JRグループの2018(H30)年3月17日改正ダイヤの概要が、昨日一斉に発表になりました。タイミングが少しずれてしまったが、各社のプレスリリースからチェックして行きます。
予想通り、特に目玉がない、静かな改正になるようです。そんな中、今回は特に九州で減量色が濃くなりました。JR九州自ら「改正」とは呼ばず、「ダイヤを見直す」としているくらいなので。
JR東日本から見ていきます。
JR東日本
新幹線
◆ 東北新幹線〔はやぶさ〕増発
東京→仙台・新青森→東京で1本ずつ増発、東京→盛岡1本を新青森へ延長
下り
はやぶさ17号 東京10:44 → 13:58新青森
(現行の15号(東京→盛岡)を延長 時期により新青森延長時期があるが、新ダイヤでは盛岡~新青森間は八戸のみ停車)
はやぶさ29号 東京15:44 → 17:17仙台
(現行の臨時61号と同じ)
上り
はやぶさ22号 新青森13:15 → 16:32東京
(現行の臨時56号と同じ)
◆ 東北新幹線〔はやて〕2往復にE5系導入 〔はやぶさ〕格上げ
(大宮~仙台間ノンストップ2.5往復中の2往復)
これで東京発着〔はやて〕は現行111号(東京7:16発)のみになります。
◆ 北陸新幹線〔あさま〕増発
下り
あさま605号 東京9:04 → 10:39長野
(現行の臨時651号(東京→長野)と東京発は同じだが、長野着は19分早くなる)
上り
あさま624号 長野15:40 → 17:20東京
(現行の臨時はくたか580及び582号とほぼ同じ)
両列車とも、長野~金沢間を延長し、〔はくたか〕として運行する日あり。
平日朝方運転している、上越妙高始発長野行〔はくたか598号〕は取り止め。
◆ 上越新幹線⇔〔いなほ〕 同一ホーム乗換
新潟駅の在来線ホーム高架移転に伴い、新幹線11番線⇔在来線新5番線が同一ホームとなる(中間改札あり)。4月からになり、具体的な日程は後日発表。
東京~酒田間は平均4時間19分、最速(とき311号→いなほ3号)3時間52分に短縮。
なお〔いなほ〕の下り7号・上り10・12号は同一ホーム乗換対象外。
在来線
◆ 〔スーパーあずさ〕は、8往復全列車をE353系に置き換え。
◆ 〔スワローあかぎ〕は全列車北本・桶川に停車し、停車駅を統一。
◆ 武蔵野線は、平日朝ラッシュ時に吉川美南→東京1本増発。
◆ 南武線は、平日夜間に稲城長沼→立川1本増発(川崎→稲城長沼を延長)。
◆ 両毛線 あしかがフラワーパーク駅開業(4月1日)。
◆ 八戸線を、全列車キハE130系で運行。
(日中の1往復は「リゾートうみねこ」で運行する日あり)
◆ 総武快速線成田空港行は〔エアポート成田〕の愛称を廃止。
◆ 〔つがる〕全列車が浪岡に停車。
● 八王子支社では、平日早朝に青梅特快を新設(青梅5:39→6:50東京)。奥多摩発初電、大月発初電(高尾・国分寺乗換)から接続。青梅線・青梅~奥多摩間は平日・土休日とも、午後の1往復を減便。
八高線は、拝島~箱根ヶ崎間の17時台を運行間隔を調整。拝島17時43分発箱根ヶ崎行は、拝島止まりの延長か?(この点記載なし)
〔中央ライナー〕は、E351系の1往復(2・7号)をE257系に変更。
〔むさしの号〕は、平日のみ府中本町発現行2623Mを20分繰り上げ。大宮は9時前に到着。
塩山発下り初電を繰り下げ。
● 高崎支社では、高崎発通勤快速現行3938Mを普通に変更し、上野まで各駅に停車(土休日の〔アーバン〕は変わらず?)。
上越線では一部の列車の時刻を変更し、運転間隔を調整。
なお、別にSL列車停車駅(水上・後閑・沼田・渋川)のリニューアルを、今年度中に完成させるとのリリースも出ました。
● 水戸支社は10月に大きな改正を行なったばかりなので、水郡線のみ。朝方の上り常陸大宮・常陸太田→水戸各1本の時刻を繰り上げ、通勤時間帯の混雑を緩和。14時台の上菅谷~常陸大宮間1往復を取り止め。この他一部列車で編成両数を変更。
● 千葉支社では、現行の全車自由席の特急〔さざなみ〕〔わかしお〕〔しおさい〕全列車に指定席を設定。指定席では車内改札を省略。「トクだ値」サービスをスタート。〔新宿さざなみ〕は佐貫町、〔新宿わかしお〕は鵜原・安房天津は通過。
京葉線は平日の蘇我発新習志野行現行820Yは取り止め。内房線は館山~安房鴨川間1往復を削減。館山での接続を改善。外房線は夜間の一部列車で運行区間を短縮、大原上総一ノ宮行3現行224Mは取り止め。
● 仙台支社では、仙台空港アクセス線で一部列車の時刻を変更し、運行間隔を30分未満に短縮。仙石東北ラインの夕方の快速1往復が石巻あゆみ野に停車。仙山線は朝ラッシュ時の一部列車を2→4連に増結、小牛田での石巻線→東北本線、陸羽東線→気仙沼線(直通)の接続を改善。
● 盛岡支社では、IGR・青い森~八戸線の直通運転を廃止(八戸で分断)。山田線は夕方の盛岡~宮古間列車を全体的に繰り下げ。北上線は下り初発現行3723Dは取り止め、上り一ノ関直通の現行3730Dは北上止まりとなり(盛岡発東北本線電車に接続)、代わって北上8時41分発一ノ関行を設定。津軽線で連結両数を見直し、新幹線停車駅で新幹線⇔在来線の接続を改善。
● 新潟支社では、上越新幹線〔MAXとき300・309・343号〕を16連で運転。〔MAX308・315・341号〕は8連に変更。〔いなほ8号〕の時刻を変更し、新潟で速達タイプ〔MAXとき324号〕接続で、対東京の所要時間を41分短縮。〔いなほ9号〕→磐越西線への接続を改善。
信越線は新潟17時56分発長岡行快速を新設。E129系4連で、亀田・新津・矢代田・加茂・東三条・三条・見附停車。新潟~新井間快速は、新潟発夕方は長岡→直江津に短縮、新井発朝方は直江津始発に変更して長岡で分割、夕方も直江津始発に変更。土休日に運転している直江津→長岡の快速は取り止め。
白新線で夕方の新発田発、羽越本線で日中の村上発の間隔を平準化(〔いなほ〕含む)。朝方の鶴岡~酒田1往復を取り止め。磐越西線は朝方の新潟~馬下間1往復を五泉折返しに短縮。越後線・白新線で一部列車増結。
E129系を追加投入。115系の撮影は早い方、来年の内くらいが良いでしょう?
● 長野支社では、佐久平で北陸新幹線⇔小海線の接続を改善。
JR東海
新幹線
◆ 下り〔のぞみ〕12本で285㎞/h運転を実施、東京→新大阪間を3分短縮。
◆ 土休日等に名古屋6時28分発〔のぞみ90号〕を設定。
在来線
◆ 〔ひだ15・17・19号〕の時刻を変更し、約2時間間隔で運転。〔ひだ19号〕は名古屋発20時18分となり、〔のぞみ123号〕(東京発18時30分発)から接続、名古屋・東京滞在時間を拡大。
◆ 〔あさぎり〕は〔ふじさん〕に改称。下り11号(土休日運転)・上り6号の時刻を変更し、御殿場滞在時間を拡大。
◆ 東海道線は、土休日に刈谷5時50分発普通を新設。名古屋で〔のぞみ90号〕に接続。
◆ 中央線は、下り名古屋着22時39分以降最終電車まで10分間隔で運行。中津川→名古屋の最終を繰り下げ。
◆ 武豊線は、土休日の快速を区間快速に変更し、全列車線内各駅停車に統一。
◆ 掛川で新幹線⇔東海道線の接続を改善。
名古屋駅2番線は、リニア新幹線工事のため、使用停止。
JR西日本
新幹線
◆ 北陸新幹線は、週末中心に臨時〔かがやき540号〕を設定。この列車は上野まで。
(なぜかJR東日本のリリースにはなかった)
◆ 山陽新幹線は、高頻度運行臨時〔みずほ〕1往復の時刻を変更。
在来線
◆ 新大阪~和歌山間〔くろしお〕を増発。京都~新大阪間、白浜~新宮間は1往復削減。
◆ 福知山発〔こうのとり〕の時刻を見直し、午後は約1時間間隔で運転。〔きのさき〕〔はしだて〕も一部変更。
◆ 土休日に琵琶湖・JR京都線→大阪方向の新快速2往復を増発。この時間帯の湖西線発新快速は時刻を変更し、大阪まで運行。
◆ 阪和線・羽衣線を223系・225系に原則統一。
◆ JR京都線にJR総持寺駅、おおさか東線に衣摺加美北駅が開業。共に普通電車のみ停車。JR総持寺駅は可動柵を設置。
● 金沢支社では、〔能登かがり火10号〕が宇野気に停車。
● 和歌山支社では、〔くろしお19号〕が和泉砂川に停車。紀州路快速に接続。
● 福知山支社では、丹波路快速の下り篠山口発時刻を見直し、特急と合わせて運転間隔を平準化。最終は繰り上げ。〔はまかぜ3号〕は城崎温泉で浜坂行に接続。
● 岡山支社では、〔サンライナー〕現行2720Mが中庄・庭瀬・北庭瀬に停車し、6連に増強。
〔マリンライナー8号〕が備前西市に追加停車。〔10号〕が7連になり、備前西市駅上りホームを7連分に延伸。
福塩線は万能倉折返しを廃止し、福山~府中間を45分間隔で運転。
● 広島支社では、〔ひかり440号〕の時刻を変更。徳山で〔のぞみ2号〕への乗換が可能。〔ひかり481号〕を広島へ延長。岡山~広島間は各駅に停車(こだま763号は取り止め)。
可部線で朝ラッシュ時の間隔を平準化。山陰線は通学時間帯の下関発1本の滝部着を20分繰り上げ(沿線の高校の統合のため)。山陽本線は、一部の列車を糸崎で分断。他に接続の改善。
