運転 近年の動向
まず沿線人口の推移の表があって、全体的には阪神淡路大震災があった1995(H17)年よりも増えている。大阪市北区(梅田)が5割増し、神戸市灘区(岩屋など)が40%、東灘区(御影など)が35%増。一方で尼崎市は減少している(最近はやや微増か)。阪神なんば線開業後の大阪市浪速区・西区は、開業時時点との比較で17%増らしい。
ダイヤが朝ラッシュ時と日中、共にカラーで掲載されている。同じ種別でも、車両保有会社で色を変えているのが興味深い。直通特急・特急は黒が山陽、快速急行は緑が近鉄か。阪神なんば線の普通は、実線…近鉄、破線…阪神、だろうか?
ラッシュ時は、梅田行で西宮を始発とする列車が1本もないのが目につく。20年前もそうだった。区間急行は甲子園、区間特急は御影を始発としている。「ハンドブックHANSHIN 2017」の駅別乗降人員の記載に拠れば、甲子園(阪神全体で3位)の方が西宮(4位)より8,000人多い、という事もあろうが(私はずっと、逆だと思っていた)、西宮の乗客からは不満は出ていないのだろうか?小田急の今3月の改正でポイントの一つに「始発駅の多様化」が謳われているのを思い返すと、そう感じます。
区間特急は、この運転内容だと「通勤急行」の呼称の方が、実態に合うのではないか?と思う。阪神は昔から、「通勤○○」という名称は使わない所だが。一頃は同じ種別でも、曜日や上下で停車駅が異なるのが特徴的でした(特に梅田発着時代の準急)。
各種別とも、改正の度の運行形態の変更が大きくなりがちなのもまた、阪神の特徴か。特に震災(そのものと、その後JRが一番早く大阪~神戸間で再開した事)と、阪神なんば線開業が大きな要因になっていると思われます。快速急行は、元々は梅田~西宮間運転の急行を、JRへの対抗策としてノンストップで三宮へ延伸したのが始まりでした。それにしても、特急の停車駅も増えました。震災前は梅田を出ると基本的には西宮までノンストップ(甲子園は夜間停車)、その後三宮までは芦屋、御影のみの停車だった。この傾向ははJR新快速(大阪~三ノ宮間ノンストップだった)や阪急の特急(十三・西宮北口)も同じなのだが。
阪神電鉄とともに
OBとの対談。過去の特集とは異なり、ダイヤ編成面での裏話が聞けて興味深かった。震災復旧、山陽直通特急運転開始、阪神なんば線開業と、エポックメイキングな話が中心で、山陽直通特急開始時の1998(H10)年改正は、阪神と阪急・山陽・神戸高速(車両はないが)のダイヤ編成上の課題を解消するものだった、とは少し意外な気もしました。関東ほどは本数は多くはなかったし、ラッシュ時はともかく、日中は多少の時間調整は必要になるとしても、大した問題にはならないのではないか、と思っていたので。阪神の12分サイクル(特急・快速急行・普通)がある程度完成されていたような気もしていたし。
山陽電鉄は神戸高速全線の運営から撤退したが、運行形態からしたら新開地~西代間は山陽が第2種、という考え方は、山陽にはなかったのだろうか。
近鉄側の「快速急行三宮行を積極的にPRしたい」という発言は、単に利便性向上だけでなく、相直の行先を前面に出してビジネスチャンスにしたい、という、昨今の相直のトレンドそのものだと思います。
一つあるとしたら、甲子園の観客輸送は、具体的にはどのような体制で行なわれているのだろうか、そこを知りたいという読者も多かったのではないだろうか。ダイヤもそうだし、要員はどのように確保されているのか。同じ観客輸送でもタイガース戦と高校野球(それに「甲子園ボウル」)ではどう違うのだろうか。
それにしても、この数年の夏の高校野球シーズンでは、初電前に梅田始発の臨時急行が運転されるようになったが、そんなに観客が多いのか?先の対談では、阪神なんば線開業後からあたりから走り出すようになったらしいが。朝ラッシュ時にかかるので、混雑を分散させる意味があるのかも知れない。
また、東日本大震災が発生した2011(H23)年とその翌年、楽天がパ・リーグ主催試合を甲子園で行なったが、どの程度の体制を敷いて輸送に当たったのだろうか。その他諸々、話を聞きたかった所です。
他にも色々あるのだけれど、阪神電鉄の未来絵図はどう描かれるのだろうか。梅田と難波、大阪のキタとミナミの両方に直接行ける唯一の鉄道としてのアドバンテージを活かした営業政策が、今後も採られていくのだろうと思われます。
ダイヤ面では、近鉄へも直通するようになったので策定は近鉄線にも影響されるようになり、特に土休日の午後は時刻のパターンが変わってしまっているので、この辺は改善されると良いと思う。でないと、さらに山陽にまで影響が出るので。快速急行の増発も検討課題となるでしょう。
近鉄22600系直通は今の所団体列車のみだが、今後定期有料特急の運行はあり得るか?近鉄直通の需要、もあるが、阪神線内で有料でも着席通勤、のニーズはどれだけあるか、興味もあります。大阪までだと距離が短いから、そんなにはないかな?