2018(H30)年中に227系の追加投入が予告されており、関連で土休日の〔シティライナー〕の一部を115系で運行。
● 米子支社では、山陰線浜田口の夕方の時刻を変更、浜田→江津を1本増発、「要望が多かった」としている、江津方面行18時台、増田方面行19時台を設定。夜間の快速1本が仁万停車。〔とっとりライナー〕鳥取発1本が湖山・末恒に停車。土休日は浜坂~鳥取間、倉吉から米子間各1往復を取り止め。
三江線は廃止までの間、口羽~浜原間で日中に1往復設定し、両側の区間運転と合わせて、三次~江津間で直通運転を実施。
● 福岡支社は、小倉~博多間運転〔こだま〕の時刻を変更し、通勤時間帯の混雑を緩和。
なお別に、草津線・貴生川~柘植間で改正と同日、ICOCAのサービスがスタートするとリリースがありました。
(和歌山線・高田~五条間も来春導入とされているが、リリースは出ていない)
JR四国
◆ 予讃線は8600系特急が増加。新たに〔しおかぜ5・6号〕〔いしづち5・6号〕を8600系で運転。
(松山発着は6往復)
〔いしづち104・106号〕は詫間・高瀬、〔宇和海5号〕は伊予中山を通過。
◆ 土讃線は、〔南風21号〕が宇多津に停車。琴平5時50分発普通列車を増発。多度津で〔しおかぜ2号〕から、坂出で〔マリンライナー6号〕に接続。〔南風3号〕に接続する〔南風リレー〕を快速に変更。〔南風〕⇔〔南風リレー〕の乗換駅を丸亀・多度津に統一。
◆ 高徳線は、高松6時31分発〔うずしお1号〕を増発。一方で高松発最終〔33号〕は取り止め。2600系特急が増加。新たに〔うずしお1・8号〕を2600系で運転(4往復)。〔うずしお〕⇔〔マリンライナー〕の高松での乗換時間を2分→5分に見直し。夜間に〔マリンライナー〕から接続するオレンジタウン行普通を増発。鳴門線は、鳴門のスポーツイベント(Jリーグだろう)開催時運転の臨時列車を定期化。
◆ 牟岐線は、〔むろと1・4号〕の時刻を変更、徳島線は、阿波池田での土讃線との接続を改善。
◆ 〔モーニングEXP高松〕〔しまんと〕〔あしずり〕〔南風〕の指定席を一部拡大(〔南風〕は土曜日中心)。
JR九州
新幹線・在来線特急・普通、いずれも結構きつい減量です。「JR特急は在来線特急に頼る部分が多い」と書いたばかりなのだけれど。
新幹線
◆ 博多で〔のぞみ57号〕→熊本行最終〔つばめ351号〕(現355号)の接続を改善。
◆ 〔さくら〕と熊本発着〔つばめ〕を一部統合、博多~鹿児島中央間〔つばめ〕で運行。
◆ 高頻度運転の〔みずほ〕は、〔614・615号〕が久留米、〔616・619号〕が川内に停車。
◆ 毎週末運転の〔さくら〕を設定。
◆ この他、〔さくら〕〔つばめ〕の一部を取り止め
トータルの九州新幹線運行本数は119本(▲6本)、4.8%の減少。
在来線
特急
◆ 日豊本線
早朝・夜間の〔ソニック〕〔にちりん〕の運行区間を見直し。 〔ソニック102号〕は柳ヶ浦→小倉間を取り止め、小倉→博多間を〔きらめき1号〕として運行。〔ソニック202号〕は大分→中津間を取り止め。柳ヶ浦は上り特急の一番が、4時38分→6時04分と大幅に繰り下がる事になります。
〔ソニック14号〕は大分で分断し、佐伯→大分間は〔にちりん102号〕で運行。
〔ソニック101号〕は小倉→柳ヶ浦間を取り止め、小倉→博多間を〔きらめき14号〕として運転。
〔にちりん26号〕は延岡→大分間を取り止め、宮崎空港→延岡間を〔ひゅうが4号〕として運転。
◆ 長崎本線
〔かもめ〕〔みどり〕運行本数・時刻を見直し。〔かもめ〕2往復(現行18・19・28・29号)を多客期運転に変更(81~84号)。 夜間の佐賀発着〔かもめ〕1往復(現行103・110号)・長崎→諫早〔かもめ〕(現行202)号を取り止め。〔かもめ48号〕(現行52号)の時刻を繰り下げ、〔みどり31・32号〕の時刻を繰り上げ。
〔みどり〕の早岐~佐世保間は、特急料金が免除されます(指定席は別途550円・グリーン車は740円必要)。
◆ 鹿児島本線
〔有明〕は大牟田始発6時43分→博多行(現行2号)のみ運転。
〔きらめき〕は小倉発9~15時台4本・博多発10~17時台5本を取り止め、〔きらめき22号〕(現行28号)は休前日のみ運転に変更。〔きらめき〕は(〔ソニック〕からの変更を含め)小倉発9時台までと19・22時台の9本(2本は土休日のみ)・博多発16時台以降10本(1本は休前日のみ)にまで減少。
トータルの特急運行本数277本(▲24本)、8.66%と結構大幅な減少。
快速・普通列車
◆ 鹿児島本線
一部区間を各駅に停車する快速を「区間快速」と呼称。 快速区間は列車により異なる(福間~博多・博多~二日市など)。「準快速」の呼称は廃止。
快速はスペースワールド通過(駅名は、今回は改称しないようだ)。
始発・最終列車を見直し。下りは小倉発原田行最終(現行183M)を南福岡行に、南福岡行最終(現行185M)を海老津行に短縮。上りは南福岡発初電(現行120M)を赤間発に短縮、福間発現行(現行2222M)を博多発に延長(博多発5時00分で、これが初電)。博多発海老津行最終(現行2168M)を福間行に短縮、福間行最終は赤間まで延長し、福間~赤間間は最終繰り下げ。荒尾発博多行最終(現行2380M)の荒尾~鳥栖間を47分繰り上げ。
◆ 日豊本線
始発・最終列車を見直し。下りは(門司港)小倉発柳ヶ浦行最終の小倉発を10分繰り上げ、行橋行に短縮(先行の柳ヶ浦行現行5541Mを7分繰り下げ)。上りは柳ヶ浦発初電(現行2520M)を行橋発に短縮。後続の新田原始発現行5520Mを柳ヶ浦始発に延長、柳ヶ浦発4時49分で、これが初電。
◆ 日田彦山線 添田発現行920Dを田川後藤寺始発に短縮し、10分繰り下げ。
◆ 唐津線 多久始発現行5823Dを取り止め、佐賀始発現行5821Dを繰り下げ(多久からは現行5823Dと同じ)。
◆ 長崎本線 肥前山口始発現行2879Mを肥前大浦行に、現行2883M(鳥栖始発)を肥前浜行に短縮。
この他、山陽本線・小倉→下関、筑肥線・唐津~伊万里間の最終を繰り上げ。
● 長崎エリアは、大村線快速〔シーサイドライナー〕の日中6往復は「区間快速」として竹松~佐世保間各駅に停車。同区間普通4往復を取り止め。長崎20時05分発〔シーサイドライナー〕を取り止め。
● 大分エリアは、日豊本線・佐伯~延岡間普通3往復の内、1.5往復を佐伯~重岡間に短縮。佐伯から延岡へ行ける普通列車は、6時18分発現行2761Dの1本のみになります。
● 熊本エリアは、肥薩線・八代~人吉間は快速1往復を含めた3往復、人吉~吉松間は2往復を取り止め。八代~人吉間の普通は8往復、人吉~吉松間は3往復(うち2往復は〔いさぶろう〕〔しんぺい〕)に減少。
人吉からの吉松行初発は現行〔いさぶろう1号〕の10時08分、吉松からの人吉方面行最終は現行〔しんぺい4号〕の15時16分になります。
● 宮崎エリアは、鹿児島中央発現行6954Mを高鍋から延岡まで延長。吉都線は、日中2往復(第2水曜日を運休とする列車)、現行の最終1往復を取り止め。日南線は、油津発現行1920Dの油津→青島間を取り止め、青島→宮崎間で運転。
● 鹿児島エリアは、鹿児島本線・上り市来始発現行2420Mを取り止め。指宿枕崎線は上り山川始発現行1320Dを喜入始発に短縮し、続行の喜入始発現行320Dは取り止め。下り山川始発最終枕崎行現行5337Dを指宿始発20時26分(指宿→山川間は現行5339D)に繰り下げ、指宿始発最終西頴娃行現行5341Dは取り止め。
この他の各線区でも、快速・普通の削減や運行区間短縮、初発列車繰り下げ・最終列車繰り上げ等が予告されています。
トータルの快速・普通運行本数2,615本(▲87本)で、3.22%の減少。
「D&S列車」等は後日発表になるが、〔はやとの風〕は多客期のみの運行となる模様。
JR北海道
北海道新幹線は、東北新幹線絡みで多少の修正がある程度。
◆ 〔北斗〕3往復に261系20両を投入し、〔スーパー北斗〕で運転。函館~札幌間は2~9分短縮。
函館~札幌間の特急は全列車〔スーパー北斗〕。183系0番台14両は廃車。183系定期特急は〔オホーツク〕〔大雪〕のみ。
◆ 函館本線(函館口)は、函館発現行〔はこだてライナー〕1365Mと、森行最終の現行4837Dを入れ替え。〔はこだてライナー〕は函館発23時10分となり、新函館北斗までの最終を繰り下げ。新函館北斗→森間は繰り上げ。
◆ 函館本線(札幌口)は、朝方の上り江部乙始発現行2320Mを深川始発に延長し、毎日運転。下り滝川→江部乙間2323Mは取り止め。
◆ 快速〔なよろ6・8号〕の時刻を変更し、旭川での〔カムイ〕への接続を改善、札幌への所要時間を短縮。
◆ 札沼線は、下り石狩当別始発現行5427Dを30分繰り下げ、札幌11時00分発から接続。上り新十津川発現行5426Dを20分繰り下げ、石狩当別での乗り換え時間を短縮。
わざわざ「新十津川折返し時間を拡大」(12→32分)と謳っているのは、「鉄」向け?
◆ 石北本線は、下りの遠軽発現行4675D・北見発現行4677Dを12~15分繰り下げ。上りの網走発現行4674Dは北見で分断。北見→遠軽間は22~27分繰り下げ、2連に増結。網走発最終の現行4676Dは1両に削減。
◆ 根室本線は、新得発現行2421Dを繰り下げ、東鹿越からの代行バスからの接続を確保(現行は接続できない)。
◆ 釧網本線快速〔しれとこ〕を〔しれとこ摩周号〕に改称(国立公園の改称のため)。
◆ 根室本線・羽帯駅を廃止。現行でも、普通列車でも大半が通過しています。
JR貨物
◆ 吹田(タ)~陸前山王間にコンテナ列車1往復増発。往復とも、深夜(22~23時台)に出発。陸前山王から、仙台臨海鉄道線仙台港へ直通。
関西~仙台間のコンテナ列車は2→3往復に増強。
◆ 北九州(タ)~相模貨物間で、大手自動車メーカー(たぶんトヨタ)専用の直行輸送力を増強。
(福岡(タ)~東京(タ)・倉賀野間の列車に貼り付ける形)
◆ 東京(タ)→福岡(タ)間のコンテナ輸送力を増強。
◆ 一部列車の所要時間を、最大で4時間03分短縮。
EF210型2両、DD200型1両、HD300型3両、コキ107型442両を新製し、コキ50000型は定期運用を終了する。コンテナは2タイプ合計4,000個新製。
JRグループ(旅客)で整理すると、〔北斗〕の〔スーパー北斗〕化、〔あさぎり〕→〔ふじさん〕への改称はあるが、完全に新設または廃止、という特急列車は、今回はありません。
駅新設 … あしかがフルーツパーク(東日本・4月1日)、JR総持寺・衣摺加美北(西日本)
駅廃止(三江線を除く) … 羽帯(北海道)
JR以外は、確認した所ではこんな所。
●小田急 … ダイヤ改正日は、正式に3月17日と確定しました。GSEも同日デビュー。
箱根湯本発着の特急料金200円割引は廃止。新宿~箱根湯本間890円→1,090円。
●東京メトロ … 千代田線のみ発表。ロマンスカー増発と、小田急線内の行先・種別の変更のみ記され、一般列車については大幅な変更はない模様。
●IGR・青い森 … 今年の改正で減便していた、盛岡~八戸間直通を1往復複便。夕方の八戸~三戸間1往復を二戸へ延長し、盛岡~金田一温泉間列車と接続。盛岡で着発線、御厨で時刻を一部調整。JR八戸線直通列車は、青い森線内は自社の電車で運行し、1本は土休日等運休。青森~八戸間で最終繰り下げ。快速は普通に変更。
●えちごトキめき … 泊発現行1633Dが新井まで直通(直江津~新井間は現行2354M)。日本海ひすいライン→妙高はねうまラインの定期の直通は初設定になります。快速の現行3627Dは普通に変更し、現行1625Dは取り止め。JR直通列車減少分を自社車両で運行。
●あいの風とやま … 高岡やぶなみ駅開業。石動始発7時05分高岡行を新設(平日のみ・413系)。富山発現行529Mを黒部から泊へ延長し、4連に増結。521系を追加投入。
●IRいしかわ … 富山16時00分発現行434Mの線内の駅の停車時間を拡大。
●愛知環状 … 岡崎→高蔵寺・北野桝塚→岡崎を1本ずつ増。11~21時台は16分間隔で運転(「ゆうシャトル」がどうなるかは記されていない)。
以上、JR等の各社及び各支社のプレスリリースからチェックしてみました。多少端折ってしまった部分もあったかと思います。来年2月24日発売とされる3月号で、再度チェックが必要かと思います。
繰り返しになるが、今回はJR九州の減量がかなり大がかりになりました。この2~3年はJR北海道にばかり目が向きがちだったが、実は九州も、特急もローカルも、特に早朝・深夜の利用は相当減っていたようです。「ななつ星in九州」とか、去年の株式上場とかで、一見絶好調みたいなイメージもあったと思うが、内情はやはり厳しくなっている事が明らかになった気がします。今春には特急一部ワンマン化などの合理化もあったし。といっても北海道みたいにすぐに大規模な路線網見直し、という事にはならないだろうが、今後は九州の動向も注視する必要が出てきたと思います。無論他のJRも、JR以外も。
それにしても、「青春18きっぷ」で九州の北と南を行き来するのは、より困難になってきました。人吉~吉松間3往復、佐伯~延岡間1.5往復、とあっては…。九州も一部路線は「秘境化」しつつあるようです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
今日の仕事帰りは、京浜東北線の架線の破断のとばっちりで東海道線も止まって、大変でした。この事態そのものはとりあえず置くが(専門家ではないし)、駅の表示が何時間も前の時刻の列車をひたすら表示し続けるだけで、何の役にも立っていません。JR東日本に限らないだろうが、特にJR東日本は列車も駅も、乗客にとってはどうでもいいような情報はしつこい位流すのに、一大事になると必要な情報を目で確認する事が非常に困難で、困ってしまいます。〔成田エクスプレス〕なども止まった訳だが、外国人旅客への案内はできていたのでしょうか?長時間不通時の運行対策と合わせて、もっと真剣に考えて頂きたい。
《今日のニュースから》
15日 ジャパンライフ 業務停止命令 1年間で4回目
16日 近江鉄道電気機関車 解体前に展示公開
№1776 恵まれた!岡山・高知・松山の旅 3.とさでん 久々全線乗った
1回お休みしたが、岡山・高知・松山の旅、続けます。
2日間快晴に恵まれたが、今日の予報は「晴れのち雨」?午前中くらいは持って欲しい。夕方にはJR高速バスで最後の地・松山へ向かいます。
11月 7日(火)
電車の一日乗車券。全線乗れるタイプは大人1,000円。今回はこちらを購入します。市内均一区間のみ乗れるタイプは500円。
まずはりまや橋から、伊野へ行きます。「土佐市ドラゴンバス」を撮りたい。
800形。JALの広告車で、こちらは機内Wi-Fi無料サービスについて書かれています。
この電車は桟橋車庫からの出庫車両で、折り返して文珠通へ行く。この後に来た700形伊野行に乗ります。
朝倉から先は通票閉塞になるが、通票のワッカには無線がついていて、反対側から受け取った運転士が、無線で運転指令に「受け取った」と報告している。八代通でもそうだったが、こんな事していたっけ?