ホームドアはどうするのだろう?梅田は改築と合わせて整備、という方向になったが、大阪難波~尼崎~神戸三宮間は、有効な手段がまだ見えてこないようです。
関西の私鉄は「若さ」がなくなってきているのか?と勝手に考えていたのだが、少なくとも阪神は車両も施設も、また利用者層も、若々しいイメージがあると読み通して感じました。短距離だし、阪神間では一番海側だから利用者を増やすのは、本当はあまりたやすくはないとは思うが、JR・阪急と切磋琢磨しつつ、さらに若い人に魅力的な(通勤・通学でも、レジャーや野球観戦でも)鉄道として発展する事が期待されます。
それにしても、「大阪近鉄バファローズ」が残っていればなあ。タイガースとの交流戦や、もしかしたら日本シリーズでの対決が実現したら、「なんば線シリーズ」とかと大いに盛り上がったろうと思うのに、残念です。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
近鉄が、新型名阪特急の計画を発表しました。アーバンライナーの後継、という位置づけでしょうか?イメージイラストでは、赤い車体の流線型。前後車両がハイデッカーの「ハイグレード車両」、中間が「レギュラー車両」で、いずれもシートピッチが日本最大級でバックシェル型。ユーリティスペースを設置(どんな物かは解らないが)、Wi-Fiやコンセントはもう当たり前か。2020年春デビュー。難波~布施間での、阪神電車と並ぶ姿も楽しみです。神戸三宮には直通しないだろうが。
《今日のニュースから》
10日 任天堂 「コロプラ」を特許侵害で提訴
11日 「ボール投げず敬遠」 NPB導入決定
「ボール投げず敬遠」は去年メジャーリーグが導入したものだけれど、日本では過去に、巨人にいたクロマティや、阪神時代の新庄剛志が敬遠球を強引に打って出てサヨナラタイムリーにしたという事もあったのに、そんなドラマも見られなくなります。実際に去年この敬遠を経験したイチローは批判的だったようだし、どうなんだろうね?
カリフォルニア州では大規模な土石流が発生して、13人死亡と報道されています。現場は昨年末に大規模な山火事があって、樹木の消失で土砂が流れやすくなっていたとも伝えられています。カリフォルニア、というよりアメリカは、本当に「火攻め水攻め」です。
北陸のTVは大変な事になっているようだが、日本でTV本放送が始まって今年で65年、こんな事はあったのだろうか?見られなくなった分はどうなるのだろう?何かの形で補償されるものなのか?スポンサーはもちろん、視聴者にも。
表紙は1000系と5700系の、新ステンレスカーの並び。5700系、まだ撮っていないんだよなあ。1000系は近鉄直通を見据えて、2007(H19)~2011(H23)年にまとまって製造されたが、96両の製造数は、阪神全体の旅客車輌の26.8%、8000系に次ぐ勢力で、そんなにあったんだ、という印象。近鉄線に行っている編成が多く、阪神線内では見かける機会が意外に多くないから、そう感じるのかも知れません。
阪神の一社単独特集も、前回の京急と同じく、1997(H19)年7月以来だから20年以上も経ってしまいました。当時は2年前の阪神淡路大震災の衝撃がさめやらぬ頃だったが、電車は9000系(近鉄直通対応前の赤帯時代)と5500系を除くと、急行系がクリーム+オレンジがかった赤の「赤胴車」、普通はクリーム+紺色の「青胴車」の時代でした。
総説:阪神電気鉄道
「十年一昔」だから、20年もやはり長い。特に阪神は1998(H10)年2月の阪神~山陽直通特急運行開始と、2009(H21)年3月の阪神なんば線開業及び近鉄との相互直通運転と、特にダイヤ面での大きなプロジェクトがありました。阪急との経営統合もまた一大事だったか。
大手私鉄だと不動産業も大きいのが普通だけれど、阪神は大規模な宅地開発というのは、戦前の甲子園くらいだろうか。一番海側を走る鉄道だから、開発の余地があまりなさそう。むしろ最近は、梅田のエンタメの方が目立つ気がします。
阪神電気鉄道の鉄道事業を語る
(阪神 岡田信 都市交通事業本部長×今城光英 大東文化大学教授)