(実は昨年発生した、通票を持たずに単線区間に進入してあわや正面衝突、というインシデント発生に対応して、会社が実施した対策です。インシデントについては先月末、報告書が出ました)
40分程度で伊野到着。
付近のたたずまいはあまり変わっていないように感じたが、電停の建物はレトロチックに改装されていました。
以前は伊野にも、本線から分岐する形で電車の留置線がありました。ここは大分前に廃止になっていて、パークアンドライドの駐車場になっています。線路は残っているが、架線は撤去されています。
次の電車は、旧塗装復刻車。ツーマン時代の色の復刻だそうです。
JR土讃線の伊野駅前に移動します。
いの町の町営バス。
土佐市ドラゴンバス。越境して乗り入れてくるが、宇佐・伊野線は専用車のレインボーではなかった。代走。それにしても古い。この車は1989年製らしい。平成になって早々の導入。
市野々・伊野線は専用車でした。とさでん交通では非常に珍しいいすゞ車。
(ただしこれが唯一ではなく、前日に旧県交通色の同型を見かけています.撮り損ねてしまったけれど)
駅前には他に県交北部交通のリエッセも乗り入れてきます。かなり山奥まで入るようだ。
伊野線で朝倉まで戻ります。路肩軌道。一部を除いて、整備状況があまり良くない(この区間は良いが)。
朝倉駅前電停。安全地帯がない。
この後一部途中下車しながら、次は後免町へ。
いきなりになってしまうが、後免線の終点、後免町。駅のようなたたずまいで、こちらは窓口が開いています。またローソンが入っているが、とさでん交通グッズも発売しています。
なので、グッズをいくつか買って見ました。左と真ん中はペーパークラフト。3両ずつ。1セット850円。右はセレガ高速バスデザインの木製パズル。ハガキサイズ、高知のひのきを使っていて、ピースはとさでん交通のマークをかたどっています。500円。他に貸切バスもありました。
(維新号デザイン、またいずれもA4サイズもあるらしいが、ここでは見かけなかった)
一番上の画像は、後免町に並ぶ「ハートラム」と、旧土佐電及び旧県交通のバス。新会社スタート前は、ここを発着するバスは旧土佐電路線だったが、旧県交通の車両も混じるようになっていたようです。前日の土佐山田でも、旧県交通のレインボーⅡを見ました。背後の高架橋はごめん・なはり線。
ごめん・なはり線の後免町は高架駅だが、入口の階段の近くの柱には、やなせたかし先生直筆のメッセージボードが掲げられています。
ハートラムで、清和学園前まで戻ります。一つ手前の一条通との間隔が非常に小さい。公称63mらしいが、もっと短く感じられる(営業キロ0.1㎞)。道路の右側を入ると、名前の学校があります。一条橋からでも…と思ったが、左側の橋を渡らなければならず、通学時の安全上の不安もあったのでしょう。
舟戸付近も複線ながら路肩軌道で、後免町方面は安全地帯がなく、車道上に乗降スペースが設けられているが、道路交通が決して少なくなく(しかもこれを撮った直後、高知駅前観光の幼稚園の団体のバスが数台現れた)、ちょっと危なっかしい。
この後はりまや橋へ向かい、乗り換えて桟橋通へ向かうが、途中いくつかの電停では、ビニール張りの上屋が台風のせいかビリビリに破けていて、そのままになっていた。ちょっとみっともない。
桟橋通三丁目電停に近い、竹島高銀前バス停。旧土佐電と旧県交通のバス停が並んだまま。旧土佐電側のみ使用。旧県交通バス停は撤去されていない。平日の朝晩のみ数本通過。
電車の桟橋車庫。
バスの車庫も隣接してあるが、奥に位置している上に、まわりを高い壁で覆われているので、撮影は不可。
桟橋線の終点、桟橋通五丁目電停。電車は2000形。
はりまや橋の、桟橋線の電停。
維新号が走っていました。
久しぶりに、とさでん交通になってからは初めて電車全線に乗ったが、新会社スタートから3年以上経ったのに、思った以上に変わっていないなあ、というのが正直な印象でした。見た目だけでも、電車もバスももう少し新カラーが多く見られるかと思っていたのに(2000形は新カラーはまだなかった)。電車に関しては、線路もほとんどひなびていて(一部は真新しいコンクリ枕木に置き換えられている区間もあるが)スピードが出せないし、電停も、先に記したとおり、屋根がビリビリに破れてそのまんま、という所が少なくなかった。安全地帯自体がない所もかなりあって危険。電車自体、50~60年以上も使用している車両が大半。未だ冷房がない車両も多い。ハートラムも、本当はもっと増車して、少なくとも伊野・後免町発着の全便や駅前・桟橋線の半数程度がハートラム、という状況を作れると良いのだけれど…。
現状は維持するだけで精一杯、という状況も解るが、どこかで思い切った投資もやって、車両も施設も近代化を図らないと、このままではどのみち利用が先細りして、行き詰まってしまうのではないかとの印象は否めませんでした。特に伊野線・後免線の均一区間外は、下手すると廃線の話も出てくるでしょう。とさでん交通だけの力ではどうにもならない部分も少なくないのも事実だが、行政主導で再編しただけに、もっと行政が前面に出て近代化を推進する事も、必要ではないでしょうか。
デンテツターミナルビル前の、ばいきんまんとドキンちゃんの石像。
「デンテツ」の名前、まだ変えないみたい。
高知は予報通り、曇り空になりました。とにかく後免を後にするまでは晴れてくれたから、良かった。
松山へ向かいます。さすがに鉄道とは行かず(乗換も必要になるから)、JR四国バスの高速バスで行きます。「早割」キャンペーン運賃で、1,500円でした。
高知駅前ターミナルが始発だが、連泊していたホテルに近いはりまや橋から乗ります。出発すると、すぐ先のGSの信号で左折して北上。高知駅から乗ると、相当な大回り、という事になります。
一宮の、高知インター南バスターミナル。といっても発券オフィスと待合所、パークアンドライドの駐車場があるだけで、ここを起終点とする便があるわけではない。しかし、利用は割と多そうだ。
反対側には旧県交通一宮営業所の一宮バスターミナルがあるが、事務所棟を残してあとはほとんど更地、始発便となるバスが数台駐車していました。
高知インターから、高知自動車道に乗ります。
山間部を行く。
高知自動車道は、明神トンネルの中間くらいまでは、ひたすら上り勾配が続く。自動車道としては、結構キツい勾配だったはずだ。
長いトンネルをいくつも抜け、川之江東JCT~川之江JCTを通過して、松山自動車道に乗る頃にはもう真っ暗。
三島川之江ICで一旦降りて、乗降を扱う。全体的には、座席の半分くらいの利用ではなかったか。
このバスはWi-Fiサービスがある。ので、手元のPCでネットを閲覧してみました。明日以降見る、乗る、伊予鉄道のWebサイトです(75%に縮小して、表示させている)。
車内はWi-Fiサービス利用でスマホを眺める人と、寝ている人が半々くらい。
19時前に松山ICを降りる。市中へ向かう国道33号線はノロノロ。せっかく高速道は快調でも、一般道区間が長いと、これが高速バスとしてはウィークポイントになる。
松山は、連泊するホテルに近い大街道で降ります。それでも定刻より5分遅れた程度で済みました。
問題は、客待ちのタクシーの列がバスベイにまで食い込んで、肝心のバスの停車スペースが小さくなってしまう事。このバスも、前の便の出発を待たなければなりませんでした。何とかならないの?
それにしても、松山は大都会だ!思わず目がくらむ感覚を覚えた。同じ四国の県庁所在地なのに、高知とは全然違う、と思いました。
投宿したホテルの部屋で見た天気予報は、好天はほぼ望み薄。少なくとも午前中は、雨を覚悟しなければならない。バスの中のネットで見た、伊予鉄道のバス路線の終点に行ってみようか。また、松山に来たとなれば、道後温泉も行かねばなるまい。新車5000形は、明後日撮れるでしょうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
明日は例年通りなら、来春のJRグループのダイヤ改正についてリリースが出るはずです。3月17日(土)になるでしょうか。JRに関しては、ここまでの間、目玉になるようなニュースが聞こえてきません。三江線の廃止という一大事があるが、おおさか東線延伸や相鉄直通線開業は再来年以降になるし、一方で北海道も、今の所列車や駅の廃止という話は、公には聞きません(1ヶ所駅の廃止があるらしいが)。全体的には静かな改正になるでしょうか。むしろ大手私鉄、特に小田急が注目されます。先月頭にリリースが出ているが、改めて残りの部分(〔あさぎり〕とか)が発表される可能性もあります。明後日土曜日、まとめて書きたいと思います。
なお明日の晩、岡山の事業者新規公開も含め、本体の更新を行ないます。
《今日のニュースから》
13日 携帯充電用バッテリー破裂し出火 メトロ銀座駅
14日 W杯サッカー日本代表 キャンプ地をタタルスタン共和国カザニに決定
№1775 JR北海道 線区データ公開
JR北海道は、昨年11月のローカル線維持問題に関するリリースから1年以上経った今月8日、「単独では維持する事が困難な線区」の利用状況等の情報を公表した「線区ページ」を開設しました。
このデータから、対象となる各線区の利用状況を私なりに分析してみたいと思うが、一部の路線・区間を除くと、JR北海道単独、というより鉄道としてやっていくのは困難なのではないか?と思わせる数字が並んでいました。路線によっては、もはや絶望的、とも。
対象となるのは、去年のリリースで、廃止したいと表明している3線区と、維持はしたいが単独では困難としている8線区、合計11線区+石勝線(夕張支線)と、日高本線(苫小牧~鵡川間)。
公表されるのは、
① 輸送密度の推移
全路線、2016(H28)年度は台風被害のため、9~12月は除いている。単位は人/キロ/日。国鉄時代末期に制定された再建法によるバス転換の基準は4,000だった。
② 定期列車本数の推移
③ 駅別乗車人員 直近5年間の平均で、特定日の調査に基づくもの。
④ 列車別乗車人員 特定日の調査に基づくもの。
⑤ 駅間別乗車人員 特定日の調査に基づくもの。
⑥ 駅間通過人員 切符の発売状況に基づくもの。
⑦ 定期券月平均発売枚数
⑧ 線区別収支状況
⑨ 土木構造物 大規模修繕費用 廃止表明3線区は記されていない。
の9項目。
1.札沼線 北海道医療大学~新十津川 廃止表明
① 2001(H13)年度までは石狩当別~新十津川間を対象。1975(S50)年度でも582。昨年度の64という数字は、バスでも空気輸送になりそうな数字。
② 2011(H23)年度までは民営化時点の本数が維持されていました。