同じ関西の他事業者の動向もあって、関西の鉄道は利用が一律に落ち込んでいるのではないか、と先入観を抱いていたのだが、阪神に関してはそうではないと。若いお客さんが多いというのは、明るい話題ではないだろうか。阪神なんば線も、京セラドームの存在が大きいという事。近鉄線への直通需要は、どの程度あるのだろうか。(「ハンドブックHANSHIN 2017」に拠れば、1日あたり3万人強らしい)。
5700系は今年は2編成増備で、これで「青胴車」は5001形のみになるのだろうか。
六甲山は、インバウンドのお客さんが増えているが、ホテルや企業の保養施設は減少し、寂しさも感じると。大都市に隣接しているので、箱根などとは違うという事でしょう。スキー場がある。
営業設備とサービス
阪神は小駅が多く、朝晩は駅員を配置しない駅が少なくないが、そうなったのは最近の事ではなく、昭和の終わりには駅務管理システム導入で、既にやっていたらしい。
「線路は続くよ どこまでも」のメロディーは前から使われていたが、阪神なんば線開業の頃からやや曲調が代わっていたのは感じていた。向谷実氏のアレンジだったか。
「ええまちMAP」は、今は作っていないらしい。
20年前は、「スルッとKANSAI」がスタートして、1年経った時期でした。今月一杯で改札機などでの利用が終了し、払い戻しのみになるのだから、磁気カード時代もいよいよ終わりと思う。ICカードの利用率が50%とは、関東の感覚からしたらかなり低く感じられる。関東では8~9割位とも聞いているので。当初はポストペイでC/C加入が必須のPiTaPaだけだったからこうなっていると思われるが、ICOCAとも提携し、全国相互利用も行なわれているから、今後はもっと増えるでしょう。「レイルウェイカード」は、どの程度の売り上げがあるのだろう?
駅管区、列車所のあらまし
20年前には書かれていなかった事で、私鉄の職員だったからこの点が興味深かった。駅員も乗務員も日勤で、泊まり勤務はないというのがちょっと驚いた。初電・終電担当などの乗務員は、手配された送迎用バス・タクシーで出退勤するらしい。だから小駅は、朝晩は駅員がいなくなるのか。ローカル私鉄みたい。駅の管区制とか、やっている事は私が勤務していた所とほとんど変わらないけれど。
車両総説
この20年間で新造されたのは、急行系は9300系と1000系、普通系は5550系と5700系。
合計で134両になるが、これは旅客用車両の37%になります。この数字は、関西の大手私鉄としては一番高いのではないでしょうか。関西は全体的に車両の新陳代謝が進まないという印象が、特に最近はするので。近鉄直通用車両を大量に必要としていた事もあったろうが。
5700系は大手私鉄の全ロングシート通勤車では初のブルーリボン賞受賞車(名鉄6000系は、受賞時はセミクロス)。バケットシートで中仕切りもあるロングシートとは、関西も変わったと思います。扉開閉ボタンは、関西の私鉄全体でも初めてだったっけ?寒い所も走る近鉄あたりにも普及しても良いと思う。
立体交差事業、駅改良工事の実績と 今後の改良工事について
阪神は軌道から始まった鉄道なので主要駅でも規模が小さく、列車が大型化したり、長くなったりすると、すぐ不都合が起きる事になるようです。春日野道駅の旧ホームは、バラエティ番組でも出てきたような。
連続立体交差工事は20年前でも各地で進行中で、当時の対談でも、「立体化の進んだ鉄道という特徴を持っている」という表現がありました。現在も各地で進行中だが、まず印象的だったのは、梅田~野田間の地下線化による、福島駅の地下化でした。位置そのものが、南側の国道2号に移動しています。
梅田は、新1番線には降車ホームは作らないようだから、こちらが普通電車用になるのだろう。
今後は阪神なんば線の淀川橋梁かさ上げがあって、合わせて伝法・福の両駅が高架化されるという。具体的な設計はこれからのようだが、この機にどちらかの駅が待避駅になると良いのではないか。阪神なんば線は10.1㎞の間に待避駅がなく、ダイヤ編成上のネックになっていると思われるので。
阪神なんば線の構想から完成、そして今後
画期的な新路線だったが、早い物で全線開業からもうすぐ9年になります。