③ 石狩月形・浦臼・新十津川を除くと皆1日10人以下で、浦臼~新十津川間の4駅は1人にもなりません。
④ 北海道医療大学~石狩月形間は、朝夕には通学と思われるまとまった利用が見られるが、それでも30人前後。列車・区間によっては0人もある。
⑤ 北海道医療大学~石狩月形間は200人弱の利用が見られるが、その先は100人を大きく割り込んでいる。札比内、浦臼以外の乗降はほぼない。
⑥ 浦臼~新十津川間は定期客がほぼ存在しない。
⑦ 全体的にも定期券の発売が皆無に近い。浦臼がらみの通学定期が多少見られる程度。
⑧ 収支係数がないが(他の線区も同じ)、昨年度は収入1,500万円・支出3億8,200万円で、支出が収入の25倍強にも上る。施設の維持・修繕費用が1億8,000万円かかって、支出全体の47%を占める。
2.根室本線 富良野~新得 廃止表明
① 昨年度は4~8月の実績(豪雨災害のため)。1975(S50)年は5,878だったが、1981(S56)年10月1日の石勝線開業で特急・急行の通過がほとんどなくなったため、1986(S61)年度の時点で、一気に600台にまで激減。普通列車の利用は、当初からほとんどなかった事が解る。昨年度は154。
② 既に2001(H13)年度に減便が行なわれていた。輸送密度には反映されていない。
③ 中間駅では山部・幾寅である程度利用はあるが、他は10人以下。東鹿越の利用は代行バス乗換と思われる。
④ 通学の利用はあるようだが、それでも50人には満たない。下りは4本中3本は20人台の利用がある。
⑤ 200人に満たない。山部で段差がある。東鹿越~新得間はバス代行のため数字がない。
⑥ 富良野~幾寅間でまとまった定期客の利用がある。それ以降はない。特に落合~新得の十勝峠越えは元々生活圏が異なるから、元々利用は少なかったでしょう。
⑦ 山部絡みの通学定期の発売は多いようだ。
⑧ 昨年度は収入3,500万円・支出9億2,300万円で、支出が収入の26倍強。施設の維持・修繕費用が3億9,600万円。前年度(4億9,500万円)より大幅に減少しているが、一部区間バス代行が続いているためだろう。支出全体の約43%。
3.留萌線 深川~留萌 廃止表明
① 1975(S50)年度は2,245。1980(S55)年度はそれでも1,500強になっているが、5年間で半分以下になった。基本的に微減が続く中、1999(H11)年度は一時403にまで持ち直したが、NHK「すずらん」放映のために違いない。昨年度は188。留萌~増毛間廃止の影響は、あまりないと思われる。
② 民営化以降、この区間の本数は全く変わっていない。
③ 中間駅では秩父別・石狩沼田である程度利用はあるが、他は10人以下で、恵比島~大和田間の3駅は1人にもなりません。
④ 下り4925Dと上り4932Dで、全区間通してまとまった利用が見られる。一方真っ昼間で最高5人の列車があるのは辛い。
⑤ やはり秩父別と石狩沼田で段落ちが見られる。
⑥ 石狩沼田~留萌間は、定期券の利用がほとんど見られない。
⑦ やはり秩父別・石狩沼田絡みの通学定期の発売が多い。
⑧ 昨年度は収入7,600万円・支出7億4,700万円で、支出は収入の10倍弱。ここは「輸送に直接必要な費用」が2億2,900万円と最も多いが、どのような支出なのだろうか。人件費?留萌線の中間駅は全部無人駅、列車もワンマン運転なのだが。施設の維持・修繕費用は2億2300万円で、支出全体の30%。
4.宗谷線 名寄~稚内
① 急行→特急が走っている割には、国鉄時代末期には既に1,000を割る状況だった。1975(S50)年でさえ1,878だったから、元々地元旅客の利用があまり見込めない区間だったか。昨年度は364と、400を割ってしまった。
② 急行(宗谷・天北・礼文・利尻)→特急(スーパー宗谷・サロベツ)を含むが、〔天北〕以外の旧天北線直通は含んでいない。21世紀に入ったあたりから減少傾向にある。
③ 特急停車駅以外は皆10人以下。音威子府~幌延間がかなり悪く、筬島・歌内・糠南・雄信内は乗降が全くありません。
④ 普通列車は、音威子府~幌延間で10人を上回った列車が1本も無い。特急は調査日は全て札幌発着だったが、上下とも午後の〔スーパー宗谷〕が低迷している。
⑤ 利用のほとんどが特急。
⑥ 音威子府~問寒別間は定期客がいない。
⑦ それらは、定期券の発売状況にも如実に表れている。名寄~美深・幌延~南稚内の通学定期の発売が比較的多い。
⑧ 昨年度は収入4億4,900万円・支出31億2,100万円で、支出が収入の7倍。施設の維持・修繕費用が11億2,900万円で、支出全体の36%。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁222ヶ所の内、100年以上が22ヶ所、全体の1割ある。トンネルは1ヶ所しかないんだ。大規模修繕・更新には今後20年間で23億円、車両の更新には全21両(特急の261系も含むのか?)で、58億円を見込んでいます(特急8両×4億円=32億円、普通13両×2億円=26億円?)。
(普通列車用は、開発が発表になったEV。SLや観光列車は含まない。他の線区も同じ)
5.根室線 釧路~根室
① 1975(S50)年度は1,879。民営化の時点で1,000程度、21世紀に入る直前あたりから400台で推移している。昨年度は457。
② 釧路~厚岸間は、20世紀末まではむしろ微増でした。
③ だから釧路~厚岸間はまだ良い方なのかと思うが、そこから先は主要駅でも10人強程度で、霧多布へ行くバス路線がある(現在は平日だけだが)浜中でさえ10人を切っている。東根室がやや多いが、「日本最東端の駅」なので、旅行者の乗り降りが多いのかも知れません。
④ 上り5622Dはかなり利用があるが、5633Dの厚岸→根室が1人とは、まだ夕方という時間としては辛い…。
⑤ やはり厚岸でガクンと利用が落ちる。
⑥ 特急は走っていないが、根室へ通じているからか、定期外客が比較的多い。厚岸より先の途中駅の増減がほとんどないし。定期客は、浜中~厚床間はほとんどいない。
⑦ 釧路~厚岸間と、落石~根室間の通学定期が目立つ。東根室は定期客がいない。
⑧ 昨年度は収入2億3,500万円・支出12億7,300万円で、支出が収入の5.4倍。施設の維持・修繕費用4億5,500万円は、支出全体の約35%。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁107ヶ所の内、80年以上が92ヶ所、全体の1割ある。トンネル3ヶ所は全て100年以上。大規模修繕・更新には今後20年間で30億円、車両の更新には6両で12億円を見込んでいます。
6.根室線 滝川~富良野
① 1975(S50)年度は8,808もあった。富良野~新得間と同じく、石勝線開業で特急・急行の通過がなくなり、1986(S61)年度の時点で、800台にまで落ちている。昨年度は432。
② 昨年の改正で減便が行なわれるまで、民営化以降本数の変化はありませんでした。
③ 他線区に比べるとまだ良い。赤平と芦別は100人を上回り、10人以下は東滝川・野花南しかない。
④ ただ、芦別~富良野間は各列車とも利用が少なくなり、20人を越える列車が上り2422Dしかない。富良野からは、富良野線からの入り込みがあって、東鹿越方向はやや増える。
⑤ 芦別~富良野間は、滝川~芦別間の半分以下。
⑥ ここも富良野に通じているからか、定期外客が比較的多くなっている。芦別から先の定期客は、芦別までの1/3以下。
⑦ 滝川~赤平・芦別間の通学定期の発売は多い。野花南絡みの定期券の発売はない。
⑧ 昨年度は収入1億1500万円・支出13億9,000万円で、支出が収入の12倍。施設の維持・修繕費用5億7,100万円は支出全体の41%。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁70ヶ所の内、39ヶ所が100年以上。一方で25ヶ所は60年未満。トンネル2ヶ所はどちらも60年未満。野花南~島ノ下間は滝里ダム建設に伴って1991(H3)年10月にルートを変更していて、トンネル2ヶ所はこの区間にあります。この事もあるのか、大規模修繕・更新は今後20年間で11億円と、比較的少ないかも。車両の更新には7両で14億円。
7.室蘭線 沼ノ端~岩見沢
① 1975(S50)年の時点では2,508。これでも少ないが、当時は石炭輸送が残っていたから、貨物でやって行けたのだろう。平成に入った頃はまだ1500程度をキープしていたが、21世紀に入る頃には大幅な減少になり、昨年度は477と、500を割りました。
② 追分より南で平成初期に若干減便があったが、全体的には昨年の改正の減便まで、本数はキープされていました。
③ 全部の駅で10人を越えている(一番少ない東山で10.2人)。追分(大半は石勝線のはず)の他、栗山と早来の利用が100人を上回っています。
④ 沼ノ端(苫小牧)・岩見沢口の利用はかなりある。1463Dは最大で200人に近い。一方で深夜の列車は1~5人とほぼ無人。
⑤ 中間の早来~栗山間は、両端と比べてガクンと落ちる。
⑥ 駅間通過人員も同じ傾向。定期外客は、区間による差は小さい。
⑦ 通学定期の発売も、苫小牧~早来、栗山・栗沢~岩見沢の発売に集中しています。
⑧ 昨年度は収入1億2200万円・支出13億9000万円で、支出が収入の11倍強。施設の維持・修繕費用5億4200万円は、支出全体の39%。
⑨ 開業は非常に古いが、土木構造物の概況は、橋梁48ヶ所中40ヶ所が60年未満。トンネルは60年未満の1ヶ所だけ。理由は解らない。60年位前はまだ石炭輸送があったので、そのために改修を行なったのだろうか。大規模修繕・更新は今後20年間で7億円と、比較的少なく見込んでいます。車両は10両で20億円。
8.釧網線 東釧路~網走
① 1975(S50)年の時点では1,817。民営化の時点からしばらくは800台をなんとかキープしていたが、20世紀後半から減少傾向は強まり、以降400台が続く。2015(H27)年度は一時513と増えたが、理由が思い浮かばない。昨年度は463。
② 山越え区間の川湯温泉~緑間は、むしろ本数はわずかながら増加傾向にあります。他の区間は減ってきているから、区間による本数の差は小さくなっています。
③ 桂台がかなり多いのが目を惹く。網走駅より網走市の中心が近いし、高校もあるためだろう。標茶・知床斜里が100を越えている。意外に釧路~標茶間がかなり少なく、細岡はほぼ皆無。湿原に近い区間だからか。
④ それでも東釧路(釧路)~摩周、知床斜里~網走の通学時間帯の利用は少なくない。中間も意外に多いとは思ったが、摩周→川湯温泉方向の利用が、逆方向より多い。なぜだろう。
⑤ 釧路口・網走口の利用が多く、中間が非常に少ないのは予想通り。網走口は桂台でかなり大きな段差があり、1/3近くまで減る。
⑥ 定期外客は、塘路で大きな段差がある。全体の1日の乗降が10人に満たない駅で、乗降のほぼ全てが湿原観光と考えられる。川湯温泉~札弦間は、定期客がいない。
⑦ 通学定期は、釧路~標茶、清里町及び知床斜里~桂台間の発売が多い。
⑧ 昨年度は収入3億0600万円・支出18億0200万円で、支出が収入の6倍弱。ここは「輸送に直接必要な費用」が5億1400万円と一番多い。観光の定期外輸送が多いからか。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁136ヶ所の内90ヶ所が80年以上、トンネル3ヶ所はいずれも80年以上。大規模修繕・更新は今後20年間で33億円、車両の更新には8両で16億円。
9.日高線 苫小牧~鵡川
① 2015(H27)年度は線路被害のため算出していない。1975(S50)年の時点では3,777だが、以降民営化の時点まで急落(鵡川で分岐していた富内線の廃線(1986(S61)年)も影響しているだろう)。民営化以降20世紀の間は1,000台で上下を繰り返すが、以降は右肩下がり。昨年度は462で、2年前の589から大幅に減少しました。鵡川以遠が不通になった事もあるだろう。
② 基本的には、昨年の改正の減便までは、運行本数がキープされていました。
③ 浜田浦が1.2人と少ない。鵡川が多く、全区間通しの利用者が大半か。
④ 朝方の2224Dで200人近い利用がある。夕方の2237Dも100人以上。一方で日中でも終始一桁の列車もあり、差が大きい。
⑤ 駅による段差が小さい。
⑥ 圧倒的に定期利用が多い。定期・定期外とも勇払の利用が多いようだ。
⑦ 浜田浦絡みの定期券の発売がない。
⑧ 昨年度は収入2,500万円・支出4億4, 600万円で、支出が収入の18倍弱、廃止表明以外の8線区では一番大きい。施設の維持・修繕費用は1億6000万円、支出全体の34%。「輸送に直接必要な費用」も1億2900万円と、比較的多い。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁が9ヶ所あって、5ヶ所が80年以上。トンネルはない。大規模修繕・更新は今後20年間で3億円、車両の更新には5両で10億円。
10.石北線 新旭川~網走
① 1975(S50)年の時点では4,367だったが、1985(S60)年には2,528と10年で激減、この数字だけなら特定地方交通線並みになってしまっていた。昨年度は980で、台風で不通になっていた事もあるが、ついに1,000を割り込んでしまいました。
② 新旭川(旭川)~上川間と北見近辺は比較的本数が多い。
③ 駅の廃止が繰り返された結果、極端に乗降が少ない駅は少なくなった。唯一、生野が1人を切っている。
④ 普通列車では、やはり新旭川(旭川)~上川間と北見近辺で、通学時間帯を中心にまとまった利用が見られる。列車によっては、終始一桁もあるが。特別快速〔きたみ〕は、上下とも終始20人以下と、ちょっとまずい数字だと思う。特急は北見で大幅に利用が減る。
⑤ この数字も、ここまでのデータを裏付けている。普通列車では、北見近辺では高校が近くにある愛し野で大きな段差がある。上川~白滝間の利用はほとんど全てが〔きたみ〕だろう。特急は北見で半分以下に減ってしまう。
⑥ 定期客はやはり愛し野で大きな差が生まれる。上川~白滝間の定期客は存在しない(当たり前か)。
⑦ 旭川~当麻間は通学だけでなく、通勤定期の発売も比較的多くなっている。
⑧ 昨年度は収入13億5,100円・支出52億5,100万円で、支出が収入の4倍弱。施設の維持・修繕費用は15億3,600円で、支出全体の約3割。「輸送に直接必要な費用」も13億3,400万円かかっているが、長距離で、特急が走っているからか。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁249ヶ所中、80年以上が169ヶ所あって、全体の67%。トンネルは6ヶ所(意外に少ない)中5ヶ所が80年を越えている(60年未満の1ヶ所は、北見市内の地下線か)。大規模修繕・更新は今後20年で57億円、車両の更新には47両(特急含む)で114億円。
11.富良野線 富良野~旭川
① 1975(S50)年の時点では3,587、民営化の前後では2,000で推移していた。1994(H6)年度に2,000を割り、しばらくは減少傾向だったが、この路線の場合は2004(H16)年の1,282を底として、上昇傾向に転じているのが目を惹く。昨年度は1,545と、1500台を回復した。
② 富良野~美瑛間は、むしろ微増傾向。
③ 極端に少ない駅は少ない。10人を切っているのは、富良野の手前の鹿討・学田のみ。中間で100人を越える駅が6つある。
④ 朝夕の利用は非常に多い。旭川側はもちろん、富良野側でもまとまった利用が見られる。
⑤ 美瑛を境にして、富良野側は旭川側の半分程度。
⑥ 富良野、ラベンダー畑があるので、定期外客も比較的多い。
⑦ 全線に渡って、通勤定期の発売も多い。通学定期は、大学が近い西御料、高校がある上富良野がらみの発売が多い。
⑧ 昨年度は収入3億6,200万円、支出13億8,000万円、支出が収入の4倍弱で、今回発表の11線区では一番小さくなった。ここでは施設の維持・修繕費用は2億8,500万円、支出全体の20%と高くはない。「輸送に直接必要な費用」が4億5,400万円、33%と高い。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁46ヶ所中18ヶ所が80年以上、一方で60年以上が27ヶ所あるが、何だろう。全線が開業100年以上経ち、ルート変更もないが(旭川付近で連続立体交差工事が行なわれたが、富良野線に関しては大規模なものではない)。トンネルはない。従って、大規模修繕・更新は今後20年で4億円と少ない。車両は12両で24億円。
以上、本当に簡単ながら、各線区のデータを、私なりに分析してみました。
当然、線区によってロケーションが違うから単純な比較はできないが、それでもある程度の共通項を強引にでも探すのならば、
1.20~21世紀の変わり目付近で減少傾向が強まる路線が多い
2.定期客の大半は通学
3.施設の維持・修繕費用がだいたい支出の40%以上
というのが上げられると思います。
JR北海道は見直しの理由の一つに「施設の今後の修繕・更新費用が多大」を上げているが、廃止表明以外の8線区以外の合計は168億円になります。これがJR北海道にとってどの程度の負担になるのかは想像が難しいが、橋梁・トンネルで80~100年以上経つものが相当数あり、かなりかかるのは間違いない。乗客が多かろうと少なかろうと、安全を守ろうとするなら費用はケチれない。施設の問題は何もJR北海道に限らない事で、東急も現在、旧新玉川線区間の地下線のトラブルが関わる大規模な輸送障害が連続して発生し、問題になってきています(東急は今月中に調査結果を発表するとしている)。問題は、支出に対する収入があまりにも少ない事で、特に札沼線は支出が収入の25倍に上るのは、異常とさえ言えると思います。
また、路線の大半は通学定期が収入の大半を支えていると思われるが、今後も少子化が進むのであれば、当然通学利用も減少するわけで、この点も懸念材料になるでしょう。
30年前の特定地方交通線の論議の時、「線名によって画一的に判断されている」という批判がありました。
(例えば、砂川から分岐していた路線で、歌志内線は特定地方交通線に指定されたが、上砂川へ行く路線は函館本線の支線だったため、対象から除外された。1992(H4)年には廃止になるが)。
しかし、今回データを眺めてみると、もし線名にこだわらず区間毎に厳密に精査したら、実はもっと早い時期に路線網が維持できなくなっていた事もはっきりしました。JRだから何とか持っていたとも言えます。普通の私鉄だったら、10~20年前には廃止になっていた路線がほとんどでしょう。
ヨソ者があまりああだこうだとも言いがたいが、今回のデータを見ると、通勤・通学に観光の利用も多く、支出に対する収入の割合がまあある富良野線は維持、他の路線も、旭川・釧路・北見近辺の短区間なら何とかなるかも知れない。しかし、廃止表明3線、特に札沼線は、もはや鉄道として維持するのは無理だと言わざるを得ません。
今後、このデータをたたき台にして、JRと沿線自治体、北海道の話し合いが続く事になります。沿線自治体の反発は強く、未だ全部の路線で結論が出ていないが、時間があまりないと思います。このまま引き延ばすと、JRも、自治体も、道も、共倒れに終わる危険があります。なんとかできるだけ早い内に、皆が納得できるような(…そうはならないのだろうけれど)結論が出される事が望まれます。まだまだ書き足りない事は多いけれど、私も今後も北海道の鉄道の行方には、注目していきます。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
次回は岡山・高知・松山旅行に戻る予定。とさでん交通です。
昨日、新幹線N700系で走行中に異音・異臭が発生して名古屋で運行を打ち切り、後に台車枠に亀裂が見つかったとの事で、事故調査委員会がインシデントとして調査を開始しました。新幹線では初だとのこと。台車枠の亀裂とは、正直かなりショックです。全新幹線に関わる事です。徹底的な調査を望みます。
《今日のニュースから》
10日 旧女川交番 「震災遺構」として保存 現地で説明会
11日 NYマンハッタンで爆弾テロ 4人負傷
12日 増税対象は年収850万円超 与党税制協議会で合意
このデータから、対象となる各線区の利用状況を私なりに分析してみたいと思うが、一部の路線・区間を除くと、JR北海道単独、というより鉄道としてやっていくのは困難なのではないか?と思わせる数字が並んでいました。路線によっては、もはや絶望的、とも。
対象となるのは、去年のリリースで、廃止したいと表明している3線区と、維持はしたいが単独では困難としている8線区、合計11線区+石勝線(夕張支線)と、日高本線(苫小牧~鵡川間)。
公表されるのは、
① 輸送密度の推移
全路線、2016(H28)年度は台風被害のため、9~12月は除いている。単位は人/キロ/日。国鉄時代末期に制定された再建法によるバス転換の基準は4,000だった。