構想は戦後すぐからあったが、20年前は万博後の情勢の変化で計画が止まってしまった、とあった。実際は地元との交渉が決裂したのが、長年西九条止まりになっていた最大の要因になっていたようです。
出来島は先行した高架化の時点で、ホームが延伸されていた。
7年間で新線区間の利用者数は55%増となったが、「ハンドブック」を読むと、阪神なんば線全体では、中間は西九条を除くと良くて九条の1万2000人強、1万人に届かない駅もいくつかあり、一番少ない桜川は5000人強と大分少ない。これでも増えてはいるが(マンションとかが建っているそうだ)、今後は中間駅の利用者の増加も課題でしょうか。
後は別項で記されているが、京セラドーム対策か。甲子園と違って、増発・延長運転をやろうとすると、近鉄の大阪難波折返しを延長する形を採らざるを得ないから、難しい事なのだろうと思います。近鉄は全車両が阪神直通対応ではないし。
輸送と運転 近年の動向
まず沿線人口の推移の表があって、全体的には阪神淡路大震災があった1995(H17)年よりも増えている。大阪市北区(梅田)が5割増し、神戸市灘区(岩屋など)が40%、東灘区(御影など)が35%増。一方で尼崎市は減少している(最近はやや微増か)。阪神なんば線開業後の大阪市浪速区・西区は、開業時時点との比較で17%増らしい。
ダイヤが朝ラッシュ時と日中、共にカラーで掲載されている。同じ種別でも、車両保有会社で色を変えているのが興味深い。直通特急・特急は黒が山陽、快速急行は緑が近鉄か。阪神なんば線の普通は、実線…近鉄、破線…阪神、だろうか?
ラッシュ時は、梅田行で西宮を始発とする列車が1本もないのが目につく。20年前もそうだった。区間急行は甲子園、区間特急は御影を始発としている。「ハンドブックHANSHIN 2017」の駅別乗降人員の記載に拠れば、甲子園(阪神全体で3位)の方が西宮(4位)より8,000人多い、という事もあろうが(私はずっと、逆だと思っていた)、西宮の乗客からは不満は出ていないのだろうか?小田急の今3月の改正でポイントの一つに「始発駅の多様化」が謳われているのを思い返すと、そう感じます。
区間特急は、この運転内容だと「通勤急行」の呼称の方が、実態に合うのではないか?と思う。阪神は昔から、「通勤○○」という名称は使わない所だが。一頃は同じ種別でも、曜日や上下で停車駅が異なるのが特徴的でした(特に梅田発着時代の準急)。
各種別とも、改正の度の運行形態の変更が大きくなりがちなのもまた、阪神の特徴か。特に震災(そのものと、その後JRが一番早く大阪~神戸間で再開した事)と、阪神なんば線開業が大きな要因になっていると思われます。快速急行は、元々は梅田~西宮間運転の急行を、JRへの対抗策としてノンストップで三宮へ延伸したのが始まりでした。それにしても、特急の停車駅も増えました。震災前は梅田を出ると基本的には西宮までノンストップ(甲子園は夜間停車)、その後三宮までは芦屋、御影のみの停車だった。この傾向ははJR新快速(大阪~三ノ宮間ノンストップだった)や阪急の特急(十三・西宮北口)も同じなのだが。
阪神電鉄とともに
OBとの対談。過去の特集とは異なり、ダイヤ編成面での裏話が聞けて興味深かった。震災復旧、山陽直通特急運転開始、阪神なんば線開業と、エポックメイキングな話が中心で、山陽直通特急開始時の1998(H10)年改正は、阪神と阪急・山陽・神戸高速(車両はないが)のダイヤ編成上の課題を解消するものだった、とは少し意外な気もしました。関東ほどは本数は多くはなかったし、ラッシュ時はともかく、日中は多少の時間調整は必要になるとしても、大した問題にはならないのではないか、と思っていたので。阪神の12分サイクル(特急・快速急行・普通)がある程度完成されていたような気もしていたし。
山陽電鉄は神戸高速全線の運営から撤退したが、運行形態からしたら新開地~西代間は山陽が第2種、という考え方は、山陽にはなかったのだろうか。
近鉄側の「快速急行三宮行を積極的にPRしたい」という発言は、単に利便性向上だけでなく、相直の行先を前面に出してビジネスチャンスにしたい、という、昨今の相直のトレンドそのものだと思います。