② 定期列車本数の推移
③ 駅別乗車人員 直近5年間の平均で、特定日の調査に基づくもの。
④ 列車別乗車人員 特定日の調査に基づくもの。
⑤ 駅間別乗車人員 特定日の調査に基づくもの。
⑥ 駅間通過人員 切符の発売状況に基づくもの。
⑦ 定期券月平均発売枚数
⑧ 線区別収支状況
⑨ 土木構造物 大規模修繕費用 廃止表明3線区は記されていない。
の9項目。
1.札沼線 北海道医療大学~新十津川 廃止表明
① 2001(H13)年度までは石狩当別~新十津川間を対象。1975(S50)年度でも582。昨年度の64という数字は、バスでも空気輸送になりそうな数字。
② 2011(H23)年度までは民営化時点の本数が維持されていました。
③ 石狩月形・浦臼・新十津川を除くと皆1日10人以下で、浦臼~新十津川間の4駅は1人にもなりません。
④ 北海道医療大学~石狩月形間は、朝夕には通学と思われるまとまった利用が見られるが、それでも30人前後。列車・区間によっては0人もある。
⑤ 北海道医療大学~石狩月形間は200人弱の利用が見られるが、その先は100人を大きく割り込んでいる。札比内、浦臼以外の乗降はほぼない。
⑥ 浦臼~新十津川間は定期客がほぼ存在しない。
⑦ 全体的にも定期券の発売が皆無に近い。浦臼がらみの通学定期が多少見られる程度。
⑧ 収支係数がないが(他の線区も同じ)、昨年度は収入1,500万円・支出3億8,200万円で、支出が収入の25倍強にも上る。施設の維持・修繕費用が1億8,000万円かかって、支出全体の47%を占める。
2.根室本線 富良野~新得 廃止表明
① 昨年度は4~8月の実績(豪雨災害のため)。1975(S50)年は5,878だったが、1981(S56)年10月1日の石勝線開業で特急・急行の通過がほとんどなくなったため、1986(S61)年度の時点で、一気に600台にまで激減。普通列車の利用は、当初からほとんどなかった事が解る。昨年度は154。
② 既に2001(H13)年度に減便が行なわれていた。輸送密度には反映されていない。
③ 中間駅では山部・幾寅である程度利用はあるが、他は10人以下。東鹿越の利用は代行バス乗換と思われる。
④ 通学の利用はあるようだが、それでも50人には満たない。下りは4本中3本は20人台の利用がある。
⑤ 200人に満たない。山部で段差がある。東鹿越~新得間はバス代行のため数字がない。
⑥ 富良野~幾寅間でまとまった定期客の利用がある。それ以降はない。特に落合~新得の十勝峠越えは元々生活圏が異なるから、元々利用は少なかったでしょう。
⑦ 山部絡みの通学定期の発売は多いようだ。
⑧ 昨年度は収入3,500万円・支出9億2,300万円で、支出が収入の26倍強。施設の維持・修繕費用が3億9,600万円。前年度(4億9,500万円)より大幅に減少しているが、一部区間バス代行が続いているためだろう。支出全体の約43%。
3.留萌線 深川~留萌 廃止表明
① 1975(S50)年度は2,245。1980(S55)年度はそれでも1,500強になっているが、5年間で半分以下になった。基本的に微減が続く中、1999(H11)年度は一時403にまで持ち直したが、NHK「すずらん」放映のために違いない。昨年度は188。留萌~増毛間廃止の影響は、あまりないと思われる。
② 民営化以降、この区間の本数は全く変わっていない。
③ 中間駅では秩父別・石狩沼田である程度利用はあるが、他は10人以下で、恵比島~大和田間の3駅は1人にもなりません。
④ 下り4925Dと上り4932Dで、全区間通してまとまった利用が見られる。一方真っ昼間で最高5人の列車があるのは辛い。
⑤ やはり秩父別と石狩沼田で段落ちが見られる。
⑥ 石狩沼田~留萌間は、定期券の利用がほとんど見られない。
⑦ やはり秩父別・石狩沼田絡みの通学定期の発売が多い。
⑧ 昨年度は収入7,600万円・支出7億4,700万円で、支出は収入の10倍弱。ここは「輸送に直接必要な費用」が2億2,900万円と最も多いが、どのような支出なのだろうか。人件費?留萌線の中間駅は全部無人駅、列車もワンマン運転なのだが。施設の維持・修繕費用は2億2300万円で、支出全体の30%。
4.宗谷線 名寄~稚内
① 急行→特急が走っている割には、国鉄時代末期には既に1,000を割る状況だった。1975(S50)年でさえ1,878だったから、元々地元旅客の利用があまり見込めない区間だったか。昨年度は364と、400を割ってしまった。
② 急行(宗谷・天北・礼文・利尻)→特急(スーパー宗谷・サロベツ)を含むが、〔天北〕以外の旧天北線直通は含んでいない。21世紀に入ったあたりから減少傾向にある。
③ 特急停車駅以外は皆10人以下。音威子府~幌延間がかなり悪く、筬島・歌内・糠南・雄信内は乗降が全くありません。
④ 普通列車は、音威子府~幌延間で10人を上回った列車が1本も無い。特急は調査日は全て札幌発着だったが、上下とも午後の〔スーパー宗谷〕が低迷している。
⑤ 利用のほとんどが特急。
⑥ 音威子府~問寒別間は定期客がいない。
⑦ それらは、定期券の発売状況にも如実に表れている。名寄~美深・幌延~南稚内の通学定期の発売が比較的多い。
⑧ 昨年度は収入4億4,900万円・支出31億2,100万円で、支出が収入の7倍。施設の維持・修繕費用が11億2,900万円で、支出全体の36%。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁222ヶ所の内、100年以上が22ヶ所、全体の1割ある。トンネルは1ヶ所しかないんだ。大規模修繕・更新には今後20年間で23億円、車両の更新には全21両(特急の261系も含むのか?)で、58億円を見込んでいます(特急8両×4億円=32億円、普通13両×2億円=26億円?)。
(普通列車用は、開発が発表になったEV。SLや観光列車は含まない。他の線区も同じ)
5.根室線 釧路~根室
① 1975(S50)年度は1,879。民営化の時点で1,000程度、21世紀に入る直前あたりから400台で推移している。昨年度は457。
② 釧路~厚岸間は、20世紀末まではむしろ微増でした。
③ だから釧路~厚岸間はまだ良い方なのかと思うが、そこから先は主要駅でも10人強程度で、霧多布へ行くバス路線がある(現在は平日だけだが)浜中でさえ10人を切っている。東根室がやや多いが、「日本最東端の駅」なので、旅行者の乗り降りが多いのかも知れません。
④ 上り5622Dはかなり利用があるが、5633Dの厚岸→根室が1人とは、まだ夕方という時間としては辛い…。
⑤ やはり厚岸でガクンと利用が落ちる。
⑥ 特急は走っていないが、根室へ通じているからか、定期外客が比較的多い。厚岸より先の途中駅の増減がほとんどないし。定期客は、浜中~厚床間はほとんどいない。
⑦ 釧路~厚岸間と、落石~根室間の通学定期が目立つ。東根室は定期客がいない。
⑧ 昨年度は収入2億3,500万円・支出12億7,300万円で、支出が収入の5.4倍。施設の維持・修繕費用4億5,500万円は、支出全体の約35%。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁107ヶ所の内、80年以上が92ヶ所、全体の1割ある。トンネル3ヶ所は全て100年以上。大規模修繕・更新には今後20年間で30億円、車両の更新には6両で12億円を見込んでいます。
6.根室線 滝川~富良野
① 1975(S50)年度は8,808もあった。富良野~新得間と同じく、石勝線開業で特急・急行の通過がなくなり、1986(S61)年度の時点で、800台にまで落ちている。昨年度は432。
② 昨年の改正で減便が行なわれるまで、民営化以降本数の変化はありませんでした。
③ 他線区に比べるとまだ良い。赤平と芦別は100人を上回り、10人以下は東滝川・野花南しかない。
④ ただ、芦別~富良野間は各列車とも利用が少なくなり、20人を越える列車が上り2422Dしかない。富良野からは、富良野線からの入り込みがあって、東鹿越方向はやや増える。
⑤ 芦別~富良野間は、滝川~芦別間の半分以下。
⑥ ここも富良野に通じているからか、定期外客が比較的多くなっている。芦別から先の定期客は、芦別までの1/3以下。
⑦ 滝川~赤平・芦別間の通学定期の発売は多い。野花南絡みの定期券の発売はない。
⑧ 昨年度は収入1億1500万円・支出13億9,000万円で、支出が収入の12倍。施設の維持・修繕費用5億7,100万円は支出全体の41%。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁70ヶ所の内、39ヶ所が100年以上。一方で25ヶ所は60年未満。トンネル2ヶ所はどちらも60年未満。野花南~島ノ下間は滝里ダム建設に伴って1991(H3)年10月にルートを変更していて、トンネル2ヶ所はこの区間にあります。この事もあるのか、大規模修繕・更新は今後20年間で11億円と、比較的少ないかも。車両の更新には7両で14億円。
7.室蘭線 沼ノ端~岩見沢
① 1975(S50)年の時点では2,508。これでも少ないが、当時は石炭輸送が残っていたから、貨物でやって行けたのだろう。平成に入った頃はまだ1500程度をキープしていたが、21世紀に入る頃には大幅な減少になり、昨年度は477と、500を割りました。
② 追分より南で平成初期に若干減便があったが、全体的には昨年の改正の減便まで、本数はキープされていました。
③ 全部の駅で10人を越えている(一番少ない東山で10.2人)。追分(大半は石勝線のはず)の他、栗山と早来の利用が100人を上回っています。
④ 沼ノ端(苫小牧)・岩見沢口の利用はかなりある。1463Dは最大で200人に近い。一方で深夜の列車は1~5人とほぼ無人。
⑤ 中間の早来~栗山間は、両端と比べてガクンと落ちる。
⑥ 駅間通過人員も同じ傾向。定期外客は、区間による差は小さい。
⑦ 通学定期の発売も、苫小牧~早来、栗山・栗沢~岩見沢の発売に集中しています。
⑧ 昨年度は収入1億2200万円・支出13億9000万円で、支出が収入の11倍強。施設の維持・修繕費用5億4200万円は、支出全体の39%。
⑨ 開業は非常に古いが、土木構造物の概況は、橋梁48ヶ所中40ヶ所が60年未満。トンネルは60年未満の1ヶ所だけ。理由は解らない。60年位前はまだ石炭輸送があったので、そのために改修を行なったのだろうか。大規模修繕・更新は今後20年間で7億円と、比較的少なく見込んでいます。車両は10両で20億円。
8.釧網線 東釧路~網走
① 1975(S50)年の時点では1,817。民営化の時点からしばらくは800台をなんとかキープしていたが、20世紀後半から減少傾向は強まり、以降400台が続く。2015(H27)年度は一時513と増えたが、理由が思い浮かばない。昨年度は463。
② 山越え区間の川湯温泉~緑間は、むしろ本数はわずかながら増加傾向にあります。他の区間は減ってきているから、区間による本数の差は小さくなっています。
③ 桂台がかなり多いのが目を惹く。網走駅より網走市の中心が近いし、高校もあるためだろう。標茶・知床斜里が100を越えている。意外に釧路~標茶間がかなり少なく、細岡はほぼ皆無。湿原に近い区間だからか。
④ それでも東釧路(釧路)~摩周、知床斜里~網走の通学時間帯の利用は少なくない。中間も意外に多いとは思ったが、摩周→川湯温泉方向の利用が、逆方向より多い。なぜだろう。
⑤ 釧路口・網走口の利用が多く、中間が非常に少ないのは予想通り。網走口は桂台でかなり大きな段差があり、1/3近くまで減る。
⑥ 定期外客は、塘路で大きな段差がある。全体の1日の乗降が10人に満たない駅で、乗降のほぼ全てが湿原観光と考えられる。川湯温泉~札弦間は、定期客がいない。
⑦ 通学定期は、釧路~標茶、清里町及び知床斜里~桂台間の発売が多い。
⑧ 昨年度は収入3億0600万円・支出18億0200万円で、支出が収入の6倍弱。ここは「輸送に直接必要な費用」が5億1400万円と一番多い。観光の定期外輸送が多いからか。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁136ヶ所の内90ヶ所が80年以上、トンネル3ヶ所はいずれも80年以上。大規模修繕・更新は今後20年間で33億円、車両の更新には8両で16億円。
9.日高線 苫小牧~鵡川
① 2015(H27)年度は線路被害のため算出していない。1975(S50)年の時点では3,777だが、以降民営化の時点まで急落(鵡川で分岐していた富内線の廃線(1986(S61)年)も影響しているだろう)。民営化以降20世紀の間は1,000台で上下を繰り返すが、以降は右肩下がり。昨年度は462で、2年前の589から大幅に減少しました。鵡川以遠が不通になった事もあるだろう。
② 基本的には、昨年の改正の減便までは、運行本数がキープされていました。
③ 浜田浦が1.2人と少ない。鵡川が多く、全区間通しの利用者が大半か。
④ 朝方の2224Dで200人近い利用がある。夕方の2237Dも100人以上。一方で日中でも終始一桁の列車もあり、差が大きい。
⑤ 駅による段差が小さい。
⑥ 圧倒的に定期利用が多い。定期・定期外とも勇払の利用が多いようだ。
⑦ 浜田浦絡みの定期券の発売がない。
⑧ 昨年度は収入2,500万円・支出4億4, 600万円で、支出が収入の18倍弱、廃止表明以外の8線区では一番大きい。施設の維持・修繕費用は1億6000万円、支出全体の34%。「輸送に直接必要な費用」も1億2900万円と、比較的多い。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁が9ヶ所あって、5ヶ所が80年以上。トンネルはない。大規模修繕・更新は今後20年間で3億円、車両の更新には5両で10億円。
10.石北線 新旭川~網走
① 1975(S50)年の時点では4,367だったが、1985(S60)年には2,528と10年で激減、この数字だけなら特定地方交通線並みになってしまっていた。昨年度は980で、台風で不通になっていた事もあるが、ついに1,000を割り込んでしまいました。
② 新旭川(旭川)~上川間と北見近辺は比較的本数が多い。
③ 駅の廃止が繰り返された結果、極端に乗降が少ない駅は少なくなった。唯一、生野が1人を切っている。
④ 普通列車では、やはり新旭川(旭川)~上川間と北見近辺で、通学時間帯を中心にまとまった利用が見られる。列車によっては、終始一桁もあるが。特別快速〔きたみ〕は、上下とも終始20人以下と、ちょっとまずい数字だと思う。特急は北見で大幅に利用が減る。
⑤ この数字も、ここまでのデータを裏付けている。普通列車では、北見近辺では高校が近くにある愛し野で大きな段差がある。上川~白滝間の利用はほとんど全てが〔きたみ〕だろう。特急は北見で半分以下に減ってしまう。
⑥ 定期客はやはり愛し野で大きな差が生まれる。上川~白滝間の定期客は存在しない(当たり前か)。
⑦ 旭川~当麻間は通学だけでなく、通勤定期の発売も比較的多くなっている。
⑧ 昨年度は収入13億5,100円・支出52億5,100万円で、支出が収入の4倍弱。施設の維持・修繕費用は15億3,600円で、支出全体の約3割。「輸送に直接必要な費用」も13億3,400万円かかっているが、長距離で、特急が走っているからか。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁249ヶ所中、80年以上が169ヶ所あって、全体の67%。トンネルは6ヶ所(意外に少ない)中5ヶ所が80年を越えている(60年未満の1ヶ所は、北見市内の地下線か)。大規模修繕・更新は今後20年で57億円、車両の更新には47両(特急含む)で114億円。
11.富良野線 富良野~旭川
① 1975(S50)年の時点では3,587、民営化の前後では2,000で推移していた。1994(H6)年度に2,000を割り、しばらくは減少傾向だったが、この路線の場合は2004(H16)年の1,282を底として、上昇傾向に転じているのが目を惹く。昨年度は1,545と、1500台を回復した。
② 富良野~美瑛間は、むしろ微増傾向。
③ 極端に少ない駅は少ない。10人を切っているのは、富良野の手前の鹿討・学田のみ。中間で100人を越える駅が6つある。
④ 朝夕の利用は非常に多い。旭川側はもちろん、富良野側でもまとまった利用が見られる。
⑤ 美瑛を境にして、富良野側は旭川側の半分程度。
⑥ 富良野、ラベンダー畑があるので、定期外客も比較的多い。
⑦ 全線に渡って、通勤定期の発売も多い。通学定期は、大学が近い西御料、高校がある上富良野がらみの発売が多い。
⑧ 昨年度は収入3億6,200万円、支出13億8,000万円、支出が収入の4倍弱で、今回発表の11線区では一番小さくなった。ここでは施設の維持・修繕費用は2億8,500万円、支出全体の20%と高くはない。「輸送に直接必要な費用」が4億5,400万円、33%と高い。
⑨ 土木構造物の概況は、橋梁46ヶ所中18ヶ所が80年以上、一方で60年以上が27ヶ所あるが、何だろう。全線が開業100年以上経ち、ルート変更もないが(旭川付近で連続立体交差工事が行なわれたが、富良野線に関しては大規模なものではない)。トンネルはない。従って、大規模修繕・更新は今後20年で4億円と少ない。車両は12両で24億円。
以上、本当に簡単ながら、各線区のデータを、私なりに分析してみました。
当然、線区によってロケーションが違うから単純な比較はできないが、それでもある程度の共通項を強引にでも探すのならば、
1.20~21世紀の変わり目付近で減少傾向が強まる路線が多い
2.定期客の大半は通学
3.施設の維持・修繕費用がだいたい支出の40%以上
というのが上げられると思います。
JR北海道は見直しの理由の一つに「施設の今後の修繕・更新費用が多大」を上げているが、廃止表明以外の8線区以外の合計は168億円になります。これがJR北海道にとってどの程度の負担になるのかは想像が難しいが、橋梁・トンネルで80~100年以上経つものが相当数あり、かなりかかるのは間違いない。乗客が多かろうと少なかろうと、安全を守ろうとするなら費用はケチれない。施設の問題は何もJR北海道に限らない事で、東急も現在、旧新玉川線区間の地下線のトラブルが関わる大規模な輸送障害が連続して発生し、問題になってきています(東急は今月中に調査結果を発表するとしている)。問題は、支出に対する収入があまりにも少ない事で、特に札沼線は支出が収入の25倍に上るのは、異常とさえ言えると思います。
また、路線の大半は通学定期が収入の大半を支えていると思われるが、今後も少子化が進むのであれば、当然通学利用も減少するわけで、この点も懸念材料になるでしょう。
30年前の特定地方交通線の論議の時、「線名によって画一的に判断されている」という批判がありました。
(例えば、砂川から分岐していた路線で、歌志内線は特定地方交通線に指定されたが、上砂川へ行く路線は函館本線の支線だったため、対象から除外された。1992(H4)年には廃止になるが)。
しかし、今回データを眺めてみると、もし線名にこだわらず区間毎に厳密に精査したら、実はもっと早い時期に路線網が維持できなくなっていた事もはっきりしました。JRだから何とか持っていたとも言えます。普通の私鉄だったら、10~20年前には廃止になっていた路線がほとんどでしょう。
ヨソ者があまりああだこうだとも言いがたいが、今回のデータを見ると、通勤・通学に観光の利用も多く、支出に対する収入の割合がまあある富良野線は維持、他の路線も、旭川・釧路・北見近辺の短区間なら何とかなるかも知れない。しかし、廃止表明3線、特に札沼線は、もはや鉄道として維持するのは無理だと言わざるを得ません。
今後、このデータをたたき台にして、JRと沿線自治体、北海道の話し合いが続く事になります。沿線自治体の反発は強く、未だ全部の路線で結論が出ていないが、時間があまりないと思います。このまま引き延ばすと、JRも、自治体も、道も、共倒れに終わる危険があります。なんとかできるだけ早い内に、皆が納得できるような(…そうはならないのだろうけれど)結論が出される事が望まれます。まだまだ書き足りない事は多いけれど、私も今後も北海道の鉄道の行方には、注目していきます。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
次回は岡山・高知・松山旅行に戻る予定。とさでん交通です。
昨日、新幹線N700系で走行中に異音・異臭が発生して名古屋で運行を打ち切り、後に台車枠に亀裂が見つかったとの事で、事故調査委員会がインシデントとして調査を開始しました。新幹線では初だとのこと。台車枠の亀裂とは、正直かなりショックです。全新幹線に関わる事です。徹底的な調査を望みます。
《今日のニュースから》
10日 旧女川交番 「震災遺構」として保存 現地で説明会
11日 NYマンハッタンで爆弾テロ 4人負傷
12日 増税対象は年収850万円超 与党税制協議会で合意