一つあるとしたら、甲子園の観客輸送は、具体的にはどのような体制で行なわれているのだろうか、そこを知りたいという読者も多かったのではないだろうか。ダイヤもそうだし、要員はどのように確保されているのか。同じ観客輸送でもタイガース戦と高校野球(それに「甲子園ボウル」)ではどう違うのだろうか。
それにしても、この数年の夏の高校野球シーズンでは、初電前に梅田始発の臨時急行が運転されるようになったが、そんなに観客が多いのか?先の対談では、阪神なんば線開業後からあたりから走り出すようになったらしいが。朝ラッシュ時にかかるので、混雑を分散させる意味があるのかも知れない。
また、東日本大震災が発生した2011(H23)年とその翌年、楽天がパ・リーグ主催試合を甲子園で行なったが、どの程度の体制を敷いて輸送に当たったのだろうか。その他諸々、話を聞きたかった所です。
他にも色々あるのだけれど、阪神電鉄の未来絵図はどう描かれるのだろうか。梅田と難波、大阪のキタとミナミの両方に直接行ける唯一の鉄道としてのアドバンテージを活かした営業政策が、今後も採られていくのだろうと思われます。
ダイヤ面では、近鉄へも直通するようになったので策定は近鉄線にも影響されるようになり、特に土休日の午後は時刻のパターンが変わってしまっているので、この辺は改善されると良いと思う。でないと、さらに山陽にまで影響が出るので。快速急行の増発も検討課題となるでしょう。
近鉄22600系直通は今の所団体列車のみだが、今後定期有料特急の運行はあり得るか?近鉄直通の需要、もあるが、阪神線内で有料でも着席通勤、のニーズはどれだけあるか、興味もあります。大阪までだと距離が短いから、そんなにはないかな?
ホームドアはどうするのだろう?梅田は改築と合わせて整備、という方向になったが、大阪難波~尼崎~神戸三宮間は、有効な手段がまだ見えてこないようです。
関西の私鉄は「若さ」がなくなってきているのか?と勝手に考えていたのだが、少なくとも阪神は車両も施設も、また利用者層も、若々しいイメージがあると読み通して感じました。短距離だし、阪神間では一番海側だから利用者を増やすのは、本当はあまりたやすくはないとは思うが、JR・阪急と切磋琢磨しつつ、さらに若い人に魅力的な(通勤・通学でも、レジャーや野球観戦でも)鉄道として発展する事が期待されます。
それにしても、「大阪近鉄バファローズ」が残っていればなあ。タイガースとの交流戦や、もしかしたら日本シリーズでの対決が実現したら、「なんば線シリーズ」とかと大いに盛り上がったろうと思うのに、残念です。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
近鉄が、新型名阪特急の計画を発表しました。アーバンライナーの後継、という位置づけでしょうか?イメージイラストでは、赤い車体の流線型。前後車両がハイデッカーの「ハイグレード車両」、中間が「レギュラー車両」で、いずれもシートピッチが日本最大級でバックシェル型。ユーリティスペースを設置(どんな物かは解らないが)、Wi-Fiやコンセントはもう当たり前か。2020年春デビュー。難波~布施間での、阪神電車と並ぶ姿も楽しみです。神戸三宮には直通しないだろうが。
《今日のニュースから》
10日 任天堂 「コロプラ」を特許侵害で提訴
11日 「ボール投げず敬遠」 NPB導入決定
「ボール投げず敬遠」は去年メジャーリーグが導入したものだけれど、日本では過去に、巨人にいたクロマティや、阪神時代の新庄剛志が敬遠球を強引に打って出てサヨナラタイムリーにしたという事もあったのに、そんなドラマも見られなくなります。実際に去年この敬遠を経験したイチローは批判的だったようだし、どうなんだろうね?
カリフォルニア州では大規模な土石流が発生して、13人死亡と報道されています。現場は昨年末に大規模な山火事があって、樹木の消失で土砂が流れやすくなっていたとも伝えられています。カリフォルニア、というよりアメリカは、本当に「火攻め水攻め」です。
北陸のTVは大変な事になっているようだが、日本でTV本放送が始まって今年で65年、こんな事はあったのだろうか?見られなくなった分はどうなるのだろう?何かの形で補償されるものなのか?スポンサーはもちろん、視聴者にも。